2021年6月2日3,853 View

『いつか耳が遠くなる』その時に備えて、ハンドサインはミドルシニアの今から始めよう![特集:ミドルシニアLIFE]

昭和時代のコントでは、おじいちゃんに扮した芸人さんがしつこく「今なんて言ったか」を聞き返す鉄板ネタがありましたが、年齢を重ねると耳って遠くなっちゃうんですよね。数多くのレジェンドブヒに取材した結果、やはり10歳を超えた頃から耳が遠くなってきたという意見が多く、愛ブヒが呼びかけに反応しない回数が増えたことで気付くことも多いそう。意思の疎通は愛ブヒとハッピーな毎日を過ごすための欠かせない行為だけに、今のうちに耳が聞こえにくくなってからも有効な『ハンドサイン』の練習を始めておくと安心です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

 

毎日の聴覚チェックで聞こえ具合を把握。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

kiszon pascal/shutterstock

 

シニアになると耳が遠くなるのは人間も同じだけれど、厄介なのは見た目には変化がないということ。

 

おまけに加齢による難聴はある日から急に聞こえなくなるのではなく、大抵の場合徐々に聞こえづらくなるもの。

 

だからこそ私たちオーナーには分かりにくく、知らないうちに難聴がかなり進行していることも珍しくありません。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

HOMES/shutterstock

 

もちろん老化に伴う難聴は止めようがないものだけれど、ちゃんと聞こえているうちにアナタと愛ブヒの間のサインを決めておけば、いざ聞こえなくなってからでも意思の疎通がしやすくなります。

 

でもその前に毎日の習慣にしたいのが、日々の聴覚チェック。

 

聴覚チェックなんて言うとなんだか難しそうだけれど、声掛けや手を叩いてブヒの反応を見るのが自宅でできる最も簡単なチェック術なんです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Veni.Vidi.Viso/shutterstock

 

名前を呼んだり手を叩いた時に振り向くかどうかなど、日頃から相棒に話しかけて頻繁にコミュニケーションをとっているオーナーさんならすでに毎日やっていることですよね。

 

ところで、耳が聞こえなくなることで起きるデメリットは意思疎通の他にもたくさんあります。

 

例えば車などの危険を察知しにくくなる、音から受ける刺激がなくなり認知機能に影響を及ぼす等が代表的。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Lee waranyu/shutterstock

 

背後から近寄ったオーナーさんに気づかず、驚いて思わず噛み付いてしまうなんてことも。

 

そのためシニア犬に近づくときは正面に回ってから触れるのが鉄則なんですよ。

 

ハンドサインやジェスチャーを駆使。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Irina Nedikova/shutterstock

 

加齢と共に聴覚が弱くなるのはわかったけれど、では言葉以外でどうやって愛ブヒとコミュニケーションを取るのか。

 

そこで思い出して欲しいのがハンドサインです。

 

ハンドサインとは、指で作るピースサインや、イイねを表す親指を立てる仕草などで、手や指だけでなく体の様々な部分を使うジェスチャーもこれらの一種。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Margarita Mindebaeva/shutterstock

 

日本は欧米と比べるとジェスチャーをする人は少ない印象だけれど、これは動きで気持ちや意思を伝えるもので、耳が聞こえづらくなった相棒にとってはとても有用。

 

と言っても、このジェスチャーはオーナー家族と愛ブヒの間で使うものだから決まったルールはなく、自分で作ればいいんです。

 

以前取材したレジェンドブヒのママさんは、呼びかける時は背中に優しく2回触れるのが愛ブヒとの決まりだと教えてくれました。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

New Africa/shutterstock

 

ブヒの多くは、私たちが何かを伝えたいときにこちらの顔を見ることが多いもの。

 

だから表情を豊かにして顔の近くで指のサインを作るなどすればより伝わりやすく、その動きが何を意味するのかを言葉で発しながら、その動作をするのがコツなんです。

 

これはまだ耳がしっかり聞こえているミドルシニア期ならスムーズにできるもの。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Javier Brosch/shutterstock

 

例えば小さな子に静かにして欲しい時「シーッ」と口元に人差し指を当てながら言うように、おすわりなら「おすわり」と言いながら床にタッチ、お散歩なら両手を歩いているように前後に動かすなど。

 

自分がしやすく簡単なジェスチャーを毎日のコミュニケーションの中で使っていきましょう。

 

お散歩やご飯、おやつなど、日常的に使う言葉に動きを当てるだけ。ね、簡単でしょ?

 

聞こえづらさは耳のトラブルの場合もアリ。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Oksana Kuznetsova Dnepr/shutterstock

 

我が家のブヒ、なんだか耳が遠くなってきたのかしら…と感じた時に、老化以外の可能性として耳のトラブルがあります。

 

フレンチブルドッグは他の犬と比べ皮脂腺が大きいため立ち耳なのに外耳炎などになりやすく、炎症を起こすと耳垢が溜まりやすくなるため、それが詰まって聞こえにくくなることも。

 

通常耳のケアはコットンなどの柔らかいものを濡らすか専用のクリーナーをつけて優しく拭いますが、もっときれいにしようと綿棒などを使うのはNG

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

ADVTP/shutterstock

 

強い刺激を与えると外耳や内耳を傷つける場合があるので、ケアはあくまでソフトに、かつこまめにが鉄則。

 

耳には体の平衡感覚を保つための器官があるので、これは全年代のブヒ共通だけれど、急にストンと転んだり立てなくなる、ふらつきが出るようなら耳の病気の可能性を疑って。

 

なお、耳の病気は耳垢の量が増えたりニオイが強くなる、やたらと頭を振ったり後ろ足で耳を掻く仕草を頻繁にするなどがトラブルのサイン。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Umaporn Tepumong/shutterstock

 

もし愛ブヒがこうした仕草をするのなら、すぐに獣医師さんに診察してもらいましょう。

 

ずっと、心を通わせ続けるために

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Susie Hedberg/shutterstock

 

年々耳が遠くなり視力にも衰えが見える。こういった変化はミドルシニアからシニア期へと差し掛かったフレンチブルドッグによく見られること。

 

老化による変化は仕方がないことだけれど、オーナーのアイデアでそれらのハンデを乗り越えることもできるんです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

bozsja/shutterstock

 

意思の疎通って、心を通わせるために一番大切なこと。

 

だから「聞こえないんだな」と諦めず、今から準備しておくことでいつか耳が聞こえなくなっても、今までと変わりなく大好きだよと伝えられるんです。

 

 

文/横田愛子

 

 

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