あなたの大切なフレブルは、本当に大丈夫?意外と知られていない『狂犬病予防接種』についてもっと知りましょう。
桜の季節はもうすぐそこまでやってきているけれど、フレンチブルドッグを始めワンコオーナーにとっては桜のシーズンになると真っ先に思い出されるのが3月初旬頃に届く一通の封書。そう、狂犬病予防接種のお知らせです。狂犬病の予防接種はワンコオーナーにとっては義務であり、法律によって規定されているため基本的には「受けさせない」という選択肢はないのだけれど、実は昨今では狂犬病の予防接種率が低下しているって知っていましたか? もちろん、中には病気や体質によって狂犬病予防接種を受けることができないワンコもおり、理由によっては免除されることも。一方で毎年のことだからなんとなく受けさせている人も多いと思いますが、ここで改めて狂犬病予防接種について少し詳しくご紹介していきましょう。
そもそもなんで春先なのさ?
春先になると愛犬家同士の間では「もう狂犬病の注射した?」なんてことが話題に上りますが、そもそも狂犬病の予防接種は何ゆえ春先なんだろうと疑問に思ったりしませんか?
実は毎年4月から6月にかけては「狂犬病予防注射月間」と厚生労働省が定めており、犬を飼う人は
・飼い犬の登録をすること
・狂犬病予防注射の接種
・鑑札および注射済表の装着
この3つが狂犬病予防法によって決められているのです。
つまり法的な義務があるため、私たちドッグオーナーはこの予防月間の期間中に愛ブヒに予防接種を行うというわけです。
ちなみに「狂犬病」という名前だけを見ると、狂犬病とは犬だけに感染する病気の一種だと思われがちですが、実はこの病、人間を含めたすべての哺乳類に感染する人畜共通感染症で、さらに感染すると100%死亡するという恐ろしい病気。
残念ながら現代医学では狂犬病の治療方法はなく、感染するとウイルスが脳神経を侵して全身の筋肉に麻痺を引き起こし、精神錯乱や全身麻痺などの症状ののちに死に至るという非常に恐ろしいもの。
人間が感染する場合、その経緯のほとんどが狂犬病にかかり凶暴化した犬に咬まれる事で感染しており、未だ世界では年間約55,000人もの人が狂犬病によって亡くなっているのです。
ただし、日本は過去50年以上狂犬病が発症していないため「狂犬病清浄国」とされているのだけれど、これも狂犬病予防接種が広く根付いていたからこそ。
現在の日本では狂犬病は身近な病気ではなくなったけれど、だからといって予防接種をしなくても安心して大丈夫、というものではありません。
これは法律で定められているからというだけでなく、実際に日本同様に狂犬病清浄国だとされていた台湾では、2013年に野生のイタチアナグマに咬まれた犬から感染が発見されているのです。
狂犬病予防接種を回避できるってホント?
「狂犬病の予防接種、ウチはしていないのよ~」という言葉を耳にする事、ありますよね。
法律で定められているのに大丈夫なの? と疑問に思った方もおられるでしょう。
狂犬病予防接種には「猶予証明書」というものがあり、例えば成長が未発達であったり高齢で注射による健康の不安がある、アレルギーや既往症、免疫疾患、がんなどの治療中であるなどの場合、獣医師の判断で猶予証明書が発行されるのです。
この猶予証明書を愛犬登録している自治体に提出する事でその年の予防接種は免除されるのですが、意外と知られていないのが「猶予証明」というものは狂犬病予防法においては存在していないという事。
これには理由があり、狂犬病予防接種というのは全頭接種が原則であり、それは狂犬病予防法が犬ではなく人を守るための法律であるため。
少し乱暴な言い方をすれば、人を守るために犬のリスクは考慮していない、という事でもあるのです。
しかしフレンチブルドッグはアレルギーが出やすい犬種なので、できればリスクのあることは避けたいと考えるオーナーさんも多いでしょう。
そこで狂犬病のワクチンに関する副作用を見ていきたいと思います。
狂犬病ワクチンを含む各種ワクチンには副作用がないとは言えず、その代表的なものがアナフィキラシーショックによる急性虚脱や呼吸困難、痙攣など。
そのため相棒の体調がすぐれない時や他の病気の加療中、消化管内に寄生虫の感染がある場合やヒートおよび妊娠中、高齢犬などはワクチンの接種そのものを控えた方が安全であると獣医師の多くは判断しています。
「ワクチン接種=体に異物を入れる」ことなので、毎年狂犬病の予防接種をしている場合でも、接種予定日にはしっかりと愛ブヒの様子を見て、今日はなんだか心配だと感じる場合には接種日を変更するなどの対策をしてあげてくださいね。
結局のトコロ、狂犬病予防接種って必要?
答えはもちろんYESです。狂犬病予防接種は愛犬家の義務でもあるのはもちろんのこと、日本が狂犬病清浄国だからといって狂犬病にならない保証はどこにもありません。
事実海外では未だ狂犬病は猛威を振るっている病気なので、海外から日本に入ってくる可能性は常にあるのです。
しかしながら、もし相棒が上記で紹介したようなワクチン接種を控えておいた方が良い状態にある場合は、いつもお世話になっている獣医さんと相談して判断すべき。
とりわけフレンチブルドッグはアレルギー症状が出やすいこともあり、すでに気になる症状で通院していたり薬を飲んだりしている場合はまず獣医師さんに確認を。
また、狂犬病を含め様々なワクチンを接種するのは午前中に行うのがお約束です。
これはワクチン接種後に異変が起きた場合でも動物病院が営業している時間帯であるからで、ワクチン後は激しい運動も当然NG。
ちなみに狂犬病の予防接種は動物病院以外にも、近隣の小学校といった公共施設で実施していることが多いけれど、よりワクチンによるリスクを軽減したいならば普段通っている動物病院で行うのがベストです。
ちなみに、狂犬病の予防接種は4月から6月の間のみにしか受けられないわけではなく、新たにワンコを迎えた場合などはいつでも動物病院で予防接種を実施してくれます。
フレブルオーナーの皆さんの手元にも、すでに狂犬病予防接種のお知らせが届いていることでしょう。
毎年特に気にせず受けている人も、この1年で愛ブヒの体調が変わり昨年同様に注射して良いものか迷っている人も、まずは狂犬病の予防接種について知っておくと安心です。
狂犬病予防接種は義務ではあるけれど、体調に問題がある場合は必ずしも絶対ではないことなど、大切な相棒に基本的には毎年受けさせることだけにオーナーがしっかりと把握しておきたいですよね。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
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