Qワクチンは毎年打たなくてもいいって本当?ワクチンの種類から打つメリット、デメリットまで徹底解説【ブヒの健康Q&A】
「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回は、愛犬家の義務であるワクチンについて。必ず毎年打つのが当然だと思っていたら、犬友さんに「うちは今年打ってない」なんて聞いて驚いたことがあるという人もいるかもしれません。そんなことをして大丈夫なのか、そしてメリットやデメリットは?など、ワクチン接種について徹底解説します。
皆さん、今年度の狂犬病のワクチン接種はもうお済みですか?
毎年狂犬病は動物病院からの案内ハガキなどでお知らせしてくれると思いますが、混合ワクチンはどうでしょうか?
混合ワクチンは種類がいくつかあり、「どれがいいのかわからない」という声もしばしば。
そこで今回はワクチンの接種について、その種類や接種期間、メリットとデメリットなどについてお話していきます。
ワクチンの種類
ワクチンの種類は大きく2つに分けられます。
・狂犬病ワクチン
・混合ワクチン
混合ワクチンには、1~11種までがあります。
この『種』というのは、予防できるウイルスや菌の種類のこと。そのため、数多ければ多いほど、より多くの病気を予防できるワクチンであるということになります。
しかし、種が多くなるほど、当然ワクチン代は高額に。
ただし、生活環境によっては必要ない種もあるので、飼い主さんが獣医師と相談して、何種類を打つかを決めたほうがよいでしょう。
ワクチンの選び方
では、ワクチンを何種類打つか、どうやって決めたらいいでしょうか。一般的には、住んでいる場所やよく行動している場所を参考にします。
なぜなら、犬が過ごす環境によって感染リスクが高くなる病気が違ってくるため。
例えば、普段は基本室内飼いなので5種で例年打っていた場合でも、山奥の川で遊ぶ予定がある場合には7種に変更するほうが安心。
なぜなら、自然の多い場所では、かかりやすくなる病気が増えるためです。
そのため引っ越しをした場合などは一度近くの動物病院へ行き、接種ワクチンの種類を再度相談するのが安心でしょう。
接種期間
狂犬病ワクチンは必ず、1年に1回の接種が義務付けられています。
一方、混合ワクチンは、近年の世界的基準によって、3年に1度接種するものと、毎年接種するものに分けられました。
そのため、接種しているワクチンの種類によっては“3年に1度で良い”場合もあります。
ただし、動物病院によって取り扱いのあるワクチンの種類や接種スケジュールが多少異なります。
また、ドッグランやペットホテル、宿泊施設によっては『◯種以上のワクチンを1年以内に接種している証明書が必要』ということも。
ペットホテルに預けたかったのに、ワクチンを打っていなかったために預けられない…なんてこともあるので、接種前によく利用している施設に問い合わせしておくといいでしょう。
例えば、『5種しか打ってないのに、宿泊施設で7種が必要と言われた!』などという場合でも追加で接種することは可能ですので、動物病院に相談してみてください。
1つ注意が必要なのは、狂犬病のワクチン接種と混合ワクチンの接種の順番です。
どちらが先でも良いのですが、2つのワクチン接種の間に空ける期間が異なります。
狂犬病ワクチンを先に接種した場合は1週間後には混合ワクチンを接種できますが、逆に混合ワクチンを先に接種した場合は、1か月後以降に狂犬病ワクチンを接種します。
そのため、早く両方とも接種を終わらせたい、という場合には、狂犬病ワクチンを先に接種することをおすすめします。
メリット・デメリット
ワクチンを打つことの最大のメリットは、言うまでもなく病気を予防することができること。かかってしまうと命を落とす病気でも未然に防ぐことができます。
また、周囲のワンちゃんたちに病気を広めないためにも非常に重要でしょう。
デメリットは、まれにアレルギー反応などの副反応が出る可能性があること。
軽度なものは顔の腫れや接種箇所のかゆみ。重症なものではアナフィラキシーショックを引き起こす場合があります。
今まで毎年打っていても問題がなかったのに、突然症状が出ることもあるので、普段と様子が違ったらすぐに病院に相談してください。
注意点
ワクチン接種後に副反応が出ても、すぐに病院へ行けるよう、午前中の接種が望ましいです。
もしやむを得ず午後に接種をする場合は、夜間でも対応してくれる病院などを予め調べておくとよいでしょう。
また、接種日は、病院に行く前に体調に異変がないかをよく観察し、少しでも病気を疑う症状があればその日の接種は見送り、後日元気な時に接種しましょう。
過去にアレルギーが出たことがある場合は必ず事前に伝えてください。
病院側で必要な事前処置を施したり、アレルギーが出てもすぐに処置したりできるよう、ワクチンを打ったあとに半日ほど経過観察のための入院をしてくれることもあります。
接種後当日は可能な限り安静にすることが大切。激しい運動だけでなく、数日間はシャンプーなども控えましょう。
若く、健康であったとしても、体を休めることが重要です。
「抗体価検査」をすればワクチンを打たなくていい場合も
過去にアレルギーが起こってしまった、あるいは病気の治療中で飲んでいる薬があるという場合は、血液検査で体内にある抗体価(感染症に対する抗体の量)を測り、抗体価が十分であれば接種を見送ることも可能です。
この場合のメリットは、ワクチンの接種回数を必要最低限に減らすことができる点。
デメリットは、抗体価がどう下がっていくかがわからないため、どのタイミングで次のワクチンが必要なのかが不明瞭であるという点が挙げられます。
つまり、今回の抗体価は問題なかったとしても、その抗体価が数か月後も十分なのかは不明です。
メリット、デメリットを理解し、病院でご相談の上、ワクチンを打つか、抗体価を検査するかを決定してください。
以上をふまえ、病院でしっかりと相談しながら、自分が済んでいる地域や愛犬とのライフスタイルに合わせてた適切なワクチンを接種しましょう。
獣医師:小泉しずか
2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
おすすめ記事
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【販売開始!】フレブルオーバーオール「UNIVERSAL OVERALL × W-OKI KENTA × フレブルライフ」
アパレルブランド「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサルオーバーオール)」と、沖縄在住のフレブルオーナーで人気タトゥーアーティスト「W-OKI TATTOOのKENTA」。そしてフレブルライフのトリプルコラボで完成した、フレブルオーバーオール。
ストア情報
フロントプリント、バックプリントの2展開で、それぞれフレンチブルドッグのイラストも違います!
イベント「フレブルLIVE」で先行販売しましたが、ついにフレブルライフストアで販売スタートです! -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】脳腫瘍治療のスペシャリスト・長谷川大輔教授が進める脳腫瘍の最新治療とは
フレンチブルドッグは脳腫瘍になりやすい犬種だといわれています。事実として、てんかん発作の症状が出てMRI検査を受けたフレンチブルドッグのうち、「約70%が脳腫瘍」と診断されたというデータも。犬の脳腫瘍は残念ながらあまり良い予後は期待できず、根本的治療も身体に負担がかかることから、私たちオーナーは希望を失いがちになります。
そんな脳腫瘍治療に、新たな風が吹こうとしているのです! このプロジェクトの先陣を切る、日本獣医生命科学大学・長谷川大輔教授にお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】川口春奈とアムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【イベントレポ】のべ6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグが集結!「フレブルLIVE2023」の全貌大公開!
第二回『French Bulldog LIVE 2023(フレブルLIVE)』が、無事閉幕しました!
今年は思い切っての2daysチャレンジ。当日までどうなるかドキドキでしたが…なんと、のべ「6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグ」が集結。
開催地の山中湖はもちろんのこと、道中のサービスエリアもフレブルだらけで、他犬種のオーナーさんは「何があるんですか!?」と驚いていたとか(そりゃそうだ笑)。
さぁみなさん、いよいよ「フレブルLIVE 2023」のレポートをお届けです!
今年参加してくださった方も、来年こそと意気込んでくださっている方も、臨場感たっぷりのレポートをお楽しみください!
フレブルLIVE -
【愛ブヒのお肌に悩む方へ】THE fu-do(ザ・フード)を食べて「納得のいくお肌」になるまでの、3ステップとは!?
販売からわずか半年で20万食を突破し、満足度95%を超える「THE fu-do(ザ・フード)」。
フレンチブルドッグの中でも特にお肌に悩む子には、積極的にお召し上がりいただきたい!
そして、どうか焦らないでください。フレンチブルドッグの体質を踏まえると、納得のいくお肌になるためには、最低でも3ヶ月はかかります。
でも大丈夫。今回は、すこやかなお肌を目指すための「3ステップ」をお伝えします! 毎日のボディチェックが、ますます楽しくなりますよ。
ザ・フード -
【PUFFY出演決定!】フレブルLIVE 出演アーティスト発表【第一弾!】
今年の『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
「フレブルLIVE」の特徴は、二日間でコンテンツが異なること。
一日目は愛ブヒとオーナーさんが主役の参加型コンテンツ。そして二日目は、アーティストによる音楽フェスが中心です!
今回は、音楽フェス(二日目)の出演アーティスト発表第一弾!
なんと、オーナーにも「世代」が多いPUFFYの出演が決定しました!
フレブルLIVE -
【ロッチ出演決定!】フレブルLIVE「11/9(土)」の司会はフレブルラバーのロッチ!
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
一日目は愛ブヒとファミリーが主役になる、参加型コンテンツ。
二日目はアーティストを呼んで、史上初の愛ブヒと楽しめる音楽フェスを開催。
2daysで大きく内容が異なるのも「フレブルLIVE」の魅力です。
そして…今年の司会は、待望の「ロッチ」が登場!
みなさん! ついにロッチのお二人が「フレブルLIVE」にやってきます!
フレブルLIVE -
【肉球の香りがするビール、誕生】イラストは千原ジュニアさん【フレブルLIVEで先行販売!】
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
今年は例年以上に反響があり、二日間ともに駐車場付きチケットがSold outとなりました!
年々パワーアップしている「フレブルLIVE」ですが、今年はオリジナルのクラフトビールを制作。
世界初・肉球の香りがするビールで、その名も「Paw Pad Ale」。
パッケージのイラストは、なんと千原ジュニアさんが手がけてくださいました。
フレブルLIVEにて、先行販売いたします!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2024 (フレブルLIVE)
-
7周年特別企画「プロジェクト7」
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】FBL編集部の「アバウトな幸福論」
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。