【取材】大家族のフレブルパパは16歳!健康長寿の秘訣は「腸の健康」とシニア扱いしないこと #68 大吉
10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。15歳で受けた手術を乗り超え、再び元気を取り戻した大吉くんは現在16歳。自分で意思表示をして自由に歩くその姿は健康長寿そのものですが、その裏には愛すべきヒトとブヒ、ふたつの家族のサポートがあったのです。
大吉くんのプロフィール
年齢&性別
16歳3ヶ月の男の子(2007年2月3日生まれ)
体重
9.2kg(若い頃は10kg)
大好きなこと
りんごと抱っこ
既往歴
・6歳から白内障を発病しその後緑内障を併発。11歳頃に目が見えなくなり、目薬での治療を継続中。
・12歳の夏に前庭疾患を発症するも自然治癒
・15歳で脾臓にできた腫瘍の摘出手術。結果は良性ですぐに回復。
別れや手術を乗り越えてなお、今も元気な理由
ご夫妻と4人のお子さん。大吉くんがそんな大家族の一員となったのは16年前のこと。
その当時大吉くんより数ヶ月早く家族になっていたパイドのぷぅ美ちゃんとすぐに意気投合し、フレブル夫婦に。6頭の父親になりました。
一時は大吉&ぷぅ美、その子どもであるマル、サム、クマと、計5頭もの多頭飼いで、大吉くんはとても子煩悩な良い父ブヒだったそう。
一足先にサムとクマがお空に旅立ち、その後、長年伴侶として連れ添ったぷぅ美ちゃんが15歳で、愛息だったマルくんが13歳で虹の橋を渡ったため、ご家族はもちろん大吉くんの落ち込みも相当でした。
「去年は大吉にとって、とても辛い年でした。
10月にぷぅ美がお空に旅立ち、大吉もすごく落ち込んでいたところに、続いてマルと大吉自身に腫瘍が見つかって。
マルと大吉に咳が出ていたので受診したら、マルは心臓にがんが見つかり、余命2ヶ月と宣告されました。大吉は脾臓に8cmもの大きさの腫瘍があり、破裂したら即命に関わるため、緊急手術をすることに。
幸い、大吉のほうは良性で回復も早かったのですが、マルは11月に旅立ってしまったんです。
大吉は、ずっと二人を探して家中を歩き回っていました。その姿を見るのも辛かったですし、私たち家族も思い出が詰まった家に暮らすことが辛くて」(大吉くんオーナーさん=以下「」内同)。
そこでご家族がとった行動が、引越しでした。
このままでは全員の心が弱ってしまうと一大決心。引越しで環境が変わったことが転機となり、大吉くんも元気を取り戻し若返ったように思えたのだそう。
このショック療法的な引っ越しをはじめ、大吉くんファミリーはこれまでさまざまなアイデアで愛ブヒたちのケアをしてきました。続いては、そのアイデアを紹介しましょう。
大吉くんの能力を信じて、年寄り扱いはNG!
16歳の大吉くんだけでなく、ぷぅ美ちゃんが15歳、マルくんも13歳まで生きたレジェンドファミリー。これにはご家族のフレブルへの接し方や食事にポイントがありました。
「まず、年寄り扱いしないこと。
大吉は根っから明るく、めげない性格もあってか、11歳で目が見えなくなっても自由に歩き回り、“本当は見えているのでは?”と思うこともあったほど。
ですので、シニアだからと変えたことは特にありません。
カートの導入も大吉が12歳を超えてからで、とにかく散歩でよく歩いていましたね」。
コースは犬任せで、3頭一緒に行っていたそう。
「みんな別々の方向に行こうとするんですけれど、ぷぅ美の意見が通ることが多かったです(笑)。
日に2回、それぞれ5kmは歩くので大吉の足腰が強いのはそのおかげかも。
今は後ろ足が少し弱っているけれど自分で歩くし食べるし。目が見えないぶん、鼻と耳がすごく良いので、散歩中も段差や障害物の有無を教えてあげると上手に歩きます。
10歳を超えてから散歩は日に1度になりましたが、寝ていても起こして運動のため散歩に行きます。
食事は三者三様でしたが、大吉はとにかく腸が強い子。今までお腹を壊したことがほぼなく、健康長寿の理由はこの腸の強さが影響してるのではと思ってるんです」。
市販のおやつはあげない、水分をたっぷり摂るのがルール
食事は三者三様といいながら、共通するルールがありました。
「おやつは、市販のものをあげたことがなく、代わりにイチゴやスイカ、きゅうりなどの野菜や果物が定番。我が家ではベジタリアンと呼ばれるくらいに大吉は野菜好きなんです。
フードは、ロイヤルカナンの消化器サポートの低脂肪フードをさらに熱湯で脂抜きしてあげています。
10歳頃からはそれに煮干しと昆布で出汁をとり、キノコにニンジンや大根、キャベツ、白菜、小松菜など細かく刻んで煮た野菜スープをトッピングしています。
野菜スープの効果か、それまでは脂っぽかった被毛がサラサラになりました。元々水をあまり飲まない子だったので、スープご飯で水分補給も兼ねています」。
目が見えないことに対しては、大吉くん自身の努力や、同居犬のサポートがありました。
「例えば模様替えをすると大吉は家中を歩き回り、視力以外の感覚で家具やものの位置を覚えるみたい。最初少しぶつかったりもしますがすぐに慣れ、自由に動くようになります。
前に一度身動きが取れない場所に入り込んで困っていた時は、ぷぅ美がサッと登場し誘導していたんです。それを見て、犬同士で支え合っているんだと感激しましたね。
目薬は毎日さしてますが、見えないことを必要以上に意識しません。視覚を失っても、代わりに聴覚や嗅覚でカバーしてきたのだと思っています」。
今でこそ階段は抱っこになりましたが、最近までは階段も自在に昇り降りしていたそう。散歩で培った足腰の強さを、こんなところでしっかり発揮していました。
また、元々食事をゆっくり食べるタイプだったのも健康にとって良かったのかもとママさんは語ります。
今は極力、ひとりにさせない。
賑やかだった家族も、今フレブルは大吉くんのみ。迎えられた時はすでにぷぅ美ちゃんがいたため、一人っ子状態になるのは初めてのこと。そのためご家族は極力一緒にいるよう工夫をしています。
「基本はどこにでも一緒に行きます。けれど、買い物などで留守番をさせるときは、TVをつけて寂しくないようにしたり、買い物自体を家族が入れ替わりで行くように。
大吉は音楽が大好きなので、お気に入りらしいモーツアルトやサザンオールスターズの曲をかけてリラックスさせることも。
我が家は家族が多く、いつも賑やかなのですが、このワイワイとして明るい雰囲気が大吉にとっては落ち着くのかもしれませんね」。
大家族の中で過ごしてきたからこそ、家族と一緒にいるのがきっと一番のリラックス法。そして旅をするのも良いリフレッシュになっているそう。
「一緒に新幹線に乗って九州や青森に行ったことがあるのですが、旅をすると大吉も新鮮な気分になるのかとても嬉しそうなんです。
今の目標はまた新幹線で一緒に旅行することですね。まだまだ生きてほしいし、何より大吉らしく生き切ってほしいです」。
取材に答えてくれたのは、まるで3姉妹のようなママさんと次女さん、末娘さん。みんなが大吉くんをとても大切に思う様子が言葉の端々から伝わり、過去の笑えるエピソードもたくさんお話ししてくれました。
レジェンド年齢のブヒは、その歳の数以上にさまざまなエピソードがあるもの。ですが、「これからもまだまだ多くの思い出を家族と共有するからね」と、大吉くんのお茶目な表情が、そう語ってくれていました。
取材・文/横田愛子
★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!
10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
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