2022年11月14日2,976 View

【取材】悪性乳腺腫と闘う15歳のとと。“余計なものを与えない”食生活とストレスフリーの毎日を積み重ねて

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回登場してくれたのは15歳のととくん。15歳目前にして、悪性の乳腺腫が2つも見つかったものの、今なお元気に過ごしている男の子です。そのライフスタイルには食事だけでなく、サプリや薬の使い方にも健康長寿を叶えるためのヒントがたくさん!

ととくんプロフィール

フレンチブルドッグ

年齢&性別

15歳の男の子

体重

10.5kg(今がMAX!)

大好きなこと

一緒に遊ぶこと。今は撫でられること。

既往歴

・8歳で肥満細胞腫になり手術。悪性か良性かはグレーだったが、抗癌剤治療はせず様子を見ることに。その後は転移等なし。

・15歳目前で乳腺腫が2個見つかり、悪性との診断。手術すべきか、セカンドオピニオンを受けることも含め検討中。

 

独り好きな“できる子”

フレンチブルドッグ

 

オーナーの根岸さん曰く、基本は“ほっといてくれタイプ”だという、自立心旺盛な“とと”くん。

 

そんな性格を見極めた接し方や、食事にサプリ、シニア期の暮らしぶりなど、レジェンドへの道程を伺いました。

 

「ととは人にも犬にもあまり関心がないタイプでした。遊ぶのが好きだったり、夜は甘えて一緒に寝たりといった面もありますが、基本は独り好きなマイペースです。

 

それから頑固で、嫌なことはハッキリ嫌という性格でした。

 

私が叱ったりしてヘソを曲げると、その晩は布団に入ってこない、なんてこともありました」(根岸さん=以下「」内同)。

 

ととくんのおじいちゃんは賞を獲るようなブヒで、その血を受け継いだととくんも運動神経抜群。

 

3〜4カ月の頃には驚異のジャンプ力で洗面台に飛び乗ったこともあり、それ以来ジャンプには気を付けているそうです。

 

体型はスマートで暑さに強く、腫瘍以外の病気やケガはほとんどなし。トイレなどもすぐに覚える“できる子”でした。

 

余計なものはあげない

フレンチブルドッグ

そんなととくん、ごはんはどんなものを食べていたのでしょう。

 

「メインでずっと使ってきたのは『シュプレモ』のドライフードです。自然な素材が多く使われていて、添加物も少ないのでこれにしました。

 

基本は年齢に合わせたものでしたが、ある時期から穀物フリーのものに切り替えました。

 

後からウチに来たもう一頭のフレブル“やさい”がアレルギー持ちだったので、その対策です。

 

結局は食物アレルギーではなく、ホコリなどが原因だったのですが、より身体に良いものをということで、そのまま穀物フリーを続けました。

 

その後、ととが8歳で肥満細胞腫になったのを機に、手作り食を始めました。

 

ですが、ちゃんと栄養を吸収するには、野菜などみじん切りよりも細かくしないといけなくて、本当に大変でした。

 

私も仕事をしていたので、ずっと手作りを続けるのは難しく、しばらくして『ココグルメ』という、冷凍の手作りフードを使うようになりました」。

 

手作りフード

 

お仕事で食や身体のことに携わっている根岸さん。ととくんややさいちゃんのために一番に考えたのは“余計なものを与えないこと”。

 

おやつも、無添加のものか、サツマイモやリンゴなどをあげていたそうです。

 

そして同時に、必要なものは補うという考えで、ご自分で調べて組み合わせた、自然由来のサプリ等も与えてきました。

 

サプリも薬も使いよう

フレンチブルドッグ

 

根岸さんがととくんにあげているサプリは人間用のものですが、副作用がないかなどをよく調べ、量も細かく調整されています。

 

「これは私が調べたことなので、絶対良いものとかそういうことではないのですが、8歳頃から6種類くらいサプリをあげています。

 

豆のプロテイン、アロエベラのビタミンとミネラル、魚のDHA、ミツバチのプロポリス、それに腸内環境を整えるものと、血液をサラサラにするものです。

 

シニアに差し掛かり、少し身体が細くなってきていたのですが、これらを飲ませ始めてから、身体がしっかりしてきたと思います」。

 

手作りごはん

 

このほか、根岸さんは専門家の方にも相談しながら、ノミやフィラリアは薬ではなく、入浴や虫避けで対策されているそうです。

 

ただし、根岸さんも薬を否定されているわけではなく、あくまでととくんにはこの方法が合っていたというお話でした。

 

