【日々の積み重ねで未来が変わる】ミドルシニアの今、シニア期へのドアを開ける前に知っておきたいこと[特集:ミドルシニアLIFE]
人間も年齢を重ねるごとに思うように体が動かなくなるけれど、フレンチブルドッグだって、シニア期と呼ばれる時期を境に白髪が増えたり体力が落ちてきたりするもの。一般的に犬は7歳からシニア期とされるけれど、まだミドルシニア年齢のうちに将来必ずやって来るシニア期に備えておけることってあるのでしょうか。そこで今回は獣医師さんにアドバイスをもらい、シニア期に入った時に気をつけるべき点を確認したいと思います。

内臓疾患は早期発見が難しいという事実。

KF2017/shutterstock
フレブルの老化サインは数あれど、目に見えて分かりにくいものの代表が内臓疾患です。
年齢とともに各臓器が弱ってくるのは人も犬も同じで、心臓や肝臓、腎臓の疾患に加え、ホルモンの過剰分泌で起こるクッシング症候群など、シニアともなると様々な病気のリスクが高まることはご存知の通り。
これらの病気にいち早く気付いて治療してあげられたら良いけれど、先生いわく「内蔵疾患の早期発見は難しく、毎日愛犬を見ているオーナーさんでも気付きにくい」のだそう。

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実際に早期発見できた例で最も多いのは、怪我などの治療で病院に来てレントゲン撮った際に偶然他の疾患が見つかったというパターン。
仮に排泄物などに異常がない場合は、かなり進行してから異変に気づいて病気が発覚することが多々あるそう。

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そのために必要なことを先生に伺うと、
「毎年CTを撮れれば良いけれど、その度に全身麻酔をして撮影なんて非現実的ですよね。なので無理なくできるのは血液検査。
ただし実際には血液検査の数値に現れないこともあり、悪化の進度が早い病気だと前回の血液検査では問題がなかったのに次に検査をすると数値に大幅な変化が出ることも珍しくありません。

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そのためシニアになると半年に1度くらいの頻度で血液検査をしておくのが安心です。
検査結果で気になる箇所があればエコーやレントゲンを勧めますが、何より肝心なのはオーナーさんの日々の観察。
食欲や水を飲む量、排泄物の状態や色などを日々注意深く見ていると、わずかな変化にも敏感になります。
確かに内臓疾患は気づきにくいですが、オーナーさんが感じる小さな違和感が発見への糸口になることも多々あるのです」。
シニアブヒがかかりやすい病気を知る。

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加齢とともに現れる症状は様々ですが、犬全般に共通するのが核硬化症。
これは眼球内の水晶体内部にある水晶体核が経年変化によって水分が減少して凝縮硬化するもので、その結果瞳が白く濁って見えるもの。
核硬化症の場合は痛みや違和感はなく視力にも影響しないので治療は必要ないものの、似たように眼が白くなる病気に白内障があります。

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白内障の場合は視力が低下し緑内障との併発も多いため、点眼などで病気の進行を遅らせることが肝心。
瞳が白っぽくなるとこのどちらなのかが素人目では分からないので、獣医師に診断を仰ぎましょう。
また、フレブルがかかりやすい病気として挙げられるのが滲出性中耳炎です。

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特にフレブルは鼓膜の手前の水平耳道と呼ばれる部分が元々とても狭く、アレルギーなどによって水平耳道がほぼ閉塞することがよくあるそう。
こうなると病院では鼓膜切開による中耳洗浄ができず、外科的手術を要します。
愛ブヒに負担をかけないためにも、耳を気にしている仕草を見せた場合は早めの診断と治療が必須ですよ。

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なお肥満細胞腫ができやすいのもフレブルの特徴で、これには良性と悪性があり一般的に針生検で診断が可能。
肥満細胞腫は皮膚腫瘍のひとつで悪性だとガンの可能性もあるため、愛ブヒにできものができていたら検査を受けましょう。
ちなみにヘルニアは若いフレブルでも発症する子が多いけれど、滑りやすい床を避けジャンプをさせない工夫をするなど、日常での予防が大切。

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眼や耳、皮膚のできものなどは毎日のチェックで発見できるので、日々のケアと観察が予防につながるのです。
いつからシニアフードに移行するのか。

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市販されているドッグフードには“シニア向け”と記されているものがたくさんあり、先生のアドバイスでは「7歳を目安にシニア向けフードへの移行を考えても良いでしょう」というもの。
しかし7歳になったからといって一律にシニアフードに変えるべきというものではありません。
そもそもシニアフードは大きく2パターンの目的別に分けられていることが多く、それは「運動量が減って太る派向け」と「食べているのに痩せる派向け」のふたつ。

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確かにシニアになると新陳代謝が落ちて摂取したカロリーを消費できず太る犬がいる一方で、しっかり食べているのに痩せてくる犬がいるのも事実。
太る派には低脂肪・低カロリーを謳うものを、痩せる派には高タンパクでカロリーを抑えていないものを選ぶのが正解。
しかし、つい今まで与えていたドッグフードの「シニア版」を買っちゃいますよね。

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同じメーカーやブランドのものなら大丈夫だと思いがちだけれど、まずは愛ブヒがどちらのタイプかを見極めること。
さらに、血液検査で何かしら数値に異常がある項目があれば、それに合った療法食を獣医師に提案してもらうのがベストです。
フレブルの中には好き嫌いが多く食べてくれるフードを探すのにひと苦労という声も時々耳にしますが、そんな場合はトッピングなどで工夫を。

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なお、運動量や体重に変化がなければ、シニアになったからといって必ずしもシニアフードに切り替える必要はないのですよ。
結局『日々の積み重ね』なのです

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シニア年齢に差し掛かって、明らかに体力が落ちたり老化が顕著になったという声を聞く一方、7歳を超えても若々しく年齢よりもずっと若く見えるフレブルもいます。
その差ってなんだろうと考えたときに、やはり日頃のケアと健康の維持・管理が肝だと確信した次第。
そして歳を重ねるごとに獣医師にプロのアドバイスをもらうことも大切で、「いかにその時々の愛ブヒに合ったケアやフード選びができるか」が若さを保つ鍵となりそうです。
文/横田愛子
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