すべての愛犬のために飼い主が知っておくべきこと
愛ブヒが元気な時にはあまり考えることはないかもしれませんが、一生のうちに全く病気にかからない子というのはかなり少数。できればどのフレブルも病気知らずで長生きしてほしいけれど、今は元気な愛ブヒも将来的に何かしらの病気にかかる可能性が高い。そう心に留めておくことはとても大切です。その理由は、病気にかかった際に的確に動けるから。病気の種類によっては急を要するケースもあるため、事前にある程度シミュレーションをしておくことは愛ブヒの命を左右するかもしれないのです。
治療の選択肢は年齢によっても変わる
主に内臓系の病気の場合、エコー検査や血液検査などで何かしらの異常が見つかると、場所によってはCTやMRIを用いた検査や手術が必要になる場合があります。
その際に必須となるのが全身麻酔。
フレブルたち鼻ぺちゃ犬オーナーである私たちは全身麻酔のリスクについては十分承知していますが、そもそも全身麻酔って年齢制限はあるのでしょうか。
教科書的な答えだと年齢による制限はないけれど、筆者が獣医師に尋ねたところ、13歳がひとつの目安だとお答えいただきました。
これはもちろん、その子の健康状態によってかなり左右されます。
全身麻酔に耐えられるだけの体力があり、かつ各臓器の機能や状態が整っていることが前提。
あくまでも全身麻酔は病気の確定診断や手術を実施するためなど、目的を達成するための手段であることから、この手段が取れない、つまり全身麻酔に耐えられないという判断がなされた場合は、投薬など他の治療方法を選択することになります。
ちなみに全身麻酔後のリスクには、後遺症として腎不全や肝不全があることも覚えておいてください。
フレブルオーナーさんはマズルのある犬種のオーナーさんに比べて全身麻酔に対する意識が高いですが、年齢や病気の症状によってはそもそも全身麻酔を伴う検査や治療ができないとケースもあるのです。
投薬治療は医師と相談しながら
手術の選択ができなかった場合、投薬治療を選ぶのが一般的でしょう。
投薬はその病気に効果を発揮するお薬を継続して使用し病気の進行を遅らせたり、改善を試みる治療法ですが、薬に関しては人間と同様に「合う・合わない」があります。
薬が合うかどうかはそのフレブルの体質によって大きく左右されるもの。
例えばアトピー性皮膚炎や慢性腸炎など、フレンチブルドッグが罹りやすい病気の薬としてよく処方されるステロイドの場合、副作用に多飲多尿や嘔吐・下痢、肝数値の上昇、筋肉の消耗などが挙げられますが、体質に合っているのか薬の効果を発揮しつつもほとんど副作用の影響が出ない子もいれば、副作用が強く出て投薬を躊躇う場合も。
いずれにせよ投薬治療に関しては、お薬の量や種類などを細かく調整し、その子にとって一番合う量と種類を見極める必要があります。
もちろんこれはかかりつけ医の役目なので、投薬治療を継続する場合は愛ブヒの日々の体調や様子を記録し、薬の影響だと思われることをこまめに先生に相談するのが必須。
また、複数のお薬を処方されることも多いので、副作用が強く出た場合にはどの薬が合っていないのかを調べることも大事なんです。
これは筆者の友人の愛犬のケースですが、抗炎症作用のある薬と胃薬を処方され、翌日に激しい嘔吐と下痢が起こりました。
先生に相談したところ「多分胃薬が合っていないのだろう」との診断で胃薬を別のものに替えてもらうと、嘔吐や下痢はすぐに止まったそう。
医療関係者でなければ、薬、それも動物の医薬品に関しての知識はほぼないため、投薬治療は医師と二人三脚で行うのが基本なんです。
できることを探してし続けること
筆者の愛ブヒもそうでしたが、病気が分かった時点ですでに治療の成す術がない病気もあります。
これは非常に悔しくショックなことですが、それでも諦めるのは絶対にダメ。
手術も薬も選択できないのなら、こちらも視点を変えてみることです。
腫瘍であれば腫瘍に効くと言われている食材を取り入れた手作り食に切り替えたり、東洋医学の先生に相談して漢方を試してみるなど、今何ができるかを調べてすぐに実行に移すこと。
治る見込みがない病気でも、ただ別れの日を待つなんてオーナーにとっては一番苦しいことです。
病気そのものの治療はできなくても、例えば快適に過ごせるよう寝床を工夫したり、負担にならない程度の遊びや散歩をすることもQOLを維持する方法のひとつ。
病気に対して「何もしてあげられなかった」と悔やむことほど、別れた後に後悔することはないと思います。
だからもし愛ブヒに病気が見つかったのなら、まずはできる治療法を探し、次に治療法の中から愛ブヒにとって最善だと思える方法を選択する、最後に病気に直接アプローチする手術や薬以外の方法、例えばフードなどで取り入れられることはないかを考え実行する。
これが後悔を遠ざける方法です。
おわりに
病気になってほしくはないけれど、何が起きるかはわからない。
仮に病気になったとして、最後まで一緒に闘い病気に抗う姿勢を持ち続けるオーナーさんの諦めない姿は、愛ブヒにとって何よりも心強いのではないでしょうか。
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