見つめ合うだけで幸せホルモンが分泌!しつけがラクになるだけじゃない「アイコンタクト」のメリット&練習方法を完全解説
国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、アイコンタクトができると起きる嬉しいことや、上手にアイコンタクトができるようになる方法をお伝えします。
目次
改めて、アイコンタクトって何だろう?

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ブヒにとって“アイコンタクト”とは、オーナーさんとの大切なコミュニケーションツールです。
にも関わらず、いざ「なぜ大切?」と聞かれると、パッと答えが思い浮かばないオーナーさんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、アイコンタクトの意味や役割を通し、今以上に愛ブヒと幸せなアイコンタクトができるようになるヒントを紹介します。
アイコンタクトが苦手だというオーナーさんはもちろん、「うちは得意だよ」という方もぜひご一読ください。
アイコンタクトって、どんな意味があるの? その1:威圧

yhelfman/Shutterstock
アイコンタクトには大きく分けて3つの意味があります。その1つ目が威圧。
我々人間のコミュニケーションは、言語やボディランゲージですよね。
しかしブヒには、言語がありませんので、ボディランゲージが主なコミニュケーションツールです。
その中でも、アイコンタクトは大きな役割を持っています。
唐突ですが、ここでクイズです。
Q:初めて会った犬同士が、“じっと目を見つめ合い続けている”場合、どんな状況である可能性が高いでしょうか?
(1)「仲良くなろうよ」と目線を通して愛情を伝え合っている。
(2)「はじめまして、よろしくお願いします」と丁寧に初対面の挨拶を述べている。
(3)「おまえ、誰じゃ?」「あんたこそ、誰なのよ」とプレッシャーをかけ合っている。
正解は…(3)です! 相手を直接凝視することは、威圧感を与えること。ですので、目を見つめ合い続けた結果、ケンカに発展する可能性がとても高くなります。
これは人間でも同じですよね。例えば、ヤンキー(死語ですか?)同士が、「何見てんじゃワレー!」「そっちこそ、見てんじゃねえぞコラー!」とメンチを切って威圧し合うのと同じです。
格闘家も、試合前にはお互いの目をまっすぐに見て闘争心を高め合います。
犬は基本的に平和主義者。通常はケンカを避けるために、どちらかの犬が“目をそらす”ことで相手に敵意がないことを示します。
私達人間だって、初対面の人にいきなりじっと見つめられ続けたら…プレッシャーを感じて目をそらしますよね。
要するに、ときにアイコンタクトは威圧なのです。
ですので私達人間が、初めて会う犬に挨拶をするときに注意すべきこととして、“いきなり触らない”ことはもちろん、“じっと目を見つめない”のも重要なのは、このような理由があるからなのです。
アイコンタクトって、どんな意味があるの?その2:愛ブヒからのコミュニケーション開始の合図

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「じゃあ、うちの愛ブヒとアイコンタクトをしたら、怖がらせちゃうの?」と不安になった方、ご安心を。
アイコンタクトには、“愛ブヒからのコミュニケーション開始の合図”という意味もあります。
みなさんも、脅威ではないとわかっている相手、好きな相手からのアイコンタクトはイヤじゃないどころか、嬉しかったりしますよね。
ブヒたちが嬉しくなるアイコンタクトの相手というと、例えば…
・目が合うと、散歩に連れて行ってくれる人
・目が合うと、美味しいものをくれる人
など。
ブヒにとって気持ち良いことや、やってほしいことを叶えてくれる相手から見つめられたら、それは良いことが始まるサイン。ブヒは嬉しい気持ちになります。
みなさんも、目が合ったら嬉しい人を1人、想像してみてください。その人のは、多分あなたになんらかの利益をもたらす人のはずです。
家に迎え入れたばかりの頃の愛ブヒは、もしかするとオーナーさんのアイコンタクトに威圧感を感じていたかもしれません。
しかし、オーナーさんと生活する中で、アイコンタクトの印象は変わっていきます。
アイコンタクト&遊んでもらえた、アイコンタクト&お水を替えてもらえた、アイコンタクト&ウンチを片付けてもらった、アイコンタクト&身体の好きな部分を触ってもらえた…。
こういった、アイコンタクトと嬉しいことが条件づけされる経験を積み重ねる中で、愛ブヒはアイコンタクトを“オーナーさんとのコミュニケーションのスタート”だと学習し、愛ブヒ側から積極的に、目を見つめてくるようになるのです。
アイコンタクトって、どんな意味があるの?その3:オーナーからのコミュニケーション開始の合図

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逆もまたしかり。アイコンタクトは、“オーナーさんからのコミュニケーション開始の合図”でもあります。
例えばお散歩の時、他の犬が気になって、オーナーに背中を向けてグイグイと前に行こうとする愛ブヒに何かを伝えようとしても、なかなか聞いてもらえませんよね。
そんなときに、オーナーさんがアイコンタクトでしっかりと愛ブヒの意識を自分に向けることができれば、そのあとの“おすわり”や“おいで”、“ちょっとナデナデする?”といったコミュニケーションが容易になるのです。
というわけで、人間にとってもブヒにとっても、コミュニケーションのために必要な最初の合図がアイコンタクトなのです。
「アイコンタクト修行」は一生続くもの

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アイコンタクトのポイントについてまとめると、以下のようになります。
・初めて会った犬や、まだ信頼関係が出来ていない犬の目は極力見ない。たとえ犬が見つめてきてもこちらが目線を外し、犬に威圧感を与えないようにする。
・ブヒ側からのアイコンタクトは、コミュニケーションのきっかけ。アイコンタクトを増やすためには、アイコンタクトのあとにブヒが喜ぶことを提供しよう。
・オーナー側の要望を聞いてもらうためには、まずアイコンタクト。そっぽを向いている愛ブヒにお願いをしても、無視されて当然。
とはいえ、愛ブヒとのアイコンタクトは、実は簡単ではありません。
もちろん、愛ブヒにとって都合が良いときは、頼んでもいないのに潤んだ瞳でじっと見つめてくれます(我が家では、私がりんごをむき始めると、足元で最高のアイコンタクトをしてくれる犬がいます)。
しかし、もし愛ブヒが他の興味がある物を追っているときにアイコンタクトをしてもらうのはとても難しいですよね。
難易度の高い訓練をしている犬たちでさえも、アイコンタクトは時間をかけて繰り返し練習をします。「一回出来るようになったら大丈夫!」というものではないのです。
オーナーさんが望むときにアイコンタクトをしてもらえるようになるためには、以下の練習を積み重ねていきましょう。
<アイコンタクトのトレーニング>
(1)成功しそうな状況で(他に気の散るものがない状況で)
(2)アイコンタクトを1回で成功させる(何度も呼んでいる時点で、1の状況の設定が間違っています。はじめは、ほんの一瞬目線を向けてくれるだけでも十分)
(3)成功したらすぐにご褒美(愛ブヒがアイコンタクトをしてよかったと思えるものや、ことの提供)
言わずもがなですが、アイコンタクトをしながら怒ったり、他の犬に夢中でビンビンでリードを引っ張っているなど、失敗しそうな状況でアイコンタクトをさせようとしたりなどといった経験をさせないことが大切です。
ついついやりがちな私達の行動によって、アイコンタクトを下手にしてしまうことがないように注意しましょう。
アイコンタクトは大切なコミュニケーションツールです

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アイコンタクトは、飼い主さんにとってもブヒにとっても、大切なコミュニケーションツールであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
アイコンタクトを通して、あなたはあなたの要望を、ブヒはブヒの要望を伝える事ができるのです。
アイコンタクトは、お互いがお互いのことを意識して、必要とし、求めあっている瞬間でもあります。だからこそ、見つめ合っていると私達の気持ちを嬉しく、幸せにしてくれるのではないでしょうか。
人間は、人間の赤ちゃんから見つめられると、幸せホルモン・オキシトシンが分泌されます。
近年の研究で、人間はなんと犬から見つめられてもオキシトシンが出るということがわかりました。これって、すごいことですよね。
愛ブヒのアイコンタクトで、幸せな気持ちがするのは決して気のせいではないのです。
そしてアイコンタクトは、散歩など日常の生活で他の人に迷惑をかけないためのツールでも。なんて最高なのでしょう!
ぜひこれからもアイコンタクトを通して、ブヒとオーナーの毎日に幸せを溢れさせていきましょう。
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
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