2019年9月2日2,069 View

【留守番にまつわるFAQつき】永遠のテーマ!「留守番はフリー or ケージ」問題。正解はどっち?

愛ブヒを幸せにできるのも、不幸にしてしまうのも、全部は飼い主の行動しだい。そこで、愛ブヒを本当の意味で幸せにできるオーナーになるべく、国際的なドッグトレーナーのライセンス「CPDT-KA」の認定を取得しているドッグトレーナーの大久保羽純さんに、“愛ブヒを幸せにできるリーダーになる方法”を学ぶ、この特集。

今回のテーマは、ブヒオーナーにとって永遠のテーマともいえるお留守番のスタイル問題。「フリー or ケージ」どちらが正解なのかを教えていただきました。

フレンチブルドッグ,しつけ

留守番中はフリー? ケージ? どっちがいいの? 

bozsja/shutterstock

今日のお話は、愛ブヒのお留守番について。留守の時に、フリーにするのがいいのか、ケージの中にいてもらうのが良いのか、みなさんはどう思いますか? 

 

留守番中にも、なるべく快適に過ごして欲しいから、広い場所を与えたい。でも、もし部屋の中で危ないことがあったらいけないから、ケージにいさせた方がいいのだろうか。

 

なかなか答えが出ないまま悩む人も多いのが、お留守のさせ方です。

 

愛ブヒとオーナーさんの笑顔の暮らしを目指して、お留守番時の愛ブヒの居場所について学んでいきましょう。

みなさんのお家の愛ブヒの留守番は、どのタイプ? 

Patryk Kosmider/shutterstock

あなたの愛ブヒは、お留守番をどのように過ごしていますか?

 

留守番パターン① 家の中どこでもフリー。

留守番パターン② 決まったお部屋の中でフリー。

留守番パターン③ フリーの時もあれば、ケージの時もある。

留守番パターン④ ケージの中で過ごす。

留守番パターン⑤ クレート(持ち運びできるサイズのハウス)で過ごす。

 

当てはまるものはありましたか? 

さあ、この中のどれが正解でしょうか? 

 

…実は、どれも間違いではないのです。なぜなら、それぞれの家庭の置かれている「状況」と、優先すべき「目的」が異なるから。

 

お留守番のお話でみなさんが混乱するのは、お家ごとに「状況」が全く違うのに、同じようにしなきゃいけないと考えてしまうことによるものです。

 

その家庭の現在の状況によって、愛ブヒと家族のための「目的」を決めることで、留守番での過ごさせ方が見つかります。

 

全員が全員、同じ方法にはならず、家の中をフリーに出来るのか、ケージに入ってもらうのかは、お家ごとに違って当然なのです。

 

それぞれのお家による「状況」と「目的」の違い

Phat1978/shutterstock

ではここから、そのご家庭の「状況」と「目的」を考えながら、頭を整理していきましょう。

 

細かいところは家庭ごとで違ってきますが、よくある話として、それぞれの留守番パターンの「状況」と「目的」を解説します。

 

留守番パターン① 家の中どこでもフリー。

家庭の状況: お家の中が片付いていて、安全管理がされている家。トイレのトレーニングもできている愛ブヒ。

 

目的: 家中で、愛ブヒを自由に過ごさせてあげられる。

 

留守番パターン② 決まったお部屋の中でフリー。

家庭の状況: 決まったお部屋の中が片付いていて、安全管理がされている部屋。トイレのトレーニングもできている愛ブヒ。

 

目的: 決まった部屋で、愛ブヒが自由に過ごさせてあげられる。

 

留守番パターン③ フリーの時もあれば、ケージの時もある。

家庭の状況: いつも安全な部屋の環境にはなっていないため、毎回家の中をフリーにしてはあげられないが、安全が確保されている時には部屋で自由に過ごさせてあげられる。危ない時には、ケージの中で留守番してもらう。

 

目的: 安全が確保されている時は、愛ブヒが自由。安全じゃないときは、少し不自由。

 

留守番パターン④ ケージの中で過ごす。

家庭の状況: 部屋の中の安全が確保されていない。いずれは部屋を安全な状態にしていきたいが、まだ愛ブヒも勉強中で、家族も部屋のアレンジをできないままでいる。

 

目的: 不自由さはあっても、愛ブヒの安全が第一。

 

留守番パターン⑤ クレート(持ち運びできるサイズの入れ物)で過ごす。

家庭の状況: 日頃から誰かしら人がいる家庭のため、フリーで生活している。家にケージは無い。家の中が安全かどうかわからないので、人が全くいなくなる留守の時には、クレートに入ってもらっている。

 

目的: 不自由さはあるが、クレート待機は短時間に限るようにしている。

 

いかがでしょうか? それぞれに、状況に応じた目的の設定がありましたね。

 

どれも間違いではなく、それぞれメリットとデメリットがあります。現時点での家庭の状況に応じて、愛ブヒと家族にとってベストな道を模索していけばいいのです。

 

悩みどころは「安全」と「自由」のせめぎ合い

フレンチブルドッグ

VDB Photo/shutterstock

もちろんお家によって細かい事情は異なることでしょう。とはいえ、多くの皆さんが悩むところは、「自由にさせてあげたい気持ち」と、「安全が確保できていないこと」のジレンマではないでしょうか。

 

もちろん、お家の中をいくらでも自由に過ごさせてあげたいものです。しかし、例えば家の床に、レゴブロックが散乱しているお家ではどうでしょうか? 

