『1頭だけ連れて外出』はOK?NG?多頭飼いにまつわる噂・謎に対してプロが回答!【Vol.2】
愛ブヒを本当の意味で幸せにするには、オーナーが犬にとって頼れるリーダーになることが何より大切です。
そこで、国際的なドッグトレーナーのライセンスを取得している大久保羽純さんに、“愛ブヒから信頼されるリーダーになる方法”を学ぶのが、この特集。
今回は、前回に引き続き、巷にあふれる多頭飼いの噂について、その真偽のほどを解説します!
目次
巷にあふれる、多頭飼いの噂・謎あれこれ Vol.2

Lesya Pogosskaya/shutterstock
ブヒ業界にはびこる、さまざまな都市伝説や噂ってありますよね。
その中でも、多頭飼いに関するいろいろな噂に焦点を当てたのが、今回のコラムシリーズです。
こちらは第二弾なので、前回の記事<『ごはんは先住犬から』はウソ?ホント?多頭飼いにまつわる噂・謎に対してプロが回答!【Vol.1】>からお読みいただくと、より一層わかりやすいですよ♪
一見本当っぽいけど、実は間違っているかもしれないその噂!
今よりももっと素敵な愛ブヒオーナーになるために、正しいブヒの情報を知っていきましょう。
今回も、愛ブヒオーナーさんから寄せられた多頭飼いの謎を紹介しながら、それが“ウソ”なのか、“ホント”なのか、紐解いていきます。
Q:1頭だけ連れて出かけるのはあり?なし?

StrDr stock/shutterstock
Q1.お出かけの際、1頭だけ連れて出かけるのはあり? なし?
カフェなど、お出かけ先でおとなしくしていられる犬だけと一緒に出かける…、他犬が苦手な子はお留守番させてドッグランに行く…など。
お出かけのときに、2頭のうち1頭だけ連れてくる多頭飼いオーナーさんに出会ったことはありますか?
また、ご自身の家のお出かけでも、2頭を連れて行くか1頭だけにするかで、迷ったことはあるでしょうか?
多頭飼いで、こういった場合にはどう考えたらいいのか、この問題を紐解いていきましょう。
A1.
苦痛を感じる場所に連れて行くことはNG。
ブヒとの生活で疑問にぶつかったときには、第一に“愛ブヒが快適かどうか”を考えることが大切です。
さまざまな噂や固定概念をいったん捨てて、あなたの愛ブヒが笑顔になれるプランを探しましょう。
まず、愛ブヒと出かけるときのルールを整理してみましょう。
愛ブヒと出かけるときの重要なルール、それは、“愛ブヒが苦痛を感じる場所は避けること”です(もちろん、病院など、命を守る場所は別ですが)。
皆さんは、家族でお出かけをする時に、誰か一人でも苦痛を感じるような場所を選びますか?
虫が苦手な人と昆虫館に行ったり、魚が食べられない人と寿司屋に行ったりはしませんよね。
それと同じで、例えば他の犬が苦手な愛ブヒなら、ドッグランは苦痛でしょう。
他の人や犬、騒々しい場所が苦手なら、人や犬だらけのフェスやイベントも苦痛でしょう。
オーナーさんとしては「行ってみたい!」という気持ちは、とてもわかります。
でも愛ブヒがそれを望むかと言うと……うーん、望んでいないでしょうね。
愛ブヒに、お出かけ先を決める決定権はありません。
オーナーさんが、愛ブヒの代理人となって場所を決定するわけです。
だからこそ、愛ブヒが望む場所かどうかを、第一優先に考えることを忘れないようにしましょう。
お出かけは、家族みんなが笑顔になってこそ、ですよね!
でも、行きたい場所ってあるよね

Lee waranyu/shutterstock
お出かけでは、家族みんなが楽しめる場所を選択すること!
それはわかるけれど……。オーナーさんだって行きたい場所がある。
そんなときにはどうすれば良いのでしょうか?
例として、ノリオくんファミリーを参考に考えてみましょう。
オーナーさんは愛ブヒイベントに参加したいけれど、2頭のうち1頭の愛ブヒ・ノリオくんは、犬も人も大の苦手。
こんなとき、ノリオくんをイベントに一緒に連れて行った方が良いのか、置いていった方が良いのか、皆さんはどう思いますか?
まずは、ダメな例から紹介しましょう。
■絶対ダメなNG選択肢
・プラン→ノリオに、「頑張れ、慣れろ!」と言い聞かせながら、無理やりイベントに参加する。
・結果→ノリオは、苦手な人と犬に囲まれて、イベントが地獄の時間。
「オーナーさん、信じてたのに…騙したんだね! ぼく、お出かけも、オーナーも、大嫌い!」と、トラウマの出来上がり。
これは大失敗です! ノリオくんを、深く傷つけてしまいました。
ポイントは、“愛ブヒが苦痛を感じる場所は、避けること”でしたよね。
では、それ以外のプランのご紹介。オーナーさんには、以下のような選択肢があるでしょう。

