【取材】難病IBDに負けず14歳半に。自分らしく生きるパピーフェイスの道産子 #52 のん太
10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。
今回ご紹介するのは、豊かな自然を誇る北海道の十勝で暮らす14歳6 ヶ月(公開時)ののん太くん。のんびりした性格やその佇まいから“のん太”と名付けたという彼は、オーナーさんからたっぷりの愛情を受けながら現在IBDという病と闘ってます。
目次
のん太くんのプロフィール
年齢&性別
14歳5ヶ月の男の子(2007年9月22日生まれ)
体重
8.6kg(若い頃は9.5kg)
大好きなこと
ママさんのおやつタイムに一緒におやつを食べること。若い時はお散歩、現在は庭での日向ぼっこ。
既往歴
・9歳の時に肛門が腫れ、去勢手術で治ると言われ去勢を行う。
・12歳でドライアイと診断。現在も3種の目薬で治療中。
・13歳でIBDと診断される。
13歳で判明した病気IBD。けれども前を向いて歩むのみ
9歳まで病気知らずだったのん太くん。小さな頃からマイペースで自立型、のんびりタイプでした。
そんなのん太くんに異変が起きたのは13歳の時。もともと食べムラがあったものの、明らかに食欲が落ち、下痢が続いていたため病院へ。
そこでくだされた診断にママさんは大きなショックを受けます。
「リンパ腫かIBDの可能性があると。全身麻酔をして内視鏡検査をすればはっきり分かるとのことでしたが、もしリンパ腫なら余命は3ヶ月。
そうだとしたら、“残りわずかな時間に全身麻酔で苦しい思いをさせたくない”と悩みました」(ママさん=以下「」内同)。
悩んだ末、結局は検査をすることに。しかし検査当日、久々にとても状態の良い便が出ます。
「のん太の体調も良かったので先生に相談すると、この状態ならリンパ腫の可能性は低いので検査はやめておこうと。
それでIBDの可能性のほうが大きいという結論になり、現在はIBDに焦点を当てた投薬治療をしています」。
IBDとは炎症性腸疾患のこと。自己免疫異常が関わっていると考えられる、原因不明の難病です。
実はこの病気に苦しむフレブルは少なくなく、腸で持続的に炎症が起こるため下痢や嘔吐、体重減少や食欲不振などが続きます。
現時点では治療方法が確立しておらず、完治させることもできません。
そのためIBDと診断されたら一生この病気と付き合っていく覚悟が必要で、食事管理や投薬が必須となるのです。
「IBDと診断されてまず始めたのは食事の切り替え。のん太は子供の頃からフードジプシーでしたが、この病気は低脂肪・高食物繊維の食事が鉄則。
獣医さんの勧めでロイヤルカナンのダック&タピオカにし、トッピングにさつまいもや自家製の干し柿を足しています。
干し柿は自宅で干している柿をのん太がこっそり舐めているのを見つけたのがきっかけ(笑)」。
治療にはステロイドを用いるため、薬の量の調節の目安になるよう、便を毎回写真に撮り、食べた量を記録した“うんち日記”も付けるなど、ママさんはのん太くんのための努力を惜しみません。
そして「IBDになったことはショックでしたが、一生付き合わなければいけない病気なので、発症年齢が遅かったことは本当に幸運でした」と、その目は前を向いています。
フレブル仕様の自宅でシニアでもマイペースに運動!
