2020年2月17日4,969 View

甘えたいだけじゃない!「膝の上に乗りたがる」フレブルの気持ちとは?【愛ブヒの本音を知ろう】

愛ブヒを本当の意味で幸せにするには、オーナーが犬にとって頼れるリーダーになることが何より大切です。
そこで、国際的なドッグトレーナーのライセンスを取得している大久保羽純さんに、“愛ブヒから信頼されるリーダーになる方法”を学ぶこの特集。

フレンチブルドッグは、甘えん坊と言われる犬種。ママやパパの膝の上に乗りたがる子が多いですよね。ただし、この行為は単に「甘えている」だけじゃない場合もあるよう。

なぜ膝に乗りたがるのか、その心境を理解してあげましょう! 

フレンチブルドッグ,しつけ

あなたの愛ブヒは、お膝の上に乗りたがる? 

フレンチブルドッグ

Irina Kozorog/shutterstock

 

あなたの愛ブヒは、お膝の上に乗りたがることはありますか? 

 

「よくあるわ。暇さえあれば、お膝の上に乗っけてってとせがむのよ」と言う方もいれば、「うちの愛ブヒは、お膝に乗りたがるよりは、私の身体にお尻だけくっつけるのよね」なんて方もいるかも知れません。

 

可愛い愛ブヒに、「お膝に乗りたいな」とアピールされてしまったら、そしてスヤスヤ寝られてしまったら、膝のしびれも嬉しい苦痛になることでしょう。

 

いろんな個性と行動の愛ブヒたち。

フレンチブルドッグ

nakaridore/shutterstock

 

今回のコラムでは、あなたの愛ブヒがお膝に乗りたがる時、どんなことを考えているのかをタイプ別で予想します。

 

「うちのブヒ、お膝に乗りたがらないんだけど、それでも良いの?」と思う方も、安心してください。その理由は、最後まで読んでいただければわかりますよ。

 

さあこれから、いろいろなタイプの愛ブヒさんたちに話を聞いてみます。

 

皆さんの愛ブヒに似ている子はいるでしょうか。

 

タイプ1:オーナーさんにくっつくのが大好きスタイルのゆずくん

フレンチブルドッグ

Patryk Kosmider/shutterstock

 

ゆずくん:「ぼくはね~、オーナーさんに体をくっつけるのが大好きなの。お膝に乗るのも、ナデナデも気持ち良くて好き~」

 

インタビュアー:「ゆずくんは、ドッグランでも、家でも、どこでもお膝に乗りたがるとお聞きしていますが、他にも趣味はありますか?」

 

ゆずくん:「そうだね~。やっぱり1番の趣味は、オーナーさんにくっつくことかな。ある程度くっつくことに満足してきたら、膝から降りて遊ぶかな。まずオーナーさんにくっつくのが最優先かな」

 

ゆずくんは、抱っこでもお膝の上でも、くっついていることが大好きなようですね。

 

他の犬が苦手だからとか、気持ちが寂しいからとかではなく、オーナーにくっつくこと自体が、ゆずくんにとって気持ちの良い状態のようです。

 

タイプ2:お膝がワタシの落ち着く場所スタイルのイチゴちゃん

フレンチブルドッグ

mountaira/shutterstock

 

イチゴちゃん:「ワタシは、ちょっと興奮してしまった時や、ホッとしたいときに、家族のお膝の上でリラックスするの」

 

インタビュアー:「それは、どんな時ですか?」

 

イチゴちゃん:「例えば、パパがお家に帰ってきた時かな。その時のワタシの心境を、説明するわね」

<イチゴちゃんが膝に乗るときの例(おかえり編)> 

バタン! 玄関が開く音がする。

 

イチゴ:「いったい誰?(緊張)」

イチゴ、玄関へ行き、パパを発見。

 

イチゴ:「パパだった! ヤッター、おかえりー!(興奮)」
パパとイチゴはご挨拶。その後、パパは着替えるために自室へ。

 

イチゴ:「ついつい興奮し過ぎちゃった。侵入者にハラハラしたのと、パパで嬉しかったのとで、なんかちょっとストレス……落ち着かないな~(モヤモヤ)。そうだ、ママのお膝に乗せてもらって、ホッとしよう♪」

 

イチゴ、ママに前足をかけてチョイチョイ、お膝に乗っけてアピール。お膝に乗った後は「ふぅ、ここが落ち着くのよね~。ホッとするわ」とご満悦。

 

イチゴ:「パパが嫌ってわけじゃないけど、今までワタシが興奮し過ぎても良い事は起きなかったから、冷静になるために、ママのお膝を活用しているわ」

 

イチゴちゃんは、盛り上がり過ぎたときに、ホッとするための場所としてオーナーさんのお膝を活用しているようですね。

 

