2021年6月12日5,264 View

【フレンピーのこと】脳の病気と闘っています。家族が語る一部始終と、思い。

French Bulldog LifeのPR担当をしているフレンピーが、2021年5月13日に初めて「けいれん発作」を起こしました。年齢・犬種的に麻酔が必要なMRIを撮っていませんが、おそらく脳の病気が影響していると思います。およそ1ヶ月間、公表しないままでごめんなさい。メディアとしてみなさまに心配をかけてしまうこと、フレンピーが登場するたびにマイナスな思考を与えてしまうことを懸念しておりました。

でも…わたしは「伝える立場」の人間として、今までたくさんのフレブルオーナーさんにお話しをうかがってきました。その言葉の数々は、“いち飼い主”として心に刻まれ、いつも勇気づけられ励みになっています。

聞くだけ聞いて、自分のことは伝えない。それは逃げのように感じてしまい、公表するに至りました。

今度はわたしの番です。みなさま、少しドキドキする内容になってしまい恐縮ですが、すべてお話しさせていただきます。どうか、最後までお付き合いいただければ幸いです。

※病気や症状について詳しく記載しております。苦手な方はお控えくださいませ。

2021年5月13日。忘れられない日。

フレンチブルドッグ

PR担当・フレンピー。2021年4月頃。

暑くもなく、寒くもなく、春の香りが残る心地のいい季節。

 

いつものようにお散歩へ行ってごはんを食べて、飼い主と同じベッドで眠る。

 

フレンピーは今年の春もマイペースでごきげんで、“相変わらずな日々”を過ごしていた。

 

そして2021年5月13日。

 

わたしたち家族にとって、忘れられない日となったのだ。

 

家族全員、同じベッドで寝ているわたしたち。

 

13日の朝、わたしが横たわる右斜め下で「ドン」とにぶい音がした。

 

ベッドには2段ほどのステップをつけていて、フレンピーはいつもそこから上り下りする。

 

「まさか、ベッドから落ちた…!?」

 

慌てて起き上がると、床に横たわる彼を見つけたのだった。

 

わたしは視力が悪く、普段はコンタクトレンズをしている。

 

起き抜けの裸眼でぼんやり瞳にうつった彼は「お腹が邪魔して起きあがれない」ようにも見えた。

 

でも、何かがおかしい…。

 

たった数秒でも起き上がれないことなんてあっただろうか…。

 

すぐに顔を近づけると、今にも瞼(まぶた)が弾けそうなほど目を見開き、全身のけいれん発作を起こしていたのだ。

 

深呼吸。そしてスマホを手に取り動画を撮る。

フレンチブルドッグ

file404/shutterstock

ひと足先に起きていた主人を呼び、いっしょに状況を確認。

 

「これは、てんかん発作だ」

 

ふたりで目を合わせ、少し頷く。

 

すぐさまスマホを手に取り、動画の撮影を始めた。

 

発作の様子は獣医師にとって重要な診断材料になるので、できる限り撮影した方がいい。

 

発作で意識を失っている間は「強い力で噛まれる」可能性があるため、触ったり近づいてはいけない。

 

過去に夫婦で受けた『犬のレスキュー講座』のシーンがよみがえった。

 

「冷静になれ、冷静になれ」何度も心でくり返す。

フレンチブルドッグ

2021年2月頃撮影。

高齢の犬たち、とくにフレンチブルドッグは、10歳を超えると発作を起こす可能性が極めて高いことは知っていた。

 

「いつかくる」「でも、まだ先だ」「もしきたとしても、対処法を知っているから大丈夫」

 

そんなふうに思っていたけれど、いざ愛犬のこととなるとワケが違う。

 

冷静なふりをしつつも、心臓はバクバク。

 

時間が経つにつれ口から泡を吹き、失禁、脱糞。

 

たった3分が数時間のように感じ、「このまま逝ってしまうのではないか」とネガティブな思考さえ出てくる。

 

もしかしたら、手が震えていたかもしれない。

 

何度も心の中で「冷静になれ」とくり返し、時が過ぎるのだけを待った。

 

何かしたいのに何もしてあげられない…これも発作の辛いところだ。

 

くり返す発作。時の流れはこんなにも遅い…

フレンチブルドッグ

Jan Zwolinski/shutterstock

てんかん発作の特徴として、数分間でおさまる場合は、その後「何事もなかった」かのように行動するというのがある。

 

