2022年9月1日1,035 View

Qヨダレがポタポタと大量に流れて止まらない……。これって何かの病気なの?【ブヒの健康Q&A】

「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。フレブルはヨダレを垂らしやすい犬種ではありますが、あまりにヨダレが大量だったり止まらなかったりすると、心配になりますよね。人間の場合、パーキンソン病や脳卒中といった怖い病気が原因になっていることも。今回はヨダレにまつわる疑問に答えます。

フレンチブルドッグ

普段、日常生活でよく目にするヨダレ。今日はやけに多いな、と感じることはありませんか?

 

家で様子を見ていてもよいものか、それともすぐに病院に連れて行った方がいいのか、悩んでしまうこともありますよね。

 

今回は、ヨダレが増える原因や病気かどうかを見分けるポイントなどについてお話していこうと思います。

 

ヨダレが増える原因とは

フレンチブルドッグ

Veran36/Shutterstock

 

ヨダレが増える原因は、生理的なものと病的なものの大きく2つ。それぞれの例として、以下のようなものがあります。

 

*ヨダレが出る生理的な原因

・パンティング(体温調節)

・食べ物に対する反射

・不安や緊張

・乗り物酔い

 

パンティングとは口を開けて浅く速く呼吸すること。暑いときや興奮しているとき、運動したときなどに、舌を出してハアハアと呼吸をするあれです。

 

これは、犬に備わった体温を調節するためのとても重要な機能。犬は人間のように体中に汗腺がないため、汗をかいて体温を下げるということができません。

 

そのためパンティングをすることで体内にこもった熱を下げるのです。

 

また、フレブルは体が熱くなりやすい犬種。そのため、他の犬種よりも激しいパンティングをすることが多く、ダラダラと大量にヨダレを垂らすことが多くなりがちです。

 

また、意外と知られていないのが乗り物酔いによるヨダレ。

 

犬の中にも人間同様、乗り物酔いをする子たちがいます。短いドライブなら問題はないものの、長時間になると酔ってしまうという子も。

 

初めてのドライブやカーブの多い道、ロングドライブなどでは注意して愛ブヒを観察してあげてください。

 

酔いやすい子には、動物病院で酔い止めのお薬をもらえるので相談してみましょう。

 

またじっといている(パンティングをしていない)のにポタポタとずっと滝のようにヨダレが出て止まらないという現象にたびたび悩んでいるフレブルオーナーさんを耳にすることがあります。

 

これは医学的には原因が分かっていません。しかし “雷雨の日によく起きる”などであれば、風の音や雷の音に不安や緊張を感じている可能性も(あくまで推測の域を出ませんが)。

*ヨダレが増える病気

・口腔内疾患(歯周病、舌炎、口腔内腫瘤など)

・食道疾患(食道炎、食道狭窄、食道内異物)

・中毒、誤食

・胃拡張捻転症候群

・熱中症

・顔面神経麻痺

・感染症(狂犬病、ジステンパー)

 

ヨダレを引き起こす最も身近な病気が、口腔内疾患。年齢を重ねるにつれ、歯周病で病院にいらっしゃる患者さんが特に多いように感じます。

 

口の中の病気は、ご家族が口臭の変化で気づくことも多いもの。愛ブヒがまだ若いという方も、今から日々チェックしておきましょう。

 

歯周病の予防で最も重要なことは、ご自宅でのデンタルケアです。歯ブラシをしっかり使うことができない場合でも、せめて食後に歯をガーゼなどで拭ってあげてください。なにもしないよりは全然違います。

 

また、近年歯磨き教室を開催している動物病院もたくさんあります。ぜひ参加して、磨き方を教えてもらいましょう。

 

成犬の8割は歯周病と言われています。また歯周病になると、アゴの骨が溶けたり、頬に穴が空いたり、細菌が体の中に入って、命に関わるような内臓の病気を引き起こしたりもします。

 

飼い主さんが可能な限り、毎日しっかり歯磨きをしてあげてください。もし、既にひどい歯周病になってしまっている場合は、早めに病院で相談を!

 

今すぐ病院に行くべきかを見分けるポイントは

フレンチブルドッグ

TYeu/Shutterstock

 

病的なものの多くは、急を要する重大な病気です。

そのため、大量のヨダレが生理的なものなのか、病的なものなのかをきちんと見分けることが重要。

 

見分けるポイントとしては、

・パンティングを起こす条件があるか

・パンティング以外の症状があるかどうか

の2点です。

 

興奮や緊張、運動時などパンティングを起こすような条件がある場合は生理的なものと考えてよいでしょう。

 

しかし、そのような条件がないにも関わらず、ヨダレが止まらない、多い、という場合は病的なものを疑いましょう。

 

先程の“てんかん症状”のほか、なにかの中毒を起こしていたり、食道炎になっている可能性があるためです。

 

また、興奮や緊張、運動時などのパンティングを起こす条件がある場合でも、痙攣をしていたりぐったりとしている、嘔吐や下痢といった他の症状を伴う場合は病的なものの可能性があります。

 

つまり、

<パンティングを起こすような条件がある+ヨダレ以外の症状がない>ケース以外は、病気の可能性が高いということになります。

 

少しでも様子がおかしいと感じた場合はすぐに病院へ連絡し、必要に応じて迅速に診察を受けてください。

 

『ヨダレ』といっても、増える原因はさまざま。“たかがヨダレ”とあなどらず、愛ブヒを守ってあげてくださいね。

 

獣医師:小泉しずか

獣医師:小泉しずか

2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。

 

 

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