お膝ではなく、お気に入りのクッションや、クレートを、落ち着く場所にしている子もいます。

 

本犬なりに興奮後のストレスを緩和しているのなら、その行動は尊重しても良いでしょう。

 

タイプ3:お膝がボクの安全地帯スタイルの大豆くん

フレンチブルドッグ

hedgehog94/shutterstock

 

大豆くん:「ぼくは、恐いものがある時に、お膝の上に避難するよ」

 

インタビュアー:「それは、どんな時ですか?」

 

大豆くん:「ドッグランとか、ドッグカフェとかに苦手な犬やヒトがいる時かな。怖いときには、安全地帯であるお膝の上が一番さ」

 

インタビュアー:「それは、お膝の上が好きだという事ですかね?」

 

大豆くん:「う~ん…好きと言うより、お膝の上の方がマシという感じ。膝の上なら、恐い犬やヒトが来ないから避難しているだけだよ。正直、居心地が良いのはクッションの上だよ」

 

お膝が大好きなゆずくんと、大豆くんは少し違うようですね。

 

大豆くんは、不安なときにお膝の上に乗りたがります。大豆くんは、膝の上の方が安全だったと感じる経験が多かったのかも知れません。

 

膝の上が好き… ではなく、膝の上の方がマシというタイプです。

 

ドッグランで「犬が恐い! 助けて! 膝の上に退避させてー!」と言っているブヒを見かけませんか?

 

「うちのブヒったら、私の膝の上から降りないんだからぁ」と思いそうになるところですが、<オーナーさんの膝の上が好き>なのか、<助けを求めて膝の上にいる>のかは、見極める必要があるでしょう。

 

タイプ4:お膝はワタシの安全地帯&警戒前線スタイルのスモモちゃん

フレンチブルドッグ

Dzelat/shutterstock

 

インタビュアー:「スモモちゃんは、来客や家族の帰宅時に、オーナーさんの膝の上に乗って、吠えるそうですね」

 

スモモちゃん:「そうなの。私とママが家にいるときに、誰かが家に入って来ようもんなら、ママの膝の上に登って警戒するのよ」

 

インタビュアー:「ママの膝の上に逃げ込む大豆くんと、スモモちゃんの心境は同じですかね?」

 

スモモちゃん:「大豆くんと一緒にしないでよ! あの子は逃げるだけでしょ。私は、家とママを守るために警備しているもん

 

とはいえ、私も侵入者が怖いから、玄関までは行く勇気が無いけどね。ママの膝の上の安全地帯から、文句を言ってやるのよ!」

 

スモモちゃんは、まず安全な場所(スモモちゃんにとっては膝の上)に逃げてから、「不審者め! 出ていきなさい!」と叫ぶわけです。

 

侵入者全員に警戒するため、パパやお姉ちゃんも、帰宅時には不審者扱いをされて吠えられます。少し冷静になると家族だと気付き、喜び始めることでしょう。

 

こんなスモモちゃんにどうしてあげたら良いでしょうか? スモモちゃんにとっては、侵入者が不安の原因です。

 

怖いもんは怖いのですから「吠えないの!」と叱っても無駄でしょう。

 

スモモちゃんのココロの平穏のために出来ることは、例えば、侵入者が来るときにたくさんのドッグフードやオヤツ(犬の爪サイズに小さく千切って30粒程度)を床にばらまいて、良い思いをしてもらうこと。

 

スモモちゃんに、美味しい食べ物という“家への侵入料”を支払うルールを導入しましょう。

 

また犬連れの来客なら、スモモちゃんも含めて家の外で来客者と合流して、みんなで仲間になってから家に入ることでも、少しは安心してもらえます。

 

もう一つ注意があります。大豆くんも、スモモちゃんも、安全地帯としてオーナーさんの膝の上を陣取っています。

 

こういう子の場合は絶対に、他人がなでようとして膝の上の愛ブヒに“手を出す”のはやめましょう。

 

避難所に逃げているのに、その上で追い詰めてしまってはいけません。

 

手を噛むなどの攻撃行動につながる可能性があります。

 

タイプ5:あなたのお膝は踏み台ですスタイルの海苔ちゃん

LightField Studios/shutterstock

 

海苔ちゃん:「あたちは、お膝を踏み台にして移動したり、景色を楽しむのが好きなの」

 

インタビュアー:「お膝に乗ることは、好きなのですか?」

 

海苔ちゃん:「あたち、お膝はどうでもいいの。お膝の上に乗ると、テーブルの上のご飯に届くこともあるし、お膝の上から棚に飛び移ってオモチャをゲットできることもあるの。

 

要は、踏み台ってことよ。だから、オーナーさんの膝の上でギュって抱っこされても正直どうでもよくて、オーナーさんが油断する瞬間をひたすら待っているわ

 

