2021年4月12日5,698 View

【取材】4頭中3頭がレジェンド!情報に流されず“自分ちルール”がブヒ育てのセオリー。#40 アネモネ、ティミー、アン

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。

今回お話を伺ったのは、14歳と11ヶ月(取材時)になるアネモネちゃん、そしてアネモネちゃんの子どもたちで、ともに11歳と9ヶ月になるティミーくん&アンちゃんのオーナー・村田さんご夫妻。村田家にはこの3頭のほか、1歳のルイ ヴェガ君の計4ブヒがいる賑やか大家族。そんなファミリーの日常には、レジェンドを育むモットーがありました。

アネモネちゃんのプロフィール

フレンチブルドッグ

年齢&性別

14歳と11ヶ月の女の子

体重

8.5kg(若い頃は11kg)

大好きなこと 

食べることとお散歩。今は白内障で完全に失明するものの、うっすら見えていた時よりかえって思い切りが良くなり、再びよく歩くように。

既往歴

・3歳の時に帝王切開で出産を経験、6頭を生む。

・7歳の時、目に移植が必要なほどの怪我を負い手術。

・10歳で炎症性腸疾患(IBD)とエバンス症候群を発症。一時は死を覚悟したが積極的な治療で約3年後には薬から離脱、現在に至る。

 

ティミーくんのプロフィール

フレンチブルドッグと赤ちゃん

パピーの頃のティミーくんと娘の陽埜(ひの)ちゃん

年齢&性別

11歳と9ヶ月の男の子

体重

16.5kg(若い頃は18kg)

大好きなこと 

お父さんっ子で常にお父さんをストーキング(家族の中で一番の甘えん坊)。

既往歴

・数年に一度、注射で治る程度の頸椎ヘルニアの症状が出ることが。

 

アンちゃんのプロフィール

フレンチブルドッグ

年齢&性別

11歳と9ヶ月の女の子

体重

11.3kg(若い頃は12kg)

大好きなこと

抱っこ

既往歴

・5〜6歳の頃、串つきのお団子を丸ごと飲み込み病院で処置。

・8歳頃から度々膀胱炎を発症。

・9歳で右後ろ足に肥満細胞種ができ手術で除去。

 

気の強さはピカイチのアネモネ。子どもを産んで家族を守る肝っ玉母さんに。

(写真左から)ママのアネモネ、パパのフランキー、そしてその子供たちであるアン、ティミー、ヴェロニカ。フランキーくんとヴェロニカちゃんはすでに虹の橋へ。また背もたれに乗っているパイドは、保健所から一時保護していた子。里親さんが見つかり、大変可愛がってもらっていたそうですが、昨年虹の橋を渡ったそう。

 

今ではフレブル多頭飼いファミリーの村田家。

 

しかし記念すべき1頭目としてこの家にやって来たのは、すでに虹の橋を渡ってしまったフランキーくんでした。

 

近所のブリーダーさんの元で生まれ、ポツンと1頭だけ売れ残っていたフランキーくんを迎えたこと。

 

これが村田家のフレブルライフの出発だったのです。

 

「その頃はまだ子供もおらず、夫婦ともに外に働きに出ていたので、留守番が寂しくないようにとアネモネを迎えることに。

 

そのうちこの子たちの子どもが見たくなって今に至るのですが、元々アネモネはとても気が強く、若い頃は“この犬は怖いよ”とみんなに言われる存在でした。

 

アネモネは家族を守る性格で、フランキーと常に支え合い、いつもフランキーを守っていましたね」。

フレンチブルドッグ

 

アネモネが3歳の時にフランキーとの間に子どもが生まれたのですが、それ以降は強き母的な存在となり、本当に大阪のおばちゃんみたいに。

フレンチブルドッグ

生まれたばかりのティミーくん。

 

そんな彼女は歳を重ねるごとに強さを増していきました。

 

そういう性格だから、大きな病気も乗り越えてくれたのかなと思っているんです」。

フレンチブルドッグ

生まれたばかりのアンちゃん。

 

死を覚悟した大病をも乗り越えた折れない心

フレンチブルドッグ

病気で死すら覚悟したとき

 

それまでケガはあったものの、病気らしい病気はなく過ごしてきたアネモネちゃん。

 

しかし10歳で、難病のIBDとエバンス症候群を併発。その時はさすがにご夫妻も死を覚悟したそう。

 

「通常11kgだったアネモネがみるみる痩せて7kgにまで体重が落ち、骨と皮の姿になりました。

 

度々薬の調整をしつつ様子を見るも、自分からは何も食べようとしないので日に何度もシリンジで口にご飯を流し込み、眠れない夜も幾度となくありましたね。

 

その姿を目にするたびにこちらの心が折れかけて、何度も諦めそうになりました。

 

それでもアネモネを見ると彼女自身が諦めていないのがわかるので、“この子が諦めてないのにこっちが諦めるわけにはいかない”と。

 

逆に私たちの方がアネモネに支えられて闘病生活を乗り越えられたんだと思います」。

フレンチブルドッグ

 

「病気は、獣医師からの提案で胃ろうの手術を行い、発見から約3年で薬を離脱することができました。

 

手術翌日には、なんと歩けるようになっていて、アネモネの生きる力の強さに驚きました。

 

