2022年9月2日3,367 View

【取材】安楽死させられる寸前だった命も15歳に。先住ブヒと家族が起こした愛の奇跡とは。#58どらみ

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回ご紹介するのは、4歳でママさんの元に来たどらみちゃん。15歳目前の今年の春には、当サイトのイベントFrench Bulldog Liveにも参加し、歩いて楽しんだという体力の持ち主。しかし実は4歳の頃、健康問題が理由で、前の飼い主に安楽死をされるところをママさんに救われた命なのです。

 

どらみちゃんのプロフィール 

フレンチブルドッグ

年齢&性別

15歳4ヶ月の女の子(2007年4月5日生まれ) 

体重 

5.8kg(若い頃は7.6kg)

大好きなこと 

若い時は音の鳴るボール、最近はお出掛けや食べること。

既往歴

・4歳で迎えた時には両後脚が麻痺。

・2016年3月に嘔吐、膵炎の疑い(検査結果はグレー)。以降状態は安定。

・2021年2月に悪性の肥満細胞腫が発覚。

 

保護犬となった理由の後ろ足の麻痺が、マッサージと家族の愛で元通りに!

 

フレンチブルドッグ

 

どらみちゃんがママさんの娘になったのは2011年の12月。当時ぶっこちゃんというフレブルと暮らしていたママさんの元に、友人からある連絡が入りました。

 

それが、両後ろ足の麻痺を理由に前オーナーさんが安楽死を希望して病院に連れて行かれた4歳のフレブルが保護されているというものでした。

 

「たまたまその病院の看護師さんがブヒオーナーだったので、安楽死させずに里親を探してくれていたのです。

 

当時ぶっこの体調が悪かったので躊躇したものの、ぶっこと一緒に会いに行きました。

 

そしたら、どらみが前足だけでぶっこを追いかけて遊びに誘ったんです。こんなに元気なのに安楽死なんてと、その様子を見て迎えることを決心。

 

会いに行った日の2日後が安楽死の予定日だと知り、急いで引き取りました」(どらみちゃんママ=以下「」内同)。

 

前の飼い主さんから託された2週間分の薬だけを持ち、ママさんの元にやってきた彼女。しかしそこから驚くべき変化を遂げるのです。

 

「麻痺の原因ははっきりわからないものの、獣医さんによれば一時的な脊髄梗塞を起こしていたんじゃないかとのことでした。

 

そこで、預かった薬を飲み終えてから、足に刺激を与えるために毎日自己流マッサージをやってみたんです。

 

そしたら2ヶ月くらいたったある日、トコトコ歩き出して…! それからは麻痺は再発もせず、今も自分の足で歩いています」。

 

フレンチブルドッグ

 

この小さな奇跡は、ママさんいわく「マッサージよりも、先住犬ぶっこから刺激を受けた生活が起こしたもの」。しかしそれだけとは思えないほど、ママさんは愛ブヒの健康のために努力をされていました。

 

住環境を大切に。病院が遠い分自宅でできることを

フレンチブルドッグ

 

どらみちゃんがすっかり家族に馴染んだ頃、ぶっこちゃんはお空へ旅に出ました。

 

晩年のぶっこちゃんは夜泣きが酷かったため、マンション生活では周囲に迷惑がかかると思い、なんと家を新築。

 

残念ながら新しい家に入る前にぶっこちゃんは旅立ちましたが、新築の一軒家は隅々までブヒファーストを意識したものになっています。

 

フレンチブルドッグ

 

「自宅で長時間過ごすフレブルにとって、生活環境はとても大事。犬はもちろん、私とパートナーがシニアになった時にも備え、室内はフルフラットにしたんです。

 

また庭にはドッグランを、さらに停電でもエアコンが止まらないよう蓄電池を導入し、外から遠隔で起動できるようにしました。

 

あとは一緒に入れる酸素ルームも導入しています。我が家の近隣には救急や高度医療対応の病院がなく、もし何かあってもすぐに連れて行ける距離ではありません。

 

だから家庭内でできることを充実させるのが我が家の健康管理法なんです」。

 

なんとも羨ましい環境! どらみちゃんは毎日庭のドッグランで自由に運動をしているそうです。

 

フレンチブルドッグ

 

現在は、ぶっこちゃんが旅だったあとに迎えたぶっぷちゃん(6歳)、2歳で保護したうこぎくん(7歳)の3ブヒに。若いブヒたちに母性本能が刺激されるのか、どらみちゃんも15歳とは思えないほど毎日元気に過ごしているそうです。

 

フレンチブルドッグと家族

 

毎日の手作りごはんで健やかに

フレンチブルドッグ,犬のごはん

 