海苔ちゃんは、食べ物を盗み食いしたり、別の場所に飛び移る手段として、オーナーさんの膝の上の高さをうまく活用しているようですね。

 

ドッグカフェなどでは、

<膝に乗りたがるブヒ→ブヒを膝に乗せるオーナー→テーブルの上の皿から盗み食いをするブヒ→あわててブヒを抱き寄せるオーナー→次回オーナーがまた油断するのを待ち望むブヒ>

という姿を見かけることもあるでしょう。

 

愛ブヒが求めるからと言って、ブヒが動き回って安全でない状況でお膝に乗せることは、危険ですね。

 

タイプ6:お膝に乗ることに興味を示さないモンタくん・リンゴちゃん

フレンチブルドッグ

LightField Studios/shutterstock

 

モンタくん:「ぼくは、お膝の上にいい思い出がないから、そんなに乗りたくないな。

 

前にうっかり落とされたり、膝の上で怒られたこともあるからね。印象が悪いよ。

 

どちらかと言うと、ハウスにいる方が、お膝よりも落ち着くし好きだな」

 

リンゴちゃん:「私は別にお膝が嫌いとかでは無いわよ。ただ、うちのオーナーさんはお膝に乗せる習慣がないし、私もお膝に乗る習慣がないだけ。

 

だからって別に困っていないわ。我が家は床生活だから、膝の上に乗らなくても、体をくっつけることが出来るしね」

 

お膝に乗らないブヒ同士でも、ずいぶん言い分が違いますね。

 

お膝の上の印象が悪く、あまり乗りたくないモンタくん。

 

もしオーナーさんがお膝に乗って欲しいと思うなら、お膝でオヤツを食べたり、気持ちの良い状況を作っていくことで、好きになってくれるかもしれません。

 

リンゴちゃんの場合は、お膝に乗る状況が発生しづらい住環境ゆえに、お膝を求めないだけ。

 

例えば、ダイニングテーブルやソファでの生活環境にいるブヒは自分から遠いところにいるオーナーさんに近付きたくて、お膝の上に乗りたがるようになるかもしれません。

 

しかし、床に座る生活環境の家族だと、そもそも膝の上に乗らなくてもオーナーさんにくっつける機会が多いでしょう。

 

そのため、オーナーにとっても、ブヒにとっても、あえて抱っこや、膝に乗る習慣が生まれない場合があります。

 

好きで乗っている? ツラくって乗っている?

フレンチブルドッグ

bozsja/shutterstock

 

それぞれのブヒたちのキモチを聞いてみると、お膝に乗る理由も、乗らない理由もそれぞれでしたね。

 

オーナーさんにいつも見ていて欲しいのは、愛ブヒが“お膝に乗りたくて乗っているのか、乗っていないとツラいから乗っているのか”です。 

 

周りの状況が不安だから、助けを求めてお膝に乗りたがっているのでは、悲し過ぎますね。

 

その場合は、オーナーさんが愛ブヒの不安を排除するようにしましょう。

 

「そもそも愛ブヒをお膝に乗せていいの? ダメなの?」と言う質問をされることがありますが、皆さんならどう答えますか? 

 

ここまで読んでいただいた方ならお分かりの通り、その答えは「お互いが安全でハッピーなら、どっちでもいいんじゃない?」になるでしょう。

 

ぜひ皆さんも、愛ブヒが快適かどうか、愛ブヒ自身に聞いてみて下さいね。

 

こんなときは専門科に相談を

フレンチブルドッグ

Pierre Aden/shutterstock

 

最後に、超重要なポイントを一つお伝えします。

 

もし愛ブヒを膝に乗せようとしたり、膝から降ろそうとする時に「うなる」、「噛む」などの攻撃的な行動が出たら、緊急事態!! 愛ブヒは相当追い詰められています。

 

こんな時に「自分が人よりも上の立場だと思って偉そうにしているから、しっかり怒らないとダメ」と言うのは、大間違い。

 

現代では、犬と人の関係に、上下関係は存在しないという事が、世界的な共通認識になっています。

 

彼らの「やめてよ、助けてよ」と言う声(うなる、噛もうとする)が出たら、すぐに専門家に相談しましょう。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、そのトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、科学的知識をもって、動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人かどうか、オーナーさんが見極めて依頼をするようにしましょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。あなたの愛ブヒに似たタイプの子はいましたか? 

 

うちはどの子とも違うなあと思う方は、是非あなたの愛ブヒがどんなタイプか教えてくださいね。

 

ブヒの数だけ、考えがあって当然です。

 

愛ブヒをもっと理解したい、心を通じ合わせたいと願う愛情にあふれたオーナーの皆さんを、心から応援しています。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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