フレブルとの暮らしに「不自由」を感じているひとへ
とことん甘えん坊でお留守番が大嫌い。愛ブヒのことをこういうふうに紹介してくれるフレブルオーナーさんは実にところものすごく多い。そのせいか留守番はもちろん、フレブルと暮らしていると日常の様々なシーンで「犬連れで行けないのならやめておこう」と考えることが多々あって、最初のうちはそれを不自由だと感じることもあるかもしれない。だけれど、これってなんて幸福な不自由なんだろう、そう思うんだ。
もう少し寝てたい朝も、寒い冬の夜も
あと5分、なんなら3分でもいい。
なんて思うほどに疲れていて眠たい朝でも、それが夏なら二度寝できないのがフレブルとの暮らし。
なにせ太陽が昇るとすぐに暑くなるから早朝を逃すとお散歩に出られないし、今しかないと眠い目をこじ開けてノソノソと起き出す日々。
一方北風が吹き付ける冬の夜は寒くて、次の角まで行ったら帰ろうと声をかけてもルンルンで歩き続ける相棒に付き合い、気づけば1時間なんてこともある。
これは犬と暮らす以上必須のお世話で、彼らの健康維持のためにはこちらがちょっぴり無理をすることは想定内。
こんな毎日のちょっとした不自由に始まり、犬と暮らすってことは不自由の連続だ。
実際にフレブルを迎えて以降今までのライフスタイルを大きく変えざるを得なくなり、当初は戸惑う人も多いだろう。
けれどもこちらを見上げるその無垢な瞳を見れば、「不自由だ」なんて少しでも感じた自分を責めることになる。
だって彼らにとって、頼れるのはあなたやあなたの家族だけなんだから。
フレブルはとりわけ人間ぽい犬種だと言われているけれど、これが人間の子供だといつか手が離れる日がやってくる。
お腹が空いたら冷蔵庫を開けて何か食べ、友達と自由に遊びに行ったりもできるだろう。
けれどもフレブルたちはそうはいかない。だから彼らの命が続く限り、私たちはこの不自由さを受け入れる必要がある。
この素晴らしき不自由
帰宅したら真っ先に駆け寄ってきて全身で喜びを表現したり、隙あらば膝によじ登ってきて甘えたり。
こんな姿を目にするたびにこの幸せが永遠に続けばいいのになと思うのは、私たちがすっかりフレブルに夢中になっているからに違いない。
夢中って、夢の中って書くけれど、人間よりもずっと早く一生を駆け抜ける彼らと過ごせるこの時間は、本当に夢の中にいるのかもしれないね。
これは愛ブヒと過ごす年月が長くなるほどにより強く感じる感情で、いつか来るであろうさよならの日を頭の隅っこで意識しながら、目の前のまあるい存在に尊さすら感じるようになる。
ここまでくるともはや日常で感じていたちょっとした不自由が逆に心地良くなり、不自由な状態が当たり前になるのだろう。
だから休日ともなればブヒ連れでいけるイベントや場所を探して出歩き、そこで出会った、同じくフレブルを相棒に選んだ人たちと仲良くなったりもする。
知らず知らずのうちに傍にフレブルがいることが当然になり、「犬と生きる世界」が新しい日常になる。
そうなってしまったら、もはや不自由はもう不自由ではすっかりなくなって、フレブルと生きる新たな自由を手に入れたようなもの。
思えば、フレブルを迎えて一緒に暮らし始めた頃に感じた些細な不自由は、私たちの毎日が変化していくことへの戸惑いなのかもしれない。
変化って時に不安で怖かったりもするけれど、いつしかそれに順応して慣れていくもの。
すっかり変化に慣れたその時こそが、真のフレブルオーナーになった時なのかも。
フレブルはたぶん特別な犬
どの犬もみんな可愛いけれど、フレブルはやっぱり特別。
それを実感したのがフレンチブルドッグライブだった。
近場で開催されているならともかく、このイベントには全国津々浦々から何時間もかけて参加した人が多く、その数があまりにも驚異的で思わず笑ってしまうほど。
これってつまり、みんなフレブルが傍にいることを当然のことだと受け入れて、愛ブヒと一緒に楽しみたい人たちがその日その場に集まったということでもある。
他犬種でもこういった犬種に特化したイベントはあるけれど、ここまでの規模や人数が集うのは聞いたことがない。
つまり、数多いる犬種のオーナーの中で群を抜いて不自由さを楽しみ、それを犬と生きる自由に変える能力に長けているのがフレブルオーナーだということ。
そこまで人を夢中にさせてしまう魅力が、フレンチブルドッグにはある。
だからやはり彼らは特別な存在だと思うし、そんな彼らを相棒として迎え入れた人もまた、人生を豊かに楽しむ天才なのかもしれないね。
もし今、これを読んでいるあなたがフレブルとの日常に不自由さを感じていたとしたら、まだ変化の途上だというだけ。
いつの日か不自由だと感じていたことが嘘みたいに、いつだって並んで過ごすことに幸福を感じるようになる。
だってフレンチブルドッグって、私たちの人生に彩りを与えてくれる存在だからね。
おわりに
生き物との暮らしは不自由の連続で、思ったようにいかないのは当たり前。
なにしろ相手も自分の意思を持つ存在だから、わかりあうには年月が必要。
それでも変わらず愛を注ぐことで、不自由だと感じていたことすらも、いつか幸福だと感じる日がやってくるのだ。
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