ごはんは基本、毎日手作り。ちなみにうこぎくんは前の飼い主に外飼いされていたようでひどい皮膚トラブルを抱えていましたが、これもママさんの手作り食で改善したのだそう。

 

「ベースはミキサーにかけたキャベツとニンジンとキノコ類。そこに季節の食材をトッピングします。

 

カツオや豚、鶏肉などのタンパク質以外に、夏には呼吸器、胃腸の粘膜の保護、炎症予防、整腸作用などがあるオクラ、納豆、モロヘイヤといったネバネバ系や茗荷などを、冬は体を温める自家製の陳皮パウダー(みかんの皮を干し粉状にしたもの)を混ぜたりと、季節に応じた内容を意識していますね。

 

人間も腸の丈夫な子は免疫力が高いように、犬も腸が健康だと長生きすると

私自身思っているんです。

 

それに高齢になったどらみには、さらさらのごはんより、とろみのあるごはんのほうが食べやすいようなので、ネバネバ系食材はよく使っていますね。

 

フレンチブルドッグ

 

みんな好き嫌いなくなんでも食べてくれますが、年齢や体質に合わせて量や食材を調節するようにしています。

 

また、意識しないとなかなか1日の必要量を摂取できない水分が食事で満たせるように、スープたっぷりにする工夫も。水分をしっかりと摂ることは、さまざまな病気の予防につながると思っています。

 

あと、誕生日やクリスマスは特別メニューを用意して、食べる楽しみも味わってもらいたいと思っています。

 

ご飯は体づくりの基本というだけでなく、犬にとっては大きな楽しみでもあるので、食は大切にしてあげたいですよね」。

 

フレンチブルドッグ,ごはん

 

食事内容は、毎回うんちの状態や尿の温度、色を見て体調を確認し、場合によって見直しをすることもあるんだそう。

 

なお、2ヶ月ほど前から加齢のためかどらみちゃんが食事の吐き戻しをするようになったので、3頭それぞれに合う高さの食事台をオーダーしたそう。

 

食事台の導入後は吐き戻さずに最後まで食べられるようになったんだとか。食事内容はもちろん、こういった細部にまで気を配るのがさすがです。

 

2ヶ月に一度のペースでプロのボディメンテを利用

フレンチブルドッグ

 

さらにもうひとつ、どらみちゃんたちの健康に欠かせないのがボディメンテナンス。3年前のFB愛(フレブルのイベント)でマッサージの先生と知り合い、それ以降は2ヶ月に1度千葉県から来てもらっています。

 

「施術希望の犬友達数人で先生をお招きし、マッサージ以外にも食事や運動のアドバイスまで幅広くお世話になっています。

 

初めてFB愛でマッサージをしてもらった時、どらみが今までに聞いたことがない気持ちよさそうな声をあげ、その後すごく歩けていると効果を実感しました。

 

私のマッサージや手作り食についても、先生にアドバイスをもらうことで安心して続けられています。

 

ボディメンテナンスでQOLが上がるし、3ブヒとも心地良さそうに施術を受けているのを見ると、先生が来てくださる限り続けたいなと思いますね」。

 

フレンチブルドッグ

 

実は去年の夏に体調を崩して以来、2~3ヶ月に1回、血液や尿の検査を受けているどらみちゃん。

 

昨年2月にはグレード2の悪性肥満細胞腫が発覚しましたが、年齢を考え積極的治療は行っていません。

 

「どらみの体力ならまだ手術や抗がん剤治療もできると言われましたが、QOLを考えると自然に任せる方がきっと彼女のため。

 

幸い元気も食欲もあるので、手術や抗がん剤治療は行わず、免疫増強や抗腫瘍作用があるという松原冬虫夏草を飲ませています」

 

フレンチブルドッグと家族

 

そんなママさんのご職業は看護師さん。だからこそブヒたちにとって何がベストかを迷わずに決められるのでしょう。

 

「肥満細胞腫が見つかるまでの長い期間、大きな病気も怪我もなく元気でいてくれたどらみ。

 

一度アニマルコミュニケーションをやってもらった時、“自分が助けられたこともわかる。今度は私がママを守る”と伝えてきたそうで、だからきっとこうして長生きして私を守ってくれているのだと思います。

 

あっという間の15歳ですが、毎年恒例の家族旅行にもまだまだ一緒に行きたいし、そのために私も頑張ります」。

 

フレンチブルドッグ

 

そんなママさんの近くでスヤスヤ眠るどらみちゃん。幸運によって命を繋ぎ、今はご家族を幸せにしている存在。その愛しいまあるい背中をこれからも長く見守っていけますように。

 

フレンチブルドッグと家族

 

取材・文/横田愛子

 

★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!

フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!

10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。

編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?

 

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