【取材】4頭中3頭がレジェンド!情報に流されず“自分ちルール”がブヒ育てのセオリー。#40 アネモネ、ティミー、アン
10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。
今回お話を伺ったのは、14歳と11ヶ月(取材時)になるアネモネちゃん、そしてアネモネちゃんの子どもたちで、ともに11歳と9ヶ月になるティミーくん&アンちゃんのオーナー・村田さんご夫妻。村田家にはこの3頭のほか、1歳のルイ ヴェガ君の計4ブヒがいる賑やか大家族。そんなファミリーの日常には、レジェンドを育むモットーがありました。
目次
アネモネちゃんのプロフィール
年齢&性別
14歳と11ヶ月の女の子
体重
8.5kg(若い頃は11kg)
大好きなこと
食べることとお散歩。今は白内障で完全に失明するものの、うっすら見えていた時よりかえって思い切りが良くなり、再びよく歩くように。
既往歴
・3歳の時に帝王切開で出産を経験、6頭を生む。
・7歳の時、目に移植が必要なほどの怪我を負い手術。
・10歳で炎症性腸疾患(IBD)とエバンス症候群を発症。一時は死を覚悟したが積極的な治療で約3年後には薬から離脱、現在に至る。
ティミーくんのプロフィール

パピーの頃のティミーくんと娘の陽埜(ひの)ちゃん
年齢&性別
11歳と9ヶ月の男の子
体重
16.5kg(若い頃は18kg)
大好きなこと
お父さんっ子で常にお父さんをストーキング(家族の中で一番の甘えん坊)。
既往歴
・数年に一度、注射で治る程度の頸椎ヘルニアの症状が出ることが。
アンちゃんのプロフィール
年齢&性別
11歳と9ヶ月の女の子
体重
11.3kg(若い頃は12kg)
大好きなこと
抱っこ
既往歴
・5〜6歳の頃、串つきのお団子を丸ごと飲み込み病院で処置。
・8歳頃から度々膀胱炎を発症。
・9歳で右後ろ足に肥満細胞種ができ手術で除去。
気の強さはピカイチのアネモネ。子どもを産んで家族を守る肝っ玉母さんに。

(写真左から)ママのアネモネ、パパのフランキー、そしてその子供たちであるアン、ティミー、ヴェロニカ。フランキーくんとヴェロニカちゃんはすでに虹の橋へ。また背もたれに乗っているパイドは、保健所から一時保護していた子。里親さんが見つかり、大変可愛がってもらっていたそうですが、昨年虹の橋を渡ったそう。
今ではフレブル多頭飼いファミリーの村田家。
しかし記念すべき1頭目としてこの家にやって来たのは、すでに虹の橋を渡ってしまったフランキーくんでした。
近所のブリーダーさんの元で生まれ、ポツンと1頭だけ売れ残っていたフランキーくんを迎えたこと。
これが村田家のフレブルライフの出発だったのです。
「その頃はまだ子供もおらず、夫婦ともに外に働きに出ていたので、留守番が寂しくないようにとアネモネを迎えることに。
そのうちこの子たちの子どもが見たくなって今に至るのですが、元々アネモネはとても気が強く、若い頃は“この犬は怖いよ”とみんなに言われる存在でした。
アネモネは家族を守る性格で、フランキーと常に支え合い、いつもフランキーを守っていましたね」。
アネモネが3歳の時にフランキーとの間に子どもが生まれたのですが、それ以降は強き母的な存在となり、本当に大阪のおばちゃんみたいに。

生まれたばかりのティミーくん。
そんな彼女は歳を重ねるごとに強さを増していきました。
そういう性格だから、大きな病気も乗り越えてくれたのかなと思っているんです」。

生まれたばかりのアンちゃん。
死を覚悟した大病をも乗り越えた折れない心

病気で死すら覚悟したとき
それまでケガはあったものの、病気らしい病気はなく過ごしてきたアネモネちゃん。
しかし10歳で、難病のIBDとエバンス症候群を併発。その時はさすがにご夫妻も死を覚悟したそう。
「通常11kgだったアネモネがみるみる痩せて7kgにまで体重が落ち、骨と皮の姿になりました。
度々薬の調整をしつつ様子を見るも、自分からは何も食べようとしないので日に何度もシリンジで口にご飯を流し込み、眠れない夜も幾度となくありましたね。
その姿を目にするたびにこちらの心が折れかけて、何度も諦めそうになりました。
それでもアネモネを見ると彼女自身が諦めていないのがわかるので、“この子が諦めてないのにこっちが諦めるわけにはいかない”と。
逆に私たちの方がアネモネに支えられて闘病生活を乗り越えられたんだと思います」。
「病気は、獣医師からの提案で胃ろうの手術を行い、発見から約3年で薬を離脱することができました。
手術翌日には、なんと歩けるようになっていて、アネモネの生きる力の強さに驚きました。
ひと月ほどの入院生活でしたが、無事家族のもとに帰ってきてくれた時は、本当に諦めないでよかったと実感しましたね」。
レジェンドチームに合わせた暮らしを模索中

