2019年4月23日5,747 View

犬だって長寿時代!認知症予防にトイレ問題など…「愛ブヒ介護」への心構え3つ

フレンチブルドッグは短命だなんて言われていたけれど、最近は喜ばしいことにそうとは言えなくなってきました。それはひとえにブヒのオーナーさんが彼らの体質や特徴に合った食事やケア、治療と予防をしてきたためで、今や15歳を超えるご長寿ブヒだって珍しくありませんよね。しかし、それと同時にある“問題”も浮上しているのです。その問題とは、ご長寿となった相棒の介護について。人間でもそうだけれど、ワンコも歳をとると数多くの身体的トラブルが増えてきます。中には認知症になる老齢ブヒもおり、最期のその時までしっかりとサポートし、見送りたいと考えている私たちにとって、愛するフレブルの介護問題は将来的に必ず考えなければならないこと。だからこそ、今から相棒の介護について一緒に考えてみませんか?

Fayzulin Serg/shutterstock_

ずっと早く歳をとる君たちへ。

人間なら中年くらいの歳でも、いまだにオモチャを破壊したり、凄まじいイタズラを仕掛けてきたりと、永遠のイタズラっ子のような一面を持っているのはフレブルの大きな魅力。犬は1歳になって以降は“1年ごとに4歳ずつ歳をとる”と言われているので、7歳以降はシニア期となるのです。

 

シニア期に入ったら、

・歳を重ねるごとに食欲や運動量が落ちる

・呼びかけに対し反応が遅くなる

・寝ている時間が長くなる

といった身体の変化が見られるようになり、さらには

・目が見えにくくなる

・耳が遠くなる

といった老化のサインがちらほら出始めることも。それに加え、10歳を超えた頃から物にぶつかったり同じところをぐるぐると回る、夜鳴きするなど、認知症の症状が現れるケースも。ただ、一般的に認知症になりやすいのは秋田犬や柴犬に代表される日本犬が多いとされ、フレンチブルドッグを含む洋犬に認知症傾向は少ないとされています。とはいえ、100%認知症にならないとは言い切れないので、できる限りの予防を今のうちから始めるのが得策。

 

効果的な予防法としては、頭を使う知育系オモチャを選んだり、おやつ探しなど頭と嗅覚を使う遊びをさせる、お散歩コースを変えて新たな刺激を与えるなどの方法がオススメ。ワンコだってヒトと同じように、日頃のちょっとしたアイデアで認知症予防ができるんです。

 

介護が始まるまでに覚えさせたいこと。

MARCHPN/shutterstock

よくお爺ちゃんやお婆ちゃんが「朝、目が覚めても起き上がるまでに30分もかかる」「あちこち痛くて歩くのが億劫」なんて会話していますよね。ヒトもワンコも、年齢を重ねるにつれ身体のあちこちに違和感や痛みが出るのは当然のこと。長く使った機械が不調をきたすように、私たち生き物の様々な器官や機能も年齢とともに衰えるのです。そんな身体の不調の中でもとりわけフレンチブルドッグに多いのが、ヘルニアに代表される関節の病気。

 

フレブルは生まれつき骨形成異常のコが多く、ヘルニアや関節炎、膝蓋骨脱臼といった病気になりやすい傾向が。そんな時、もしあなたのブヒがお外でしかトイレをしないコならば少し大変です。すぐに出られるお庭があるおうちならともかく、仮にマンションで飼っている場合、トイレのたびに外に連れ出し、場合によっては十数kgにもなるブヒを抱えて移動する必要がありますよね。ブヒにとってもトイレは外でするものだと習慣づいているので無理に我慢をさせ、そこから他の病気を誘発することも。そのため、早いうちから室内でトイレをさせるトレーニングをするのがブヒにとってもベスト。

 

実は筆者の以前の相棒は、自力で立ち上がれなくなってもなお、トイレを家の中でしませんでした。何度「そのまましてもいいよ、大丈夫だから」と声をかけてもかたくなに室内ではしなかったため、日に何度も抱えて庭へ連れ出したことを覚えています。その時に感じたのは、自分の大変さや手間ではなく、雨だろうと寒かろうと、大事な相棒に外に出るまでトイレを我慢させているという辛さでした。すでに外でのトイレが習慣となったブヒに今から室内トイレトレーニングをするのは大変だけど、先々のことを考えると、必ずマスターさせたいトレーニングのひとつだと言えるでしょう。

 

もう一度、赤ちゃんブヒに戻る日々。

UfaBizPhoto/shutterstock

ことわざに「七十の三つ子」というのがあります。歳をとって老いると子供のように無邪気な性格に戻るという意味で、人間でも70歳を超えると3歳児のように無邪気でわがままになるということ。このことわざを、実際にアナタのブヒに介護が必要になった時に思い出して欲しいのです。特に相棒が認知症を患った場合など、連日の夜泣きや昼夜逆転の生活、起きている間はずっと同じ場所をぐるぐる回る、時に攻撃的になるなど、オーナーにとっては見ているのも悲しく、いたたまれない気持ちになるような状態になってしまうことも少なくありません。

 

でも、ピカピカのパピーだった相棒を迎えた時だって、お部屋のあちこちで繰り返される粗相や構って欲しさゆえの夜鳴き、思いがけない行動に笑ったり悩んだり落ち込んだり、時には励まされたりしましたよね。シニアブヒのそういった行動が悲しく感じるのは、きっと成長してお利口になり、何もかもうまく出来るようになった相棒を知っているから。でも、少し視点を変えれば、もう一度あのパピー期のてんやわんやを味わえるのです。出来ていたことが出来なくなったのではなく、どんどん赤ちゃん返りしているんだなと思えば、きっとより愛おしさが増すはず。

 

フレブル界隈では10歳を超えたブヒを“フェアリー期”と言うけれど、その言葉通り、妖精のような佇まいでそこにいてくれる。もう、ただそれだけで私たちを幸せにしてくれる彼らだからこそ、老いも含めてとことんまで愛し抜こうではないですか。

 

 

時々、歩くのもようやっとという風体でえっちらおっちた歩くワンコを目にします。その傍らでゆっくりと歩調を合わせ、その姿を愛おしそうに、大切そうに見守る飼い主さんを見ると、とても幸せな気持ちになります。人間の介護が大変なように、相棒の介護も簡単ではありません。でも、いざ介護が必要となったその日のために、心構えがあるとないでは大きな違いがあるはず。そして、いつか来るシニア期のために今から出来る対策だってたくさんある。だからこそ、愛ブヒの年齢にかかわらず、今から相棒の介護について準備しておくに越したことはありませんよね。

 

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シニアブヒの病気〜加齢によるリスクや注意事項〜

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