16歳をこえて生きた先輩たち[フレンチブルドッグ優作]
フレブル専門誌『BUHI』2017年冬号「15歳まで生きる方法」で、ご長寿ブヒの代表として取材をした優作。当時16歳ながら日々の散歩をかかさず、まだまだこれからという感じの彼だったが、同年12月29日に虹の橋へ向かっていった。
ご家族の願いでもあった「17歳まで生きる」目標をかなえ、最後は安心した表情だったという優作。彼が生きた証を、改めてご家族のインタビューとともにお届けしたい。
目次
優作は、私のロックスター
「優作は、2017年12月29日に虹の橋へ向かっていきました。息を引きとる1週間前まではいつも通り元気で、私たち家族も、桜が咲く頃までは余裕だなぁ。もしかしたら東京オリンピックもいっしょに見られるかも! なんてノンキに話していたくらいです。最後は優作らしく潔い旅立ちで、あまりにイイ顔をしていたので私も安心しましたね。優作は私のロックスター。彼は、長い長いツアーに出発しました」
「17歳まで生きる」願いを叶えてくれた
「優作は、旅立つ1ヶ月前に17歳の誕生日をむかえていました。『17歳まで生きる』ことは私たちの願いでもあったんです。彼にはそんなそぶりを見せたことがないんですが……優作は本当に私のことをわかっていて、いつも私にイイところを見せようとしてくれていたので、去り際までカッコつけてくれたんだと思います。最後の最後まで自力でごはんを食べ、歩いて、排泄をして……本当にすごいですよね」
ライフスタイルの変化
「とはいうものの、やはりシニアブヒですからカラダの衰えはもちろんありました。視力と聴力が弱まっていたので、ぶつかりそうな場所にはクッションをおいたり、優作を呼ぶときはカラダをそっと触って合図するようにしていました。食事も飲み込みにくくなったようなので、生肉や野菜フルーツをペースト状にして、水分と濃度を調節しながら、飲み込みやすい工夫をしていましたね。日々のルーティンとして欠かさずお散歩をしていたんですけど、光をまぶしがってカラダを強張らせることがあったので、サングラスを使って光をガードしていました。だけど、guripocoさんのメディカルアロマ(経口タイプ)を使ってみたら、サングラスをしなくても大丈夫なくらい緩和したんですよ」
オリジナルのお散歩術
「こうしてさまざまな工夫をしていても、シニアブヒですから筋肉は衰えていきます。徐々に後足でバランスを取りづらくなり、支えないと歩けなくなったんですね。そこで考えたのが、『二人羽織散歩』です。私が優作の腰を手で支え、まるで二人羽織のように歩くんです。夜は、1時間半から2時間おきに外に出たいと言うので、優作を小脇に抱えてお気に入りの遊歩道を1回10分~15分ほど歩いていました。優作はお散歩が大好きでしたから。そのおかげか、前足だけでカラダの向きを変えたりすることもできたんですよ。これは今思い出しても特別な時間で、カラダを寄せ合いたくさん話しをして、幸せがギューっと凝縮されたような時間でした。この時間があったからこそ、優作への思いを浄化させられたのかなとも思います」
いつも通りの暮らしは奇跡
「私たちは、暮らしのルーティンを大切にしていました。朝目が覚めたら散歩に行き、排泄をすませ、太陽光を浴びて土を踏みしめる。外の空気を吸って風を感じることは、シニアになっても毎日欠かしませんでした。そして、帰ってごはんを食べたらゆっくり休む。毎日そのくり返しでリズムを作り、調子を整えていましたね。ルーティンの良さは現状維持ができるところ。急にリズムを変えず、いつも通り過ごすのが一番。シニアですから、時には体調が不安定な日もありますけど、そんなときは、優作が不安にならないように『大丈夫だよ』とたくさんなでてあげましたね」
小さなことも後まわしにしない
「大切な家族を失うわけですから、誰にでも後悔はあると思います。でも、どんな些細なことでも後まわしにしないというのは、大切なことですよね。『今』を懸命に生きる連続性と、家族の愛にあふれた優しい言葉、手のぬくもり……これらは、生きものにとってどんな欲よりも求められることだと思います。これを積み重ねたその先に、後悔のない明日がやってくるのだと思います」
いつか必ずやってくるのだから
「我が子を愛している限り、いつか必ずやってくる別れについて考えてしまうこともあると思います。これは私の考えですが、まだ訪れていない別れや想像的悲壮感に脳内を支配されたくないのです。同じ1日、同じ今を生きるなら、愛ブヒとのハッピーな時間を過ごすことに全力を尽くした方が幸せではないでしょうか。今を幸せに生きることの連続性は、いつかやってくる日にきっと強い味方になってくれるはずです。どんな状況であっても、暮らす楽しみを後回しにしないこと。自分の目の前の家族が、今何を求めて何を思い希望しているのか。全力で向き合っていきたいですよね。だんだんと思うようにできなくなることも増えていきます。ですが、私たちが思うほど本人は気にしていなくて、タフに受け入れていたりします。そんなカッコいいうちの子を誇らしく思いながら、たくさん声をかけてあげられたら幸せですよね。我が家では『朝生まれて、夜に旅立つ』︱︱。毎日がひとつの人生のように、生き切って暮らしていました。思い返してみると本当にあっという間でしたけど、そのくり返しが自然と長生きにつながり、いい形でお別れができたのかもしれません」
優作へ
私にとって、フレンチブルドッグ=優作です。
愛情深くカッコつけで、いつも私の希望を叶えようと頑張ってくれました。
いつも通りの幸せと楽しさを教えてくれたのもあなたです。
『17歳まで生きてね』なんて願っていたけれど、そんなそぶりは見せていなかったつもりです。
でも、それを見過ごしていたかのように、私の願いを叶えてくれました。
ただ、本当によくそこまで頑張ってくれたなぁとも思っていますよ。
私もそれを見習って元気に毎日楽しく過ごしているので、優作も元気に自由でいてね。
こっちは大丈夫だから。
おわりに…
毎日を全力で生きていたからこそ、心身ともにいい形でお別れができた優作家。いつか必ずやってくるからこそ、悲しむのではなく、いかに今を楽しむか。この考え方が自然と心を浄化させ、いつかくる日の準備につながるかもしれない。オーナーの気持ちは必ず愛ブヒに伝染する。どんなときでも前を向き、明日がやってくる喜びを噛みしめていれば、愛ブヒも穏やかな心を保てるのではないだろうか。共に生きるとは、心まで共存するということなのだから。
※この記事は「BUHI vol.47」からの転載です。一部加筆・修正をし、公開しています。
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