フレンチブルドッグの「チンスリ」を考える〜プロドッグトレーナー大久保羽純
フレンチブルドッグが前足を使って大事な部分をスリスリする行為、通称「チンスリ」。以前French Bulldog Lifeでもチンスリについてご紹介したところ、大きな反響がありました。
いったいこの行動は、何を意味しているのでしょうか…?
プロドッグトレーナーの大久保羽純さんにお話を聞いてみました。
チンスリとは
チンスリとは、大事なところを自分の手でスリスリすること。
たとえば、こんなふうに。
この行動は、何を意味しているのでしょうか。また、これをするのはフレンチブルドッグだけなのでしょうか。
一見、笑ってすませてしまいそうな行為ですが、全ての行動には必ず「理由」があるはずです。
ここからは、プロドッグトレーナーの大久保羽純の見解をご覧ください。
***
SUNNY Dog Training Partner(プロドッグトレーナー)の大久保羽純です。
フレンチブルドッグが、前足を使ってお股をさわる行動を見たことがある方はいるでしょうか?
フレブル愛好家からは通称「チンスリ」と呼ばれている、この謎めいた行動。いったい何なのかという声が多数あがっております。
今回は、「チンスリ」から考えられることをお話しましょう。
この行動は何を意味しているか

Unchalee Khun/shutterstock
お股をゆったり触るこの行動。何とも言えないその表情。
せっかくの可愛い動作なので、心温まるメルヘンな感じのお話をしたいところなのですが…。
この行動は性器を刺激することで快感が起こるため、繰り返されているのではないかと言われています。
性的刺激と言っても、ハアハアするばかりではなく、恍惚とした表情をしている子もいれば、ただただ無心で触っている子もいます。
どう感じているかは犬に聞けないので厳密にはわかりませんが、行動が繰り返されていることからも、「気持ちがいいこと」ではあるようです。
では、マスターベーションのようなものかというと、確かにそれに近いのかも知れません。
しかし、そもそも人間の性的快楽と同様の快楽を、犬が感じているかどうかについては定かではありません。
そのため、人間のように快楽の頂点としての射精に結び付ける行為とは違い、ただ触って気持ちいいとか、触って落ち着くということの可能性もあります。
人間の子供でも、緊張したときや落ち着きたいとき、ゆったりしているときなどにお股を触る子がいます。
まだ小さな子供でも、毛布などを体に挟んで性器に刺激を加える子もいます。
昔、日本テレビ系列局で放送された「進ぬ!電波少年」で、カラテカの矢部さん(芸人)が、癖で自分の股間をギュッと握るシーンがよくピックアップされていました。本人曰く、落ち着くのだそうです。
ちなみにメスでもそのようなことをする子もいますし、飼い主さんがお股を拭いてあげることで同様の表情をする子もいるそうです。
他の犬種もやるのか

shutterstock
他の犬種でも、性器への刺激を誘発するような動きをする子はいます。
体を丸めてお股を舐めたり、地面やベッドにこすりつけたり、マウンティングで人の足に性器を押し当てていることもあります。
しかし、冒頭のリンク先の記事で紹介されているような「チンスリ」の形が見られるかというと、他の犬種では滅多にないのではないでしょうか。
なぜ、フレンチブルドッグに多いのか

Odor Zsolt/shutterstock
フレンチブルドッグのように、おじさん(おばさん?)のような安定した姿勢でどっしりと座り込み、たまたまとはいえ前足が性器に触れるような体型の犬は、そんなに多くありません。
フレンチブルドッグのチンスリが非常に珍しいのは、その珍しい体形が生みやすい行動だからではないかと思われます。
たまたま前足が触れたことで、その行動は自動的に強化されていく可能性があります。
そのため、すべてのフレンチブルドッグがやるわけでもありません。
最後に…

