天国の愛ブヒと一緒にいるところを想像するのも◎。「ペットロスを克服するための3つの方法」を医師が解説
ペットは大切な家族。別れが訪れたとき、多くの人が身を引き裂かれるような心の痛みに襲われます。そしてその苦しさがずっと癒えず、生活に支障をきたしてしまう人も……。愛犬家であれば誰でもなる可能性のある“ペットロス”を克服するには、一体どうすればよいでしょうか。『虹の森クリニック』院長であり、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医である坂野真理先生が解説します。
目次
ペットロスになったらどうやって立ち直ればいい?

woottigon/shutterstock
ペットロスから立ち直る方法は、人によってもそれぞれ違うと思います。
ベストな方法は、医療機関の専門家のもとで治療を行うことだと思いますが、ここでは私がよくカウンセリングの中で患者さんに伝えている、ご自身でできる一般的な方法を紹介しますね。
いまペットロスに苦しんでいる方も、家族にペットロスから立ち直れずに悩んでいる人がいらっしゃる方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
(1)「ペットと過ごす」以外のストレス解消法をいくつか見つける

Followtheflow/shutterstock
「あなたにとってのストレス解消法は?」と聞かれたら、なんと答えますか?
もしかしたらこれまでは、ペットと過ごす時間が唯一、あなたの心が安らぐ時間だったかもしれません。
でも、ちょっと立ち止まって、他のストレス解消法がなかったかを考えてみましょう。
実はストレス解消法は、選択肢やバリエーションがたくさんあるほうが一般的には良いのです。
また、ストレス解消というと、“その方法をやれば心が100%すっきりする”といったことをイメージをされるかもしれませんが、それは間違い。
例えば「20%くらいは和らいだかな」程度のちょっとしたことでもいいのです。
お気に入りの紅茶を飲む、身の回りの掃除をする、お風呂に入浴剤を入れてゆっくりつかる……など、ペットと過ごす以外の選択肢で、心が安らぎそうなことを試してみてくださいね。
これまで自分がやってみたことがないことでも構いません。
ちなみに、前回「【ペットロス】なりやすい人の特徴は?医療機関を受診すべき症状は?医師が解説【チェックリスト付き】」でお話しした、うつ病や遷延性悲嘆障がいのような長期に渡る悲しみが続いている方は、お酒やタバコに頼りやすい傾向があります。
これらの依存的な物質は、短期的には少し心の痛みを和らげてくれるかもしれませんが、過剰な摂取は自分の心と体を痛めることにもつながります。
ペットはあなたにとって大事な存在だったと思いますが、あなた自身もとても大切な存在。
自分のことも大切にしてあげてくださいね。
(2)亡くなったペットといるところを想像してみる

MR.SOMKIAT BOONSING/shutterstock
ペットロスの方は、「ペットを失ったことが辛すぎて思い出したくない」「思い出せない」という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、大好きだったペットの記憶を頭の中から追い出すのではなく、少しずつ向き合っていくことが、失った悲しみを乗り越えるためには役に立つと多くの研究からわかっています。
「そんなの辛すぎて無理!」と思われるかもしれません。
でも本当に少しずつ、少しずつ、ゆっくりでいいのです。
まずは過去の記憶ではなく、今、現在のあなたが、天国のペットと一緒にいるところを想像してみましょう。
雲のようなふわふわしたところでも、広い草原で一緒にすごしているところでも、あなたの空想上のどこかでかまいません。
どうやってペットと過ごしますか?
ペットに語りかけたいことはあるでしょうか?
ペットはどのようにあなたの言葉に反応していますか?
そんなことをほんの少しずつ、たくさん泣いてもいいので、頭の中に思い浮かべて見てくださいね。
(3)同じくペットロスになった人とつながってみる

