2022年11月2日2,163 View

Q今朝、黄色い泡を吐いたけど…ケロリ。様子見でもOK?【ブヒの健康Q&A】

「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回は、特に若い男の子のブヒと暮らしているオーナーさんなら、何度か経験があるかもしれない“黄色い泡を吐く”行為について。危険な嘔吐と様子見でOKな嘔吐の違いについてもお伝えします。

 

フレンチブルドッグ,ブヒの健康Q&A・今

 

皆さんは、朝起きたときや夕飯前に、愛ブヒが床に黄色い泡を吐いた跡があった! 

 

あるいは今まさに吐いている!という場面に遭遇したことは無いでしょうか?

 

嘔吐は消化器疾患をはじめとした様々な病気の初期症状である可能性も多く、怖い症状という印象がありますよね。

 

今すぐ病院に行くべき? それとも様子を見てもいいの?と不安になる方も多いかと思います。

 

今回は、黄色い泡の正体から、どんな時に黄色い泡を吐くのか、その対処法や注意すべき点などについてお話していきたいと思います。

 

黄色い泡の正体

フレンチブルドッグ

mjouni/shutterstock

 

黄色い泡の正体は、胆汁が混ざった胃液。黄色なのは胆汁の色素で、胃液本体は透明です。

 

もともと、胆汁は肝臓で生成され、胆嚢に貯蔵されています。食物を摂取すると、胆汁が胆嚢から小腸へ放出され、食物を消化する際に役立ちます。

 

胆汁が混ざった胃液=黄色い泡を吐くのは、空腹時、脂肪分の高い食事を摂った後、たくさんの草を食べた後、たくさん水を飲んだときなどに起こると言われています。

 

また、若いオス犬が多いと報告されています。

 

そしてこの嘔吐の特徴は“吐いた後も元気”ということ。

 

何事もなかったかのようにケロリとして走り回ったり、いつも通りであることがポイントになります。

 

後述しますが、いつもと違う、元気でない嘔吐は緊急性を伴うこともありますので注意が必要です。

 

対処法

フレンチブルドッグ

Tienuskin/shutterstock

 

黄色い泡は、朝方に吐いていることが多いかと思います。

 

その場合、主に空腹が引き金になって吐いてしまっているので、空腹にさせないことが大切。

 

そこでまず試して頂きたいのは、ごはんの回数を増やすこと。

 

つまり、1日2回ごはんを与えている場合は、3回にしてみましょう。

 

もちろん、回数を増やしても、1日のトータルカロリーはこれまでと同じにしてくださいね。

 

太らせないよう、あくまでも1日にあげるごはんの量はそのまま。1回あたりの量を少なくする、つまり小分けにするのです。

 

寝る前に3回目のごはんをあげると、朝ごはんまでの時間が短くなり、空腹になりにくいためおすすめです。

 

もし食事の回数を増やせない場合は、カロリーが低めなごはんに変えて、カサを増やすことで満腹感を得るという方法もあります。

 

もしくは水やお湯でふやかしてカサ増しするのもいいでしょう。

 

いずれにしても、肥満に注意しながら、空腹感を減らしてあげることが重要です。

 

ただし、フードを変更する際は一気に全部を変更するのではなく、それまでのフードに少しずつ新しいフードを混ぜながら徐々に配分を増やし、だんだんと新しいフードになれさせるようにしてください。

 

急にフードを変えると、下痢などの消化器トラブルを起こすことがありますが、少しずつ変えていくことでトラブルを防ぐことができます。

 

また、上記のような食事管理をしても改善されない場合は、病院で胃酸を減少させるお薬や胃を保護するお薬が処方されることもあります。

 

こんな場合は要注意

フレンチブルドッグ

Koy_Hipster/shutterstock

 

黄色い泡を吐いてもその後ケロっとしている、食事後は落ち着いている、というのであれば緊急性はありませんが、以下のような場合は注意が必要です。

 

・吐いた後ぐったりしている

・上述した対処法でも全く改善しない

・日々嘔吐が悪化していく

・空腹時でなくても吐いてしまう

・複数回吐いてしまう

・嘔吐に下痢が伴う

・血を吐いてしまった

・色が黄色でも透明でもない

・食べたものを吐いてしまった

 

このような場合には、空腹時の生理的なものではなく、異物の誤食や病気である可能性が高くなります。

 

特にぐったりしているような場合は緊急性が高いため、すぐに病院で診察を受けてください。

 

まとめ

犬では人間よりも頻繁に起こる“吐く”行動。吐いている姿は辛そうに見え、できるだけ治してあげたいですよね。

 

空腹だけが問題なのか、そうではないのか、見極めることが難しい場合には一度お近くの病院でご相談ください。

 

獣医師:小泉しずか

獣医師:小泉しずか

2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。

 

 

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