2020年8月4日1,840 View

『1頭だけ連れて外出』はOK?NG?多頭飼いにまつわる噂・謎に対してプロが回答!【Vol.2】

愛ブヒを本当の意味で幸せにするには、オーナーが犬にとって頼れるリーダーになることが何より大切です。
そこで、国際的なドッグトレーナーのライセンスを取得している大久保羽純さんに、“愛ブヒから信頼されるリーダーになる方法”を学ぶのが、この特集。

今回は、前回に引き続き、巷にあふれる多頭飼いの噂について、その真偽のほどを解説します!

フレンチブルドッグ,しつけ

巷にあふれる、多頭飼いの噂・謎あれこれ Vol.2

フレンチブルドッグ

Lesya Pogosskaya/shutterstock

 

ブヒ業界にはびこる、さまざまな都市伝説や噂ってありますよね。

 

その中でも、多頭飼いに関するいろいろな噂に焦点を当てたのが、今回のコラムシリーズです。

 

こちらは第二弾なので、前回の記事<『ごはんは先住犬から』はウソ?ホント?多頭飼いにまつわる噂・謎に対してプロが回答!【Vol.1】>からお読みいただくと、より一層わかりやすいですよ♪ 

 

一見本当っぽいけど、実は間違っているかもしれないその噂!

 

今よりももっと素敵な愛ブヒオーナーになるために、正しいブヒの情報を知っていきましょう。

 

今回も、愛ブヒオーナーさんから寄せられた多頭飼いの謎を紹介しながら、それが“ウソ”なのか、“ホント”なのか、紐解いていきます。

 

Q:1頭だけ連れて出かけるのはあり?なし? 

フレンチブルドッグ

StrDr stock/shutterstock

 

Q1.お出かけの際、1頭だけ連れて出かけるのはあり? なし? 

カフェなど、お出かけ先でおとなしくしていられる犬だけと一緒に出かける…、他犬が苦手な子はお留守番させてドッグランに行く…など。

 

お出かけのときに、2頭のうち1頭だけ連れてくる多頭飼いオーナーさんに出会ったことはありますか? 

 

また、ご自身の家のお出かけでも、2頭を連れて行くか1頭だけにするかで、迷ったことはあるでしょうか? 

 

多頭飼いで、こういった場合にはどう考えたらいいのか、この問題を紐解いていきましょう。

 

A1.

苦痛を感じる場所に連れて行くことはNG。

 

ブヒとの生活で疑問にぶつかったときには、第一に“愛ブヒが快適かどうか”を考えることが大切です。

 

さまざまな噂や固定概念をいったん捨てて、あなたの愛ブヒが笑顔になれるプランを探しましょう。

 

まず、愛ブヒと出かけるときのルールを整理してみましょう。

 

愛ブヒと出かけるときの重要なルール、それは、“愛ブヒが苦痛を感じる場所は避けること”です(もちろん、病院など、命を守る場所は別ですが)。

 

皆さんは、家族でお出かけをする時に、誰か一人でも苦痛を感じるような場所を選びますか? 

 

虫が苦手な人と昆虫館に行ったり、魚が食べられない人と寿司屋に行ったりはしませんよね。

 

それと同じで、例えば他の犬が苦手な愛ブヒなら、ドッグランは苦痛でしょう。

 

他の人や犬、騒々しい場所が苦手なら、人や犬だらけのフェスやイベントも苦痛でしょう。

 

オーナーさんとしては「行ってみたい!」という気持ちは、とてもわかります。

 

でも愛ブヒがそれを望むかと言うと……うーん、望んでいないでしょうね。

 

愛ブヒに、お出かけ先を決める決定権はありません。

 

オーナーさんが、愛ブヒの代理人となって場所を決定するわけです。

 

だからこそ、愛ブヒが望む場所かどうかを、第一優先に考えることを忘れないようにしましょう。

 

お出かけは、家族みんなが笑顔になってこそ、ですよね! 

 

でも、行きたい場所ってあるよね 

フレンチブルドッグ

Lee waranyu/shutterstock

 

お出かけでは、家族みんなが楽しめる場所を選択すること! 

 

それはわかるけれど……。オーナーさんだって行きたい場所がある。

 

そんなときにはどうすれば良いのでしょうか? 

 

例として、ノリオくんファミリーを参考に考えてみましょう。

 

オーナーさんは愛ブヒイベントに参加したいけれど、2頭のうち1頭の愛ブヒ・ノリオくんは、犬も人も大の苦手。

 

こんなとき、ノリオくんをイベントに一緒に連れて行った方が良いのか、置いていった方が良いのか、皆さんはどう思いますか? 

