飼い主に言いたい。「ぼくたちフレブルにも相性がある」と。
うちの子って他の犬やよその人が苦手。なんて声を頻繁に聞きます。一般的にはフレンドリーな性格だと称されるフレンチブルドッグですが、もちろんみんながみんなフレンドリーでオープンな性格なはずもなく、シャイだったり家族以外の生き物に全く興味を示さない子だっているのが当たり前。それにね、フレブルだって意志を持つ生き物だから、もちろん「合う・合わない」という、いわゆるウマのようなものが確実にあるんですよね。
ウマが合うお友達が見つかるかも
犬の社会化って大切。
というのは以前から言われているし、実際そうだと思います。
それゆえにガウガウ系、もしくは犬(人)見知りブヒのオーナーさんたちは「社会化ができていなくて」と肩を落とすことも多々ありますが、具体的に犬の社会化というのは、色々な場所や音、人や犬に慣れされ、飼い犬として人間社会で生きる上での社会性を身につけることなんです。
しかしいくら社会化ができているブヒでもやっぱり好き嫌いはあるし、かなりフレンドリーな性格だった筆者の愛ブヒにも「こいつは苦手だ」という存在は確実にありました。
しかもそれは年齢と共に顕著になり、例えばドッグランでも苦手な子がいると遊ばない。
さらに苦手な子が執拗に遊びに誘おうものなら「その辺りでやめておけ」と言わんばかりに威嚇していました。
こればかりは社会化云々の問題ではなく、単にウマが合わない・ソリが合わない、といった類のもの。
誰にだって「あの人苦手なのよね」という存在がいるけれど、その辺りを取り繕いながら付き合っていくのは私たちが人間だから。
しかしフレブルたちにそれを求めるのは困難だし、その必要もないと思います。
苦手な相手と無理に付き合わせることは、間違いなくブヒにとってはストレス要因になりますから。
けれど犬同士で仲良く戯れて遊ぶ様子を目にすると、犬のお友達がいない愛ブヒをちょっぴり不憫に思う気持ちもわかります。
ただ、諦めるのはまだ早い。
なんとなくウマが合う子というのは、日常の中で不意に出現する可能性があるのですから。
体験からの実例を紹介
ウマの合う子はどこかにいる。
そう確信するのは体験によるものです。
今は虹の橋の向こうにいる筆者の愛ブヒですが、愛ブヒには近所に仲の良いフレブルがおりました。
その仲良しブヒは、いわゆる「他の犬が苦手でガウガウしちゃう派」。
愛ブヒより3歳年上のその子は小型犬だろうと大型犬だろうと近づくと吠えかかるタイプですが、不思議と愛ブヒとだけは喧嘩することもなく時にブヒレスをし、並んで散歩をすることも多々ありました。
愛ブヒがお空へ転居した今も我が家の前を散歩で通るたびに、必ず立ち止まって家の中に向かって「クーン、クーン」と愛ブヒを呼んでくれます。
その子のオーナーさんは最初とても驚き不思議がり、なぜ筆者の愛ブヒに限り仲良くできるのかと首を傾げていました。
これってやっぱり、ウマが合うってことなんだろうなと実感した次第です。
苦手な子が多いけれどなかには仲良くできる子だっている。
その数は多くないかもしれないけれど、ゼロじゃない。そう思うのです。
ただ、愛ブヒのお友達を見つけるきっかけを作るのは、オーナーである私たち。
そもそも「ガウガウ派ブヒ」のオーナーさんは他の犬連れに迷惑をかけないよう、犬を避けて散歩させていたりしませんか?
愛犬が吠えて不快な思いをさせたくないなどの配慮から、前から散歩中の犬が来たら大きく進路を変える、なんて行動をとりがち。
これは決して悪いことじゃないけれど、もしかしたら愛ブヒのお友達作りのチャンスを逃しているのかもしれません。
なお件の仲良しブヒも最初に会った時はそんな感じでしたが、オーナー同士が少し遠くからでも挨拶を交わし会話をすることで徐々に距離が近くなり、いつの間にか並んで歩くようになったのです。
ウマが合うこと、そして慣れ。
お友達作りにはこの2つの要素が欠かせないように思います。
フレブルってよく見てる
フレブルはオーナーさんのことをよく見ています。
さらに飼い主さんの態度によって相手を判断するため、オーナーさんが親しく話す相手には心を許しがち。
つまり、オーナーさんが友好的ほど、愛ブヒも他者に対しての警戒心が薄れるということ。
これが対犬になるとまた変わってくるかもしれませんが、まずは犬連れを見かけたら笑顔で挨拶してみる。
ガウガウしちゃってごめんなさいね〜なんて話しかけながら、いきなり犬同士を近づけず、まずはオーナー同士のコミュニケーションを愛ブヒに見せること。
「おや、ママさんなんだか楽しそうに話してる。ならこの人とこの人が連れているあの子も良いやつなのかもしれないな」なんて愛ブヒに思わせることができれば、犬同士の警戒心も和らぐのかもしれません。
ガウガウ系や引っ込み思案なブヒの場合、犬のイベントなどに連れていくのを躊躇うことも多々あるかと思いますが、思い切って参加することも大事。
犬同士のコミュニケーションを無理強いするのはダメだけれど、他の犬たちがたくさんいる環境に慣れさせることがお友達作りの第一歩。
その先にウマが合う子との出会いが待っているのです。
おわりに
諺に「人には添うてみよ、馬には乗ってみよ」というのがありますが、これは親しく付き合わなけばその人の本質はわからないし、馬にも乗ってみなければ良い馬かどうかわからない、つまり何事も経験してみなければ本当のところはわからないよ、という意味。
最初から避けるより、まずはご挨拶して相手を知るとすること。
それを繰り返すうちに、いつしかウマの合う存在に巡り合えるのだと思います。
これって人はもちろん、犬同士の関係にも同じことが言えると思いませんか?
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