【取材】シュークリームが大好きな16歳!野菜嫌いブヒを長寿にしたのは試行錯誤が光る手作りごはん #56ねんど
10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回の主役は、多彩なフレブルグッズが揃う大分県の人気ショップ『Buff store』で副店長を務める16歳のねんどくん。弟分で経理担当のブヒ、ろいどくんと共に長年副店長として活躍。今やすっかり仙人然とした佇まいとなり、ママさんの右腕として存在感を放っています。
ねんどくんのプロフィール
年齢&性別
16歳2ヶ月の男の子(2006年5月3日生まれ)
体重
7kg(若い頃は13.5kg)
大好きなこと
散歩、食べること、ママさんが大好き
既往歴
・1歳頃に食物アレルギーを発症。
・5〜6歳頃に猫に引っ掛かれ目の手術を2回受ける。
・13歳の時に睾丸に腫瘍ができ、手術で除去。
・14歳で白内障により片目を失明。15歳で盲目に。
・2021年3月頃から眼振が起き、老齢性の前庭障害の疑いが。この頃から食欲が低下。
・2021年8月に右に腎臓液体が溜まっていると判明。抗炎症注射で治療。
1歳でアレルギーを発症、手作り食へとシフト
今までに経験した大病は、13歳の時に睾丸にできた腫瘍くらい。その時は去勢手術で睾丸自体を取ることで完治しました。
内臓系の病気はそれだけだというから、さまざまな病気を発症しやすいフレブルにとって、ねんどくんの強さはとても恵まれていると言えるでしょう。
ただ、それは生まれ持った素質というより“ママさんが作ったもの”なのです。
「1歳で食物アレルギーを発症し、市販のフードはどれも合わなかったため、ごはんを手作りするように。
うちはサプリとかもあげてないので、何が長生きの秘訣なのかと考えたらやはり食だと思います。
食べ物の中でもアレルギーが出にくかった鶏肉、魚、お米、キャベツをメインに、その時々で冷蔵庫にある食材を使って作っていました。
13歳を過ぎたころから体質が変わったのか、一切アレルギーが出なくなり、以降はなんでも食べています」とねんどくんママの牧さん(以下「」内同)。
食欲旺盛なねんどくんですが、実は野菜が苦手。
「だけど酸化防止効果があるキャベツなど、野菜には健康効果がたくさん。
どうしても食べさせたい一心で、だし汁で茹でて香りづけをしたり、鶏皮を炙って出した油で炒めたり。あの手この手で野菜を食べさせていましたね」。
そんな手作り食には、実はこんなアイデアが活かされていました。
「私の父が癌を患った時に、食事で免疫力を上げるという方法が書かれた本を読んだんです。
症状別に最適な食材を紹介してあったので、それをねんどの手作り食に活かすように。
ねんどの体調を見ながら、その都度良いと言われている食材を取り入れるようにしています。
これが結果的に、病気になりにくい体を育ててくれたのかもしれません」。
老衰が原因で食欲が急激に低下
さらに去年からは急激に食欲が低下、ご飯を食べなくなってしまいました。病院では老衰による食欲低下だと言われましたが、食べないことには命を繋げない。そこでママさんはさらに奮闘します。
「市販のウェットフードや牛肉、豚肉に鶏肉、さらにはシュークリームといったスイーツまで、毎日5種類くらい用意しました。
どれかを食べてくれたらいいけど、何を好むかはねんど次第。
とはいえ、食べなくなった当初は、シリンジで無理にでも口に入れていたんです。でもそれを嫌がる姿を見て、ストレスになり始めていることに気づきました。
それで“もう彼の意思に任せよう”と決心したんです」。
それからは、なるべく自発的に食べてくれるものを与えるように。今はだし汁をゼリー状にして和牛にかけ、風味を高めたものなどをあげているそう。
「我が家で一番エンゲル係数が高いですね(笑)」。
痩せていく体を救った水と大好物
15歳を境にあちこちに不調が出始め、急激に老いを感じたというママさん。今年になり自分で立つことも叶わなくなったねんどくんですが、できる限りのケアをしています。
