フレンチブルドッグの注意事項「熱中症」
フレンチブルドッグの熱中症は、年中通して気をつけなければなりません。とくに5月〜9月まで入念な注意が必要です。暑い日はお散歩へ行かない、お出かけをひかえるなど、時には「しない勇気」も大切なのです。
改めてフレンチブルドッグと熱中症について学んでおきましょう。
フレンチブルドッグと熱中症

Csanad Kiss/shutterstock
犬は人間と異なり、体温を下げる役目をする汗腺が主に肉球にしかなく、体温を下げることが苦手です。
それでは体温の調節をどのように行っているかというと、口と鼻からの呼吸によって熱の発散をしています。
そのため、一度体温が上がってしまうとなかなか下がらないという困った特徴があり、高気温になると熱中症になりやすいので注意が必要です。
特に、フレンチブルドッグなどの短頭種の犬は、鼻腔がせまく鼻道も短いので外の空気が体温に近づく前に取り込まれ、熱が体にこもりやすい傾向にありますから、他の犬種よりもさらに熱中症に気をつける必要があります。
熱中症は高温の環境において、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が異常を来たすことによって発症する障害を総称したものです。
症状としては、あえぐような呼吸(パンティング)と大量のよだれがみられ、体温も触ると分かるくらい、明らかに上昇して次第にぐったりとしてきます。
また、酸素不足から唇や舌が青紫色になったり、目が赤くなったりすることもあります。放置しておくと嘔吐、下痢、けいれんを起こし、やがて血圧が低下、呼吸不全などに陥って、最悪の場合には死に至ることもあります。
このように生命に危険を及ぼすことがある怖い熱中症ですが、予防法を知っていれば防ぐことができますし、正しい応急処置を知っていれば救命することもできます。
熱中症になった場合の対処ですが、体温をいかに下げるかがポイントとなります。初期の目標は体温を39.5℃以下に下げることです。
体温が41℃を超えると体のさまざまな細胞が修復不可能なダメージを受けてしまうためです。まず、犬を風通しのよい涼しい場所に移動させましょう。
次に、舌を引き出して気道を確保し、体温を下げるために大量の水を体にかけ続けます。
病院に運ぶ際には、バケツなどに水を張り、その中に犬を入れたり、あるいは、内股、脇、首といった大きな血管が通る箇所を保冷剤などで冷やしてあげると良いでしょう。
熱中症は死に至る危険性がある緊急事態なので、慌てずに応急処置をしっかりと施し、一刻も早く病院に連れて行くようにすることが何より重要です。
ここがポイント!

Patryk Kosmider/shutterstock
[1]少しでも暑い日にはお散歩は控える
夏の暑い日は無理に散歩に行かなくて大丈夫です。春先のゴールデンウィーク前後から気温や室温に気を配りたいところです。
目安とする室温は23~25℃。エアコンを使用したり、換気をこまめにするなどして愛犬を熱中症から守ります。
また、電気代がもったいないと感じるかもしれませんが、愛犬の命を熱中症の脅威から遠ざけるためには留守中でもエアコンは点けっぱなしにするのがベストです。
[2]水分補給をしっかりする
散歩中や留守番中でもたっぷり飲める量の水を用意しましょう。
[3]散歩中にぬるま湯を入れた霧吹きで全身に水分を振りかけ、気化熱を利用して体温を下げるようにする
このとき注意したいのは、冷水をかけると逆効果になるということです。冷水をかけられると体表の毛細血管は熱を奪われまいと収縮するため、かえって熱をこもらせることになってしまいます。
そのほか、直射日光を浴びさせたり、風通しの悪い場所や気温の高い場所に長時間放置することは絶対に避けましょう。
また、エンジンを切った車内にはたとえほんの少しの間だとしても、犬を置き去りにしないこと。
例えば、気温23℃の日でも車内の温度は50℃にまで上昇することがありますから、犬はあっという間に脱水症状や熱中症になってしまいます。
おわりに

Margarita Mindebaeva /shutterstock
熱中症は、オーナーの知識と行動で事前に防ぐことができます。改めて熱中症について学び、できる限りのケアをしてあげるようにしましょう。
愛しのフレンチブルドッグを守れるのは、私たちオーナーしかいないのですから。
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※この記事は「BUHI vol.46」からの転載です。一部加筆・修正をし、公開しています。
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