Javier Brosch/shutterstock
どうでしょうか。なるほど!と思われた方も、そうなのかな~と思われた方もいるのではないでしょうか。
どんな行動も、本当の理由は犬に聞いてみなければわかりません。その行動の一つの傾向や可能性として、記事を楽しんでくださいね。
ちなみにいつもコラムではお話していますが、どんな行動もやりすぎていれば問題です。
体に支障が出るほどであれば、その行動は変えていく必要がありますので、注意してくださいね。
***
(まとめ)
大久保羽純さんの見解、いかがでしたでしょうか。
愛ブヒのカワイイ・おもしろい行為にも、必ず理由があります。普段は笑ってすませてしまう行動も、このようにプロドッグトレーナーさんにお話を聞くと、新しい発見がありますね。
常に愛ブヒの行動を見つめ、少しでも疑問に思ったときは、獣医師さんやトレーナーさんなどにお話を聞いてみてはいかがでしょうか。
愛ブヒのことをよく知ること。これが、豊かなフレブルライフをおくる重要
なポイントかもしれません。
★チンスリTシャツができました!
▼詳しくは、以下の記事をご覧ください!
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
プロフィール 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
おすすめ記事
-
皮膚にお悩みのフレブルが体験した奇跡を、どうしてもお伝えしたくて。
フレンチブルドッグにどうしてもつきまとう、健康上のアクシデント。
それはなんといっても「皮膚疾患」です。痒そうにしている愛ブヒを見るのはなかなかつらいものですよね。
皮膚疾患が強く出れば、もちろん動物病院での治療が必要になってくるわけですが、それ以降についてはどうやって良好な状態をキープすればいいのか。ぶり返してしまったら、また負のループに陥ってしまう。
今回はわたしたちがつくったコラーゲンサプリメント『Ta-Ta(タータ)』にまつわる、あるフレブルのお話をお伝えしましょう。
愛ブヒの皮膚にお悩みの方は、必読です。※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
エッセイ -
【涙やけ改善、被毛ふんわり!】フードに悩みつづけたオーナーが「ワンフー ラブガド」を試してみたら…!?
お肌がデリケートなフレブルにとって、フード選びは永遠のテーマ。カイカイに悩む子に一度は試してほしいのが「ワンフー ラブガド」。編集部がいろんなフードに浮気しまくった挙句、結局戻ってきたという噂のフードです。
今回は、同じく愛ブヒのお肌に悩むフレブルオーナーが忖度なしのレビューをお届け! 涙やけが減って被毛ふんわり、抱き心地もバツグンに!? 驚きの内容をマンガで楽しくご覧ください!
(sponsored by 環境プラント工業株式会社)
PR -
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
「PEGION×French Bulldog Life」のコラボプロダクト第1弾は、ウンチ中のフレブルが可愛いPOOPINGシリーズ。
今夏、ついに待望の第2弾が登場! 今回はフレブル特有の行動である「チンスリ」デザイン。ありそうでなかった憧れのチンスリデザインが、オーナー向けのTシャツと愛ブヒ用のタンクトップになりました!
ストア情報 -
【愛ブヒがブランドのロゴに?】大人気ブランド「TES」からカスタムオーダーが誕生!
新しくも懐かしいリラックスライフを演出するアパレルブランド「TES(The Endless Summer)」。
メインビジュアルは、なんとフレンチブルドッグなのです!
そんなTESのデザインを手がけるSHARES DESIGN(シェアーズデザイン)から、愛ブヒの名前を入れられるカスタムオーダーが誕生!
その魅力をたっぷりとご紹介します!FBLオンラインストアからオーダーができますので、最後までお見逃しなく!
ストア情報 -
【インタビュー】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【なぜ日本製が良いのか】わたしたちが、Vague(ヴァーグ)をオススメしたい理由
一段と寒い日がつづき、フレブルたちにもお洋服が欠かせなくなりましたね。この時期は洋服の着用時間が長くなりがちなので、いつも以上に素材にこだわりたいところ。リーズナブルなお洋服は縫い目が荒く、脇やお腹がスレて肌荒れの原因になることも。
冬こそ、世界が認める「日本製(Made in Japan)」を選びましょう。そしてお肌に優しい日本製の犬服といえば、やっぱり…?
(sponsored by 株式会社Vague)
PR -
【大切なこと】近年若くして旅立つフレブルが増えている現実と向き合う〜交配や体格について〜
実は昨今、わずか3歳や4歳という若さで突然虹の橋を渡ってしまうフレンチブルドッグが増えています。よちよちのパピー期を過ぎてオーナーさんとのコミュニケーションも覚え、さあこれから! という時に突如として失われた命。どうして、なんで? と涙に暮れるけれど、そのことについてFrench Bulldog Lifeなりに調査し、考えられる理由をまとめてみました。是非ともフレブルラバーである皆様にお伝えすべきだと思ったのです。
読みもの -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【イベントレポート】フレブルLIVE in FB愛!およそ1,000頭のフレブルが大集結(泣けたぜ、リアルに。)
本日3月20日(日)に開催された「French Bulldog LIVE」in FB愛。無事大成功で幕を閉じました!
イベント主催者のFB愛スタッフのみなさま、そしてご来場いただいたフレブルファミリーのみなさまには心より感謝いたします!
リアルイベントの参加はおよそ2年半ぶりでしたが、たくさんのフレンチブルドッグとオーナーさんに会えたことが一番の喜びでした。
さてさて、興奮冷めやらぬうちにイベントレポートを大公開です!
イベントレポート
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】短命拒否権 powered by Ta-Ta
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【スナックふれぶる】あなたの悩みに答えます。
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブルペット保険ガイド
あなたと、あなたの隣にいるフレンチブルドッグがより安心して暮らしていけるように
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
French Bulldog Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています。