愛しのフレブルとの距離を縮める「カーミングシグナル」
大切な家族とはいえ、言葉が通じないフレブルと私たち。我が子の気持ちがわかればいいのに……と思ったことがある人もきっと多いでしょう。
そんなときに知っておきたいのが「カーミングシグナル」です。気持ちを表すしぐさ、サインの一種なのですが、普段よく見る行動が、場合によっては実はストレスを感じていることを表していることもあります。
基本的なカーミングシグナルを把握して、もっと愛ブヒとの関係性を深めていきませんか?
目次
カーミングシグナルとは?
カーミングシグナルとは、Calming=「落ち着かせる」、Signal=「合図」という意味です。ボディランゲージが楽しいときも含めて、身体全体の動きで感情を表現することに対して、カーミングシグナルは基本的に、自分や相手を落ち着かせそうとするサインのことをいいます。また、非音声的言語ともいわれています。
犬同士で意思疎通ができるのは、これらのカーミングシグナルをコミュニケーションとして使っているからなのです。生まれつき犬に備わっている能力なんですね。
このカーミングシグナルですが、犬同士だけでなく、私たち飼い主に向けてサインを送っていることもあります。このサインを知っておくと、今まで「不思議だな?」と思っていた行動も、理解できるようになるのです。
それでは、代表的なカーミングシグナルをいくつかご紹介しましょう。
頭を低く下げてお尻をあげる
頭を低く下げて、前足を伸ばしながらお尻をあげるしぐさ、よく見る光景ですよね? これは「プレイバウ」といって、相手に敵意がないことを示しながら、「遊ぼう!」と誘っているサインです。
また、緊張している相手に対して、リラックスさせようとしていることもあります。ドッグランやお散歩のときに、別の犬にこのサインを出したら、相手側がどうサインを示してくるかを注意深く見る必要があるのです。
ぶるぶるっと身体をふる
水に濡れたり、お風呂に入ったあとなど、身体をぶるぶるっと身震いするしぐさ。水を払う以外でこんな行動をしているなら、ストレスを感じているときに、落ち着きを取り戻そうとして行っている可能性があります。
ほかの犬とケンカをしたあとだったならば、気分を切り替えるときのサインともいえるでしょう。でも、落ち着くために行うしぐさなので、遊びが楽しくて「落ち着こう!」としてすることもあります。
同じサインでも意味が異なることがあるので、飼い主は前後の行動を見て、判断する必要がありますね。
あくびをする
朝起きたときや、眠いとき以外であくびをする場合は、気持ちを落ち着かせようとしている場合があります。
例えばオシッコなどの失敗を叱っているとき。飼い主が怒っているので、「落ち着いて」と伝えていたり、犬自身のストレスを和らげるためにしていることがあるのです。怒られているのが「退屈だな~」と思っているわけではないのです。
逆に、愛BUHIが興奮しているときに、飼い主があくびをすると、「落ち着いてね?」というサインが伝わることもあります。
横を向いて視線をそらす
横を向いて視線をそらすサインは、相手に敵意がないことを示しています。犬が目を合わせてじっと見るときは、逆に威嚇にあたるので、犬同士だったらケンカがはじまる可能性も。
これは人間に対しても行うしぐさで、飼い主が犬を叱っているときなどにすることもあります。「落ち着いて」と伝えてきているので、そんなときは、飼い主も怒っている気持ちをぐっとこらえて、顔をそらせてあげましょう。
人間の顔や口をなめてくる
顔や口をなめられて、愛情表現だと感じる人は多いと思います。これは、犬の祖先でもあるオオカミの時代からの名残ともいえるサインで、敵意がない、頼っていることを示しています。ですから、愛の証だと思って問題ないですね。
そのほかにも、不安な気持ちを解消しようとしていることもあります。なにかにストレスに感じているサインということもあるので、心当たりがあったら取り除いてあげるようにするといいでしょう。
また、お腹がすいていて、ご飯をねだるときにも、このサインをすることがあります。
床や地面の匂いをかぐ
散歩中や旅行に行ったときに、地面をくんくんかぐ行為は、よく目にすると思います。この行動は、緊張をほぐそうとしていたり、落ち着くためにしていることがあります。はじめての場所でこうした行動をしていたら、不安を感じていて、早く安心したいというサインかもしれません。
もちろん、ほかの犬のマーキングの匂いをかいでいることもありますが、匂いをかがせないで、すぐにリードをぐいっと引っ張ってその場を動こうとすると、逆にストレスが溜まってしまうこともあるのです。
状況によっても異なりますが、執拗に地面をかいでいたら、「何かストレスがあるのかも?」と、気を付けてあげることが大切です。
犬は言葉を話さなくても“サイン”で雄弁に語りかけている
飼い主にとっては、普段何気ないと思っていた愛犬の行為でも、実はストレスを感じていたり、敵意がないことを示していたりと、さまざまな意味があるものです。
犬は、言葉ではコミュニケーションを取ることはできませんが、様々なサインで私たち飼い主に雄弁に語りかけています。
カーミングシグナルを知っていれば、ストレスサインを察することもできますし、我が子の不安を取り除いてあげることもできるようになります。「なんでこんなことするの?」と疑問に思っていた愛ブヒの問題行動を、減らすことにもつながるのです。
我が子の精一杯のサインを見逃さずに、愛ブヒとの関係性をさらに深めていきたいですね。
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