2022年10月2日2,175 View

Q最近目やにがひどい…何か病気が隠れているの?【ブヒの健康Q&A】

「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回は、目やにについて。いつもと違う色だったり、量が多いと「もしかして目の病気?」などと心配になるもの。いい目やに、悪い目やにの見分け方を知って、愛ブヒの健康を守ってあげましょう。

 

愛ブヒの可愛い顔を見つめていると、ときおり目に飛び込んでくる『目やに』。

 

日によって色が違ったり、量が多かったり…。少しいつもと様子が違うと、放っておいてもいいものなのか、心配になりますよね。

 

そこで今回は目やにの種類や、病院へ行くべきタイミングなどを中心にお話していこうと思います。

 

目やにの種類

フレンチブルドッグ

Yakovenko Maksim/shutterstock

 

目やにには、一般的に5つの種類があると言われています。

 

・カサカサした少量のもの

・水っぽいもの

・赤茶色の涙やけ

・白っぽい粘液

・黄色または緑色のもの

 

これらについて詳しく説明していきたいと思います。

 

■カサカサした少量のもの

 

私達人間が起きた時、目尻についているものと同じ、カサカサしている、半透明のものです。

 

これは乾燥した涙、油、粘液、死んだ細胞、ほこりなどからできていて、動物も人と同じように、朝や長いお昼寝の後などによく見られます。

 

病的なものではなく、生理的なものなので焦って病院に行くことはありません。

 

■水っぽいもの

水っぽい目やには涙の量が増えていることが原因。涙の量が増える原因としては、以下のようなものがあります。

 

・アレルギー

・刺激物

・目の中の異物

・解剖学的な異常(例:眼球が突出している、まぶたが内側に巻いているなど)

・涙管(涙の通り道)の閉塞

・角膜の傷

・緑内障

 

これらの中には、すぐに病院に行くべきものも。

 

その場合は目やにだけでなく、痒みや目の赤み、腫れなどの他の症状が見られることがほとんどです。

 

そのため、単に目やにや涙が多いだけで、痒がったりなど痛がったりなどしている様子がないようであれば1〜2日は様子をみても良いでしょう。

 

■赤茶色の涙やけ

目頭付近が赤茶色に変色している、いわゆる『涙やけ』。

 

これは涙に含まれる成分が長期間空気に触れることで赤茶色に変化するために起こるもので、病的なものではありません。

 

ただし、涙やけが原因で目の下の皮膚が炎症を起こしてしまっている場合は治療が必要なこともあります。

 

■白っぽい粘液

白っぽい粘液は、少なくなってしまった涙を補うために作られるもの。これはいわゆる『ドライアイ』の場合にみられます。

 

以下のような症状が合わせて見られたら、ドライアイを疑いましょう。

 

・目をよくこすっている

・目が充血している

・目をしょぼしょぼさせている

・目が開きづらそう(まぶたが重たそう)

など

 

ドライアイはたいしたことないと思われがちですが、目の構造の損傷に繋がったり、感染しやすくなったりと重症化につながることも。点眼薬などでケアしてあげることが大切です。

 

■黄色または緑色のもの

黄色または緑色の目やにが出ている場合は、『膿』としてみられているもので、細菌などによる感染を起こしている可能性が高いです。

 

また、この場合は目に限らず、犬ジステンパー感染症や鼻の腫瘍といった全身性の病気や他の部位の感染症を反映していることもあります。

 

中には、鼻の部分の腫瘍が二次的な炎症を起こし、目やにとして発見されたという例もあります。

 

病院に行くべきタイミング

目薬をさすフレンチブルドッグ

Oleksandr Lysenko/shutterstock

 

上記5つの中で、特に白っぽい粘液、黄色または緑色の目やには早めの受診をお勧めします。

 

また、他の3つであっても、急激な目やにの増加や他の症状(充血、かゆみ、目のしょぼつきなど)がある場合は病院で診察を受けてください。

 

目やにがたくさん出たときの注意点

フレンチブルドッグ

Penyushkina/shutterstock

 

目やにがひどい場合の注意点を以下にお伝えします。

 

・無理にはがさない

目やにがひどくて視界が悪そう、と思っても自分で無理に目やにをはがしてしまうのはやめましょう。

 

稀に、皮膚まではがれてしまうことや、絡まった毛を切ろうとして皮膚まで切ってしまったということもあります。

 

軽くコームでとかして引っかかってしまうようであれば、それ以上は手を出さず、病院できれいにしてもらいましょう。

 

・病院に来る前の状態を写真に収めておく

病院に来る際にはもうきれいになっている、あるいは自分できれいにしてしまっていた、ということもあります。

 

そうすると、診察の際にはどのような状況であったかが医師がわからないことに。

 

自分できれいにしてしまう前に、スマートフォンなどで写真に収めておくとよいでしょう。

 

日常でよく目にする『目やに』ですが、その種類を知り、日々観察することで、病気の早期発見につながることがあります。

 

ご家族の皆さんでよく観察し、いつもと違う部分が無いかをチェックしてあげてくださいね。

 

獣医師:小泉しずか

獣医師:小泉しずか

2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。

 

 

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