かくいうフレンピーも、発作が落ち着いたらいつものように歩き出し、けろっとした表情をしていた。

 

すぐに動物病院へ行き、診察をしてもらったところ「薬を飲んで様子見」という判断になった。

 

てんかん発作の薬は、効いてくるまでに数日かかる。

 

それまでは、薬の種類や容量も先生は判断できないのだ。

 

彼の発作は毎日のようにつづき、発作が起きるたびに身体がいうことをきかなくなっていくのがわかった。

 

後ろ足に力が入らず歩けない。薬の副作用で常にぼーっとし、“らしさ”が失われていく。

 

一度の発作が与える影響はすさまじく、たった一週間でごはんの咀嚼や排泄も難しくなり、弱っていくのがわかった。

 

「昨日まで元気だったのに…11年もいっしょに過ごしたのに、こんなに早いなんて…」

 

明日が無事に来ることをここまで願ったのは、初めての経験だった。

 

信頼する東洋医学の先生の予約は、早くても来週。

 

「なんとかその日まで…」となかなか眠れない夜を過ごし、突然の介護生活へと突入したのだった。

 

漢方の力。フレブルにふさわしい獣医師とは。

フレンチブルドッグ

2021年1月頃撮影。

長い長い一週間が過ぎ、ようやく東洋医学の先生の元へ。

 

撮影した全ての発作の動画、回数の記録やメモ、血液検査の結果(異常なし)。

 

過去の病歴(なし)や日々の生活など、あらゆる角度から1時間かけて問診。

 

「おそらく、脳に血栓ができているのだろう」とのこと。

 

脳梗塞とは言わなかったけれど、その可能性も脳腫瘍の可能性も大いにある。

 

ちなみにこちらが、発作記録の一部。

フレンチブルドッグ

発作の日時や継続時間、気圧、薬などを記入。パッと見てわかるように絵文字も使った(せめて賑やかに、という思いも)。

 

年齢や犬種的に麻酔が必要なMRIが難しいため、獣医師の的確な診断がかなり重要だ。

 

いろんな情報がほしくて5軒ほど動物病院へ行ったが、麻酔が難しいフレンチブルドッグの場合は「いかに経験・知識が豊富な獣医師か」が肝心だと改めて実感した。

 

(中には、「何言ってるの?」という先生がいたのも事実)

 

例の東洋医学の先生は以前から信頼していたけれど、すべてが腑に落ちる論理的な説明を聞いて、改めて「フレンピーを託そう」と思ったのだった。

 

そこでは神経や血栓に効果が期待できる漢方を処方してもらい、いわゆる西洋の薬と併用して治療を進めることにした。

 

中には漢方の力で回復し、薬にも頼らず1年以上発作を起こしていない子もいるとか。

 

回復の兆し。生きたいと思う心。

フレンチブルドッグ

最近のフレンピー。調子がいい時はごきげん。

漢方を始めてから3日ほど経ったころ、なんとフレンピーが突然トコトコ歩き始めたのだ。

 

今までは前足だけで移動するのが精一杯。

 

これには今まで感じたことのない感動を覚え、彼を興奮させない声のボリュームで、夫婦ともに「やったー! すごい!!」と歓喜したのだった。

フレンチブルドッグ

再び歩き始めて数日後の様子。

 

咀嚼の力はずいぶんと弱くなったけれど、食欲も旺盛。お湯でふやかせばひとりでたいらげる。

 

排泄はたまに失敗してしまうけれど、しっかり自分の力で行うようになった。

 

もちろん西洋の薬も効き始めているので、どれが一番良いのかなんてわからない。

 

ただ、彼の「生きたい」と思う心は十二分に伝わった。

 

QOLとは何か。これから穏やかに過ごすために。

フレンチブルドッグ

最近のフレンピー。

以降、少しずつ回復傾向にあるフレンピー。

 

とはいえ歩くペースはゆっくりだし、排泄も失敗するし、ぼーっとしている時間も長い。

 

気に入らないことがあると甲高い声で吠えるようになったし、「今まで通り」はずっと先になりそうだ。

 

だけどわたしたちは「今まで通りの彼」を求めてはいない。

 

彼が今、一番楽しいと思う瞬間を増やしてあげる。それが彼にとってのQOL向上につながると思ったから。

 

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは何なのか。

 

100頭いれば100通りあって、それは他の誰でもない家族だけが知り得るもの。

 

