『ハグ』や『キス』は一方通行かも…!愛ブヒに「大好きだよ」を伝える3つの方法。
愛ブヒを本当の意味で幸せにするには、オーナーがつねに犬の気持ちに寄り添い、勉強し、信頼関係をしっかり築くことが何より大切です。
そこで、国際的なドッグトレーナーのライセンスを取得している大久保羽純さんに、“愛ブヒから信頼される方法”を学ぶのが、この特集。
今回は、愛する我が子に「大好きだよ」を伝える方法を学びます。あなたのその愛が、ただのエゴや一方通行にならないために、しっかりと学びましょう!
目次
大好きで大好きでしかたない愛ブヒ。どう、この愛を伝えよう!?
愛ブヒを心から愛するブヒオーナーの皆さん。皆さんはどのように、我が子に愛情を注いでいますか?
一緒に暮らす日々が重なるほど、より一層愛ブヒを愛おしく感じ、今よりもっと幸せになってもらいたいと思いますよね。
ではどうすれば愛ブヒに、「あなたが大好きだよ」というキモチを伝えられるのでしょうか?
愛のカタチは、ブヒの数だけあるでしょう。幸せのカタチも、星の数ほどあるでしょう。
とはいえ、毎日愛ブヒに「愛しているよ」とささやいても、ギュッと抱きしめても、果たして皆さんの愛情が伝わっているかどうかは謎です…。
なぜなら、愛ブヒがその行為を喜んでいるかどうかはわからないから。
そこで今回は、オーナーさんの「愛してるよ」の気持ちを伝えられる行動を3つご紹介します!
その1.愛ブヒが喜ぶことをしよう
愛ブヒに愛を伝える上での大前提は、オーナーさんのしたいことを一方的にやるのではなく、愛ブヒが喜ぶことをする! なのです。
<愛情は、受け取り手次第>
愛ブヒをどんなに愛しているからと言って、ニンゲン流の「愛している」を伝えても、イマイチ響きませんよね。
例えば、愛ブヒにダイヤモンドを贈るとか、高級レストランに連れて行くとか。これだとブヒ目線ではありません。
さらに、不自由な服を着せて延々と写真を撮るとか、暑い日にドッグイベントに行くとか、一方的に抱きしめる、好き勝手にチューする……なども、愛ブヒが喜んでいれば最高ですが、残念ながらそういったことが苦手なブヒも結構います。
オーナーさんとしては、溢れる愛を伝えたくてのことかも知れませんが、それだけではただの自己満足に。
ちなみに私の愛犬は抱っこが苦手。抱っこ中、鏡で愛犬の表情を見てみると「嫌なんですけど…」と悲しいお顔。
そのため、抱っこをさせてもらう時にはお礼のオヤツが欠かせません。
しかし、オヤツを食べても嬉しそうではありません。
私と愛犬の場合は、抱っこは愛を伝える手段にはならないようです。
SNSで抱っこが大好きなブヒを目にすることも多いでしょう。しかしうちはうち、よそはよそと考えて。
愛情の受け手である、あなたの愛ブヒ側が喜ぶかどうかがポイントなのです。
愛を伝えるため『愛ブヒの喜ぶことリスト×20』を作ろう
あなたの愛ブヒに「大好きだよ」を伝えるための有効な方法。それは『愛ブヒの喜ぶことリスト20』の作成です。
さあ、以下の手順でやってみましょう。
手順(1):愛ブヒが笑顔になることを20個以上、紙に書き出す
家族みんなで愛ブヒ会議を開いてください。そこで愛ブヒが喜ぶこと(好きな遊び、好きな食べ物、好きな時間など)を20個以上書き出しましょう。
まずは愛ブヒが喜ぶことを知ることが、愛を伝える第一歩です。
例えば、
・赤いロープで引っ張りっこ。
・ブヒ友プンタくんと遊ぶこと。
・パパと追いかけっこ。
・カジカジチーズオヤツ。
など。この時のポイントは、他の家族の意見を否定しないこと。
なぜなら、家族ごとに愛ブヒとの関わり方や、遊び方などは違って当然だからです。
手順(2):1位から20位まで決める
20個が出たら、順位をつけましょう。
必ずしも家族全員の意見が一致するわけではありません。それでもOK。
自分以外の家族と愛ブヒが、どんな風に楽しい時間を過ごしているのかを知る機会にもなりますね♪
手順(3):出来上がったリストを壁に貼る
みんながいちばん目にする場所に貼ってください。SNSにアップするのもGOOD!
愛ブヒの喜ぶこともずっと同じではないですから、3ヶ月に1回程度は会議を開いて、内容やランキングをリニューアルしてください。
日常だと、つい同じことの繰り返しになってしまいがち。
愛ブヒに喜んでもらうために、『愛ブヒの喜ぶことリスト20』を見ながら、1日に最低でも5個以上は、愛ブヒの喜ぶことをやっていきましょう。
その2.愛ブヒが喜ぶことを「開拓」しよう
“現在の愛ブヒ”が喜ぶことが確認できても、まだ終わりではありません。
愛ブヒは常に進化し続けます。“現在の愛ブヒ”だけではなく、“未来の愛ブヒ”が喜ぶことを増やすことも重要です。
そこで、今までやったことのないことにチャレンジをしてみましょう♪
つまり愛ブヒに「大好きだよ」を伝える方法その2は、“愛ブヒの喜ぶことを開拓しよう”なのです!
例えば、新しいオヤツ、新しいお出かけ先、新しい一芸、新しい人間や犬友達との出会い、新しいゲーム、新しいおもちゃなど、今までチャレンジしたことのないものを、愛ブヒに提案してください。
もちろん愛ブヒがハマってくれるものもあるでしょうし、まったく興味を示さないものもあるでしょう。
それでもいいのです。何事も、やってみないとわかりません。
最近では、嗅覚を使って隠されたオヤツを探すノーズワークゲームや、クリッカーを使ってトリックの練習をしたり、トレッキングやキャンプなどを楽しむ方も増えているようですね。
もちろん、大掛かりで難しいチャレンジでなくてもOK。
例えば、散歩道で行ったことのない方向に進んでみたり、おもちゃで遊ぶときにおもちゃの動かし方をいつもと変えてみるなどでも、愛ブヒへの刺激になります。
愛ブヒの趣味を広げられるのは、オーナーさんだけ。
愛ブヒの無限の可能性を開拓していくためにも、1ヶ月に1つ以上は、「新しく○○をやってみた!」に挑戦し、愛ブヒが喜ぶ趣味を増やしましょう♪
その3.愛ブヒを囲む世界を笑顔で満たそう
愛ブヒに「大好きだよ」を伝える方法その3、それは“愛ブヒを囲む世界を笑顔で満たそう”です。
“世界”と表現すると壮大な話に聞こえるかも知れませんが、簡単に言えば、“日々が安心安全で、穏やかであること”です。
その1つが、家族が仲良しであること。
群れの生き物である犬たちは、家族という群れの中で生きています。さらに、平和主義者な犬たちは争いを好みません。
例えば夫婦喧嘩中に、愛ブヒはどんな表情をしているでしょうか。
多くのブヒはストレスを感じているでしょう。
ブヒにすれば家族全員が群れの仲間ですから、イザコザが起きてもメリットがありません。
たとえ喧嘩じゃなくても、家族の誰かの具合が悪かったり、機嫌が悪かったりすれば、やはりブヒも不安やストレスを感じます。
みなさんが5才児だった頃を思い出してください。両親が揉めているよりも、ニコニコしている時間を望みませんでしたか?
家族が不安定だと、緊張しませんでしたか?
要するに、愛ブヒにとって、一番安全で安心できる場所が、みなさんの家庭であって欲しいのです。
私は海外滞在中に「子供と犬の前で喧嘩をしないこと」という言葉をよく聞きましたが、まさにその通り。
ブヒたちは言葉を深く理解できません。大人の事情もわかりません。
だから、理由が何であれ大好きな家族が争っていると、ストレスを感じてしまうのです。
愛ブヒを大切に思うならば、愛ブヒを不安にさせるようなことは避けたいですよね。
家族が仲良しであること以外にも、“愛ブヒの安心安全をオーナーさんが守ること”も、愛ブヒへの愛情になります。
例えば、
・愛ブヒの身体に苦痛がないように健康状態を管理する。
・心も満たされるようにコミュニケーションを多くとる。
・愛ブヒの作業意欲を満たすためにも脳トレを欠かさない。
・苦手な物や場所があれば避けるなりトレーニングをする。
・愛ブヒだけでなく家族全員が健康であるように心がける。
など。
愛ブヒが幸せに暮らすために、オーナーさんが心がけられることは山程あります。
人間の子供と違って、愛ブヒは一生自立しません。一生涯、オーナーさんの守護のもとで生きていくのです。
だからこそ、愛ブヒの“今の笑顔”を守ることだけでなく、愛ブヒを取り囲む世界とその未来を守っていくことも大切です。
愛ブヒへの「大好きだよ」は、日々の笑顔の積み重ね
今回は、愛ブヒに大好きな気持ちを伝えるために、オーナーさんができる3つのことを紹介しました。
とはいえ、ここで紹介した以外にも愛ブヒを幸せにする方法は、ブヒの数だけあるでしょう。
今回の一番のポイントは、愛ブヒに「大好きだよ」を伝えるならば、一時的に特別なことを頑張るのではなく、毎日の笑顔を積み重ねることを大切にしましょうということです。
愛ブヒが生まれて、最期を迎えるその時まで、毎日の愛ブヒと家族の笑顔こそが、愛ブヒに「大好きだよ」を伝える手段なのではないでしょうか。
どんなブヒも、最期はお空にかえっていきます。そのときに家族が、後悔だけで心を支配されてしまったら…愛ブヒも浮かばれません。
家族みんなで、「あの子はこんなことが好きだったね」、「このときのあの子の笑顔は最高だったね」、「こんなことして遊んだね」と、愛ブヒの喜んだ姿をたくさん話せるように、毎日の笑顔を積み重ねていきましょう。
オーナーさんの愛がから回りに終わったり、心に留めてしまってはもったいない。
その溢れる愛を、“愛ブヒが喜んでくれる行動”に変えていきましょう!
そして、幸せな日々を、大切に積み重ねていきましょう!
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
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