2019年4月10日5,732 View

フレブルが、フレブルらしくあるために。本当に幸せな犬生とは何かを考える

“犬に生まれて、うちに来てくれたんだから、犬としての人生を楽しんでもらいたいなと、そんな風に思います”この言葉は、当メディア『FRENCH BULLDOG LIFE』や雑誌『BUHI』で大活躍の写真家、SUMICOさんがご自身のインスタグラムに写真とともに投稿したもの。この投稿を見て、「ああ、本当にそうだなあ」と強く共感した人、たくさんいるのではないでしょうか。フレンチブルドッグはよく「ヒトっぽい」と称される犬種ですが、確かにその風貌といい見た目とはうらはらにデリケートな身体といい、オーナーである私たちはつい相棒を守ろうとつい過保護になってしまっているように思います。でも、犬として生まれてきた彼らにとって、本当に幸せな一生ってなんだろう。このことについて、少し一緒に考えてみませんか?

 
 
 
 
 
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「ありのまま」でいられるように。

SUMICOさんがシャッターで切り取るご自身の相棒たちは、いつも自然の中を思う存分に駆け、時には落ち葉に顔を突っ込み、雪の上で転げ回る。そんな犬らしいありのままの姿で、本当にとても美しい。もちろん、誰もが同じような環境で相棒を遊ばせられるわけではないけれど、自然の中で本能のままに躍動する彼らは、とびきり幸福そうに見えるのです。

 

思えば、ここ十数年の間で犬の飼い方というのはガラリと様変わりしました。中型犬や大型犬でも室内飼育が一般的となり、犬のためのグッズやフードの種類も飛躍的に増えました。が、それと同時に、“犬らしい暮らし”から遠ざかってしまう犬たちも増えたように思います。

 

とはいえ、これだけ夏が暑くなり屋外での暮らしが過酷になった現代において、彼らが快適な室内で大好きなオーナーさんとともに過ごせるようになったのはとても喜ばしいことだし、多くのオーナーさんが大切な家族の一員として犬を迎え、日々の食事やケアを重視したからこそペットの寿命は延びました。

 

でも、家族として大切に思うあまり、人間から見て危ないなと感じる様々なことから必要以上に彼らを守ろうとしたり、過剰な道具を与えすぎてはいないでしょうか。当然、危険なアレコレは日常に潜んでいるし、気をつけないと大怪我や命の危険がある物にはしっかり目を光らせておくべき。また、フレンチブルドッグにとって寒さや暑さから身を守る洋服やクールアイテムだって必要不可欠なもの。

 

ただ、いくら“愛ゆえに”でも「人間化」するのは少し違うように思うのです。

 

飼い主のために、で選ばないこと。

Teerawut Bunsom/shutterstock

フレンチブルドッグは個体差があるものの、多くのコは運動や遊びが大好き。仲良しのブヒと会えば組み合ってブヒレスが始まるし、ボールや小枝はかじり尽くして楽しみたい。泥んこになろうが気にもしないし、好奇心の赴くままに草むら探索もお手の物。でもオーナーにとっては、そのすべてが心配のタネになりますよね。

 

ブヒレスで怪我させたりさせられないか、噛み砕いたオモチャや枝をうっかり飲み込まないか、草むらで虫に刺されないかなどなど。心配しだしたらキリがなく、本音を言えば相棒が歩く道を先回りして全部の危険を取り除きたい衝動に駆られます。でも、それってフレンチブルドッグにとって幸せなことなのかしら。過剰に心配するあまり犬らしい行動を禁止したり、汚れるからとか匂いがつくからなんて理由で遊びを制限してはいませんか?

 

例えば自前の毛皮を着ている犬にとっては、私たちが選んだお洋服も防寒のための道具に過ぎず、まだまだ若く元気でたくさん歩きたいのに乗せられるカートだって、ブヒにとってはありがた迷惑な代物なのかもしれません。もちろん、ペットの衣服や靴、カートはとても有用だし、防寒や怪我対策、人ごみを移動する時、シニアブヒや持病があるコにとっては欠かせないもの。ここで言いたいのは「それはブヒのためのものですか?」ということなのです。

 

彼らにとって必要かそうでないかは私たちオーナーが判断するけれど、その判断理由が“自分にとっての都合や手間を省くため”であってはならないと思うのです。人間の子供でも遊びの中で擦り傷や切り傷を作ることは日常茶飯事だし、そういった遊びの中から学ぶこともたくさんあります。それはきっと犬にとっても同じで、あれもこれも危ないからダメ、と制限するのでは犬本来の欲求も満たされず、ストレスが溜まるのではないでしょうか。遊びながら成長するのは人も犬も同じだけれど、土の上で転げ回ったり匂いを嗅いだり、穴を掘るなどに代表される犬らしい行動や遊びを奪わないで欲しいのです。

 

だって彼らにとって、それはとても自然な生まれ持った欲求なのだから。

 

フレンチブルドッグの幸福論。

「犬は人とともに暮らすことに適した動物であるけれど、犬は人ではないのです」こう言われると当然だと納得しますが、本当にこの言葉の意味を理解している人はどれだけいるでしょうか。犬にとっての幸せは、食べる、遊ぶ、寝る。そして大好きなオーナーと時間をともにすること。多くの犬がそうであるように、我らがフレンチブルドッグの幸せもこの4つに凝縮されています。

 

彼らは特別などこかに行かなくても、素敵な何かを身につけなくても、この4つが満たされていれば十分に幸せ。だからこそ、これらの幸せ要素をより充実させるために、犬らしさを伸ばす育て方をしたいのです。そして犬らしさを伸ばす育て方というのは、“正しく躾をして犬という生き物としての権利を与え、その犬に対して飼い主がちゃんと責任を持つこと”に他なりません。ぬいぐるみのように可愛がるのではなく適度な距離を持って接し、犬として人間社会の中で認知され生きて行くこと。

 

なんだか難しい言い回しになってしまいましたが、そもそも犬の祖先は狼であり、その行動パターンは現代の犬にも(もちろんフレンチブルドッグにも!)受け継がれています。群れで暮らす彼らはリーダーに従い、そのリーダーに倣って行動するため、まずはオーナーである私たちが良いリーダーになることが大切。犬に迎合するのではなく、欲求を正しく理解しながらOKとNGを見極め、そのコに合った範囲での遊びや道具を都度アップデートしながら与えることが肝心なのではないでしょうか。

 

ただ、これには常に相棒について知っておくことが求められます。だからこそ、飼い主である私たちは相棒のことを知り、幸せにできるよう「より良いリーダー」になる努力をすべきだと思いませんか?

Ezzolo/shutterstock

“犬として生まれたから感じられる幸せ”を左右するのは、心から信頼できるリーダーに出会えるかどうか。つまり、フレンチブルドッグのことを学び我が子となった相棒の特性を知り、その性格や年齢、健康状態に合った楽しみや道具をちゃんと選んで与えられるかが愛ブヒの幸福度を上げるポイントです。犬としての幸せの鍵は、いつだってオーナーである私たちが握っているんですものね。

 

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