2025年2月12日1,254 View

【特集シン・スキンケア】冬の皮膚トラブル、実はフレンチブルドッグ独特の「ベト乾肌」に原因が

フレンチブルドッグの弱点といえば、みなさん皮膚のお悩みを思い浮かべるのではないでしょうか。アトピー、濃皮症、マラセチア皮膚炎など、確かにわがフレブルたちは本当に肌が弱い…。でも、たかが皮膚トラブルだと感じているのなら、それは大きな間違い。この時期、まずは愛ブヒの肌を触って、確かめるべきことがあります。フレブル独特の「ベト乾肌」、あなたも感じたことはありませんか? 

今回は、動物看護師であるヤマグチさんのご登場です。彼女ももちろんフレンチブルドッグの飼い主。看護師と飼い主の面から、フレブル肌のことをたっぷりと語っていただきます。

愛ブヒの皮膚状態はどうですか?

動物看護師をしているヤマグチといいます。

 

もちろんわたしもフレンチブルドッグの飼い主でして、今回そんな自分に白羽の矢が立ったということで、少しだけいま現在のフレンチブルドッグ皮膚事情とでもいうべきものを語らせてもらいますね。

 

さて、この冬のみなさんの愛ブヒの肌、どうですか?

 

今年は寒かったりそうでもなかったり、気温差が激しい日々が続いていますよね。

 

それにしたってこの時期の「乾燥」はやっぱりひどい。

 

わたしなんて目薬が欠かせないし、肌の保湿もしっかりしないとカサカサです。

 

では、愛ブヒはどうでしょう?

 

フレブル独特の「ベト乾肌」とは

まずは愛ブヒがリラックスしているときに、そっと背中に触れてみてください。

 

驚かせないように、ちゃんと触るよ、と告げてからやってくださいね。

 

被毛をかき上げて、地肌に手を添えます。

 

カサカサと乾燥している気がするけど、しばらく手を置いておくとなぜか「脂っぽさ」も感じられませんか…?

 

そう、これがこの時期に感じやすいフレブル独特の皮膚状態、「ベト乾肌(べとかんはだ)」なんです。

 

乾燥しているのに、ベトつく。

 

被毛の毛根部分もチェックして、フケがこびりついていたりはしませんか?

 

そうそう、ドッグベッドって、けっこうナチュラルカラーが多いから気づかないけど、実はフケがたくさん発生していたりするんですよ。

 

本当に、フレブル肌はデリケートなんです。

 

脂っぽいのに乾燥している理由

「脂っぽいのに乾燥している」「フケが多い」といった状態は、多くのフレンチブルドッグに見られる問題。

 

このような皮膚の状態がなぜ起こるのか、どのような病気が考えられるのか、そしてどのようなケアが必要なのかを詳しく解説していきましょう。

 

フレンチブルドッグの皮膚の特徴

フレンチブルドッグの皮膚は、他の犬種に比べて皮脂の分泌が多い傾向があります。

 

そのため、毛が短いにもかかわらず、ベタつきやすく、皮膚が蒸れやすくなる。

 

しかし、一方で皮膚のバリア機能が弱いため、水分を保持する力が低く、乾燥しやすいという側面も。

 

これが「脂っぽいのに乾燥している」という状態を引き起こす要因のひとつです。

 

フケが多くなる原因

フケが増えるのは、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の乱れが関係しています。

 

通常、皮膚は一定のサイクルで新しく生まれ変わりますが、皮膚が乾燥すると、古い角質が剥がれ落ちやすくなり、フケとなって目に見えるかたちで現れます。

 

さらに、皮脂の分泌が過剰な場合、それが酸化したり細菌の増殖を招いたりして、皮膚の炎症を引き起こし、さらにフケを増やしてしまうことがあります。

 

考えられる皮膚トラブル

このような症状が出る場合、以下の皮膚病の可能性が考えられます。

 

脂漏症(しろうしょう)

皮脂の分泌が異常に多くなり、皮膚がベタついたり、フケが増えたりする病気です。

 

脂漏症には「乾性脂漏」「脂性脂漏」の2種類があり、フレンチブルドッグはその両方の症状を併せ持つことも。

 

乾性脂漏では皮膚がカサカサしてフケが多くなり、脂性脂漏では皮脂が多くなってベタつきやすくなります。

 

マラセチア皮膚炎

皮膚に常在するマラセチア菌が異常繁殖すると、強い皮脂臭を伴いながら皮膚がベタつき、炎症を起こします。

 

フケが多くなることもあり、放置するとかゆみが強くなり、犬が掻きむしって二次感染を引き起こすこともあります。

 

アトピー性皮膚炎

アレルギーが原因で皮膚が炎症を起こし、乾燥やフケが目立つようになります。

 

脂漏症と併発することもあり、皮脂のバランスが崩れることで「脂っぽいのに乾燥している」状態を引き起こします。

 

