2022年8月1日2,985 View

Q寝ているときに足をバタバタ、目がピクピク…。犬も夢を見るの?【ブヒの健康Q&A】

「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。愛ブヒが寝ている時「もしかして、これって夢でも見ているのかな?」と思ったことはありませんか? 果たして犬も夢を見るのか、今回はその疑問に答えます。

一日の約半分を寝て過ごす動物たち。眠っている時に足をバタバタしたり小さい声でワフッ!と吠えたりする様子をご覧になったことはありませんか?

 

可愛らしく微笑ましい姿もありますが、これは夢をみているの?  それとも痙攣や発作?と不安になることもありますよね。

 

今回は、犬も夢を見るのか、そして睡眠中のバタバタが気にしなくて良い場合と痙攣などの病的な場合との見分け方などについてお話していこうと思います。

 

「夢を見る」のはどうして?実は人間でも分かっていない!

睡眠,夢

granata68/Shutterstockstock

 

そもそも夢を見るとはどういうことなのでしょうか?

 

実は、「なぜ人は夢を見るのか」という問いへの回答は実際よくわかっていないのが現状です。

 

夢を見る理由は諸説ありますが、現時点では、人間は普段の生活で起きた出来事や脳に蓄積したあらゆる情報を整理するために夢を見ると言われています。

 

ただし、一晩の眠りの段階で「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」を繰り返し、夢を見るのは主にレム睡眠中だということが知られています。

 

「レム睡眠」とは急速眼球運動睡眠の英語の頭文字をとった言葉で、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動いている動作を伴うのが特徴。

 

そのため、眠っている間に体がビクッとなるのも、このレム睡眠中だと言われています。

 

犬も夢を見るのか?

フレンチブルドッグ

fongleon356/Shutterstock

 

私たち人間のように、実は犬や他の動物にもノンレム睡眠とレム睡眠があることが分かっています。

 

そのため、レム睡眠中に人間同様、まぶたの下で眼球が動いたり、体が動いたりすることがあるんです。

 

動物たちがどんな夢をみているかまでは不明ですが、実はこのような報告があります。

 

もともとお風呂が嫌いで、お風呂の後はいつも家族の脚の間に入る動作をする犬がいました。

 

その犬が、昼寝から起きてすぐに家族の脚の間に入ってきたそうです。「もしかして、お風呂に入れられた夢をみていたのかな?」と想像ができますよね。

 

また、別の研究によると、夢の長さと頻度は動物のサイズに関係している可能性があるという報告も。

 

例えば、トイプードルのような小型犬は10分ごと、ラブラドールレトリバーのような大型犬は60〜90分ごとに1回夢を見ているというものです。

 

つまり、小型犬のほうが大型犬よりも1回の夢は短く、数は多くの夢を見ている可能性があるんですね。

 

発作との見分け方

フレンチブルドッグ

Wirestock Creators/Shutterstock

 

犬が夢を見ているとき、走ったり、蹴ったり、足をバタバタさせることがありますが、このような姿を見たとき、もしかして発作なの?と感じてしまう方もいるのではないでしょうか?

 

夢を見ているときと発作の違いをいくつか下記に示しました。

 

*夢を見ている場合

・動作は基本的に短時間(30秒ほど)

・硬直しない

・起こすことができる

・起きた後は通常通り

 

*発作の場合

・手足は硬直し、かなり激しい動き

・起こしても起きない

・発作後に混乱する(パンティング、よだれなど)

・発作中に排尿や排便をすることがある

 

このような項目を参考に、不安な場合は病院へ連絡をしてみてください。

 

悪夢をみている? 起こしたいときの注意点

フレンチブルドッグ

Wut_Moppie/Shutterstock

 

発作かどうかの見分けが難しい場合や、悪夢を見ていそうで不安になった場合、思わず起こしたくなることもありますよね。

 

そのようなときには、愛犬に触るのはNG。急に触って起こしてしまうと、意図せず噛みつかれてしまう可能性があるため注意が必要です。

 

起こしたいときは、大きな声で名前を呼ぶか、床に物を落とすなどして音を出して、反応があるかどうか確認してくださいね。

 

まとめ

フレンチブルドッグ

Firn/Shutterstock

 

犬も私達人間と同じように夢を見ています。夢の中で大騒ぎをしているような場合は、もしかしたら発作と間違えるような行動を取ることもあるでしょう。

 

その場合は、発作と見分けるポイントを参考にしながらよく観察し、もし少しでも不安な点があれば動画を撮り、病院で確認してもらってくださいね。

 

獣医師:小泉しずか

獣医師:小泉しずか

2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。

 

 

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