【2020.4.9更新】ペットの新型コロナウイルス感染「続報」について。
世界でも未だ猛威を振るい続け、日本においては一部の都府県に緊急事態宣言が発令された新型コロナウイルス。このウイルスとペットの感染関連のニュースについて、2020年4月8日付で東京都獣医師会より情報が更新されたのでご紹介します。
目次
2020.4.9更新:動物と新型コロナウィルスについて、最新情報を追記しました
【2020年4月9日更新】新型コロナウィルスの感染が疑われた犬について
まず、すでにお伝えしていた情報の続報で、香港当局が“COVID-19(新型コロナウイルス)感染者が飼育していた犬が同ウイルスに弱いレベルで感染したというニュースですが、この犬の弱陽性反応はその後陰性となったようで、とりわけ症状が出ることはなかったようです。
これは東京獣医師会の報告には上がっていませんが、該当犬は17歳のポメラニアンで香港政府による施設での隔離後、飼い主の手元に戻された2日後に亡くなっています(この続報は3/18付の朝日新聞デジタルにて報道されています)。
しかしながら、犬の年齢を考慮し、また高齢であるにも関わらず飼い主と離され隔離下に置かれた精神的ストレスなどを鑑みても、新型コロナウイルスによって命を落としたと断定はできず、該当犬は香港政府施設で隔離後も発症はしなかったとの報告がされたとのこと。
次に3/27にベルギーにて感染が確認されたとの猫についてですが、ベルギー当局の発表によればこの猫は下痢や嘔吐、呼吸困難といった症状を示した後に回復したとされています。
その後3/31には香港当局が猫への感染を報告しているものの、こちらの猫は症状を示していないとのこと。
いずれの報告も新型コロナウイルスが犬や猫に感染する可能性を示してはいるものの、香港当局およびベルギー当局は「新型コロナウイルス感染症は人から人にうつる病気であり、人から犬や猫への感染は一般的でない」ことを強調しています。
そして最近の話題では4/5に米ニューヨークのブロンクス動物園でトラが新型コロナウイルスに感染したとのニュースが報道されました。このトラは飼育員から感染したと考えられており、他にも数頭の大型ネコ科動物が感染した可能性があるとされています。
しかしながら現段階では世界の多くの専門家や東京都獣医師会では犬や猫といった伴侶動物(ペット)を日常的に検査する必要はないという考えを示しており、次々と新情報が発信されている現時点においても“新型コロナウイルスは人から人へと感染する病気であり、人からペットに感染したとしても、ペットから人に病気をうつす可能性が限りなく低いだろう”と世界中の専門家も含め考えているそうです。
また、緊急事態宣言化のエリアにおいて、外出制限がある状況でも犬の散歩や短時間の運動については継続して構わないとされているので、人混みを避けたルート選択やオーナー同士の立ち話、通行人と犬との濃厚な接触を避けるといった感染対策を行うことに加え、帰宅時には手洗いやうがいなどの感染対策を実行することを推奨しています。
あわせて、以下もご確認ください。
東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと」
2020.3.10更新:2020年3月4日に香港で公開された情報について追記しました
【2020年3月10日更新】香港当局より「ペットの犬が新型コロナウイルスに感染した」との情報がありました
現在も世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスについて、3月4日付で「香港当局よりペットの犬が新型コロナウイルスに感染した」との報道がありました。
これは3月4日に香港漁農自然護理局(AFCD)によって発表されたもので、このニュースについて東京都獣医師会は以下のような見解を発表しています。
東京都獣医師会では、香港当局が“COVID-19(新型コロナウイルス)感染者が飼育していた犬が同ウイルスに弱いレベルで感染し、その飼育犬に新型コロナウイルスの症状が出ていない”と発表されていることをすでに把握しています。
香港漁農自然護理局(AFCD)によれば、その飼育犬にCOVID-19(新型コロナウイルス)に対する陽性反応が出た原因は飼い主(人)である可能性が高いと報告しており、現時点で香港漁農自然護理局(AFCD)は犬の体内でウイルスが増殖するかどうかや、増殖した場合に犬同士で感染するかどうかといった報告はしておらず、確認事例は今回の症例の1件のみにとどまっています。
