2020年3月2日3,163 View

【愛犬がごはんを食べない】ワガママで片付けると後悔するかも!食い渋りの理由8つ【愛ブヒの本音を知ろう】

愛ブヒを本当の意味で幸せにするには、オーナーが犬にとって頼れるリーダーになることが何より大切です。
そこで、国際的なドッグトレーナーのライセンスを取得している大久保羽純さんに、“愛ブヒから信頼されるリーダーになる方法”を学ぶのが、この特集。

 

今回は、ごはんを食べないブヒの本音を探ります。食べ渋りを“ただのワガママ”だと片付けるのは危険です。しっかり、その理由を考えてあげましょう!

フレンチブルドッグ,しつけ

あなたの愛ブヒは、ごはんをよく食べる? 食べない? 

フレンチブルドッグ

Tienuskin/shutterstock

 

あなたの愛ブヒは、出されたごはんをもりもり残さずに食べるタイプですか? 

 

それとも、ごはんを食べきれなかったり、ごはんの種類によっては一切口をつけないことがあったりしますか? 

 

食べ物をなんでも残さずに食べきっちゃう愛ブヒのオーナーさんからしたら、ごはんを残すブヒたちのことは、想像が難しいかも知れません。

 

しかし、世の中には少なからず、食べ渋りや好き嫌いのあるブヒがいます。

 

愛ブヒがごはんを食べてくれないことは、愛ブヒだけでなく、オーナーさんにとっても大きな心の苦痛となることでしょう。

 

ごはんが食べられない愛ブヒのココロには、どんな理由が隠れているのでしょうか? 

 

言葉を話せない愛ブヒたちの代わりに、オーナーさんがブヒたちのココロに耳を傾けてみましょう! 

 

愛ブヒのごはんの「適切な量」ってどれくらい? フードの袋に書いてある通りとは限らない!

フレンチブルドッグ

Unchalee Khun/shutterstock

 

そもそも「愛ブヒが食べる」とか「愛ブヒが食べない」とか言いますが、その理由を探っていく前に、愛ブヒにとってちょうど良い食事量について考えてみましょう。

 

みなさんは、愛ブヒが必要としている食事量を把握していますか? 

 

というのも、「うちの子、全然食べてくれなくて…」というオーナーさんの愛ブヒが、太っている場合が結構あるんです。

 

ん? おかしいですね。食べないのに太っているのは。

 

その場合はもしかすると、あまり食べていないように見えても、今のごはんの量で足りている可能性があります。

 

また、毎回ごはんを3割くらい残すけれど、体重に増減は無いと言う場合も同様に、身体に必要なカロリーは足りているのかも知れません。

 

なぜこのようなことを話すかと言うと、食べる量と消化する量、そしてそれが吸収される量は、同じフレンチブルドッグでもそれぞれ違うからです。

 

ホルモンが変化する不妊去勢手術の後だと、20~30%くらい食事量を減らすことになるとも言われています。

 

人間でも、同じ物を食べても痩せる人と太る人がいますよね。

 

ドッグフードの袋に書いてある量を食べ切れないからと言って、食べさせることに躍起になる必要はありません。

 

袋には、あくまで一般的な給餌量が記載されているだけです。

 

愛ブヒの食べる量だけでなく、体重とウンチもチェック! 

フレンチブルドッグ

Boyan Dimitrov/shutterstock

 

愛ブヒの健康を考えるとき、ごはんを食べる量にだけ注目するのではなく、愛ブヒの体重が増減していないかどうか、まめにチェックするようにしましょう。

 

成犬の場合体重の増減はあまりなく、そのブヒにとってちょうどいい体重を維持するはずです。

 

犬用の体重計を持っていなくても大丈夫。

 

オーナーさんが愛ブヒを抱っこして、人間の体重計に一緒に乗ればいいだけです。

 

体重をまめに測ることで、愛ブヒにとってちょうどいい量の食事を探していくことも、オーナーさんの愛情ですよ。

 

また、ウンチの状態が良いか悪いかも、食事を考えるうえでわかりやすい目安。

 

人間も、脂っこい食事をしたり、一度に大量に食べ過ぎたらウンチがゆるくなりますよね。

 

愛ブヒが、シートにべったりついてしまうようなウンチをしていたら、栄養過多だったり、うまく消化が出来ていない可能性が。

 

もちろんここまでの話は、他に病気が隠れていないことを前提にしています。

 

そもそも「体重が増減する」、「食事を食べたがらない」という2点は、即日、獣医師に相談するべき状態です。

 

“たかが食欲”と油断しないようにしましょう。

 

食べないのは、ワガママ? 