Lee waranyu/shutterstock
■要検討の選択肢
(1)家族全員で、イベント自体に参加しない。
(2)家族全員でイベント会場の近くまで行くが、ノリオくんと家族の1名は、別の場所で過ごし、イベント後に家族全員が合流する。
(3)ノリオくんと家族の1名は自宅で過ごして、他の家族はイベントに行く。
(4)ノリオくん以外はイベントへ行き、ノリオくんは事前に何度も顔合わせした、大好きなシッターさんや友人と一緒に過ごす。
(5)ノリオくん以外はイベントへ行き、ノリオくんは事前に何度も通って、大好きになっている犬のデイケア施設に預かられて過ごす。
(6)ノリオくんはお留守番だが、事前にドッグトレーナーとオーナーさんが一緒に、留守番を楽しめる練習をしてあるので、お留守番も快適。
※とはいえ、留守番時間が6時間を超えるなら、これ以外のプランを推奨。
いかがでしょうか?
オーナーさんがどうしてもイベントに行きたいならば、ノリオくんが笑顔で過ごせるプランを考えましょう。
家族と一緒にいられるからって無理やりイベントに参加させては、ノリオくんに苦痛を与えてしまいます。
こういう話をすると、「犬が嫌がったって、連れて行けば慣れるわよー」なんて無責任に言う他人もいますけれど…。
ゴキブリが嫌いな人の手に、ゴキブリを無理やり握らせるようなものです。
他人の発言に流されず、どうかオーナーさん自身が愛ブヒの心を守ってください!
上に紹介したプラン以外にも、ノリオくんがハッピーに過ごせる方法があるのであれば、それでも良いでしょう。
しかし、もしノリオくんをハッピーに出来るプランが見つからなかったら、お出かけは出来ません。
人間の都合で、ノリオくんがしわ寄せを食うようではいけません。
だって、ノリオくんがしわ寄せを食う正当な理由なんて、世界中の誰にも説明できないでしょう?
愛ブヒが快適に過ごすお手伝いが、オーナーさんの役割

Bussakorn Ewesakul/shutterstock
ごくまれに「お利口な犬の方だけ連れて、ビビリの方は置いていくわ」などという話も聞きますが、それは論外です。
人間本位で、なんて残酷なことでしょう。
オーナーさんがまるで審査員のように、基準を満たすブヒを選抜するようです。
人間が自分がトレーニングを怠っていることを棚に上げ、「あなたがそういう犬だから、仕方がないのよ」と犬のせいにして、楽をしてはいけません。
…とはいえ、こんなふうに考える人はほとんどいないはず。
ほとんどのオーナーさんは、愛ブヒを大切に思い、愛ブヒを苦しめたいとは思っていません。
ただ、“オーナーさんが、どうしても行きたい場所がある”のと、“愛ブヒを連れて行くと、辛い思いをさせてしまう”ことのジレンマの中で、自分だけでは解決策が浮かばないだけなのです。
オーナーさんだけでは、解決が難しいことも多々あります。
そんなときはどうか一人で悩まずに、専門家に相談してください。
今まで諦めていた世界が、グッと広がることがたくさんありますよ。
オーナーさんの役割は、家にいるどの愛ブヒも笑顔で過ごせるような環境を作ること。
愛ブヒの人生の選択肢を広げるために、日頃からトレーニングを重ねていくこと。
人間の都合で愛ブヒを外に連れて行かないのなら、愛ブヒが留守番している時間を、愛する家族と過ごす以上に楽しめるプランを、オーナーさんが提供することが重要なのです。
こんなときは専門家に相談