また、香港漁農自然護理局(AFCD)は現時点でペットがCOVID-19(新型コロナウイルス)を人に感染させる証拠はないと報告しており、そのためペットオーナーがペットを放棄しないよう強調しています。
東京都獣医師会としては、その飼育犬が本当に感染したのかも含め、今後の発表および厚生労働省の対応を待ち、本件に関して新たな情報が入り次第随時情報を更新するそうです。
なお、ペットを新型コロナウイルスから守るにはオーナーが感染しないよう注意を払うことが重要だと東京都獣医師会は考えており、同時にペットオーナーには引き続き冷静な対応をと呼びかけています。
今回香港でペットのワンコが新型コロナウイルスに感染したと広く報道されたことで、ニュースが伝わる中で尾ひれがつき、間違った状態で伝わる可能性も否定できません。
あくまでも3月6日の時点ではペットから人や他の犬に感染する可能性についての報告はなく、新型コロナウイルスに感染した犬は今回ニュースとなっている香港の1頭にとどまっており、また症状は一切出ていないとのこと。
今後も情報が更新され次第こちらでも記事をアップデートするので、どうか冷静に、かつ噂などに惑わされないように気をつけてくださいね。
2020.3.1更新:2020年2月28日に香港で公開された情報について追記しました
【2020年3月1日更新】香港で「低いレベルでの新型コロナウイルスが検出された」という報道について
数週間前から世界中のトップニュースとなっている新型コロナウイルスについてですが、2020年2月28日の時点で香港でペットとして飼われている犬に「低いレベルでの新型コロナウイルスが検出された」という報道がありました。
しかし、香港の漁農自然護理署(AFCD)の発表(2020年2月28日時点)では、犬の鼻と口の粘膜にたまたま付着した新型コロナウイルスを検出してしまった可能性があるため、犬の体内で新型コロナウイルスが増殖したかは確定していないとのこと(犬が感染したことを確認したということではありません)。
また、仮にペットに新型コロナウイルスが感染するとしても、コウモリなどの野生動物との接触がほぼ無いに等しい日本のペット飼育環境において、ペットへの新型コロナウイルスの感染は飼い主からペットへ、という経路しか考えられませんが、この可能性は非常に低いと考えられています。
新型コロナウイルスに関しては、人間に対しても、またペットに対しても真偽不明の情報がさも本当であるかのように流れたり、報道を誤って解釈し間違ったニュースが流布されているケースも多々あります。
中にはそういったニュースを鵜呑みにしてペットを手放すという選択をする人がいないとは言い切れません。
もちろん、その正体がまだよく分かっていない新型コロナウイルスに対して不安を感じる人は多いと思いますが、どうか落ち着いて正しい情報を受け取ってください。
なお、新型コロナウイルスのペットに関する情報は東京獣医師会のHPなどで随時更新されています。
噂や不安に呑み込まれることなく、まずは自分自身ができる範囲の予防を心がけ、家族であるペットを誤った情報から守ることを考えてくださいね。
▼以下、2020年2月25日時点での記事となります。
ここ数週間の間、世界中のトップニュースとなっているのが中国の武漢に端を発した新型コロナウイルスについて。
日本でもマスクや消毒液、抗菌剤などが軒並み売り切れ、新聞やテレビでは感染者の増加に関する話題が中心。
自分が感染するのも不安だけれど、フレンチブルドッグをはじめとするペットオーナーにとっては、愛犬や愛猫も新型コロナウイルスに感染するかどうかが大きな心配のタネになっていますよね。
実際中国ではペットのワンコにマスクをつけている様子が撮影されてその画像がSNSで流れるなど、「え、もしかして愛ブヒにも感染する…?」と心ざわめいている人も多いはず。
そこで現時点で分かっているペットと新型コロナウイルスについて、大阪にある藤井寺動物病院の是枝院長にお教えいただいた情報をお伝えします。
新型コロナウイルスがペットに感染した例は現状ナシ
今回の新型コロナウイルスとペットの関係について是枝院長が教えてくれたのは、世界屈指の生物および農業関連の設備を誇る名門大学、カリフォルニア大学デービス校が発表した参考文献。