「食べなくなってから始めたのが、看護師をしている友達に教えてもらった『日田天領水』。
大分大学の研究で食欲を増進させるという結果が出たと知り、お水をこれに変えました。
このおかげなのかは分かりませんが、水を変えて以降また食べるようになったんです。
今はこのお水に砂糖と塩を少し混ぜ、何も食べなくても命を繋げるようにしています。
あとは好んで食べるシュークリームのカスタード部分をあげたり、鶏肉のあえてモモなど脂分の多い箇所を選んであげたりと、少しでもカロリーを摂れるようにするのが私の役目。
ご飯は手の平に盛って口元まで持っていきますが、こうしてケアしている瞬間、ものすごく愛おしさを感じるんです」。
また、15歳で白内障により完全に視力を失ったため、散歩にもひと工夫が。
「今は寝たきりですが、完全に見えなくなった時点ではまだお散歩に行けていました。
その頃は公園までカートに乗せて移動。公園内ではたくさん声かけをしたり、あえて特徴のある足音が出るように摺り足にしたり。私の居場所がわかるようにしていましたね」。
顔に触れる時は驚かせないよう、背中を軽く2回叩いて合図を出してからにするなどの工夫も。
「加齢でできなくなることは確かに増えるけれど、その都度こちらが合わせるのがうちのスタイルなんです」。
実は「もう今夜が最後か」と覚悟を決めた夜もあったそう。そんな夜を乗り越え、ママさんはこう言うのです。
「ねんどは来た時からお利口。手がかからない子でしたが、今は何もかも私に委ねてくる。
これはハイシニアになって気づいた可愛さで、たまらないものがありますね。寝てる姿を見るのが幸せなんです」と。
九州ブヒ会を立ち上げ、多くのブヒオーナーと情報交換
フレブルとバイクを愛するアクティブなママさんは、なんと九州ブヒ会の発起人でもあります。
毎年春と秋に大規模なオフ会を開くこの会を始めた理由は、情報交換やオーナー同士の交流をしたかったため。
「フレブルってやっぱり健康トラブルが多い犬種。オーナー同士が楽しく交流しながら情報交換ができる場が欲しいなと思って立ち上げたんです。
ご飯を飲み込みやすいようにゼリーで固めるアイデアなんかも、ここで教えてもらったもの。やはり情報は大切ですね」。
こうして他のブヒオーナーさんから多くの情報を得る一方、病院に関しては独自のこだわりも。
「基本、かかりつけ医に診てもらっていますが、皮膚や目など症状によっては専門医を訪ねるようにしています。
ねんどは過去に2回、猫に顔を引っ掻かれて目の手術をしていますが、その際も眼科治療に強い病院を探しました。
今はかかりつけ医の元には月に1度、体調チェックのために通っています」。
なお、自宅はねんどくんたちがストレスがなく過ごせる工夫も。
「今は寝たきりなのでおむつですが、それまでトイレは必ず外でしかしなかったんです。
だから自由に庭に出られるようにしています。また、どの部屋も行き来できるようにして、私が仕事に行っている間も好きに過ごすことでストレスを感じさせないように。
ただし全部屋のクーラーを稼働させる必要があって電気代がかさみますが(笑)」。
工夫満載の食事とストレスの少ない暮らし。それが長生きの大きな秘訣なのでしょう。
ちなみにインスタグラムでのねんどくんの一人称は「オリ(俺)」、口癖は語尾につける「だぬん」。
きっと「オリはまだまだママさんやろいど(弟)と一緒に過ごすんだぬん」と言っているのでしょう。取材中、眉毛がチャームポイントの彼は、ママさんに抱っこされながらこっそりそう呟いてくれました。
フレンチブルドッグねんど副店長の部屋
九州ブヒ会
取材・文/横田愛子
★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!
10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
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