 

いつもは食べないかもしれません。しかし、留守番でストレスを感じた愛ブヒは、何をするかわかりません。

 

「たぶん大丈夫だろう。」と思って留守番をさせて、帰宅したころに喉にレゴブロックを詰まらせているとわかっても、愛ブヒにも家族にも、良いことはありません。

 

自由を与える前に、まず安全の確保が第一なのです。

 

裏を返せば、人間が愛ブヒに自由や選択肢を与えたいのなら、安全な家の中の状況を作ることで、愛ブヒをフリーにさせてあげられる可能性があるのです。

 

あなたならどうする? クイズに答えて「お留守番の仕方」を考えよう

状況と目的によって異なる、お留守番の仕方がわかってきましたね。さあ、練習問題です。

 

ドッグトレーナーになったつもりで、2つのお家の状況から、お留守番の仕方を考えてみましょう。

 

 

クイズ①40代の鈴木さん夫婦と愛ブヒのモモちゃんの、2人と1ブヒ暮らし

・マンション住まい。

・部屋は綺麗に片付けられている。

・トイレは上手に決まったところで出来る。

・モモちゃんの健康状態は問題ない。

・玄関には脱走防止ゲートも付いている。

・オーナーさんがいるときに、家の中をどこでもフリーにしている状況を1か月間見ているが、その期間で問題がありそうなものを都度片付けて改善した。

・どの部屋にもクーラーをつけてあるため、室温管理はOK。

 

モモちゃん宅は、どのような留守番の仕方が良いでしょうか? 

 

①の答え:

家の中どこでもフリー。決まった部屋フリー。もちろんケージでもOK。

まずは1時間程度の留守番でフリーの状態をチェックした後に、少しずつ時間を伸ばしながら、絶対安全だとわかってから本格的なお留守番にすること。

 

解説: 

部屋は片づけられている上に、何度もフリーにしてみて検証と改善をしているため、安全性は高い。玄関も脱走防止対策済み。

 

階段はないため、落下の危険も無し。モモちゃんの脚に問題があったら、走ったりしないように行動範囲を狭めたりする必要があるが、現在問題は無い。

 

 

クイズ②佐々木さん家族(祖母・父・母・小2の娘)と愛ブヒ次郎くん

・2階建ての戸建て。

・家の中は子供のおもちゃが床に落ちていることがある。

・お祖母ちゃんは時々玄関を開けたままにしまうことがある。

・階段は急で、次郎は落ちそうになったことがある。

 

次郎くん宅は、どのような留守番の仕方が良いでしょうか? 

 

②の答え:

ケージでお留守番。または、決まった部屋(片付けが100%出来ていて、扉が開けっ放しになっていないことが確実な場合のみ)だけフリー。

 

解説: 

皆さんの予想通り、子供のおもちゃが落ちている可能性があるなら、誤飲の危険があるため、フリーに出来ない。

 

お祖母ちゃんによる扉の開けっ放しは脱走につながる。お祖母ちゃんのうっかりを100%防ぐことは不可能なため、玄関に脱走防止ゲートが無いと危険。階段にも侵入防止ゲートが付いていないため、危険。

 

せっかく広い戸建てだとしても、人が見ていられないときにフリーにすることは難しい。

 

もちろん、もっと細かく状況を見ていかなければ、100%の正解はわかりません。しかし、大事なことは、オーナーさんが「こうしてあげたい」という気持ちだけではなく、愛ブヒの安全の確保と、家族全体としてどこまでが出来ることなのかという状況判断なのです。

 

時間がないなら、サービスを活用しよう

VDB Photos/shutterstock

現代人の悩みのひとつは「時間がない」ということ。そのため、「愛ブヒの相手をする時間がないから、部屋をフリーにさせてあげたいの」という声を聞くことも少なくありません。

 

しかし、フリーにすることだけが解決策ではありません。

 

愛ブヒが求めているのは、広い部屋ではなく、刺激です。外に出て匂いを嗅いだり、オーナーさんや他の犬とコミュニケーションをとるような刺激なのです。

 

変化の無い家の中で、ぼーっと何時間も過ごしているだけだと、どんな犬も暇になって当然です。暇すぎて、寝るしかやることがありません。

 

実は、暇は動物にとって苦痛でもあるのです。

 

そもそも愛ブヒとの時間が持てない事に心を痛めているのなら、他の人に助けてもらえばいいのです。現代では、ペットシッターや、犬の保育園やデイケア施設などもとても増えてきました。

 

部屋を自由にうろうろできるからOKではなく、お金を払うことでサービスを活用して、愛ブヒの心の栄養が満たすのも選択肢として大いにありでしょう。

 

こんな場合どうしたらいいの? お留守番のFAQ

NewKung/shutterstock

最後に、お留守番に関するよくある悩みをまとめてみました。

 

Q1: ケージが狭くて可哀そうだから、安全面が心配だけどフリーにしてもいい?