ひと月ほどの入院生活でしたが、無事家族のもとに帰ってきてくれた時は、本当に諦めないでよかったと実感しましたね」。

 

レジェンドチームに合わせた暮らしを模索中

フレンチブルドッグ

(左から)全員がレジェンドとなったアンちゃん、ティミーくん、アネモネちゃん。

 

アネモネちゃんは間もなく15歳。

 

この1年で目に見えて老化の進度が早まったと感じるそう。

 

また、彼女の子どもであるティミー&アンも間もなく12歳と、立派なレジェンド年齢に。

 

そんなシニアチームと歩調を合わせて歩むこと。これが今の村田家の方針に。

フレンチブルドッグ

 

「今までお散歩は車に乗って大きな公園へ行き、そこで1時間くらいたっぷり歩くのが日課でした。

 

でもみんながシニアになってからはご近所散歩にシフト。

 

というのも、若い時と同じ運動をさせたら心臓に負担がかかり、心臓付近に腫瘍ができることもあるらしく、まさにフランキーがそうでした。

 

このフランキーで学んだ経験から、いまの子たちは運動量を抑えています。

フレンチブルドッグ

 

あとは目が見えないアネモネが頭をぶつけて怪我しないよう、壁にクッションシートを張ったり、ソファーに上り下りしやすい台を設置しました。

 

ソファーの台はまだ活用してくれず、飛び降りちゃっていますが(笑)。

 

これから家具の高さを低いものに変えていこうとも考えていて、いまはまだ試行錯誤中です」。

フレンチブルドッグと女の子

 

フードの内容や与え方についても模索しているそう。

 

「年齢のせいかアネモネの嚥下力が弱くなっているんです。

 

今までのフードが飲み込めなくなってきたので、再びシリンジを使うなどしています。

 

ちなみにうちはみんな子供の頃からずっと『C&R』(旧『S.G.J』)という銘柄のフード。

 

それに生の牛もも肉やボイルした鶏胸肉、カボチャや鰹節、犬用ミルク、ヨーグルトなどをトッピングしたものをあげています」。

 

運動、食事のほかに、村田さんが健康管理で気をつけていることがもうひとつ。

 

それが、毎日しっかりと表情を確認すること。

フレンチブルドッグ

アネモネちゃん近影

 

「フレブルの魅力は表情豊かで人間っぽいところですが、この子たちは体調の良し悪しが顔や目に出るので、毎日きちんと表情を確認しています。

 

あと、とにかくたくさん体を触ることも大事。これでいち早く肥満細胞種を発見できました」。

 

病気は何より早期発見が大切。ささいな変化も見逃さない日々の体調チェックが、3頭のレジェンドを育てあげた秘訣かもしれませんね。

 

情報へのアンテナは広く、ただししっかり見極める

フレンチブルドッグ

さすが実の親子! 寝ている姿もそっくり。

 

どのフレブルも去勢をしていないという村田家。

 

ご夫妻は、いわば「自分ちルール」を大切にされているそうです。どんなルールがあるのか詳しく聞いてみました。

 

「獣医師の話をしっかりと聞き、知識を蓄えておくことは大切ですが、今はネットなどでも情報がたくさん出回っています。

 

もちろん知っておくに越したことはないけれど、あまり周囲の意見や情報に流されず、うちの子たちに合う情報をピックアップすること、あまりあれこれ決まりを作らずシンプルにすることを心がけてきました。

 

例えばおやつをあげすぎるとご飯を食べなくなるからおやつは少なめにとか、本当に単純なことですが、何事もシンプルがベスト。

フレンチブルドッグ

 

女の子たちは出産や怪我、子宮蓄膿症といった病気になったとき、全麻酔をしないといけなかったので、同時に避妊手術はしましたが、男の子には去勢をさせていません。

 

それも、最初から備わっているものはやはり必要だろうという考えでからです。

 

去勢によってホルモンバランスが崩れるのも気になったので、なるべく自然な状態でいさせたいなって。

 

あと、最も気を付けているのが室温。夏は28度以下、冬は26度くらいに保ち、基本家の中では服を着せず裸。

 

体を触った時に出来物などがあるかどうかは裸の方がわかりやすいので、洋服を着せるのは真冬の外出時くらい」。

 

これから始まるであろう介護生活も、村田家らしいペースでやっていこうと思っているそうです。

フレンチブルドッグ

 

最後に、フレブルと暮らしはじめて15年以上になるご夫妻に多頭飼いの大変さを尋ねてみました。

 

「あまり大変と思うことはないですね。逆に今では、周囲にいっぱいいないと落ち着かないくらい(笑)」。

 

それぞれ個性の異なるフレブルたちとの暮らしには、病気や老化なども起きるけれど、それ以上に笑顔がある。そのことを取材の中で実感しました。

フレンチブルドッグ

 

ところでママさんは、そんなフレブルの魅力を全面に出したゆる可愛いブヒアイテムを世に送り出す『ADDICTBULL』を主宰するデザイナーさんでもあります。

 

ブヒラバーならきっと一度は見たことがある、あのブヒキャラのモデルたちは、実はこの子たちだったんですね!

 

 

取材・文/横田愛子

 

★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!

フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!

10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。

編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?

 

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