5歳から始めるフレブル的暮らしのアイデア[特集:ミドルシニアLIFE]
人間で言うところの5歳といえば、運動能力がメキメキ向上して自転車に乗れるようになるなどバランス感覚が養われる年齢。一方、我らがフレンチブルドッグの場合、ついこの間までパピーだと思っていたにも関わらず、5歳になると人間年齢でおよそ36歳。アラフォー間近のミドルシニア気に入り、少しずつライフサイクルに変化が出始める頃。例えば以前ほど走り回らなくなったり、ほんのちょっぴり被毛やおヒゲに白い毛が増え始めるなど、行動や見た目に変化が現れる時期なのです。私たちも35歳を超えたあたりから体力や集中力の低下を感じることがあるけれど、これはブヒたちも同じ。だからこそ、5歳という年齢をひとつのきっかけとし、ブヒのライフステージに合わせて毎日の“暮らし”を考えてみませんか。
おうちの床と段差にひと工夫。

SeluGallego/shutterstoc
ムチコロのビジュアルとは裏腹に身体能力が高く、こちらが思っている以上に走ったりジャンプすることが得意なフレンチブルドッグ。
ブヒの頭よりも高い場所にぴょ〜んと飛び乗ってオーナーを驚かせることも多々あり、慣れているコは急な階段であろうとも猛スピードで駆け上がりますよね。
ただ、フレブルには椎間板ヘルニアを発症するコが多いため、年齢とともに今以上に気をつけたいのが段差や階段、そしてソファー&ベッドへの跳び乗りや跳び降り。
実は犬の椎間板ヘルニアは、脊髄から枝分かれした末梢神経が障害を受ける人間の椎間板ヘルニアと異なり、中枢神経である脊髄が直接障害を受けることから、人間よりも重症で急な手術を要する場合も少なくありません。
愛ブヒが長く健康にお散歩を楽しむためにも、ヘルニア予防は1歳でも早いうちから行うのが鉄則。
特に彼らが多くの時間を過ごすおうちの中は、少しのアイデアでヘルニア予防に効果的な工夫を行えます。
例えばソファーやベッドなどブヒがジャンプして上がる場所にはペット用のステップやスロープを設置したり、階段には勝手に昇り降りできないようにゲートを付ける、フローリングで滑りやすい床にはカーペットやコルクマットを敷くなど、まずは身近な場所からブヒ仕様に模様替えを。
カーペットはダニが心配…なんて場合には、相棒がスリップしにくい素材を用いたフローリングワックスやペット用のフロアコーティングもあるので、好みやインテリアに合わせて取り入れてみて。
なお、過去にヘルニアを経験したコには低反発素材のペット用ベッドを選ぶなど、ブヒの身の回りのグッズも今一度見直す必要があるかも。
もしソファーを買い替える予定がある場合は、最初からロータイプのものを選ぶ、といったアイデアもアリです。
日常の動作にもひと工夫。

Tienuskin/shutterstock
ヘルニアや怪我を防ぐためのアイデアとして、まずはお部屋のインテリアを見直す「住」を紹介したけれど、次に気をつけたいのが「衣」と「食」。
ただし、ここでの「衣」はオシャレさんが多いフレブルにおなじみのお洋服ではなく、裸ん坊の時でも外出時に必ず身につけるハーネスやカラーを指します。
鼻ぺちゃで力が強いフレブルの場合、カラー(首輪)を着けて引っ張るのは呼吸器系はもとより、首や背中、腰に負担がかかりやすく、お散歩時などに無理に首を引っ張ることでヘルニアを起こす原因にもなり得ます。
そのためハーネス(胴輪)の方が適していると言えるでしょう。
また、首への負担を軽減するため、食事の際はフードボウルを台に乗せるなどして高さを出し、下を向いて食べなくてもいいような工夫を。
もちろん体重の増加も腰に大きな負担をかけるため、食事の内容や量にも気をつけてくださいね。5歳を境にして、フードそのものをダイエット用に変えるのもおすすめです。
さて、日常でよく見る光景といえば、甘えん坊のブヒがオーナーさんに抱っこをせがむシーン。
自分の体重などお構い無しに「ねえねえ〜、抱っこして。抱っこ〜」とトコトコやってくるのは可愛いけれど、抱っこをする際に気をつけるべき点がいくつかあります。
よく前足を両手で抱えて抱き上げる人がいますが、これは絶対にNG。
ブヒの肩関節に負担がかかり脱臼の原因にもなるので、抱き上げる際は横からかかえるように体を持ち上げてしっかりお尻もホールドし、背中を上にしてブヒの身体が地面と平行になるように意識して。
散歩中に慌てて抱き上げるようなシーンでも、片手を横から前足の腋の下に差し込み、もう片手は後ろからお尻の下に差し込んですくい上げるようにして、四肢ではなくボディをしっかりと持ち上げてくださいね。
お散歩や遊ばせ方にもひと工夫。

Tienuskin/shutterstock
まだまだ元気いっぱい、オイラそこら中を駆け回るぜ! なんて体力自慢のフレブルは、年齢を重ねたってドッグランやお散歩が大好き。
ただ、5歳を過ぎたら遊び方を少しずつ変えていく工夫が必要です。
例えば激しすぎる運動やジャンプを伴うフリスビーは控えて、普段の散歩時間の長さはその日の気候や体調と相談して決めるのがベター。
脳に刺激を与えて好奇心を満足させるためにも、普段と異なるお散歩コースを選ぶのも良いでしょう。
また、お散歩やドッグランで遊ばせる前には、ウォーミングアップとして軽く四肢をマッサージしてあげるなどのひと手間を。
人間でも運動の前にストレッチをしておくことで怪我をしにくくなるのと同じで、急に動き出すよりも事前にストレッチやマッサージを行うことで愛ブヒの体への負担が軽くなります。
ちなみに、ワンコの運動で重視したいのが肉球を動かすこと。
「え、肉球ってどうやって動かすの?」とお思いでしょうが、平坦なアスファルトの道ではなく、公園の芝生や土手など自然の道を歩くことで肉球が動き、肉球とつながっている腱や筋肉が連動して動くことでインナーマッスルが鍛えられます。
そのため起伏のある公園などをお散歩コースに組み込むほか、家の中でも布団やクッションといった体が沈み込む柔らかなものの上を歩かせることでも肉球の運動は可能。
パピー&ヤング期のお散歩や遊びは「好奇心を満たしストレスを解消させるため」のものだったけれど、5歳からは「足腰を鍛え体力を維持し、好奇心に刺激を与えるため」のものだとオーナー側が意識を変えることも大切です。
おわりに

Oyls/shutterstock
今回はミドルシニア期に差し掛かった愛ブヒのためにできることとして、まずは衣食住というライススタイルの中で取り入れられる簡単な工夫をお伝えしました。
もちろん5歳という年齢はまだシニアではなく、まだまだパワフルなフレブルが大多数。
ただ、そんなパワフルさをより長く持続させるために、今日から少しずつ、ミドルシニア世代に必要な工夫を取り入れてみてくださいね。
文/横田愛子
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