A1: 狭いからフリー… ではなく、そもそも狭くないケージを活用しましょう。

 

日本のペットショップで見るほとんどのケージは、超小型犬使用で、フレブルには小さすぎます。最低限、ワイドサイズのトイレトレーとクレートを置けて、その間に水のお皿を置いて寝転がれるスペースは確保しましょう。

 

長方形か正方形かは家によって変えていいにしろ、ケージの大きさは最低でもタテ180㎝×ヨコ60㎝は必要でしょう。

 

Q2: 今までの留守番はケージだったが、これからフリーにしたい。

A2: まずは人がいる状態で、愛ブヒをフリーにしてみましょう。

 

そして、愛ブヒを追跡しながら、いたずらしそうな場所や物を見つけたら片付けたり、対処をしましょう。

 

安全点検が終わったら、フリーにチャレンジです。始めから急に、いつも通りの留守時間をフリーにしてしまうと、何が起きるかわかりません。まずは30分~1時間程度で様子を見ましょう。

 

安全にお留守番が出来るようなら、少しずつフリーの留守番時間を伸ばしていきましょう。

 

Q3: 留守が長いから、フリーにしてあげたい。

A3: 留守が8~10時間になる場合は、ひとりでフリーにすることよりも、ペットシッターや、犬のデイケア施設の利用を考えましょう。

 

「忙しいから」、「相手が出来ないから」といって、フリーにするというのは、人間の罪悪感が多少薄れるだけで、愛ブヒの心に寄り添う解決策にはなりません。

 

部屋の中を自由に動けるとしても、刺激がない場所に「一人ぼっちでい続けること」自体が苦痛です。

 

Q4: ケージで留守番の時の温度管理はどうしたらいい? 

A4: フリーと違って、ケージで留守番をさせる場合、愛ブヒが好きな温度の場所に移動することが出来ません。

 

直接冷風や温風が当たるような状況になっていないか、快適に過ごせているのかを、オーナーさんが確認するようにしましょう。

 

Q5: フリーにするなら、どういったところに気を付けたらいいの? 

A5: 誤飲や破壊を防ぐため、愛ブヒの届く所の物は全て片付けましょう。脱走防止のため、玄関にベビーゲートをしましょう。

 

階段には落下防止でベビーゲートをつけましょう。キッチンもゲートを付けるか、ゴミ箱や食べ物は全て届かないところにしまいましょう。

 

もし留守中に排泄の問題が起きたときには、けしてオーナーさんへの嫌がらせではありませんので、絶対に怒らないようにしましょう。

 

留守中のトイレ練習が十分に出来ていなかったか、留守中に何か不安を感じたストレスで別の場所に排泄をしてしまうこともあります。

 

Q6: ケージの中で吠えたり暴れたりします。ケージに布をかけると、大人しくなるの?

A6: 暴れる原因は、愛ブヒが置かれている状況によって異なります。

 

例えば、人と離れていることが不安な子もいれば、日頃の刺激やエクササイズ不足で体力が有り余っている子もいます。ケージに布をかけて暗くすることで、視覚刺激がカットされて落ち着く場合もあります。

 

しかし、そもそも長すぎる留守番や、刺激不足なら、暴れなくなるかもしれませんが、結局ストレスを感じることに変わりはないでしょう。

 

例えるなら、林間学校の子供たちと同じです。先生が消灯すれば、子供たちも多少落ち着くでしょうが、暗くした後も元気があり余っていれば、騒いで当然です。林間学校で疲れている子は寝るし、疲れていない子はずっとお話したり部屋から抜け出したりするでしょう。

 

望まない行動が出てきたときには、少しでも早く根本的な問題点に向き合うことが必要です。オーナーさんだけでの解決が難しい場合もありますから、ドッグトレーナーや獣医さんにも相談してみましょう。

 

Q7: 留守にすると、家中を破壊したり、排泄をしたり、吠えたりしています。

A7: 愛ブヒによっては、オーナーさんがいなくなることで、パニックを起こしている場合もあります。そういったときは、愛ブヒのココロの治療が必要です。

 

分離不安と言われる状態にも軽度のケースから重度のケースがありますが、そのような場合は、愛ブヒを叱っても、頑張らせても、オーナーさんだけでの改善は難しいかも知れません。

 

無理をせずに、専門家である行動治療の獣医師に相談しましょう。愛ブヒとオーナーさんの生活に大きく負担となっているなら、お薬と行動治療を行いながら改善していく道があるのです。

 

まとめ

理想的なことを考えれば、いつでも愛ブヒを自由にしてあげたい、快適に過ごさせてあげたいと願いますよね。

 

しかし、今家族が置かれている環境の中で出来ることの最善を、日々前進させていくしかありません。

 

オーナーさんが無理をして、愛ブヒの命に関わることがあっては一大事。でも、愛ブヒの状況改善をできるのはオーナーさんだけであるのも事実です。

 

理想と現実の間で悩ましいこともありますが、今できる家族全員のベストを、日々考えていきましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純


PERRO株式会社 代表取締役 
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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