現在も雪の中をラッセルカーのごとく駆け回るのん太くんは、レジェンド年齢というのにおむつも介助も必要ない健脚の持ち主。
愛ブヒがいつまでも自分の足で歩くことはフレブルオーナーの願いですが、実はのん太くんの丈夫な脚には理由がありました。
実は生後8ヶ月まで母犬が看板犬を務めるペットショップにいて、お散歩デビューも遅かったのん太くん。
少し前にお迎えしていた同い年の先住ブヒ・勘太くんと一緒に散歩しているとき、下り坂で軽快に駆け下りる勘太くんを真似て走ったところ、脚が弱いせいかコロコロと転げてしまったんだそう。
「その出来事に、このままではマズイと感じました。
獣医さんに関節の弱さを指摘されていたこともあって、それ以降は毎日3km程度はしっかり散歩するように。
7年前に家を建てたのですが、その時も自宅にドッグランを作れる土地を条件に探しました。
散歩プラスお庭ランでの運動が足腰を頑丈にしたのだと思います」。
14歳となった今は、以前のように毎日散歩に出ることはなくなったそうですが、毎日庭に出せとアピールするそう。そこで好きなように運動するのが日課です。
「年齢を考えると、自分のペースで自由に運動するのがのん太の体に合っているのかも」。
自宅にはドッグランの他にも、のん太くんのための様々な工夫が。
「床は犬が滑りにくいような素材にし、今はそこにさらにコルクマットを敷いています。
夜は一緒に寝ているので、ベッドはマットレスだけにして高さを低くし、ソファーや庭へ出る段差にはスロープも設置。
日常の様子を見て、気になった部分やのん太が嫌そうにしていることがあればすぐに変更するようにしています」。
長寿の秘訣はストレスフリーな生活
ちなみに、同じ年で迎えて同じように飼い、先に虹の橋に渡った勘太くんとのん太くんの差をママさんはこう分析しています。
「同じように暮らしてなんで寿命がこうも違うのだろうと考えた時、もちろん遺伝子の違いはあるけれど、最初に迎えた勘太の時はしつけ教室に通うなど“こうしなきゃ”みたいなのがありました。
それがいつしか“他所様に迷惑をかけなければいいや”と肩の力が抜け、のん太が怒られるようなことをしない子というのもあったので、彼にはほぼストレスをかけなかった。
そしてやっぱり母犬のもとで8ヶ月間過ごし、長く母乳を飲んで育ったのもあるのかな。一番栄養や免疫力が必要なパピー期の過ごし方ってその後の健康に影響を与えるのかもしれませんね」。
のん太くんのマイペースな性格もまた、ご長寿に一役買っているのではないかと思っているそうです。
ルーティーンと懐かしのおやつ、そして裸ん坊主義が元気の鍵!?
ご夫妻が仕事に行っている間、お利口に留守番をしているというのん太くんですが、毎日をとても規則正しく過ごしているのだとか。
「朝5時頃に起きてひとりでトイレに行き、二度寝しに布団に戻ってきて私が起きてもまだ寝ています。
ちゃんと起き出すのは6時半過ぎで、その時に薬とご飯タイム。その後は庭に出て今度は庭でトイレをし、昼寝や日向ぼっこ。
夕方6時くらいまでは留守番ですが、帰宅後は再び庭でトイレ、それからご飯というルーティーン。この決まった生活リズムも健康に良いのかな?
あと北海道なのでさすがに雪遊びの時や冬場の留守番は冷えないよう服を着用していますが、なるべく裸でいさせています」。
裸でいさせる理由は日光浴の習慣にありました。
「庭で日光浴をするのが好きなのですが、その際に全身に太陽を浴びられるように。
服を着せている部分が蒸れるのも防げるし、自然な状態が一番だと思います」。
ストーブが焚かれた暖かなお部屋でお話ししてくれるママさんの膝にはのん太くん。実は勘太くんが旅立って以降、こうして甘えるようになったのだとか。
その姿はとても穏やかで、まさにのんびりという言葉がぴったり。今の目標はのん太くんと大の仲良しで、現在は施設で暮らす100歳(!)になるママさんの祖母と互いに元気で再会すること。
コロナの影響でまだ面会はできないけれど、また普通に会える日が来るまでどうか、どうか皆さん元気で過ごしてくださいね。
取材・文/横田愛子
★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!
10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
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