犬の性格はいつ決まるのか。パピー期に分かるって本当?【前編】
国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、子犬の性格の見分け方について。そもそも子犬のころから性格は決まっているの? 子犬選びのときのポイントは? 一緒に見ていきましょう!
子犬の性格は見分けられるの?
子犬を迎えるとき。誰もが「こんな子だったらいいなぁ」と夢を描きますよね。
しかし現実では、
・「おとなしい子」だと思って迎えたら、すごくやんちゃで手に負えない
・「穏やかな子」だと勧められて迎えたのに、神経質で困っている
なんて話もよく聞きます。
子犬を迎えるときに、やんちゃ、おだやか、神経質など…子犬の性格を見分けることってできるのでしょうか?
パピーを選ぶときに、目安になる行動や、選ぶときのポイントはあるのでしょうか?
今回は、子犬を迎えるときに知っておくべき、子犬の見分け方、選び方を紹介していきます。
将来どんな子になるかは、分からない

MAXXSIPHOTO/Shutterstock
結論から言ってしまえば、生後数ヶ月の子犬の時点で「将来の性格」を見極めるのは非常に困難だと言われています。
「おいおい、なんのためのコラムだよ!」とツッコみたくなると思いますが、ちゃんと子犬選びに役立つ情報も紹介していきますので、しばしお付き合いください。

Happy monkey/shutterstock
さて、子犬の性格を見極めることが難しい理由はいくつかあります。
犬は生後6ヶ月以降、徐々に性成熟期を迎えていきます。
これは人間で言う思春期のようなもの。子犬の頃には見られなかったような気質が、性成熟期以降に現れることも多々あります。
さらには、不妊去勢手術によりホルモンが変化することで、気質に変化が起きることがあります。
人間だって、高校デビューでキラキラに変化したやら、優等生だった子がグレたやら、ティーンエイジャーにはいろいろな変化がありますよね。
犬も人間と同じように、成長とともに性格に起きて当然です。

KarinR/shutterstock
子犬の性格を見極めることが難しい理由の別の例として、盲導犬の育成と選抜について紹介します。
盲導犬を目指す子犬は、盲導犬に適正のある親犬から生まれます。
すでにエリートです。
犬種がラブラドールならなんでもOKというわけではありません。
幼少期は母犬ときょうだい犬と過ごします。
そのあとは、パピーウォーカーという盲導犬育成に協力的な家庭で暮らします。
心身ともに健全な犬を育てる万全の環境下で育つわけです。
そのうえで、子犬が1歳になるころに「将来盲導犬になれる適性があるのか」の試験を受けます。
全頭が盲導犬候補生になれるわけではないのです。
適正がある犬だけが、本格的な訓練に進みます。

Firn/shutterstock
この話でも分かる通り、プロの目で見ても1歳そこそこにならないと、その子の気質を見極めることは難しいのです。
子犬の気質を知るための研究はさまざまあります。
しかし人間の子どもと同じように、育つ環境や健康状態、日々のオーナーさんの接し方などで大きく変化するため、パピーの性格を確実に見極めることは難しいのが現状です。
どのように子犬を選んだら良いの?

MR.SOMKIAT BOONSING/Shutterstock
子犬の性格を一発で見抜く秘訣はなかなかありません。
とはいえ、自分の家に合う可能性が高い子犬を選ぶ方法はたくさんあります。
例えば…
・子犬の血縁の病歴をブリーダーに確認する:子犬を迎えるときに大切なのは、気質だけでなく、健康状態も! 遺伝性の疾患や、親族に多い健康上の傾向などを確認しておくのは、とても大切なことです。
・親犬の気質や飼育環境をブリーダーに見せてもらう:親犬やきょうだい犬と育ってきた飼育環境を見て、親犬がどのような気質なのかも確認しておきましょう。
劣悪状況で妊娠や育児をさせられている母犬はストレスが大きく、子犬の心身の健全性にも影響します。
親犬やきょうだい犬が大切にされていて、みんな健やかに暮らしているブリーダーを選んでびましょう。
・ほかのきょうだい犬と一緒にいる姿を長時間、何度も見せてもらう:少なくとも、他の個体とくらえて、体格が大きいとか、積極的であるなど、雰囲気はわかるかもしれません(あくまで参考に程度ですが)。
この時点で子犬が怯えて吠え続けていたり、不安で噛んだりなどを繰り返している場合は、注意が必要かもしれません。
※詳しく知りたい方は「ドッグズ・マインド(ブルース・フォーグル著)」が参考になります。

G-Stock Studio/shutterstock
・家族に合う犬種を選ぶ:そもそも論ですが、どのような犬種を迎えるのかを見た目だけで選ぶのは、あまりに無謀です。
街中で少し乗るだけなのに「カッコいいから大型トラック買っちゃおう♪」なんてことと同じ。
お金さえ払えばどんな犬でも買うことは出来ますが、飼い続けることは大変な苦痛を伴うでしょう。
自分に合う犬の大きさや犬種の特性を調べ尽くしたうえで、その子犬それぞれの特徴を見ていく。これが正しい順序です。
・子犬ではなく成犬から選ぶ:子犬だからこそ、まだまだいろいろな特性がわからない部分もあります。
たとえば、保護犬を成犬から迎えるなら、保護団体の預かりさん(保護した犬を里親が見つかるまで家でケアする人)から、その子の日頃の様子を聞かせてもらえます。
また、譲渡を決定する前にトライアルで数週間一緒に暮らすことも可能です。
・そもそも性格の問題ではなくトレーニングの問題:子犬を迎えて、一緒に暮らす中で、子犬はスポンジのようにどんどん行動を習得していきます。
それこそ、オーナーさんの行動一つで、良い行動も悪い行動も覚えていくのです。
だからこそ、もし子犬に不満を感じるようであれば、その解決法は「子犬の性格に問題がある」と考えることではなく、1つ1つ望ましい行動をトレーニングしていけばいいだけのこと。
吠え続けるのも、噛んでしまうのも、性格なのではなく、その行動が出るような状況に置かれているだけ。子犬選びに失敗したわけではありません。
いかがでしょうか? どんな犬も、一緒に暮らす中で性格が変化していきます。
だからこそ、子犬の頃に将来を見極めて、こんな性格の犬が欲しいと願うのはなかなか難しいもの。
しかし、できる限る自分の家族に合う可能性を高める手段はたくさんありそうですよね。
では、続きの内容は後半でご覧ください!
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
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