2021年5月23日6,790 View

【取材】パピーフェイスの15歳半!今でも散歩が大好きな「頑丈ボディ」を作ったものとは #43 hana

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。

今回登場するのは、15歳半にしてまるでパピーのようにあどけない表情と真っ白な毛並みを持つhanaちゃん。なんと7頭の赤ちゃんを産んだ経験もある、犬生経験豊かな女の子です!

hanaちゃんプロフィール

フレンチブルドッグ

年齢&性別

15歳6ヶ月の女の子

体重

10kg(最大時は13kg)

大好きなこと

食べること、散歩

既往歴

・2歳で出産後、避妊手術。

・7歳でお漏らしが激しくなり受診。避妊時の縫合糸が原因の肉芽腫で、開腹手術を行なう。その後は2、3年に1度、膀胱炎を発症するものの、早めの治療で健康に暮らせている。

・13歳と14歳の計2回、前庭疾患に。薬で回復し現在も元気に暮らしている。

 

好きな人には愛されたい

フレンチブルドッグ

 

気が強く、犬は嫌いで、人にも簡単には心を許さないというやんちゃガールのhanaちゃん。

 

先住ブヒ・トロくんがいた吉村さん一家に嫁入りし、妊娠・出産を経験したという、異色の経歴の持ち主です。

 

「避妊してからはだいぶ優しくなりましたが、昔は気が強くて、特に犬に対しては少し攻撃的なくらいでした。

 

小さいときに他の犬との交流が少なかったので、コミュニケーションの取り方が分からなかったんでしょうね。

 

今思えば、もっと頑張って犬同士の友だちを作ってあげれば良かったと思います」

 

それでも、フレブルやパグなどの鼻ペチャ仲間とは仲良くできたり、人も慣れれば好きになるので、「とにかく独りが好き!」というわけではなかったようです。

フレンチブルドッグ

 

「好きになった人には構ってもらいたいタイプで、シャンプーしてもらうのも好きだし、病院も帰りたがらないくらい大好きなんですよ。

 

家でも、トイレ中に “ほら、うまくできてるよ”ってこっちを見てきたりします。

 

ちょっといじわるして見てないフリすると、完了後に報告にきます(笑)」

 

う〜ん、可愛い! 「ちゃんと見て!」と懸命に訴えかける眼差しが目に浮かびます。

 

それにしても、病院が好きなのはありがたいですね。

 

3歳頃からずっと同じ病院に行かれているそうですが、先生も看護師さんも、きっと愛情をもって親身にお世話してくれたのでしょう。

 

散歩もご飯も現役!

フレンチブルドッグ

 

そんなhanaちゃんが大好きなのは、散歩と食べること。色んなものを食べてどんどん歩き、すくすく育ってきました。

 

「散歩は1日1回で、昔は1時間くらい歩いていました。

 

今はしばらく歩くと自分で帰りたがるので30分くらいになっています。

 

散歩の後には犬用の牛乳を、夏はお水で、冬はお湯で薄めて飲ませています。

 

水をあまり飲みたがらないので、水分補給のためです。

 

食べるのは本当に好きで、色んなものを食べますね。

犬のごはん

 

ごはんは、ドライフードに、キャベツ・大根・小松菜・エノキ・ニンジン・カボチャなどを細かく切って、茹でたり煮たりしたものを。

 

おやつは、季節によって色々あげていますが、好きなのはリンゴにナシ、スイカなどのシャリシャリ系果物、あと焼き芋も大好きです」

 

ドライフードはずっと『サイエンス・ダイエット』で、仔犬用、ダイエット用、シニア用と年齢に合わせて変えてきたそう。

 

成犬期にダイエット用にしたのは、最高13kgまでいったhanaちゃんが「これ以上太らないように」と予防的な観点から。

 

そんな吉村さんの心がけもあって、体重はずっと10kg付近をキープ。

 

今でも食欲はほとんど落ちることなく、大好きなごはんを楽しんでいます。

 

嫁入り、出産、そして別れ⋯

フレンチブルドッグ

 

そしてお話はいよいよhanaちゃんの嫁入りと出産に。

 

「ずっと先住犬・トロの子どもが欲しいな〜と思っていたのですが、あるとき“それなら、お嫁さんを迎えよう!”と思い立ち、hanaを迎え入れました。

 

程なくhanaは7頭の赤ちゃんを授かり、お産には私と妹が付きっきりで立ち会いました。

 

難産だったので帝王切開になり、6頭は無事に生まれましたが、1頭はすぐに亡くなってしまいました。

 

6頭の仔犬たちはしばらく家に居ましたが、1頭は友人宅へ、ほかの4頭はブリーダーさんのところへと、それぞれ貰われていきました。

 

