【特集シン・スキンケア】冬の皮膚トラブル、実はフレンチブルドッグ独特の「ベト乾肌」に原因が
フレンチブルドッグの弱点といえば、みなさん皮膚のお悩みを思い浮かべるのではないでしょうか。アトピー、濃皮症、マラセチア皮膚炎など、確かにわがフレブルたちは本当に肌が弱い…。でも、たかが皮膚トラブルだと感じているのなら、それは大きな間違い。この時期、まずは愛ブヒの肌を触って、確かめるべきことがあります。フレブル独特の「ベト乾肌」、あなたも感じたことはありませんか?
今回は、動物看護師であるヤマグチさんのご登場です。彼女ももちろんフレンチブルドッグの飼い主。看護師と飼い主の面から、フレブル肌のことをたっぷりと語っていただきます。
目次
愛ブヒの皮膚状態はどうですか?
動物看護師をしているヤマグチといいます。
もちろんわたしもフレンチブルドッグの飼い主でして、今回そんな自分に白羽の矢が立ったということで、少しだけいま現在のフレンチブルドッグ皮膚事情とでもいうべきものを語らせてもらいますね。
さて、この冬のみなさんの愛ブヒの肌、どうですか?
今年は寒かったりそうでもなかったり、気温差が激しい日々が続いていますよね。
それにしたってこの時期の「乾燥」はやっぱりひどい。
わたしなんて目薬が欠かせないし、肌の保湿もしっかりしないとカサカサです。
では、愛ブヒはどうでしょう?
フレブル独特の「ベト乾肌」とは
まずは愛ブヒがリラックスしているときに、そっと背中に触れてみてください。
驚かせないように、ちゃんと触るよ、と告げてからやってくださいね。
被毛をかき上げて、地肌に手を添えます。
カサカサと乾燥している気がするけど、しばらく手を置いておくとなぜか「脂っぽさ」も感じられませんか…?
そう、これがこの時期に感じやすいフレブル独特の皮膚状態、「ベト乾肌(べとかんはだ)」なんです。
乾燥しているのに、ベトつく。
被毛の毛根部分もチェックして、フケがこびりついていたりはしませんか?
そうそう、ドッグベッドって、けっこうナチュラルカラーが多いから気づかないけど、実はフケがたくさん発生していたりするんですよ。
本当に、フレブル肌はデリケートなんです。
脂っぽいのに乾燥している理由
「脂っぽいのに乾燥している」「フケが多い」といった状態は、多くのフレンチブルドッグに見られる問題。
このような皮膚の状態がなぜ起こるのか、どのような病気が考えられるのか、そしてどのようなケアが必要なのかを詳しく解説していきましょう。
フレンチブルドッグの皮膚の特徴
フレンチブルドッグの皮膚は、他の犬種に比べて皮脂の分泌が多い傾向があります。
そのため、毛が短いにもかかわらず、ベタつきやすく、皮膚が蒸れやすくなる。
しかし、一方で皮膚のバリア機能が弱いため、水分を保持する力が低く、乾燥しやすいという側面も。
これが「脂っぽいのに乾燥している」という状態を引き起こす要因のひとつです。
フケが多くなる原因
フケが増えるのは、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の乱れが関係しています。
通常、皮膚は一定のサイクルで新しく生まれ変わりますが、皮膚が乾燥すると、古い角質が剥がれ落ちやすくなり、フケとなって目に見えるかたちで現れます。
さらに、皮脂の分泌が過剰な場合、それが酸化したり細菌の増殖を招いたりして、皮膚の炎症を引き起こし、さらにフケを増やしてしまうことがあります。
考えられる皮膚トラブル
このような症状が出る場合、以下の皮膚病の可能性が考えられます。
脂漏症(しろうしょう)
皮脂の分泌が異常に多くなり、皮膚がベタついたり、フケが増えたりする病気です。
脂漏症には「乾性脂漏」と「脂性脂漏」の2種類があり、フレンチブルドッグはその両方の症状を併せ持つことも。
乾性脂漏では皮膚がカサカサしてフケが多くなり、脂性脂漏では皮脂が多くなってベタつきやすくなります。
マラセチア皮膚炎
