2022年4月29日3,399 View

【お風呂嫌いなブヒ】愛ブヒに自宅シャンプーを好きになってもらうためのアイデア実例集 

国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、お風呂が苦手なブヒを持つオーナーさん向けに、お風呂が好きになってくれるためのアイデアをいろいろと紹介していきます。

フレンチブルドッグ,しつけ

あなたの愛ブヒは、お風呂が好き?嫌い? 

フレンチブルドッグ

Margarita Mindebaeva/Shutterstock

 

あなたの愛ブヒはお風呂が好きですか? それとも苦手ですか? 

 

SNSなどで、お風呂大好きっ子が「気持ち良い〜」と長湯をしている姿を見て「うちの子と大違いで羨ましい!」と思っているオーナーさんもいるかも知れません。

 

溜めたお湯につからないとしても、シャンプーが苦手だと日常のお手入れで困ることもありますよね。

 

そこで今回は、愛ブヒが少しでもお風呂を好きになってくれるように、いろいろなアイデアを紹介していきます。

 

お風呂を好きな場所、好きな時間にしよう♪ 

フレンチブルドッグ

Patryk Kosmider/Shutterstock

 

まず、お風呂を好きになってもらうための大原則を確認しましょう。

 

愛ブヒに「お風呂は気持ち良いんだからね!」と語っても、「お風呂に入らないと汚いままで身体に悪いんだよ!」と説得しても、もちろん愛ブヒの心には響きません。

 

皆さんがお風呂をどう思うかではなく、愛ブヒがお風呂をどう思うかがすべてです。

そのために、オーナーさんには何が出来るでしょうか? 

 

それは、愛ブヒに“お風呂は安全で、安心で、気持ち良い”という経験を積み重ねてもらい、お風呂は好きな場所、好きな時間だと思ってもらえる環境を作ることです。

 

人間だって、好きな場所、好きな時間なら、誰かに頼まれなくても自分から行きますよね。

 

オーナーさんが作った“良い環境”の中で“良い経験”を繰り返し積み重ねていけば、おのずとお風呂のイメージもアップしていきます。

 

どんな環境作りが出来る? 具体例5つ

それでは具体的には、どんな環境作りができるでしょうか? 様々な家族のエピソードから、皆さんの愛ブヒに役立ちそうなヒントを探していきましょう♪ 

 

■Aさん宅:外での水遊びをきっかけにお風呂イメージを改善 

フレンチブルドッグ

Daniel Beckemeier/Shutterstock

 

「うちの子がパピーの頃、ウンチだらけになっちゃって、無理やり湯船に入れたことがあったんですよ。

 

私も飼い始めで犬の扱いに慣れていず、キレイにすることしか考えていなかったせいで、お風呂では大騒ぎでしたね。

 

そんな感じで何度か無理やり入れていたら、いつの間にかお風呂嫌いになっちゃったんですよ。今思えば“悪かったな”って反省です。

 

そこで家族で考えたアイデアが、“水遊び”。

 

お外で、水を入れた洗面器にオモチャを入れて遊んだり、園芸用のジョウロを使って遊んだりもしました。

 

そうしたら段々と水を好きになってくれたんです。

 

今でも湯船に浸かることは出来ませんが、シャワーは遊びの一環として、少しずつ出来るようになってきました。

 

シャワーの時間が格闘の時間にならないだけでも、心も体も負担が少なくて嬉しいです」。

 

■Bさん宅:浴室は出入り自由スタイル

フレンチブルドッグ

Archi_Viz/Shutterstock

 

「我が家は日常的に、浴室の扉を開けたままにして遊び場にしています。

 

というのも、愛ブヒはお風呂の場所自体がなんだか恐いようで、扉を閉めると逃げ出そうと壁をガリガリ…。

 

そこで日常的にお風呂の扉を開放しておいて、自由に出入りできるようにしてみました。

 

そうしてからは、冒険の一環なのか、自分から浴室に遊びに行くことが増えたんです。

 

私もたまに、内緒で好きなオモチャを浴室に隠して“愛ブヒの宝探し”を演出してみたりしています♪ 

 

愛ブヒが浴室に入ることに抵抗がなくなってからは、お風呂に入っている時間も長くなったように感じます」。

 

■Cさん宅:お風呂は晩酌付きのおもてなし 

フレンチブルドッグ

Pichukova Ekaterina/Shutterstock

 

「うちの場合も、Bさんファミリーと同じくお風呂の場所自体が苦手そうだったので、いろいろやってみましたよ。

 

例えば、愛ブヒの夕食を浴室に持っていって食べてもらったり、大好きなオヤツを知育オモチャに入れて浴室で遊んでみたり。

 

とにかく食べ物が大好きな子なので、食べ物をもらえる場所なら好きになってくれるかなって。

 

そしたらこのオヤツ作戦が大当たり! シャンプーをしてる間も、オヤツを食べていればご機嫌でいてくれるようになったんです。

 