そして残った1頭、クリームで一番ぶちゃっとした顔のsoraが、我が家の新しい家族に。

 

その後、トロは9歳で虹の橋を渡り、私はhana・soraと一緒に実家を出て、一人暮らしを始めました。

 

ですがsoraも病気が多く、お世話のため10歳頃から実家に戻ったので、今私のところにはhanaは1頭だけに。

 

実家が近かったので、休みの日は一緒に散歩に行ったりもしていたため、hanaもあまり寂しそうな様子はありませんでした。

 

ただ2019年末にsoraが亡くなったときは、しばらくそわそわしたりクンクンしたり、soraのことを探しているような素振りでした」

フレンチブルドッグ

今は亡き実子soraちゃんと

 

トロくんが亡くなったときはそんな様子はなかったそう。やはり実の子だからでしょうか、特別に感じるものがあったのかもしれませんね。

 

因みにsoraちゃんはクッシング症候群(ホルモンの過剰分泌により様々な症状が現れる)で、皮膚病や顔面麻痺などの症状があったそうです。

 

シニアになって

フレンチブルドッグ

 

レジェンドゆえのことではありますが、パートナーも我が子も先に旅立ってしまったhanaちゃん。

 

それでも元気にシニア期を過ごせているのは、やはり吉村さんの愛情と心配りのおかげだと思います。

 

「昔と比べると耳も遠くなり、足の筋力も落ちたなと感じます。

 

好きだったシャンプーも、足がよろけるので家でするようになりました。

 

留守番も心配になってきたので、実家にも協力してもらって、できるだけ独りにならないようにしています。

 

それと、これはシニア以前から心がけていたことですが、しっかり顔を見て話しかけたりスキンシップしたり、人間の友だちのような感じで接しています」

フレンチブルドッグ

 

友だちのようにという言葉のニュアンスには、とにかくフレンドリーに、というよりも「親しき中にも礼儀あり」に似たものを感じました。

 

以前に一度だけ、ご自身が大変なときにhanaちゃんに鳴かれ、「ワンワンうるさい!」と言ってしまった吉村さん。そのことを今でも後悔しているそう。

 

それ以来、自分が落ち込んだりイライラしていても、それをぶつけず、いつも同じテンションで話し掛けようと気を付けています。

 

愛犬と二人きりだと、ついグチったりしてしまいがち。

 

ですが犬は本当に賢く感じやすい生き物。人間の出す負のオーラはしっかり伝わりますよね。

 

礼儀というよりは、愛犬にストレスを与えない意味で、もっと受け取る側の気持ちを考えて言葉を発さなければ、と改めて思わせてくれるエピソードです。

 

レジェンドの秘訣

フレンチブルドッグ

15歳を迎えても、美しい白毛に風を受け、颯爽と街を行くhanaちゃん。

 

どうしたらこんなに若々しいレジェンドになれるのでしょう。

 

「一番は、なるべくストレスを与えないことでしょうか。

 

それからよく観察して、何かあれば病院に行く。普通のことですが、やはり大切だと思います。

 

病院といえば、近くに信頼できるお医者さんがいることも幸運でした。

 

それから歩けない状態でもすぐ病院に行けるよう、自転車に慣れさせたりもしています」

 

病気も比較的少ないのですが、関節のトラブルがほとんどなかったこともhanaちゃんの健康を支えてきました。

フレンチブルドッグ

 

「フレブルは関節のトラブルが多いと聞いていたので、家中にコルクボードを敷いたり、ソファやベッドを低くしたり、といった対策はしていました。

 

それから5歳頃に、お医者さんにアドバイスを貰って抱っこの姿勢を変えました。体を縦(地面に垂直)にして抱くと腰に負担が掛かるそうなので、横抱きにしました」

 

“何か”が起こる前に自分でやれることはやり、プロの意見も聞いておく。ここにも吉村さんの予防意識があらわれています。

 

このほか、ご実家の協力やお勤め先の理解など、周囲のサポートがあったことにも感謝されていました。

フレンチブルドッグとオーナー

 

そして最後に、さりげなくこう言われました。

 

「いつもhanaのことを考えています」

 

誰でも愛犬のためにできるだけのことはしてあげたい。

 

でも、自分や家族のケアも必要ですし、仕事に家事もしないと生活できません。

 

どれも大切で、優先順位を付けることも難しいもの。

 

そうなると、やっぱりそのときどきで心を占めていることが最優先になりますよね。

 

吉村さんには、トロくんのお嫁さんになってくれたその日から、ずっとhanaちゃんが心の大きな部分を占め、最優先になってきたのだと思います。

 

レジェンドに確かな秘訣はありませんが、hanaちゃんにとっては、吉村さんのハートを射抜いたことが一番の秘訣だったのかもしれませんね。

 

取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)

 

 

★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!

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