(左から)全員がレジェンドとなったアンちゃん、ティミーくん、アネモネちゃん。
アネモネちゃんは間もなく15歳。
この1年で目に見えて老化の進度が早まったと感じるそう。
また、彼女の子どもであるティミー&アンも間もなく12歳と、立派なレジェンド年齢に。
そんなシニアチームと歩調を合わせて歩むこと。これが今の村田家の方針に。
「今までお散歩は車に乗って大きな公園へ行き、そこで1時間くらいたっぷり歩くのが日課でした。
でもみんながシニアになってからはご近所散歩にシフト。
というのも、若い時と同じ運動をさせたら心臓に負担がかかり、心臓付近に腫瘍ができることもあるらしく、まさにフランキーがそうでした。
このフランキーで学んだ経験から、いまの子たちは運動量を抑えています。
あとは目が見えないアネモネが頭をぶつけて怪我しないよう、壁にクッションシートを張ったり、ソファーに上り下りしやすい台を設置しました。
ソファーの台はまだ活用してくれず、飛び降りちゃっていますが(笑)。
これから家具の高さを低いものに変えていこうとも考えていて、いまはまだ試行錯誤中です」。
フードの内容や与え方についても模索しているそう。
「年齢のせいかアネモネの嚥下力が弱くなっているんです。
今までのフードが飲み込めなくなってきたので、再びシリンジを使うなどしています。
ちなみにうちはみんな子供の頃からずっと『C&R』(旧『S.G.J』)という銘柄のフード。
それに生の牛もも肉やボイルした鶏胸肉、カボチャや鰹節、犬用ミルク、ヨーグルトなどをトッピングしたものをあげています」。
運動、食事のほかに、村田さんが健康管理で気をつけていることがもうひとつ。
それが、毎日しっかりと表情を確認すること。

アネモネちゃん近影
「フレブルの魅力は表情豊かで人間っぽいところですが、この子たちは体調の良し悪しが顔や目に出るので、毎日きちんと表情を確認しています。
あと、とにかくたくさん体を触ることも大事。これでいち早く肥満細胞種を発見できました」。
病気は何より早期発見が大切。ささいな変化も見逃さない日々の体調チェックが、3頭のレジェンドを育てあげた秘訣かもしれませんね。
情報へのアンテナは広く、ただししっかり見極める