家族で話し合って「こうしよう」と決めたら、それを実現するためにどうするかを獣医師に聞けばいい。

 

幸いにも、彼のQOL向上に手を差し伸べてくれた先生や仲間がたくさんいる。

 

それだけでフレンピーもわたしたちも幸せだと、強く思う。

 

「家族で決めたこと」を否定してはならない。

フレンチブルドッグ

fongbeerredhot/shutterstock

彼の発作にあたり、わたしたち家族は毎日何時間と話し合った。

 

論文なんかも読みあさり、いろんな子のブログや動画を見て、先生といっしょに治療方針を決めていった。

 

そこで感じたのが、もし周りの誰かが病気になったとき、絶対に「その家族が選んだ道を否定してはならない」ということだ。

 

あの病院は良くない、その薬はダメ、歩かせるなんて、出かけるなんてかわいそう。

 

全ての行動には、家族の強い思いと理由がある。

 

そこに至るまで、どれだけ時間を費やしたのか計り知れないだろう。

 

もちろんアドバイスは大切で、質問をされた時は懸命に答えてあげたい。

 

でも、絶対に否定だけはしてはいけないと、強く思ったのだった。

 

そして、一切否定をしなかったまわりの仲間たち。勇気づけられる言葉をかけてくれた人。

 

孫のように心配してくれた両親。少しでも笑えるように冗談をいってくれた兄弟。

 

この1ヶ月はむしろ幸せを感じることが多く、これもフレンピーが与えてくれた素敵な機会と思えたのだ。

 

もちろん病気とともに歩むのは楽じゃないけれど、そのおかげでたくさんの幸せが舞い込んだのも事実。

 

ありがとうフレンピー。君は、どんな時でも家族に笑顔をくれるね。

 

これからもマイペースに、「今の君らしく」頼むよ。

 

最後に…みなさんに公表しようと思った理由。

フレンチブルドッグ

2021年4月頃撮影。

2021年5月に発症して、1ヶ月と少し。わたしたちはフレンピーの病状について、みなさんに明かさないつもりでいました。

 

メディアとして大切な読者のみなさんに余計な心配をかけてはいけない、フレンピーの写真があがるたびにマイナスの思考を与えてしまうと思ったからです。

 

けれど…「フレンチブルドッグ」と向き合っておよそ10年。

 

ライター・編集者として数々のご家族にお話しをうかがってきたわけで、中には旅立った子や闘病中の子もたくさんいました。

 

それが“いち飼い主”として勇気になり、励みになっていました。

 

「聞くだけ聞いて、自分のことは発信しない」

 

それは伝える立場の人間として、都合よく逃げていると思ったのです。

 

もっといえば、メディアとしてここまで「正直」を貫いてきたのに、隠しているのが心苦しかった…というのもあります。

 

病気と闘うご家族がたくさんいる中で、少しでも「いっしょに頑張ろう」と思っていただけたら…

 

いつか愛犬に同じ症状が出たとき、「あの記事で読んだ、参考にしよう」と思ってもらえたら…

 

そんな思いで、公表するに至りました。

 

フレンピーは相変わらずマイペースに頑張っています!

フレンチブルドッグ

最近のフレンピー。天候が安定していると調子が良さそう。

 

これからのInstagramは「元気だよ」という報告が中心になると思いますが、「フレンピー今日もやってんな」くらいのライトな気持ちで見守っていていただければ嬉しいです。

 

そして、フレンピーはFrench Bulldog LifeのPR担当でもあります。

 

一応「仕事」なわけですが(笑)、いまは有給休暇中なので、ちょこちょこ彼の弟(4歳のフォーン)が登場すると思います。

フレンチブルドッグ

変わり者の甘えん坊(笑)

 

そちらも合わせて温かく見守っていただけると嬉しいです。

 

今回はドキドキさせてしまうご報告になったこと、心よりお詫びいたします。

 

そして、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

みんなに届け、大きな大きな『元気玉』!!!

フレンチブルドッグ,柏の葉T-SITE,イベント

 

French Bulldog Life編集長・チカ

 

 

▼過去に受講したレスキュー講座『ペット安全生活101』は、French Bulldog LifeやBUHIでも記事にしています。このおかげで対応できたと言っても過言ではありません…! ぜひご覧になってみてください。

 

【取材】愛ブヒの事故は予防できる!FBLおすすめの講座『ペット安全生活101』

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