フレンチブルドッグ

Kittibowornphatnon/shutterstock

 

出されたご飯を食べ渋ったり、残してしまうブヒを見て「ワガママなのかな?」と思われる方もいるかも知れません。

 

昔の日本の小学校では、給食を残した子は食べきるまで居残りをさせられる風景もありましたよね。

 

果たして、給食を残す子はみんなワガママだったのでしょうか? そうではありませんよね。

 

胃が小さくて、一度にたくさん食べられなかった子もいますし、嘔吐しそうなほど苦手なニオイの野菜があった子もいたでしょう。

 

要は、身体が受け付けなかったのです。

 

生き物はみんな、生き残るために食べます。そして生き残るために、食べるべきでないときには食べません。

 

“ワガママ”の一言で片づける前に、様々な可能性を探ってみましょう。

 

食べないブヒのココロに寄り添うことで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

 

愛ブヒがごはんを食べられなくなる理由

フレンチブルドッグ

Javier Brosch/shutterstock

 

食べられないブヒのココロを、いろいろなケースで紹介します。みなさんの愛ブヒに有り得そうなケースを考えてみましょう。

 

(1)病気 

食欲不振の背景には、急激な変化のある病気もあれば、ゆるやかに進行する病気の可能性もあります。

 

癌や感染症、肝臓機能低下、腎不全など、食欲が落ちる病気はたくさんあります。

 

食欲不振の場合、まずはすぐに動物病院に相談しましょう。

 

(2)口の中の問題

フレンチブルドッグ

praditkhorn somboonsa/shutterstock

 

歯がぐらついていたり、口の中に腫瘍があったりすれば、食事もおっくうになって当然です。

 

フレブルには、歯の噛み合わせが悪い子も少なくありません。

 

さらに、成犬の3頭に1頭は歯周病と言われるほど、歯に問題を抱えるワンちゃんはたくさんいます。

 

歯が痛いという事は歯茎も膿んでいて、食べ物を噛むこともつらいはず。これでは食事も難しいですね。

 

(3)体に合う食べ物かどうか

人間でも、毎日コンビニのご飯でも元気な人もいれば、無添加の物でないと湿疹が出たり、体調を壊す人もいます。

 

さらに、肉か魚、どちらが好きかも人によって違いますよね。

 

ドッグフードは、何百種類以上もあります。その中には、たんぱく質の量が不十分で美味しく感じられない物や、質の悪い脂の商品もあるでしょう。

 

ドッグフードも、値段が高いからいいとか、有名だからいいとかという選び方ではなく、本当に品質がいいいもの、愛犬が好むものを探してみましょう。

 

ドッグフードを絶対食べるべきだとか、手作りの食事じゃないといけないかなど、食事の話はいろいろな意見があり尽きることがありません。

 

ですが要は、あなたの愛ブヒが健康的でいられて、喜んで食べてくれるごはんであれば、フードでも手作りでもOKです。

 

そういうごはんを探してあげてくださいね。

 

(4)食べ物の新鮮さ

フレンチブルドッグ

Marina Kadyrova/shutterstock

 

私たちの鼻よりも、1億倍ほど優れたブヒの嗅覚。私たちにはわからない、劣化した食べ物の嫌なニオイを感じ取れることでしょう。

 

生き残るために「このニオイから察するに、これはカラダに悪いものだ」と感じれば、食べない選択をするのは当然です。

 

2000年代にも、有害物質が入ったフードを食べたペットの死亡事故が起こっています。

 

ペットフードのリコール事件は少なくありません。

 

その中で印象的だった体験談は

 

「愛犬がいつものフードを食べなかったから、ワガママだと思って、3日間それ以外を与えなかった。

 

そして、あきらめて食べた後に亡くなった。

 

愛犬を信じられず、私は一生後悔し続けるしかない」という、アメリカでの話。

 

みなさんが愛ブヒと同じ物を食べているわけではない場合、私たちでは食事内容の安全を判断しきれません。

 

悲しい事故を防ぐためには、いつでも愛ブヒのココロとカラダを観察するようにしましょう。

 

(5)食べ物の好み(味・種類・調理法・温度)がある

フレンチブルドッグ

Lee waranyu/shutterstock

 

みなさんの愛ブヒは、どんな野菜が好きですか? 

 

うちの子は、さつまいもやキュウリは好きですが、レタスはイマイチのようです。

 

お肉やお魚はどんなものが好きですか? 調理法は、煮る、焼く、生など好みはありますか? 

 

温度は、冷蔵から出したて、ぬるめ、人肌など、好きなものはありますか? 