皮膚に常在するマラセチア菌が異常繁殖すると、強い皮脂臭を伴いながら皮膚がベタつき、炎症を起こします。
フケが多くなることもあり、放置するとかゆみが強くなり、犬が掻きむしって二次感染を引き起こすこともあります。
アトピー性皮膚炎
アレルギーが原因で皮膚が炎症を起こし、乾燥やフケが目立つようになります。
脂漏症と併発することもあり、皮脂のバランスが崩れることで「脂っぽいのに乾燥している」状態を引き起こします。
「病気のライン」を越えるか越えないか
いずれにしてもフレンチブルドッグにはとっても多い疾患なのですが、もちろんひどい状態になってしまったのであれば、動物病院一択、まずは治しちゃいましょう。
でも…「ベト乾肌」ってここまでわかりやすく症状が表れるわけでもなくて、なんというかもっと日常的なイメージなんですよね。
「病気のライン」を越えるか越えないかを、嫌な感じで行き来しているような。
この程度で薬を飲ませるのもなあ…絶対そう考えちゃいますよね。
あるいはすでにカイカイが出始めていて、治療もして、値段の張るお薬を飲ませて、よくなったかと思えばまたぶり返す…。
皮膚トラブルなんて命まで取らないんだから、放っておけばいい。
わたしの勤務している動物病院でそうのたまった飼い主さんもいましたよ。
冗談でしょう、どれだけのストレスだと思ってるんですか。
人間や犬に限らず、ストレスで動物は死にますよ。
治療以外の適切なケア
このような皮膚の状態を改善するには、適切なケアが必要なわけですが、治療以外のことをちゃんとお伝えしたいので、以下述べていきますね。
シャンプーの選び方と頻度
週に1~2回程度のシャンプー がベストかと思われます。
軽度の場合:1週間に1回
中等度~重度の場合:3~4日に1回(獣医師の指導に従う)
ただし、洗いすぎると皮膚が乾燥しすぎて逆に皮脂の分泌が増えることがあるため、適度な頻度を守ることが大切です。
保湿ケアを取り入れる
シャンプー後や普段のスキンケアとして、犬用の保湿スプレーやローションを使うのも効果的です。
特に乾燥が気になる場合は、ヒアルロン酸やセラミドが配合された保湿剤を使用すると、皮膚の潤いを保つのに役立ちます。
シワのケア
ご存知のように、フレンチブルドッグは顔のシワの間に皮脂や汚れがたまりやすく、それが皮膚トラブルの原因になることがあります。
わたしの印象ですが、フレブルはシワから雑菌が繁殖して全身に拡がっていくパターンが多いんじゃないかと思うんです。
シワの間を定期的に拭いて清潔に保つことが、菌の繁殖を防ぎ、皮膚の健康を維持してくれるはずです。
食事の見直しがマスト
そしてわたしがいまいちばん言いたいこと。
愛ブヒの「ベト乾肌」に悩んでいるなら、「絶対に」食事を見直しましょう。
手作り食の人もいると思いますが、ここはひとつ断腸の思いで「良いフード」を使ってみてほしい。
さらに獣医師から勧められたフード(そもそも獣医師でフードに詳しい人ってあんまりいない印象)、ブリーダーが使っていたからそのまま与えているフードも、一度見直してみませんか?
わたしの推しは、ただひとつ。
「THE fu-do(ザ・フード)」。
数少ないフレンチブルドッグ専用フードですが、完全にずば抜けていると思います。
こと皮膚のことに関しても、これ以上考えられているものはないと断言できます。
皮膚に良いとされているオメガ3脂肪酸ひとつとっても、「フレンチブルドッグにいちばん合う質と量」を考えていて、こんな丁寧な作り方をしているフードメーカーをわたしは知りません。
彼らに足りない「ビタミンC」の配合だって、ノンオイルコーティングだって、特別低温製法だって、フレンチブルドッグのことを研究尽くしている。
なにかを補うだけじゃなくて、それをフィットさせる技術と情熱。
わたしは動物看護師ですが、その前にフレンチブルドッグの飼い主です。
愛ブヒのために、いちばん良いものを与えたい、と思っています。
だからものごとのチョイスに敏感なんです。みなさんもそうじゃないですか?
