2021年10月29日2,451 View

オーナーさんの帰宅に“興奮=喜んでいる”は勘違い!愛ブヒが不安に感じている「いってきます・ただいま」と興奮させないための方法

国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回はやりがちだけれど愛犬を不安にさせてしまう、オーナーさんの外出前・帰宅時の行動についてお伝えします。愛ブヒの心が不安定な時に取る行動から、我が子を興奮させないお出かけ方法まで詳しく解説!

フレンチブルドッグ,しつけ

犬はどんなときに不安を感じるの?

フレンチブルドッグ

Miss ProNina/Shutterstock

愛ブヒには、毎日笑顔でいてほしいですよね。そのためには、犬がどんな時に不安を感じるのか、そして不安な時にどんな表現をするのかを理解することがヒントになります。

 

そこで今回は“オーナーさんが出かける時、帰宅した時”に注目して、犬が不安に感じている状況を紹介していきます。

 

愛ブヒの不安(1)「いってきます」で大興奮! 

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kuban_girl/Shutterstock

愛ブヒにお留守番をしてもらいオーナーさんが家を出る時、こんな表現をする子はいませんか? 

 

・プルプルしながらオーナーさんの出かける準備を見ている。

・足元にまとわりついて離れない。

・うろうろしながら落ち着かない。

・いざ出ようとすると、足元にダッシュしてくる。

・オーナーさんのズボンの裾をついばむように噛んだり、バッグを噛んだりする。

 

こういう子は多いのではないでしょうか。実はこのような表現には、愛ブヒの不安や興奮が隠れている可能性があります。

 

人間でイメージしてみましょう。遠距離恋愛で離れ離れになるカップルが、新幹線のホームでお別れをするシーンを思い浮かべてください。

 

二人は涙ながらに別れの挨拶を交わします。そして新幹線の扉が閉まった瞬間、ホームに残ったパートナーは、車窓に見える恋人を必死で追いかけ「私、待っているからーーー!」と泣き崩れる…。 

 

「え、なんの話?」と思いました?  しかしこれが、オーナーさんの「いってきます」に興奮するブヒたちの心境。

 

離れてしまうことへの不安で、その小さな胸は押しつぶされそうになっているのです。

 

もちろん、オーナーさんに愛ブヒを置き去りにする気持ちなんて無いですし、「すぐ帰ってくるから」などと思って出かけるはずです。

 

しかし、ブヒたちにはそれが理解できているとは限りません。締めた扉の向こうで、不安でウロウロし続けるブヒは少なくないのです。

 

そもそも犬は、群れから離れることや、一人になることが得意な生き物ではありません。

 

ですから、オーナーさんが犬の気持ちに寄り添った「いってきます」をしないと、日々愛ブヒの不安を煽ってしまうことになるかもしれません。

 

※安心してください。愛ブヒを不安にさせない方法は、最後にまとめて紹介します。

 

愛ブヒの不安(2)「ただいま」で大興奮! 

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留守番をしていた愛ブヒの元にオーナーさんが帰った時の愛ブヒのリアクションはどのようなものでしょうか?

 

・体中を震わせて興奮。

・家中を走り回って運動会。

・身体をべったりくっつけて5分以上離れない。

・家の中を動き回るオーナーさんの後をついてまわる。扉などで遮られると吠えたり、扉を引っかいたり、落ち着かない。

・うれションをする。

 

実はこれらの愛ブヒの表現にも、不安が隠れている可能性があります。

 

「いってきます」の時と同じく、興奮している愛ブヒの心身は穏やかではありません。

 

こちらも人間で考えてみましょう。家族が帰宅した時に、「きゃー! おーかーえーりーーーー!!!!」と震えながら、走り回ったり、号泣したりはしませんよね? 

 

それこそ、なにかの事情で数ヶ月会えなかった家族が再会できた時であれば、こんなふうに感動するのも良いですが…。

 

こんな興奮を毎日体験させられたら、愛ブヒの心と体に負担がかかってしまいます。

 

「いってきます」で大興奮、「ただいま」で大興奮、そのたび血圧も心拍も爆上がりという状態は、実は愛ブヒにとって過度なストレスなのです。

 

「いってきます」「ただいま」で愛ブヒを興奮させない方法

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bozsja/Shutterstock

オーナーさんとしては、犬の喜ぶ姿を見たいと思うでしょう。

 

しかし犬の“興奮しすぎている姿”は、実は喜んでいるからではありません

 

これ、結構多くの人が勘違いしているところです。

 

理想は“犬の体が常にゆるんだ状態を維持できること”。心穏やかな状態をキープしてもらいたいのです。

 

そこで、興奮させないためのアイデアをいくつか紹介します。

 

 

◼興奮させないための「いってきます」

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Pau Novell Aran/Shutterstock

 

・出掛ける15分前から、少しずつ愛ブヒとのコミュニケーションを減らしていく。

出掛けるギリギリにイチャイチャして、そこからオーナーさんが急にいなくなるのは結構犬にとってキツイことです。

・犬が知育玩具などで遊びに夢中になっている間にそっと家を出る。

・散歩にたっぷり行って疲れさせ、眠っている間に出かける。

・家族の特定の人に興奮するなら、家族の中で家を出る順番や方法を考えてみる。

 

 

◼興奮させないための「ただいま」

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icebergpicture/Shutterstock

 

・帰宅したらまずは軽い挨拶に留める。

最初の10分程度は着替えたり荷物を片付けたりとオーナーさんの時間に。その間にブヒの興奮が穏やかになるのを待つ。

・時間を置いても興奮が冷めやらない場合は、さっさと散歩に出てしまう。

帰宅してそのままの服でカバンだけ持ち替えて散歩に出るオーナーさんもいるくらい。早く興奮をおさめるために、外でのリフレッシュが有効な子もいるのです。

・知育玩具を渡して、そっちに集中してもらい興奮をおさめる。

 

他にも、愛ブヒの数だけ色々なアイデアが出てくるはずです。オーナーさん同士で話してみると、きっとたくさんの面白いアイデアが出てくるでしょう。

 

興奮や不安は健康に良くない

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anutr tosirikul/Shutterstock

繰り返しになりますが、つい私達は興奮している状態の犬を見ると喜んでいると思いがちです。

 

そのため、「いってきます」や、「おかえり」で興奮する愛ブヒを見ると、まるでそれが心の絆のバロメーターのように感じてしまうこともあるかもしれません。

 

しかし残念ながら、不安をはらんだその興奮は、身体に良いものとは考えづらいです。

 

日常の中で不安を感じることが行き過ぎれば、オーナーさんと離れると不安衝動が出てしまう“分離不安”につながることもあるかも知れません。

 

とまあ、そこまで極端な話ではなくても、オーナーさんだって最愛のブヒを不安にさせたくはありませんよね。

 

日常の小さなことから、愛ブヒのQOLを高めていきましょう! 

 

こんなときは専門科に相談

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golfyinterlude/Shutterstock

すでに愛ブヒが、オーナーさんのお出かけや帰宅時に何かしらトラブルを抱えている場合は、早めにドッグトレーナーなどの専門家に相談をしましょう。

 

また、留守番が8時間を超える日が続いたり、体力や気力が有り余っているブヒなどの場合は、今より多めにお散歩したり、知育玩具を活用したり、ペットシッターに散歩代行を依頼したり、デイケア施設を活用するなど、愛ブヒの日々のニーズを満たす方法を考えましょう。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、複数人と面談してください。

 

そして、そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 

SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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