2020年6月9日2,496 View

鼻ぺちゃの宿命…!フレブルは“歯のトラブル”が起きやすい。その原因と対策を獣医師が解説!

愛するブヒがずっと健康で長生きしてくれるためには、歯の健康がとても大切。ところがフレンチブルドッグは生まれつき歯並びが悪いため、歯や歯茎のトラブルが起きやすい犬種なんです。

その理由や、歯の病気を防ぐための注意点について『サーカス動物病院』院長の平塚彰吾先生がレクチャーしてくれました。

フレンチブルドッグは全員、生まれながらの「受け口」

フレンチブルドッグ

Juri82/shutterstock

 

「ブヒのムキッとした顔がたまらない!」というオーナーさんも多いのではないでしょうか。

 

フレブルさんのお顔の特徴と言えば、そのしゃくれたお口からチラッと覗く下前歯ですよね! 

 

これは、下顎が出ているいわゆる“受け口”と言われるもの。

 

上顎の前歯よりも下顎の前歯が前に出ていることを、“アンダーショット”もしくは“アンダーバイト”といい、これは歯並びが悪いこと(不正咬合)の1つです。

 

とはいえ、受け口じゃないフレブルさんはいませんのでご安心ください。

 

しかし、“キレイなバラには棘がある”。

そして、“可愛い鼻ぺちゃには注意点がある”です。

 

その可愛いお顔をいつまでも愛でていたいからこそ、アンダーショットの注意点を知り、対策しておきましょう!

 

今回はフレンチブルドックのお口の特徴、特に歯並びについてお話しさせていただきます。

 

この愛らしい顔に隠されたお口のトラブルとは!?

フレンチブルドッグ

Firn/shutterstock

 

ではこの受け口によって、どんなトラブルが起こりやすいのでしょうか?

 

起こるトラブルは大きく分けて2つです。

 

(1)自分の歯茎や口の中を歯で傷つけてしまう

(2)口の中に汚れが溜まりやすく、歯周病になりやすい

 

詳しい説明の前に、まずはクイズです!

Q.人間の歯は全部で32本あります。では、わんちゃんの歯はトータル何本あるでしょうか?

(1)22本

(2)32本

(3)42本

 

正解は……

 

(3)42本 

 

です(以下写真参照)。

 

お口の健康診断

筆者の動物病院で使用している『お口の健康診断』

 

そうなんです、意外にも(?)ワンちゃんはとても歯が多いのです。

 

そして、基本的にどんな犬種でもこの本数は変わらないのが面白いところです(生まれつき大人の歯が少ない子はいますが)。

 

つまり、鼻ぺちゃのフレブルも、鼻が長いミニチュアダックスフンドも、丸顔の犬種も、みんな同じ歯の本数なんです。

 

アゴの大きさが違うのに不公平(?)ですよね。

 

フレブルはアゴに奥行きがない分、比較的アゴが小さい犬種です。

 

では、そんなアゴに、大量の歯が生えると一体どうなるでしょうか?

 

「…歯が小さくなれば良い!」

 

確かにそうですね! ただ、100年後はともかく、現代のフレブルは歯が小さくなっていないようです。

 

となると、残された方法は……

 

歯の隙間をなるべく無くして、歯をギチギチに詰めた状態にするしかないのです。

 

どうしても入らない歯は横向きに生やすなどして、何とか42本生えています。アゴと歯の壮絶な闘いですね…。

 

ここで、歯並びが悪いことによって起こる2つのトラブルを思い返してみましょう。

 

(1)自分の歯茎や口の中を歯で傷つけてしまう

(2)口の中に汚れが溜まりやすく、歯周病になりやすい

 

どうですか? 大分想像しやすくなったのではないでしょうか。

 

歯が横に生えてしまうと口腔内を傷つけてしまうし、歯がギチギチに詰まっていると汚れが溜まりやすい。

 

そのため、フレブルは歯科トラブルが多い犬種なんです。

 

フレブルにおすすめの歯科トラブル対策は

フレンチブルドッグ

praditkhorn somboonsa/shutterstock

 

では、どうすれば上記2つの歯科トラブルを防げるでしょうか。

 

それぞれの対策を紹介します。

 

(1)自分の歯茎や口の中を歯で傷つけてしまう

 

横に生えてしまった歯を正すには、“歯列矯正”が必要です。

 

ただし、歯科を得意にしている動物病院でないと処置が難しかったり、そもそも幼少期ではないと効果が乏しいので注意が必要です。

 

歯列矯正が難しい場合、原因となってる歯を削ったり抜いたりすることで改善できます。

 

放っておくと口の中に痛みを抱えてしまう可能性があるので、「あれ? 我が家の愛ブヒ歯並びが悪いな」と思われたら、ぜひ一度動物病院で御相談なさってみて下さい。

 

(2)口の中に汚れが溜まりやすく、歯周病になりやすい

フレンチブルドッグ

Jannis.ma/shutterstock

 

歯の隙間がないからこそ、フレブルは“歯の隙間”に汚れが溜まりやすいのが特徴です。

 

私たち人間も歯の隙間がないところは、デンタルフロスで汚れを掻き出しますよね。そのイメージです。

 

そのため、歯みがきをする際は、歯の隙間を意識して行い、毛先の長めの歯ブラシで汚れを掻き出す様に行うと効果的です。

 

歯磨きの際にペーストやジェルを併用するのもオススメ。

 

抗菌作用があったり、口内環境を整える成分が含まれていたりするので、お口の中の健康を守るのに役立ちます。

 

また、チキン味やフルーツ味などフレブルが好むフレーバーがついているものあるので、歯磨きへの抵抗感を薄くしてくれる効果も。

 

「でも、うちはチキンアレルギーで…」と心配されるオーナーさんもいらっしゃるかもしれませんが、チキンフレーバーといっても、実際に原材料に鶏肉を使用している製品はほとんどないので、成分表示を確認して、アレルギー食材不使用のものを選べば安心です。

 

逆に、明らかにアレルギー物質が含まれている場合や、愛ブヒが食物アレルギーの疑いがある場合は使わないようにしましょう。

 

また使用してかゆみなどが出る場合も、すぐに使用を中断してください。

 

歯みがきシートだけでも、やらないよりは効果的ですが、歯ブラシまで出来るとよりGOODですので、ぜひトライしてみてくださいね。

 

歯磨きガムについては、与えることに関しては特に問題ありません。

 

ただし噛む製品の中でも、ヒヅメや骨、ヒマラヤチーズのようにものすごく硬い製品は、たまに歯が割れてしまうことがあるため、あまりおすすめできません。

 

ハサミで切れる硬さのものであれば心配ないと思われます。

 

以上、フレブルは、アゴの骨格から非常にお口の構造が特徴的という話をさせていただきました。

 

このフォルムがたまらなく可愛いのですが、残念ながらトラブルが起こりやすいのが事実です。

 

ご紹介したケアを心がけて、愛ブヒをお口の病気から守ってあげましょう!

 

獣医師プロフィール

獣医師・平塚 彰吾

平塚 彰吾

獣医師

東京農工大学 獣医学科卒業

日本小動物歯科研究会所属

 

【サーカス動物病院】

歯科診察室画像

一般診察および歯科診察に力を入れている動物病院。特に歯科の診察に力を入れており、専用の機材を揃えた歯科治療室にて処置を行う。飼い主がガラス越しに歯科処置の様子を見学する事も可能。

 

住所:252-0823 神奈川県藤沢市菖蒲沢910

受付時間:9:00〜12:00/15:00〜18:00

休診日:木、日/祝午後

HP:https://circus-ah.com/dental/

 

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