fizkes/shutterstock
ペットロスは、他人からは人の死に比べて軽く見られることがあります。
「動物のことなんかで」と、家族や親しい友人でも理解してもらえないと、さらに悲しみに追い打ちをかけることに。
自分の辛さ、悲しみを分かってくれる人がいることは、大きな助けになります。
また、「新しいペットを飼った方がよいのか」といったペットロスならではの疑問もあることでしょう。そんな悩みを相談できる相手がいることも、心の支えになります。
ですので、ペットロスの人同士でつながってみるのも克服の手助けになるでしょう。
海外ではペットロスのための自助グループなどが以前よりありましたが、最近では日本にも同様のグループがあるようです。
自助グループでは、定期的に集まっては自分の気持ちを吐き出したり、痛みを共感し合ったりという活動が行われています。
あなたの住んでいるところの近く、またはオンラインのグループなどがないかどうか、検索してみるのもよいかもしれません。
ペットを失うという同じ悲しみの体験を共有し、他の人の体験に耳を傾けることで、何かあなたの心が安らぐきっかけになるといいですね。
いかがでしたでしょうか? 今回は、3つほど対処法を紹介させて頂きました。
ペットロスに悩んでいる皆さんが、うまく乗り越えてあなたらしい人生を送るために、少しでもお役に立つ情報になるよう願っています。
医師プロフィール
坂野真理(さかのまり)
虹の森クリニック院長・虹の森センターロンドン代表
2003年日本医科大学医学部卒業。近年は、東京大学医学部附属病院精神神経科(こころの発達診療部)、医療福祉センター倉吉病院精神科等で勤務。英国キングスカレッジロンドンの精神医学・心理学・神経科学研究所において修士号取得。2018年より虹の森クリニック開業。2020年より虹の森センターロンドンを開設。
日本精神神経学会専門医・指導医、精神保健指定医、子どものこころ専門医、日本医師会認定産業医。
虹の森クリニック
鳥取県倉吉市にある精神科、児童精神科のクリニック。
一軒家を改造した「友人の家のように気楽に入れるメンタルクリニック」を目指した外観となっている。
また、併設の福祉施設にて行われる心理療法を診療の中心として、薬に頼りすぎない診療を追求している。
2020年にはメンタルヘルス研究の盛んな英国ロンドンに虹の森センターロンドンを開設するとともに、オンラインカウンセリング事業も開始。全国の子どもから大人まで、幅広くメンタルヘルスに関わる相談を受けている。
住所:鳥取県倉吉市八屋203-7
電話:0858-27-1811
受付時間:火~金 10:00~19:00
土 9:00~18:00
月・日・祝日は休診
HP:https://www.nijinomori-dr.com
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
おすすめ記事
-
皮膚にお悩みのフレブルが体験した奇跡を、どうしてもお伝えしたくて。
フレンチブルドッグにどうしてもつきまとう、健康上のアクシデント。
それはなんといっても「皮膚疾患」です。痒そうにしている愛ブヒを見るのはなかなかつらいものですよね。
皮膚疾患が強く出れば、もちろん動物病院での治療が必要になってくるわけですが、それ以降についてはどうやって良好な状態をキープすればいいのか。ぶり返してしまったら、また負のループに陥ってしまう。
今回はわたしたちがつくったコラーゲンサプリメント『Ta-Ta(タータ)』にまつわる、あるフレブルのお話をお伝えしましょう。
愛ブヒの皮膚にお悩みの方は、必読です。※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
エッセイ -
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
「PEGION×French Bulldog Life」のコラボプロダクト第1弾は、ウンチ中のフレブルが可愛いPOOPINGシリーズ。
今夏、ついに待望の第2弾が登場! 今回はフレブル特有の行動である「チンスリ」デザイン。ありそうでなかった憧れのチンスリデザインが、オーナー向けのTシャツと愛ブヒ用のタンクトップになりました!
ストア情報 -
【インタビュー】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【なぜ日本製が良いのか】わたしたちが、Vague(ヴァーグ)をオススメしたい理由
一段と寒い日がつづき、フレブルたちにもお洋服が欠かせなくなりましたね。この時期は洋服の着用時間が長くなりがちなので、いつも以上に素材にこだわりたいところ。リーズナブルなお洋服は縫い目が荒く、脇やお腹がスレて肌荒れの原因になることも。
冬こそ、世界が認める「日本製(Made in Japan)」を選びましょう。そしてお肌に優しい日本製の犬服といえば、やっぱり…?
(sponsored by 株式会社Vague)
PR -
【TESの新デザイン&アイテムが登場!】愛ブヒの名前を入れられる、TESのカスタムオーダー
フレブルオーナーの間では、すっかりメジャーになったアパレルブランド「TES(The Endless Summer)」。とくに、愛ブヒの名前を入れられるカスタムオーダーは、“我が子愛”あふれるオーナーに大人気。
そんなTESファンのみなさまに朗報です! この度、新デザインのカスタムオーダーが誕生!
フレブルらしさがよりアップしたデザインと、今までになかったnewアイテム…これは、買うしかありません!
ストア情報 -
【大切なこと】近年若くして旅立つフレブルが増えている現実と向き合う〜交配や体格について〜
実は昨今、わずか3歳や4歳という若さで突然虹の橋を渡ってしまうフレンチブルドッグが増えています。よちよちのパピー期を過ぎてオーナーさんとのコミュニケーションも覚え、さあこれから! という時に突如として失われた命。どうして、なんで? と涙に暮れるけれど、そのことについてFrench Bulldog Lifeなりに調査し、考えられる理由をまとめてみました。是非ともフレブルラバーである皆様にお伝えすべきだと思ったのです。
読みもの -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【編集Yの太鼓判はコレ!】留守番中も爆睡!究極の癒しベッドー編集部厳選!本当に使えるドッグギア #44
全員フレブルオーナーである『FRENCH BULLDOG LIFE』の編集部員たちが、自分たちで愛用している「本当に買ってよかった!」ものだけを紹介するこの連載。
今回は編集Yが、すべてのフレブルが大好きだと確信する極上のドッグベッドをご紹介! 留守番中もぐっすり、埋もれる姿は激カワ、さらに高確率で「へそ天」が見られます!
特集 -
【イベントレポート】フレブルLIVE in FB愛!およそ1,000頭のフレブルが大集結(泣けたぜ、リアルに。)
本日3月20日(日)に開催された「French Bulldog LIVE」in FB愛。無事大成功で幕を閉じました!
イベント主催者のFB愛スタッフのみなさま、そしてご来場いただいたフレブルファミリーのみなさまには心より感謝いたします!
リアルイベントの参加はおよそ2年半ぶりでしたが、たくさんのフレンチブルドッグとオーナーさんに会えたことが一番の喜びでした。
さてさて、興奮冷めやらぬうちにイベントレポートを大公開です!
イベントレポート
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】短命拒否権 powered by Ta-Ta
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【スナックふれぶる】あなたの悩みに答えます。
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブルペット保険ガイド
あなたと、あなたの隣にいるフレンチブルドッグがより安心して暮らしていけるように
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
French Bulldog Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています。