これはケンカ?遊び?ブヒレスから大惨事に発展するのを防ぐために…「これ以上のヒートアップは危険」その見極め方
国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回はドッグランに行くのが好きなオーナーさん、ブヒレスが大好きな愛ブヒを持つオーナーさんに向けて、犬同士の遊びとケンカの見極め方についてお伝えします。
目次
ブヒ同士、どこまでが遊び?

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ドッグランで楽しく遊ぶブヒたちを見るのは、ステキな時間ですよね。
とはいえ、どこまでが遊びでどこまでがケンカかわからないという方も多いのではないでしょうか。
「ここでやめておかないと本気のケンカになりそう!」と思っても、犬同士がわちゃわちゃしていると、どのタイミングで制止すればいいのかはかりかねる場合もあります。
そこで今回は、犬同士の遊びとケンカの見極め方、これ以上はNGという線引きについてお話していきます。
遊びでやっちゃダメなこと

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まず基本的なルールを整理していきましょう。
◼これはやっちゃダメ! オーナーさんが止めて!
マウンティング
「うちは去勢しているから大丈夫」なんて話ではありません。やられる側は不快極まりないですし、またそう見えないとしてもセクハラに我慢しているだけ。やる側もケンカに巻き込まれやすい子になってしまいます。
前足や顔を相手の犬の上に乗せる
マウンティング同様、ケンカの引き金になります。
集団で1頭を追いかけ続ける
遊びではなく狩りになっています。狩られる側の犬は最終的に大ケガをするリスクが。
逃げている犬を角に追い込む
これも狩り。恐怖でしかありません。
どちらか一方ばかりが追いかけ続ける
遊びは互角であることがポイント。一方的なのはNG。
他の犬に吠え続ける
「ヘイヘイ! 追いかけて来なよ」なんてプレイボウをしながら2〜3回吠える程度ならいいでしょうが、吠え続けているなら興奮が過度。
興奮しすぎ
吠え続ける時だけでなく、身体に力が入りすぎていたり、目がランランとしていたり…。
興奮しすぎているとオーナーさんが感じれば、止めるのが正解。
◼緊急事態! 即座に犬同士を引き離して!
こんな時は大惨事につながらないように、1秒でも早く動きましょう。
・うなる。
・歯をむき出す。
・噛もうとする。
・オーナーさんの足元やドッグランの出口や角に逃げる。
やっちゃダメなことは「みんなやっちゃダメ」

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上記で挙げた「遊びでもやっちゃダメなこと」を愛ブヒがやっていたらすぐに止めましょう。
また愛ブヒが、これらを他の犬にやられている場合もすぐに止めてください。やっちゃダメなことは、自分も相手も、誰であろうとやっちゃダメなのです。
とはいえ、相手のオーナーさんに「あなたの愛ブヒを止めてください」と言いづらい場面もありますよね。
そういう場合は、自分の愛ブヒをその場から引き離してレスキューしましょう。
「うちの子こういう時怒っちゃうので〜! すみません」なんて適当に理由をつけたって構いません。
犬同士の遊びを邪魔したくないばかりに「大丈夫そうだし(ちょっと不安ではあるけれど)」、「楽しそうに遊んでいるように見えるし(ちょっと興奮し過ぎにも見えるけど)」と迷う気持ちもわかります。
でも早めに止め過ぎだったとしても大丈夫! もし楽しければ、犬同士はまた遊び始めますから。
「やっちゃダメなことをしていたら止める」。
まずはオーナーさんがその気持ちを強く持つのがスタートラインです。
見極めるのって難しい。だから監視し続けて

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私はドッグトレーナーとして、ドッグランの監視役の仕事をするときもありますが、そういうときは常に動きながら犬たちの近くにいます。
極端に聞こえるかも知れませんが、本当に1秒たりとも目を離しません(ましてや、初めての犬を見る時にはかなりの神経を使います)。
サッカーやボクシングのレフリーも、常に動き続けながら選手たちの安全を守りますよね。
犬も人間も同じで、ルールの中で楽しく遊んでいたはずが、一瞬のうちにカッとなって大ゲンカに発展することは充分にありえます。
0.5秒でも気づくのが遅ければ、大惨事になってしまうことも。
プロの監視役がいない時には、オーナーさんたちが愛ブヒたちの遊びの監視役になってください。
そして、犬たちから目を離すようなことは絶対にしないようにしましょう。
ベンチに座ってゆったりスマホをいじっているなんていうのは、私は怖くてできません。
たっぷりスマホを触りたいときは、ドッグランの外で、他の犬がいない状態でやったほうが圧倒的に安全です。
「遊ぶのはいいよ。でも、ダメなことをしたらすぐに止めるからね!」という姿勢で、犬たちを常に見ておくことが重要なのです。
物怖じしないでどんどん介入しよう

Grisha Bruev/Shutterstock
ドッグランで犬たちを“見守る”などと柔らかく表現せずに、あえて“監視”と表現しているのにも理由があります。
それは、ドッグラン内での出来事を犬任せにせず、オーナーさんがその場を管理してほしいからです。
犬たちは永遠の5歳児(犬の知能は人間の5歳児程度だと言われています)。
無邪気に遊んでいるうちにケンカに発展したり、どちらかの犬が嫌な気持ちで過ごしていたりすることは充分にありえること。
そんなときに「犬同士で学び合ってね」なんて放置したら、もうそれはケンカするしか道はありませんよね。
ダメなことをしていたら犬の間に介入して、遊びを止めてください。
このオーナーさんの行動で、犬たちは「ちぇっ、ヒートアップしすぎたら楽しい遊びを止められちゃうんだな。気をつけよう」と学習していきます。
ほんの数秒、遊びを中断させるだけでも介入の効果はあります。
犬たちがダメなことをすれば、しつこく、しつこく、何度だって介入して遊びを中断させます。ルールを徹底するのが監視役の務めです。
とはいえ、介入するタイミングは本当に難しいものです。私達プロだって、長年の経験をもとに動きますが、その経験の裏にはたくさんの失敗もあります。
“やっちゃダメなことリスト”以外でも、もしもオーナーさんが、「今日は愛ブヒが荒れているな」とか、「なんだかこの場のワンちゃんたちと相性がよくなさそうだぞ」とか、なんだか嫌な感じがする時は介入しましょう。
制止することを恐れず、自分も先輩犬になったつもりで犬たちに混じりながら、彼らの遊びを守っていってください。
こんなときは、専門科に相談

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もし愛ブヒと他の犬との交流の仕方で悩んでいたら、ドッグトレーナーなどの専門家に相談してみてもいいでしょう。
そもそも愛ブヒが他の犬との交流を望んでいない場合もあります。また、遊びたいと思っていながらコミュニケーションが下手な子もいます。
いろんなケースがあるので、プロの目からもアドバイスをもらってみてください。
ドッグトレーナーに依頼をする場合も、複数人と面談するようにしましょう。
そして、そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。現在育児のため、出張トレーニングは休止中。
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