それによると、まず人がかかった新型コロナウイルスが犬や猫といったペットに感染ったという報告は今の所一切ないので、その心配は非常に小さいそう。
しかしながら今後状況が変化すれば人からペットに移るという可能性を完全に否定することはできないので、獣医師会が発表している情報(東京獣医師会)(大阪府獣医師会)をこまめにチェックし、信頼できる情報源がリリースした最新情報を把握することが大切です。
人間でも新型コロナウイルスのような病気が流行すると真偽のほどが定かではない情報がSNSなどを駆け巡るけれど、まずはその情報が本当に正確なのかを確かめてむやみに怖がることなく、正しく知って予防や対策をとりましょう。
犬や猫のコロナウイルスってこういうもの。
実は犬や猫にも固有にコロナウイルス感染症があります。
しかし、これらはとてもまれな病気であり、犬の場合は軽い下痢症状を、猫の場合は戦線性腹膜炎を起こすもの。
これら犬や猫のコロナウイルス感染症は「種特異性*」が高いため、これまで人を含めた他の動物に感染したという報告はないそうです。
また、犬のコロナウイルスが猫に感染る、あるいは猫のコロナウイルスが犬に感染るということも一般的ではないので、フレンチブルドッグと一緒に猫や他の動物を飼っているオーナーさんもご安心を。
*「種特異性」とは携帯あるいは機能の上で、ある種は共通に持っているけれど他の種には認められない特色のこと。
ペット向けの新型コロナウイルス検査はある?
2020年2月25日時点で、ペットが新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査する方法はありません。
現状では人間の新型コロナウイルスがペットに感染したという報告がないことから、人からペットに感染るという感染経路は今のところない模様。
ただ、これも100%有り得ないというものではないので、もしペットへの感染が心配な場合はたくさんの人が集まる場所やイベントにペットを連れて行かないなど、感染リスクを減らす工夫を。
人間でもウイルス対策の基本は人混みや満員電車を避けることですが、そのあたりはペットも同様だと言えそうです。
また、新型コロナウイルスの感染者とペットが濃厚接触をした後にペットの具合が悪くなった場合などは、念のため先に電話をして事情を話してから掛かり付けの動物病院へ行くようにしてくださいね。
もしオーナーが新型コロナに感染した時に。
飼い主であるアナタ自身が新型コロナウイルスの感染が疑われる場合、厚生労働省が設置する「帰国者・接触者相談センター」に連絡して指定された病院で検査を受け、感染が認められたら一定期間の隔離入院を要します。
その際、愛するペットを安心して預蹴られる場所の確保がとても重要。
よく旅行などの際にはペットシッターを頼み、普段ペットと暮らしている自宅に通ってもらって相棒のお世話をしてもらうという人もいるけれど、新型コロナに感染した場合、シッターさんへの感染リスクを減らすために自宅にペットを残して通いでお世話してもらうのは極力避けて。
さらにペットをホテルなどに預ける前には念の為シャンプーをして被毛を洗浄してから預ける、ペットと接する際にはマスクやグローブを着けてもらうように伝えることも忘れないでくださいね。
おわりに
現在も感染拡大が続く新型コロナウイルスですが、現状でペットと新型コロナウイルスについて分かっているのは今回紹介したことが全て。
もちろん新たな情報があれば随時アップデートしますが、まず何よりも大切なのは、正しい情報を知りフェイクニュースや間違った情報に惑わされないこと。
これはペットだけでなく人間の感染についても同じだけれど、「正しく怖がる」ことが必要不可欠です。
なお、感染力が高いとされる新型コロナウイルスだけに、家族の誰かが感染したら同じ家に暮らす家族全員に軒並み感染することを想定し、家族以外に相棒を預けられる場所やペットホテルを探しておきましょう。
(こちらの情報は2020年2月25日時点のものとなります)
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
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