そして皮膚のことで少しでも悩みを抱えているのなら、
いちばん理にかなっているのは、良い食事を与えるということだと考えています。
逆に言えばこれだけやっておけばいい
フレンチブルドッグは、皮脂の分泌が多いのに乾燥しやすく、フケが出やすいという特徴を持っています。
とてもやっかいな「ベト乾肌」です。
放っておけばすぐにカイカイ状態につながり、愛ブヒのQOLが下がります。
日常的なシャンプーや保湿、食事の管理をしっかりと行い、皮膚の健康を守ること。
中でも食事は良いフードを必ず選ぶこと。
逆に言えば、これだけやっておけばいいんです。
それだけで医者いらず、なんて素晴らしいことじゃないでしょうか。
みなさんの愛ブヒが、さらなる健康を手にして、長寿を誇れる日が来ますように。
おすすめ記事
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】川口春奈とアムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【ドッグフードの闇を暴く】フレンチブルドッグに本当におすすめの食事とは?
私たちが「フレブルライフ」をスタートして8年。雑誌「BUHI」も含めると、約20年フレンチブルドッグに関する情報だけをお届けしてきました。
そしてフレンチブルドッグを知れば知るほど、犬種によってかかりやすい病気や性格、運動量が異なることを痛感しています。
犬によってカラダもライフスタイルも大きく違う! なのに…日本のドッグフードは「全犬種同じ」ものが売られているのです。
しかも日本はペット「後進国」。フードにおいては、闇深い点がたくさんあります。
今回はフレブルライフ読者の皆さまだけに、ドッグフードの闇や矛盾を伝えさせてください。
もちろん最後には解決策もお伝えしていますので、どうかご安心を!
-
【肉球の香りがするビール、誕生】イラストは千原ジュニアさん【フレブルLIVEで先行販売!】
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
今年は例年以上に反響があり、二日間ともに駐車場付きチケットがSold outとなりました!
年々パワーアップしている「フレブルLIVE」ですが、今年はオリジナルのクラフトビールを制作。
世界初・肉球の香りがするビールで、その名も「Paw Pad Ale」。
パッケージのイラストは、なんと千原ジュニアさんが手がけてくださいました。
フレブルLIVEにて、先行販売いたします!
フレブルLIVE -
【スペシャル対談】愛犬の旅立ちと供養。霊感がない人も「愛犬の成仏」を知る方法!?【シークエンスはやとも×PELI】
愛犬の旅立ちは、誰もが目を背けたくなるもの。けれど事前に知っておくこと、考えておくことで、救われることがたくさんあります。
今回は、お盆スペシャル企画。世間が認めるほどの霊視能力をもつお笑い芸人「シークエンスはやとも」さんに、愛犬の旅立ちや供養についてインタビュー。
インタビュアー兼対談相手は、大の犬好きで心霊分野の知識にも長けているPELIさん。
「愛犬が旅立ったあと、ベッドやおもちゃはどうすればいい?」「お骨はどうするべき?」「お花やお線香は喜んでくれる?」
さらには、霊感がない人でも愛犬が成仏したことを知る方法まで。
お笑い芸人だからこそ暗くなりすぎない、むしろ心がスッと軽くなる。
永久保存版のスペシャル対談です!
対談 -
諦めかけた命。あれから2年、フードを変えたら15歳の今もお散歩大好きなフレンチブルドッグに!
今日は15歳の愛ブヒと暮らす、編集メンバーの実体験。
愛ブヒは二年前からすべてのフードが合わなくなり体重が激減。検査をしても異常はなく「年齢のせいですね…」と言われてしまいました。
もう諦めるしかないのかな…そんなとき、我が家に届いたのが「THE fu-do(ザ・フード)」の試食品でした。
そして「THE fu-do(ザ・フード)」を食べつづけて二年、愛ブヒは15歳になり、今も元気にお散歩をしています。
今回は、二年前の絶望から今までを包み隠さず、時系列でお話しさせていただきます。
-
【イベントレポ】5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人が集まった「フレブルLIVE2024」の全貌!
11/9(土)-10(日)の二日間にわたって開催された『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』。
今年はのべ5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人のフレブルオーナーが集まりました!
day1の司会はフレブルラバーのロッチさん。day2の音楽フェスには世代ど真ん中のPUFFYが出演するなど、例年以上に豪華なラインナップ。
北は北海道、南は鹿児島県から。全国のフレンチブルドッグが一堂に会した「フレブルLIVE2024」の模様を、詳しくお届けです!
最後には2025年の情報もありますので、要チェックでございます!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2024 (フレブルLIVE)
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】FBL編集部の「アバウトな幸福論」
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。