「病気のライン」を越えるか越えないか

いずれにしてもフレンチブルドッグにはとっても多い疾患なのですが、もちろんひどい状態になってしまったのであれば、動物病院一択、まずは治しちゃいましょう。

 

でも…「ベト乾肌」ってここまでわかりやすく症状が表れるわけでもなくて、なんというかもっと日常的なイメージなんですよね。

 

「病気のライン」を越えるか越えないかを、嫌な感じで行き来しているような。

 

この程度で薬を飲ませるのもなあ…絶対そう考えちゃいますよね。

 

あるいはすでにカイカイが出始めていて、治療もして、値段の張るお薬を飲ませて、よくなったかと思えばまたぶり返す…。

 

皮膚トラブルなんて命まで取らないんだから、放っておけばいい。

 

わたしの勤務している動物病院でそうのたまった飼い主さんもいましたよ。

 

冗談でしょう、どれだけのストレスだと思ってるんですか。

 

人間や犬に限らず、ストレスで動物は死にますよ。

 

治療以外の適切なケア

このような皮膚の状態を改善するには、適切なケアが必要なわけですが、治療以外のことをちゃんとお伝えしたいので、以下述べていきますね。

 

シャンプーの選び方と頻度

 週に1~2回程度のシャンプー がベストかと思われます。

軽度の場合:1週間に1回

中等度~重度の場合:3~4日に1回(獣医師の指導に従う)

ただし、洗いすぎると皮膚が乾燥しすぎて逆に皮脂の分泌が増えることがあるため、適度な頻度を守ることが大切です。

 

保湿ケアを取り入れる

シャンプー後や普段のスキンケアとして、犬用の保湿スプレーやローションを使うのも効果的です。

 

特に乾燥が気になる場合は、ヒアルロン酸セラミドが配合された保湿剤を使用すると、皮膚の潤いを保つのに役立ちます。

 

シワのケア

ご存知のように、フレンチブルドッグは顔のシワの間に皮脂や汚れがたまりやすく、それが皮膚トラブルの原因になることがあります。

 

わたしの印象ですが、フレブルはシワから雑菌が繁殖して全身に拡がっていくパターンが多いんじゃないかと思うんです。

 

シワの間を定期的に拭いて清潔に保つことが、菌の繁殖を防ぎ、皮膚の健康を維持してくれるはずです。

 

食事の見直しがマスト

そしてわたしがいまいちばん言いたいこと。

 

愛ブヒの「ベト乾肌」に悩んでいるなら、「絶対に」食事を見直しましょう。

 

手作り食の人もいると思いますが、ここはひとつ断腸の思いで「良いフード」を使ってみてほしい。

 

さらに獣医師から勧められたフード(そもそも獣医師でフードに詳しい人ってあんまりいない印象)、ブリーダーが使っていたからそのまま与えているフードも、一度見直してみませんか?

 

わたしの推しは、ただひとつ。

 

「THE fu-do(ザ・フード)」。

 

数少ないフレンチブルドッグ専用フードですが、完全にずば抜けていると思います。

 

こと皮膚のことに関しても、これ以上考えられているものはないと断言できます。

 

皮膚に良いとされているオメガ3脂肪酸ひとつとっても、「フレンチブルドッグにいちばん合う質と量」を考えていて、こんな丁寧な作り方をしているフードメーカーをわたしは知りません。

 

彼らに足りない「ビタミンC」の配合だって、ノンオイルコーティングだって、特別低温製法だって、フレンチブルドッグのことを研究尽くしている。

 

なにかを補うだけじゃなくて、それをフィットさせる技術と情熱。

 

わたしは動物看護師ですが、その前にフレンチブルドッグの飼い主です。

 

愛ブヒのために、いちばん良いものを与えたい、と思っています。

 

だからものごとのチョイスに敏感なんです。みなさんもそうじゃないですか?

 

そして皮膚のことで少しでも悩みを抱えているのなら

いちばん理にかなっているのは、良い食事を与えるということだと考えています。

逆に言えばこれだけやっておけばいい

フレンチブルドッグは、皮脂の分泌が多いのに乾燥しやすく、フケが出やすいという特徴を持っています。

 

とてもやっかいな「ベト乾肌」です。

 

放っておけばすぐにカイカイ状態につながり、愛ブヒのQOLが下がります。

 

日常的なシャンプーや保湿、食事の管理をしっかりと行い、皮膚の健康を守ること。

 

中でも食事は良いフードを必ず選ぶこと。

 

逆に言えば、これだけやっておけばいいんです。

 

それだけで医者いらず、なんて素晴らしいことじゃないでしょうか。

 

みなさんの愛ブヒが、さらなる健康を手にして、長寿を誇れる日が来ますように。

 

 

 

 

 

 

 

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