動物にも正義を。アメリカで始まった動物虐待者への厳しい罰
動物愛護の面では、日本よりずっと先進国のアメリカ。動物愛護団体が1日に何十回もテレビコマーシャルで募金を呼びかけていたり、犬や猫などの生体を販売しているペットショップが消えつつあるそうです。
そんなアメリカでは、動物虐待をした者へ、とても厳しいペナルティが課されている地域があるとのこと。今回は、そのペナルティについてのレポートです。
目次
参考サイト:Animal Abusers Will Now Be Registered Like Sex Offenders
動物虐待の前科がある者に義務付けられた「虐待者としての登録」

Skyward Kick Productions/shutterstock
アメリカにおいて、動物虐待は程度によっては殺人などと同じfelony、つまり「重罪」。刑務所へ収監されることもある犯罪です。釈放されたあとに何十年も「動物を飼う権利を剥奪」されることもあります。
ただ、動物を飼うということには身分証が必要なわけではないため、取り締まることが難しいのが現実でした。
そこで、動物虐待の前科がある者に対して課されることになったペナルティが「虐待者としての登録」です。本名はもちろん、住んでいる住所に生年月日、動物に対するどんな罪で捕まったのか、犯罪を犯した日時、なんと顔写真まで、全てのデータを地域が管理するデータバンクに登録することが義務付けられることになりました。
このデータはすべてインターネット上で公開され、わたしたち一般市民も見ることができます。
動物たちを虐待者の手に引き渡さないために

mady70/shutterstock
ペットショップで犬や猫を購入する習慣のないアメリカ人にとって、シェルターで保護された動物を家族として迎えるというのはごく一般的なことです。
シェルター側もオープンで、“いつでもご自由に訪問してください”というスタンスのところも少なくありません。
ただ、シェルターから動物を引き取る際には無料、もしくは少額の手数料で済むため、虐待する新たなターゲットを見つけるために前科のある者が動物シェルターに行き、動物を引き取るというケースもあったようです。
そんな悲劇を繰り返さないために、大切な動物たちを引き渡す前にシェルターがチェックできるのが虐待者のリスト。もちろん、ブリーダーや、生体を扱っているペットショップ、どうしても手放さなくてはいけなくなった犬や猫の新しい飼い主を探している方もチェックすることが推奨されています。
アメリカ全体へ広がる動物愛護の動き

Prazis Images/shutterstock
今現在、この法律が適用されているのは限られた地域のみ。よって難しいのが、虐待者が別の地域へ犬や猫を求めに行った場合です。
たとえば、Aという地区で逮捕をされてリストに載っている者も、すぐ隣にあるBという地区で里親募集をしている犬の飼い主からは何の問題もなく犬を引き取れる可能性があるのです。
また、地域限定の法律であるが故に、アメリカ全体での知名度もそれほど高くはありません。
テネシー州が虐待者リストを市民へ公開
ところが、そんな状況がここ数年変わりつつあります。2016年の1月にはテネシー州が、州としては初めて虐待者のリストを作成し市民への公開を始めました。
他にも、ニューヨークやフロリダ州の一部、大都市シカゴのあるイリノイ州クック郡でも同様の法律が可決されています。
アメリカのメディアでも少しずつ情報がシェアされ始め、アメリカ全体でこの法律が適用される日も遠くはないかもしれない、というのが動物を愛する全ての人の見解であり、希望でもあります。
日本で虐待された、フレンチブルドッグ

Teerawut Bunsom/shutterstock
2015年。日本でも、ある男性が飼い犬のフレンチブルドッグを虐待している映像を動画で生配信し、問題になりました。(現在、動画は削除されています)
飼い主の男は、フレンチブルドッグ(パイドの男の子)の背中を両手でつかみ「UFOキャッチャーの刑だ」と持ち上げ、そのまま硬いイスの上に落としたのです。フレンチブルドッグは、吠えて悲しみを訴え、終始おびえていました。
※この映像にはコメントが殺到し、2017年6月現在は動画が削除されており、閲覧することができません。
最後に…
アメリカの一部地域で義務付けられている「動物虐待者としての登録」。他の地域でこの法律が可決される日が来るのか、アメリカ全体にこのまま広がっていくのか。French Bulldog Lifeでは、これからもこの新しい法律の動きに注目していこうと思います。
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