さすが実の親子! 寝ている姿もそっくり。
どのフレブルも去勢をしていないという村田家。
ご夫妻は、いわば「自分ちルール」を大切にされているそうです。どんなルールがあるのか詳しく聞いてみました。
「獣医師の話をしっかりと聞き、知識を蓄えておくことは大切ですが、今はネットなどでも情報がたくさん出回っています。
もちろん知っておくに越したことはないけれど、あまり周囲の意見や情報に流されず、うちの子たちに合う情報をピックアップすること、あまりあれこれ決まりを作らずシンプルにすることを心がけてきました。
例えばおやつをあげすぎるとご飯を食べなくなるからおやつは少なめにとか、本当に単純なことですが、何事もシンプルがベスト。
女の子たちは出産や怪我、子宮蓄膿症といった病気になったとき、全麻酔をしないといけなかったので、同時に避妊手術はしましたが、男の子には去勢をさせていません。
それも、最初から備わっているものはやはり必要だろうという考えでからです。
去勢によってホルモンバランスが崩れるのも気になったので、なるべく自然な状態でいさせたいなって。
あと、最も気を付けているのが室温。夏は28度以下、冬は26度くらいに保ち、基本家の中では服を着せず裸。
体を触った時に出来物などがあるかどうかは裸の方がわかりやすいので、洋服を着せるのは真冬の外出時くらい」。
これから始まるであろう介護生活も、村田家らしいペースでやっていこうと思っているそうです。
最後に、フレブルと暮らしはじめて15年以上になるご夫妻に多頭飼いの大変さを尋ねてみました。
「あまり大変と思うことはないですね。逆に今では、周囲にいっぱいいないと落ち着かないくらい(笑)」。
それぞれ個性の異なるフレブルたちとの暮らしには、病気や老化なども起きるけれど、それ以上に笑顔がある。そのことを取材の中で実感しました。
ところでママさんは、そんなフレブルの魅力を全面に出したゆる可愛いブヒアイテムを世に送り出す『ADDICTBULL』を主宰するデザイナーさんでもあります。
ブヒラバーならきっと一度は見たことがある、あのブヒキャラのモデルたちは、実はこの子たちだったんですね!
取材・文/横田愛子
★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!
10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
おすすめ記事
-
皮膚にお悩みのフレブルが体験した奇跡を、どうしてもお伝えしたくて。
フレンチブルドッグにどうしてもつきまとう、健康上のアクシデント。
それはなんといっても「皮膚疾患」です。痒そうにしている愛ブヒを見るのはなかなかつらいものですよね。
皮膚疾患が強く出れば、もちろん動物病院での治療が必要になってくるわけですが、それ以降についてはどうやって良好な状態をキープすればいいのか。ぶり返してしまったら、また負のループに陥ってしまう。
今回はわたしたちがつくったコラーゲンサプリメント『Ta-Ta(タータ)』にまつわる、あるフレブルのお話をお伝えしましょう。
愛ブヒの皮膚にお悩みの方は、必読です。※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
エッセイ -
【涙やけ改善、被毛ふんわり!】フードに悩みつづけたオーナーが「ワンフー ラブガド」を試してみたら…!?
お肌がデリケートなフレブルにとって、フード選びは永遠のテーマ。カイカイに悩む子に一度は試してほしいのが「ワンフー ラブガド」。編集部がいろんなフードに浮気しまくった挙句、結局戻ってきたという噂のフードです。
今回は、同じく愛ブヒのお肌に悩むフレブルオーナーが忖度なしのレビューをお届け! 涙やけが減って被毛ふんわり、抱き心地もバツグンに!? 驚きの内容をマンガで楽しくご覧ください!
(sponsored by 環境プラント工業株式会社)
PR -
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
「PEGION×French Bulldog Life」のコラボプロダクト第1弾は、ウンチ中のフレブルが可愛いPOOPINGシリーズ。
今夏、ついに待望の第2弾が登場! 今回はフレブル特有の行動である「チンスリ」デザイン。ありそうでなかった憧れのチンスリデザインが、オーナー向けのTシャツと愛ブヒ用のタンクトップになりました!
ストア情報 -
【愛ブヒがブランドのロゴに?】大人気ブランド「TES」からカスタムオーダーが誕生!
新しくも懐かしいリラックスライフを演出するアパレルブランド「TES(The Endless Summer)」。
メインビジュアルは、なんとフレンチブルドッグなのです!
そんなTESのデザインを手がけるSHARES DESIGN(シェアーズデザイン)から、愛ブヒの名前を入れられるカスタムオーダーが誕生!
その魅力をたっぷりとご紹介します!FBLオンラインストアからオーダーができますので、最後までお見逃しなく!
ストア情報 -
【インタビュー】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【なぜ日本製が良いのか】わたしたちが、Vague(ヴァーグ)をオススメしたい理由
一段と寒い日がつづき、フレブルたちにもお洋服が欠かせなくなりましたね。この時期は洋服の着用時間が長くなりがちなので、いつも以上に素材にこだわりたいところ。リーズナブルなお洋服は縫い目が荒く、脇やお腹がスレて肌荒れの原因になることも。
冬こそ、世界が認める「日本製(Made in Japan)」を選びましょう。そしてお肌に優しい日本製の犬服といえば、やっぱり…?
(sponsored by 株式会社Vague)
PR -
【大切なこと】近年若くして旅立つフレブルが増えている現実と向き合う〜交配や体格について〜
実は昨今、わずか3歳や4歳という若さで突然虹の橋を渡ってしまうフレンチブルドッグが増えています。よちよちのパピー期を過ぎてオーナーさんとのコミュニケーションも覚え、さあこれから! という時に突如として失われた命。どうして、なんで? と涙に暮れるけれど、そのことについてFrench Bulldog Lifeなりに調査し、考えられる理由をまとめてみました。是非ともフレブルラバーである皆様にお伝えすべきだと思ったのです。
読みもの -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【イベントレポート】フレブルLIVE in FB愛!およそ1,000頭のフレブルが大集結(泣けたぜ、リアルに。)
本日3月20日(日)に開催された「French Bulldog LIVE」in FB愛。無事大成功で幕を閉じました!
イベント主催者のFB愛スタッフのみなさま、そしてご来場いただいたフレブルファミリーのみなさまには心より感謝いたします!
リアルイベントの参加はおよそ2年半ぶりでしたが、たくさんのフレンチブルドッグとオーナーさんに会えたことが一番の喜びでした。
さてさて、興奮冷めやらぬうちにイベントレポートを大公開です!
イベントレポート
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】短命拒否権 powered by Ta-Ta
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【スナックふれぶる】あなたの悩みに答えます。
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブルペット保険ガイド
あなたと、あなたの隣にいるフレンチブルドッグがより安心して暮らしていけるように
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
French Bulldog Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています。