Q低気圧だと下痢になったりよだれがひどい気が…。犬は気圧で体調が左右されるの?【ブヒの健康Q&A】
「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回は、気圧と体調との関係について。「なんだか雨の日になると体調を崩す気が…」なんて感じたことがあるオーナーさんもいるのではないでしょうか。果たしてその真相とは!?
台風が発生するなど気圧の変化が大きい季節になりました。低気圧が原因で、自身も偏頭痛やむくみといった体調不良に悩むオーナーさんもいらっしゃるのではないでしょうか?
人間が不調になるなら、動物も同じように調子が悪くなるのでは?と気になりますよね。今日は、気圧による犬の体調の変化についてお話していきたいと思います。
人間は気圧で体調が変化する!

fizkes/Shutterstock
人間では、気圧の変化により起こる不調は『気象病』と呼ばれています。
気象病の症状は頭痛、首肩こり、全身倦怠感、めまい(メニエール病含む)、布団から起き上がれない、低血圧、不安感、うつ病、ぜんそく、アレルギー、神経痛、関節痛、など様々。
これらは最近の研究により、内耳の一部である『前庭器官』が気圧の微妙な変化を感じとり、脳にその情報を伝え、結果として古傷や持病の痛みを呼び覚ましたり、めまいや気分の落ち込みといった不調を起こしたりするというメカニズムではないかと考えられています。
動物での報告

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動物では現在、『気象病』と呼ばれるものはありません。
ただし、犬の場合は、以下の病気に関して気圧と関連している可能性が報告されています。
・外傷性肺損傷
・胃拡張胃捻転症候群(GDV)
逆に、研究の結果、『変形性関節症の痛みの変化』は気圧と関係がないと結論付けられています。
人間では天気の悪い日に関節が痛くなることもありますが、犬にはないというわけです。
ただしこれらの報告は現時点でとても少ないため、気圧の変化による不調のほとんどは、関連やそのメカニズムが明らかになっていません。
人で報告されている「気圧の変化によって起こる病気」

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人間の場合は、以下の病気が気圧の変化と関連していると報告されています。
・てんかん
・脳卒中
・くも膜下出血
・心房細動
・急性心筋梗塞
ただし、これらも気圧と病気の関連については未だ結論が出ていない部分が多く、今後の研究が期待されます。
人で起こることは犬にも同様に起きると考えても不思議ではありません。
これらの病気については、もしかしたら犬でも気圧の変化によって引き起こされる可能性があるかもしれません。
気象の変化による不調あれこれ

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現在のところ、犬の体調と気圧とは関連が明らかになっていないことをお伝えしましたが、実は気圧以外の気象の変化で、不調が起きることもあります。
・気温の変化
気温の急激な低下は、軟便や下痢などの消化器症状を起こす可能性があります。
寒暖差が激しい季節の変わり目に下痢しやすいブヒも多いかもしれませんね。下痢などの消化器症状が長く続くようであれば病院にいきましょう。
また、気温が低い時期は『椎間板疾患の発生率』が増加することが報告されています。
つまり寒い時期は、椎間板ヘルニアになりやすいというわけです。
逆に気温が高い時期は、呼吸の悪化や熱中症、倦怠感などを引き起こすと考えられます。
・雷や風などの天気
元々雷の音や光、風の音などが苦手な場合は、震えや、落ち着かずウロウロしたり、パンティングが多くなりよだれを垂らしたりすることがあります。
対処法は?

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気圧の変化と不調の関連性は明確になっていないことがほとんどです。そのため、対処法と言えるものは残念ながらありません。
ただし、関連があると報告されている胃拡張胃捻転症候群(GDV)は食後の激しい運動などが主な発症要因と言われているため、食後すぐには遊ばず安静にすることで発症率を下げることができるかもしれません。
また、人間では気圧と関連が報告されている病気、てんかんや心臓病については、犬の場合も、しっかりとお薬を飲み、いつでも病院へ行くことができるように観察をしておくことが重要だと言えるでしょう。
気圧と不調の関係には未だ不明な部分が多いため、今後の研究が期待されます。
今私達ができることは、飲んでいるお薬を怠らず服用すること。そしてオーナーさんが愛ブヒのささいな変化に気づくことができるよう、いつもしっかりと観察しておくことだと言えますね。
獣医師:小泉しずか
2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。
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