 

まずは、ダメな例から紹介しましょう。

 

■絶対ダメなNG選択肢 

・プラン→ノリオに、「頑張れ、慣れろ!」と言い聞かせながら、無理やりイベントに参加する。

 

・結果→ノリオは、苦手な人と犬に囲まれて、イベントが地獄の時間。

 

「オーナーさん、信じてたのに…騙したんだね! ぼく、お出かけも、オーナーも、大嫌い!」と、トラウマの出来上がり。

 

これは大失敗です! ノリオくんを、深く傷つけてしまいました。

 

ポイントは、“愛ブヒが苦痛を感じる場所は、避けること”でしたよね。

 

では、それ以外のプランのご紹介。オーナーさんには、以下のような選択肢があるでしょう。

フレンチブルドッグ

Lee waranyu/shutterstock

 

■要検討の選択肢

(1)家族全員で、イベント自体に参加しない。

 

(2)家族全員でイベント会場の近くまで行くが、ノリオくんと家族の1名は、別の場所で過ごし、イベント後に家族全員が合流する。

 

(3)ノリオくんと家族の1名は自宅で過ごして、他の家族はイベントに行く。

 

(4)ノリオくん以外はイベントへ行き、ノリオくんは事前に何度も顔合わせした、大好きなシッターさんや友人と一緒に過ごす。

 

(5)ノリオくん以外はイベントへ行き、ノリオくんは事前に何度も通って、大好きになっている犬のデイケア施設に預かられて過ごす。

 

(6)ノリオくんはお留守番だが、事前にドッグトレーナーとオーナーさんが一緒に、留守番を楽しめる練習をしてあるので、お留守番も快適。

※とはいえ、留守番時間が6時間を超えるなら、これ以外のプランを推奨。

 

いかがでしょうか?

 

オーナーさんがどうしてもイベントに行きたいならば、ノリオくんが笑顔で過ごせるプランを考えましょう。

 

家族と一緒にいられるからって無理やりイベントに参加させては、ノリオくんに苦痛を与えてしまいます。

 

こういう話をすると、「犬が嫌がったって、連れて行けば慣れるわよー」なんて無責任に言う他人もいますけれど…。

 

ゴキブリが嫌いな人の手に、ゴキブリを無理やり握らせるようなものです。

 

他人の発言に流されず、どうかオーナーさん自身が愛ブヒの心を守ってください! 

 

上に紹介したプラン以外にも、ノリオくんがハッピーに過ごせる方法があるのであれば、それでも良いでしょう。

 

しかし、もしノリオくんをハッピーに出来るプランが見つからなかったら、お出かけは出来ません。

 

人間の都合で、ノリオくんがしわ寄せを食うようではいけません。

 

だって、ノリオくんがしわ寄せを食う正当な理由なんて、世界中の誰にも説明できないでしょう?

 

愛ブヒが快適に過ごすお手伝いが、オーナーさんの役割

フレンチブルドッグ

Bussakorn Ewesakul/shutterstock

 

ごくまれに「お利口な犬の方だけ連れて、ビビリの方は置いていくわ」などという話も聞きますが、それは論外です。

 

人間本位で、なんて残酷なことでしょう。

 

オーナーさんがまるで審査員のように、基準を満たすブヒを選抜するようです。

 

人間が自分がトレーニングを怠っていることを棚に上げ、「あなたがそういう犬だから、仕方がないのよ」と犬のせいにして、楽をしてはいけません。

 

…とはいえ、こんなふうに考える人はほとんどいないはず。

 

ほとんどのオーナーさんは、愛ブヒを大切に思い、愛ブヒを苦しめたいとは思っていません。

 

ただ、“オーナーさんが、どうしても行きたい場所がある”のと、“愛ブヒを連れて行くと、辛い思いをさせてしまう”ことのジレンマの中で、自分だけでは解決策が浮かばないだけなのです。

 

オーナーさんだけでは、解決が難しいことも多々あります。

 

そんなときはどうか一人で悩まずに、専門家に相談してください。

 

今まで諦めていた世界が、グッと広がることがたくさんありますよ。

 

オーナーさんの役割は、家にいるどの愛ブヒも笑顔で過ごせるような環境を作ること。

 

愛ブヒの人生の選択肢を広げるために、日頃からトレーニングを重ねていくこと。

 

人間の都合で愛ブヒを外に連れて行かないのなら、愛ブヒが留守番している時間を、愛する家族と過ごす以上に楽しめるプランを、オーナーさんが提供することが重要なのです。

 

こんなときは専門家に相談

フレンチブルドッグ

katamount/shutterstock

 

今回お話したテーマでも、オーナーさんだけでは解決が難しいケースがたくさんあります。

 

“出来ないから諦める”だけでなく、“出来ないから無茶をする”でもなく、出来ることの選択肢を増やすことを目指しましょう。

 

どうぞ一人で悩まずに、獣医さんやドッグトレーナーなどの専門家に、心の内をお伝えください。皆さんを支えるプロは身近にたくさんいます。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、そのトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

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