 

ここまで見ていただいても、食事の種類と組み合わせは無限大だとわかりますね。

 

だから、ブヒごとに食の好みがあって当然です。

 

ドッグフードは、すべて同じ味と香りではありません。好き嫌いがあって当然です。

 

(6)愛ブヒの要求に負けて、人間がプレゼントをしている

フレンチブルドッグ

Margarita Mindebaeva/shutterstock

 

ごはんを残して、オヤツばかり食べているブヒもいます。

 

例えば、人間が夕食の度に、要求に負けて何か良い食べ物(人間用の味の濃いオカズや、ドッグクッキーなど)を愛ブヒに与えていれば、主食を食べなくなって当然です。

 

愛ブヒ自身で要求して手に入れた物は“報酬”になり、より美味しく感じますし、人と遊ぶ要素も入っていて楽しいことでしょう。

 

愛ブヒには、栄養の偏った嗜好品だけでなく、バランスの良い食事を与えることを目指しましょう。

 

愛ブヒが主食に興味を持たなくなってしまった場合は、トリックをしながらご褒美として主食を与えてみたり、知育トイに入れて遊びながら主食を食べさせてみましょう。

 

要は、愛ブヒから人間に要求してオヤツを手に入れるのではなく、逆に、人間が愛ブヒに仕事を与えて、その報酬として食べ物をもらえるシステムに変えていくのです。

 

(7)不快なシチュエーション

フレンチブルドッグ

LightField Studios/shutterstock

 

例えば、引越しした後、工事の音がうるさい、家族がケンカをしている、ご飯を食べろとオーナーさんがプレッシャーをかける、留守番をしている時……。

 

こんな状況で、犬が強くストレスを感じていれば、食が細くなって当然です。

 

ストレスが原因になっている場合は、そのストレス自体を除去、または改善できないかを検討しましょう。

 

(8)退屈

皆さんは、毎日同じ味の食べ物を、同じ皿から与えられたら、何日間耐えられますか?

 

毎日同じ食事だと、飽きてしまうブヒがいて当然です。

 

栄養バランスを補うのに良い物であれば、茹でた野菜やお肉といったトッピングを使ったり、ウェットフードを活用しても良いでしょう。

 

また、そもそもお皿でごはんを与える必要ってありますか? 

 

後片付けがしやすい点ではメリットかもしれません。

 

しかし、ブヒたちの獲物を探し、バラバラに分解して食べると言う作業欲求は満たされません。

 

その気持ちを満たすためにも、知育玩具を使ったり、オーナーさんと遊びながら食べるなどの労働の楽しさを日々に加えていきましょう。

 

食事の時間は、楽しい狩猟の時間に変わります。

 

いかがだったでしょうか。

 

あなたの愛ブヒの、食事トラブルの原因になっていそうなケースはありましたか? 

 

もちろん、ここにあがっていない原因もたくさんあることでしょう。

 

だからこそ、永遠に愛ブヒのことを追求する、勉強と研究は終わらないのです。

 

こんなときは専門科に相談を

フレンチブルドッグ

Nadya Chetah/shutterstock

 

最後に、重要なポイントを一つお伝えします。

 

繰り返しになりますが、食べない状態や、体重の変化があれば、少しでも早く専門家に相談しましょう。

 

健康相談の場合は、ドッグトレーナーよりも前にまず動物病院に相談を。

 

どうか、なんでもないと思って過ぎた数日が、取り返しのつかない日になりませんように。

 

もし病院の回答に納得しきれない場合は、数カ所の病院を回って、セカンドオピニオン、サードオピニオンを取るのも良いでしょう。

 

動物病院で、食事トラブルが健康上の問題からきているものでは無いと判断された場合は、ドッグトレーナーの出番です。

 

生活環境やオーナーさんとの関係を改善してもらうと、食い渋りがなくなるかもしれません。

 

その場合、そのドッグトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、科学的知識をもって、動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人かどうかを、オーナーさんが見極めて依頼をしてくださいね。

 

まとめ

フレンチブルドッグ

Kittibowornphatnon/shutterstock

 

昔の日本は食料が十分ではありませんでした。

 

人間も満足に食べられていない世の中では「犬なんだから、出されたものをなんでも食べなさい!」と言われても仕方なかったのかも知れません。

 

しかし、現代の豊かな日本で、そんなことを言うのもどうかと思ってしまいます。

 

ここからはあくまで私の個人的な意見です。

 

フレブルは、多くの病気に悩まされる可能性がある犬種です。

 

呼吸のしづらさ、アレルギーや皮膚トラブルの起きやすさ、消化機能の不具合、関節の痛みなど……いろいろな不快症状、ストレスと日々戦う犬種です。

 

だからこそ、フレブルの食事スタイルが、他の犬種と同じようにいかなくて当然です。

 

食事が難しい愛ブヒが食べてくれるものを探しながら、でも偏食にならないよう、バランスの良い食事を与えたいと、涙ぐましい努力をしている方もいることでしょう。

 

その苦労とお気持ち、お察しします。

 

出されたものをもりもり食べる愛ブヒのオーナーさんは、健康でいてくれる愛ブヒを誇りに思いましょう。

 

食事がスムーズにいかない愛ブヒのオーナーさんも、焦らないでください。決しておかしいことではありません。

 

原因を一つずつ探り、愛ブヒと一緒に食事の時間を楽しくできるような工夫をしていきましょう! 

 

愛ブヒの数だけ、愛ブヒの食事スタイルがあって当然なのです。

 

愛ブヒをもっと理解したい、心を通じ合わせたいと願う、愛情にあふれたオーナーの皆さんを、心から応援しています。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 

 

SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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