Q.最近やたらと水を飲む…もしや病気のサイン?【ブヒの健康Q&A】
「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回のテーマは、水を飲む量について。お水を飲む量が病的かどうかを見分けるポイントや、どんな病気が考えられるかなどについて解説していきます。
夏に向けて気温が高くなってきました。
皆さんの中には、「最近、愛ブヒのお水を飲む量が増えたかも?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私達人間も暑さでお水を飲む量が増えることはありますが、病的なものではないかどうか心配になりますよね。
今回は、お水を飲む量が病的かどうかを見分けるポイントや、どんな病気が考えられるかなどについてお話していきます。
飲水量の測定

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まず、一日にどのくらいお水を飲んでいるか測ってみましょう。
測り方は様々ですが、例えばペットボトルに水を用意し、その一日、そのペットボトルからのみ、水飲みボールに注いでいけば、一日の終りにペットボトルに残った水を測定することで、一日でどのくらいお水を飲んでいるかがわかります。
気温などによって多少左右される事はあるので、ばらつきがある場合は数日測定してみると良いでしょう。
病的かどうか

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病的かどうかの基準は、1日で体重の10%以上飲むかどうかです。
つまり1kgあたり100ml以上飲む場合は病気のサインといえます。
例えば5kgの子なら500ml、10kgの子なら1リットル以上飲んでいたら病的です。
ただし、基準を超えなくとも、これまでより急激に飲水量が増えていたり、上限ギリギリであったり、他の症状があったりする場合には病気が隠れている可能性が高いといえます。
考えられる病気

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病的に多くのお水を飲むことを『多飲』といいます。
多飲がみられる場合は、例として以下のような病気が考えられます。
・腎臓病
・糖尿病
・副腎皮質機能亢進症
・子宮蓄膿症
以下、これらの病気と多飲以外の症状などについて簡単にご紹介します。
■腎臓病
腎臓の機能が下がって、老廃物をうまく排泄できなくなる病気。原因は様々で、短期間で起こる『急性』と、長期にわたり徐々に悪化する『慢性』に分けられます。『急性』『慢性』どちらもすぐに治療が必要ですが、特に『急性』の場合には迅速な対応が必要です。
多飲以外の症状には、以下のようなものがあります。
・嘔吐
・下痢
・体重減少
・元気低下
・食欲不振
など
■糖尿病
糖尿病は、インスリンというホルモンが機能しないあるいは分泌されなくなり、高血糖が続いてしまう病気です。
また、糖尿病にかかっている場合には、白内障、腎臓病などの他の病気を引き起こす可能性も高くなります。
多飲以外の症状としては以下のようなものがあります。
・食欲亢進
・体重減少
また、糖尿病が悪化し、『糖尿病性ケトアシドーシス』という状態になると、以下のような症状がみられます。
・食欲不振
・元気消失
・嘔吐
・下痢
ケトアシドーシスになっている場合は、非常に緊急性が高くなりますので特に注意しておきましょう。
■副腎皮質機能亢進症
副腎という臓器が分泌しているコルチゾールと呼ばれるホルモンが過剰になってしまう病気で、クッシング症候群とも呼ばれます。
コルチゾールはインスリンの効きを調節したり、免疫機能に関与していたりと多くの役割を担っているため、症状も多岐にわたります。
そのため、コルチゾールの過剰分泌により糖尿病や皮膚の病気、感染症など他の病気にかかりやすくなることが知られています。
コルチゾールが過剰に分泌される原因には、『下垂体性』『副腎性』『医原性』の3つがあげられます。
『下垂体性』と『副腎性』の2つはそれぞれ、下垂体や副腎に存在する腫瘍が原因であり、『医原性』とはステロイドの長期使用などによって引き起こされます。
多飲以外の症状には、以下のようなものがあります。
・腹部膨満(お腹が膨らむ)
・食欲亢進
・皮膚が薄くなる
・左右対称の脱毛
・筋力低下
■子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、細菌感染により子宮内に膿が溜まってしまう病気です。発情後2ヶ月ごろに起こることが多いといわれています。
子宮蓄膿症には、膿が陰部から排出される『開放型』と、内部に留まってしまう『閉鎖型』があります。
多飲の他の症状には、以下のようなものがあります。
・元気消失
・食欲低下
・嘔吐
・陰部からの排膿
お話してきた病気は一例ですが、多飲の症状から考えられる病気の多くは命にかかわるものです。
そのため、お水を飲む量が増えたかも?と感じたときはすぐに飲水量を測定し、病的とされる基準を超える、あるいは他の症状があるようであればすぐに診察を受けましょう。
獣医師:小泉しずか
2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。
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