それで私も調子に乗っちゃって、愛ブヒ用のちっちゃい湯船に、うちの子が入ってくれたら、晩酌セット(ヤギミルクと手作りオヤツ)なんて出すようになっちゃって。

 

はじめは食べ物に興奮しすぎて、湯船がひっくり返っちゃったりしたんですけどね(笑)。

 

今ではだいぶお風呂に良い印象を持ってくれたように思います」。

 

■Dさん宅:年齢での変化と、日々の積み重ね 

フレンチブルドッグ

charfilmax/Shutterstock

 

「うちの場合は、6歳を過ぎたくらいかな。ちょっとずつ落ち着いてきたように感じます。

 

それまでは動きたい気持ちが強くて、ジッとさせられることが嫌だったのかも知れません。

 

なのに私もその気持を理解せず、無理やり大人しくさせよつとしてしまって。お互い若かったのかな〜。

 

でも、お互いが無理をしない程度にしようと、ある時からジッとさせることは諦め、短時間でお風呂を終えるようにしたんです。

 

それから段々とお風呂を快適に思ってくれるようになったのかも知れません。

 

ほかにも、加齢と共に足が冷えるようになったので、足浴も始めてみたり。すると愛ブヒが、前よりお風呂でのマッサージを気持ち良さそうにしてくれています。

 

一緒に暮らした年月の分、愛ブヒとの呼吸も合ってきて、無理をしないこと、どうしたら気持ち良いのか考えることが出来るようになってきたのかも知れませんね」。

 

■Eさん宅:温度、洗う強さ、滑りやすさがダメだった! 

フレンチブルドッグ

Ericaaa/Shutterstock

 

「お風呂は恥ずかしい思い出ばかりですよ。私の知識不足から、いっぱい失敗しちゃったんです。

 

というのも、お風呂といえば我が家は人間と同じ42度。後から知ったんですけど、私達がぬるいと感じるくらいの温度で良いんですってね。本当に反省です。

 

あと洗うときも、ガシガシやりすぎちゃったみたいで。犬の皮膚は、人間の3分の1~6分の1くらいの厚さしかなくて、人間のまぶたの皮膚くらいデリケートなんですってね。

 

それを知ってからはすっごく優しく洗うように変えました。

 

それと、足元がつるつる滑るのも怖かったみたいなの。足元に滑り止めマットを敷いてからは安心できてみたいで、リラックスした表情も見えてきました」。

 

だんだんと上達するオーナーとブヒ

フレンチブルドッグ

Vershinin89/Shutterstock

 

いかがでしたか? いろんなお宅がありましたね。

 

アイデアはそれぞれちがっても、共通していることは、お風呂は安全で、安心で、気持ち良いという経験を積み重ねて、お風呂は好きな場所、好きな時間だと思ってもらえるような環境を作ること。

 

犬だけでなく、すべての動物は“命の危険”に非常に敏感です。危ない目にあえば、その経験を根深く記憶してしまいます。

 

だからこそ、はじめに失敗してしまうとお風呂に悪い印象が付いて、なかなか挽回が出来ないこともあります。

 

パピーのころに最初から良い経験を重ねて、お風呂を好きになれればベストです。

 

しかしもうすでにお風呂の印象が良くない場合は、今からでも少しずつお風呂のイメージアップを図っていきましょう。

 

犬生は短くありません。トライアル・アンド・エラーを繰り返しながら、少しでも楽しいお風呂タイムを模索していきましょう! 

 

無理なら、家でお風呂しなくてもいいんじゃない? 

フレンチブルドッグ

kuban_girl/Shutterstock

 

最後におまけ。お家でのお風呂やシャンプーが苦手なら、無理をしないでプロに任せたらいいんですよ。

 

例えば、爪切り。頑張れば出来るけど、恐いし大変だから動物病院にお願いしちゃうって人も多いですよね。

 

それと同じで、家族みんながストレスを抱えて無理をするのではなく、信頼できるトリマーさんを探してお願いしたって良いのです。

 

愛ブヒの健康のためにも、シャンプーをすること自体は避けて通れない道です。

 

しかし、シャンプーを誰がするかは選択することが可能。

 

お家の方が安心してできるならお家でも良いでしょうし、プロに手際よく終わらせてもらった方が愛ブヒが楽なようなら、プロにお願いしたって良いのです。

 

お風呂で上手くいかないことがあれば、一人で悩まずに、犬のプロたちに相談しましょう。

 

お風呂を嫌がる理由が皮膚など健康上の問題かも知れませんし、オーナーさんだけでは改善の糸口が見つからないこともあります。

 

獣医師、トリマー、ドッグトレーナーなど、皆さんを支える仲間はたくさんいます。

 

もしドッグトレーナーに依頼をする場合は、家庭犬のトイレトレーニングに関する行動修正の豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役

SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

特集

特集一覧