katamount/shutterstock
今回お話したテーマでも、オーナーさんだけでは解決が難しいケースがたくさんあります。
“出来ないから諦める”だけでなく、“出来ないから無茶をする”でもなく、出来ることの選択肢を増やすことを目指しましょう。
どうぞ一人で悩まずに、獣医さんやドッグトレーナーなどの専門家に、心の内をお伝えください。皆さんを支えるプロは身近にたくさんいます。
ドッグトレーナーに依頼をする場合も、そのトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
おすすめ記事
-
皮膚にお悩みのフレブルが体験した奇跡を、どうしてもお伝えしたくて。
フレンチブルドッグにどうしてもつきまとう、健康上のアクシデント。
それはなんといっても「皮膚疾患」です。痒そうにしている愛ブヒを見るのはなかなかつらいものですよね。
皮膚疾患が強く出れば、もちろん動物病院での治療が必要になってくるわけですが、それ以降についてはどうやって良好な状態をキープすればいいのか。ぶり返してしまったら、また負のループに陥ってしまう。
今回はわたしたちがつくったコラーゲンサプリメント『Ta-Ta(タータ)』にまつわる、あるフレブルのお話をお伝えしましょう。
愛ブヒの皮膚にお悩みの方は、必読です。※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
エッセイ -
【涙やけ改善、被毛ふんわり!】フードに悩みつづけたオーナーが「ワンフー ラブガド」を試してみたら…!?
お肌がデリケートなフレブルにとって、フード選びは永遠のテーマ。カイカイに悩む子に一度は試してほしいのが「ワンフー ラブガド」。編集部がいろんなフードに浮気しまくった挙句、結局戻ってきたという噂のフードです。
今回は、同じく愛ブヒのお肌に悩むフレブルオーナーが忖度なしのレビューをお届け! 涙やけが減って被毛ふんわり、抱き心地もバツグンに!? 驚きの内容をマンガで楽しくご覧ください!
(sponsored by 環境プラント工業株式会社)
PR -
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
「PEGION×French Bulldog Life」のコラボプロダクト第1弾は、ウンチ中のフレブルが可愛いPOOPINGシリーズ。
今夏、ついに待望の第2弾が登場! 今回はフレブル特有の行動である「チンスリ」デザイン。ありそうでなかった憧れのチンスリデザインが、オーナー向けのTシャツと愛ブヒ用のタンクトップになりました!
ストア情報 -
【愛ブヒがブランドのロゴに?】大人気ブランド「TES」からカスタムオーダーが誕生!
新しくも懐かしいリラックスライフを演出するアパレルブランド「TES(The Endless Summer)」。
メインビジュアルは、なんとフレンチブルドッグなのです!
そんなTESのデザインを手がけるSHARES DESIGN(シェアーズデザイン)から、愛ブヒの名前を入れられるカスタムオーダーが誕生!
その魅力をたっぷりとご紹介します!FBLオンラインストアからオーダーができますので、最後までお見逃しなく!
ストア情報 -
【インタビュー】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【なぜ日本製が良いのか】わたしたちが、Vague(ヴァーグ)をオススメしたい理由
一段と寒い日がつづき、フレブルたちにもお洋服が欠かせなくなりましたね。この時期は洋服の着用時間が長くなりがちなので、いつも以上に素材にこだわりたいところ。リーズナブルなお洋服は縫い目が荒く、脇やお腹がスレて肌荒れの原因になることも。
冬こそ、世界が認める「日本製(Made in Japan)」を選びましょう。そしてお肌に優しい日本製の犬服といえば、やっぱり…?
(sponsored by 株式会社Vague)
PR -
【大切なこと】近年若くして旅立つフレブルが増えている現実と向き合う〜交配や体格について〜
実は昨今、わずか3歳や4歳という若さで突然虹の橋を渡ってしまうフレンチブルドッグが増えています。よちよちのパピー期を過ぎてオーナーさんとのコミュニケーションも覚え、さあこれから! という時に突如として失われた命。どうして、なんで? と涙に暮れるけれど、そのことについてFrench Bulldog Lifeなりに調査し、考えられる理由をまとめてみました。是非ともフレブルラバーである皆様にお伝えすべきだと思ったのです。
読みもの -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【イベントレポート】フレブルLIVE in FB愛!およそ1,000頭のフレブルが大集結(泣けたぜ、リアルに。)
本日3月20日(日)に開催された「French Bulldog LIVE」in FB愛。無事大成功で幕を閉じました!
イベント主催者のFB愛スタッフのみなさま、そしてご来場いただいたフレブルファミリーのみなさまには心より感謝いたします!
リアルイベントの参加はおよそ2年半ぶりでしたが、たくさんのフレンチブルドッグとオーナーさんに会えたことが一番の喜びでした。
さてさて、興奮冷めやらぬうちにイベントレポートを大公開です!
イベントレポート
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】短命拒否権 powered by Ta-Ta
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【スナックふれぶる】あなたの悩みに答えます。
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブルペット保険ガイド
あなたと、あなたの隣にいるフレンチブルドッグがより安心して暮らしていけるように
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
French Bulldog Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています。