【編集Kの太鼓判はコレ!】愛しい子のために…老ブヒの介護ケアグッズを考える。編集部厳選!本当に使えるドッグギア #33
全員フレブルオーナーである『FRENCH BULLDOG LIFE』の編集部員たちが、自分たちで愛用している「本当に買ってよかった!」ものだけを紹介するこの連載。今回は、16歳になる2日前にこの世を去った編集Kの愛しい娘、時雨の介護生活で役に立ったアイテムを紹介します。喜ばしいことに、どんどん長寿化が進むブヒ。あなたの愛ブヒにもいつかはやってくるかもしれない、そのときの参考にしてみてください。編集Kと同じように、看取ったあとに「悲しいけれど、後悔は少ない」と言えるかもしれません。
目次
長生きをすれば、介護生活は必然
フレンチブルドッグは短命だとずっと言われてきましたが、ここ最近のブヒたちの長寿ぶりは素晴らしいものがあります。
それはやはり長寿への意識が高くなってきた証拠でしょう。
フレンチブルドッグオーナーのみなさんが、よく考え、調べ、かつ実践しているから、彼らも長生きするようになってきた。
いま、ぼくは思います。
やっぱり大切なのは『毎日』のことだと。
毎日なにをしてあげられるか、というのはとても大事です。
いつも清潔にして、おいしいごはんや適度な運動、たくさん遊んで喜ばせて、甘えさせて、安心して眠ってもらう。
もう、それに尽きる。
うちの愛ブヒは昨年の夏の終わりにその生涯を閉じました。
16歳になる2日前に召され、悲しくて悲して、今でも悲しいわけですが、後悔は少ないのです。
それは介護生活も含めて、やりきったと思うから。
今回はそんな晩年の介護生活について、そしてそのケアグッズについてお話させてください。
キーワードは「快適にする」ということ
うちの子はまず15歳くらいから後ろ脚が弱くなってきました。たまに引きずるようになって、トイレもよく失敗しました。
トイレシーツまで間に合わない、というのが多かったような気がします。
しばらくはトイレゾーンを広げて、様子を見ました。
ワイドサイズのシーツを8枚くらいでしょうか。もちろんケースは使わず、やりやすいように完全フラットに。
ですが、脚を引きずるのでどうしてもシーツがめくりあがり、シーツのないところでおしっこをしてしまいます。
ここで愛ブヒはばつの悪そうな顔をするのですが、もちろん叱ったりすることはありません。さっと拭いてさっと片づける毎日。
とにかく『快適』に過ごしてほしい、と考えていました。
とてもキレイ好きだったし、いやな思いをさせたくない。
でも本人はちゃんとしようと思っているようだけど、うまくいかない。
おむつはしたくなかったけれど…
正直、おむつはしたくなかったのです。おむつ生活を始めると、すぐに認知症になりそうな気がしたから。
けれどもだんだん認知症の兆候もあらわれはじめ、泣く泣くおむつ導入を決定しました。
ただしまずは夜のみ。昼間はできるだけ動いてもらって、トイレもがんばってもらいます。
おむつは人間の赤ちゃん用一択です。これがよくできている!
コスパがいいし、性能もいい。きちんと留めれば漏れることもありません。
しっぽの部分はもともとフレンチブルドッグは短いので、そのまま隠しても問題ないかと思います。
ただし、ずっとしていれば蒸れるし、締めつけるのもよくないので、まめにチェックして外してやることも多かったですね。
やっぱり、嫌そうなんです。
よく外そうとしていましたし、実際に夜中に外してそのままお布団にじゃーっと…そんなことが何回も続きました。
おむつをつけるか、ケージに入れるか
おむつをしないのなら、一緒に寝ることはやめて、ケージに入れてトイレシーツを敷きつめるか?
これもずいぶん考えたのですが、もうずっと一緒に寝てきたし、閉じこめるのはかなりストレスになるだろうということで、やはりおむつ装着をベースに考えました。
そのうちに慣れてきたのか、おむつを剥がそうとはしなくなりましたが、だんだん認知症の度合いが強くなってきました。
真夜中の徘徊と、吠え。
これにはけっこうまいってしまいます。とにかくこちらも眠れない。近所迷惑にもなるだろうし、どうしたものかと…。
とはいえ、これが介護生活なのです。
だんだんごはんを食べないようになる
もちろんかかりつけの獣医師にも相談しました。
この頃にはてんかんのような発作も何度か起こしていたのですが、獣医師からは「てんかんの薬が鎮静剤にもなるので、落ち着いて過ごせるようにしてあげましょう」と。
この薬を処方されてから、ちょっと落ち着きを取り戻した気がします。
とはいえ、ぱくぱく食べていたごはん(ココグルメ)も残すように。
どうやら固形物を飲み込むのがつらくなってきたようです。
こうなると、ああ、もしかしたらもう長くないんだろうか…と考えてしまいます。食べなくなると、もうダメな気がする…。
なんて言っている場合じゃない。
まだがんばれ、別れたくない! という一心でシリンジを購入。
これに流動食にしたフードを装填して、口もとに持っていきます。
食べた!
もうすでに寝たきりに近くなっていましたが、シリンジならちょっとずつ食べさせてあげられる。
食べられれば大丈夫。そんな根拠のない自信をぼくは取り戻し、さらに介護生活を工夫しようといろいろなものを調査、購入しました。
介護生活でよかったもの3選
(1)介護枕
まずは寝たきりの子に有効な『介護枕』です。
いわゆる床ずれ防止の機能と、安定した寝位置をキープするためのものです。
人間用としてはポピュラーな存在のようで、いろいろなサイズが売られています。
高反発のポリウレタンフォームなので、しっかりしていてよいものでした。これをいくつか体に差し込んであげる。
三角形だから、無理なくフィットさせることができます。
(2)洗浄ボトル
これも重宝しました。たくさん買っておいて、お水を飲ませるのに使ったり、おしり洗いにも使用できます。
ポリエチレン製なので、ノズル(注ぎ口)の長さをハサミで切って調整することも可能。
ちょうどよい長さにしたら、先端をヤスリがけしてなめらかにし、危なくないようにしておきます。
おむつの中のうんちは当然ながら下痢でやわらかいので、この洗浄瓶を使ってやさしくぬるま湯で洗ってあげます。
寝たきりだと、お風呂場に連れていくこともかなわないので。
これでちゅーっとおしりにぬるま湯をかけてあげると、愛ブヒが「あ〜」という気持ちよさそうな声を出しました。
この声が今でも忘れられません。
(3)りんごジュース
愛ブヒが何も受けつけなくなり、お水も飲まなくなったとき、りんごジュースだけひとくち、ほんとうの最期の最期に、美味しそうに飲んでくれたんです。
これも忘れられないひとコマです。
その子の好物を知っておいて、いざ最期のときに与えるのはいいことだと思います。
こちらのエゴかもしれませんが、ただただ救われるのです。
ああよかった、ってやりきった感すら生まれます。
もっとできたはずの介護生活、それでも…
そういうわけで、最期の瞬間はりんごジュースとともに去っていきました。
旅立つ少し前からごはんを食べられなかったからずいぶん痩せちゃって、それでもその表情はおだやかに寝ているような、揺すったら目を覚ましそうな、そんな感じでした。
(実際に揺すりましたが、目を覚まさなかったな)
なんだかぼくは、呆けてしまって、もっとああしてあげれば、こうしてやれば、もっともっとさらに長生きできたんじゃないか…なんて。
でも、やりきった。悔いがないというのは言いすぎだけど、悔いは残るけど、少しだけ。
看取るというのは、なにか不思議な感じでした。
あの子のいた世界から、いない世界へ。
その動線をふわふわ漂っているような…。
愛しさとは、苦労をいとわない
では、最後にひとつだけ。
介護生活は大変です。
でも、経験してよかったと思う。愛しさというものは、苦労をいとわないものなのです。
つまり、苦労が先にくるのではない。愛しさが先頭にあるから、苦労はただそこに付随しているだけ。
だいじょうぶ、だから歯をくいしばって、その子のために、がんばりましょう。
ぼくらはそんなふうに生きてきた。
きっとこれからもそうだ。
どうか、あなたも、あなたのカワイコちゃんとよい人生を。
最期に悔いは少し残ります。
でもいいんです、愛しさがすべてを解決してくれる。
いつまでも、愛しい子よ。ありがとうね。
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