ウチの子も薬が合ってなさそう、止めたいと思っても、いきなり止めたりせず、必ずお医者さんに相談しましょう。

 

お留守番がいいんです

フレンチブルドッグ

 

こだわりの食生活に続き、生活環境についても伺いました。根岸さんはご夫婦ともお仕事が忙しかったため、留守番をしていることが多かったそうです。

 

「独りが大丈夫ということもありますが、あることがきっかけで、私たちが居ないときは必ずお家で留守番させるようになりました。

 

まだ仔犬の頃、ショッピングセンターのサロンで爪を切ってもらうことになり、しばらく預けたことがあったんです。

 

すると預けてから引き取るまで、ずっと鳴きどおしだったそうで、引き取りに行った時は全身汗だく! みたいな感じでした。

 

実際には汗はかいていないんですが、それくらい困った表情というか。それ以来、施設にも人にも預けないようにしています」。

 

フレンチブルドッグ

 

一緒に居られないときは、誰かに見てもらうより、独りでのびのびとお留守番を。

 

ととくんの性格に合わせて、“ストレスはできるだけ少なくすること”も、根岸さんが大事にしてきたキーワードです。

 

そのために家を過ごしやすくしたのはもちろん、妹分のやさいちゃんを迎えたのも、お家での留守番が寂しくないように、という思いがありました。

 

ととくんとやさいちゃん

フレンチブルドッグ

 

マイペースでクールなととくんに対し、ととくん大好き!なやさいちゃん。二頭はどんな暮らしぶりだったのでしょう。

 

「普段は仲が良く、ケンカもしませんでした。でも、やっぱりととが我慢していたこともあったようです。

 

例えば、私への甘え方ですが、やさいが居た頃は膝の上で大人しく抱っこされていました。

 

でもやさいが亡くなってからは、近くには居ても膝には乗らなかったりするので、やさいに私を取られないように抱っこされてたのかもしれません。

 

あと、食事も落ち着いてできるようになったのか、食べる量が増えて、今が一番っていうくらい体重があります。

 

そういうことはありつつも、やさいが与えてくれたことは数え切れないので、もちろん居てくれて良かったと思っています」。

 

フレンチブルドッグ

 

元保護犬のやさいちゃん。根岸さんやととくんと家族になれて、思う存分甘えられたのでしょうね。

 

それをしっかり受け止めていたととくんには、寂しくも“お役御免”で楽になった部分があったのかもしれません。

 

やさいちゃんが亡くなったのは取材の4カ月程前。腫瘍の検査中に麻酔から覚めず、残念ながらそのまま逝ってしまいました。

 

そのこともあり、悪性腫瘍が見つかったととくんの治療は、セカンドオピニオンも視野に入れて慎重に検討されています。

 

キレイで元気

フレンチブルドッグ

 

続いて、シニアになってからの暮らしについて伺いました。

 

「今はごはんも散歩もほとんど普通にできています。もちろん、散歩がゆっくりになったり、疲れやすくなったりといったことはありますが。

 

ケアが必要なのは、オシッコがたまに垂れることくらいですね。

 

トイレはちゃんとシートにするのですが、普段寝ている場所など、何箇所かに垂れていたので、そこに小さなブランケットを敷いてこまめに取り替えています。

 

キレイ好きなととにとっては、お部屋やお水をいつも清潔にしておくことが結構大事で、そこが一番気を付けていることかもしれません。

 

フレンチブルドッグ

 

トイレも一度したところは嫌がるので、タタミ一畳くらいある大きなシートを2枚敷いて、なるべく離れたところでできるようにしています」。

 

留守番が長引くこともあり、ずっとオムツというわけにはいかないため、できるだけ快適に過ごしてもらうための工夫です。

 

また留守番自体も、あまり長時間にならないよう、ご夫妻で出かける時間をずらすなどして調整されています。

 

積み重ねたのは…

フレンチブルドッグ

 

15歳にしてまだまだ元気に自立しているととくん。最後にその長生きと健康の秘訣を伺いました。

 

「とにかくストレスがないようには心がけていました。今はマッサージが大好きなのですが、それもととの様子を見て、少しでも嫌がってそうなら触りません。

 

嫌なことはハッキリ態度で示してくれるので、その点は良かったですね。

 

因みに、腫瘍のしこりはマッサージで発見したので、スキンシップもとても大事だと思います。

 

それから、“ほっといてくれタイプ”といっても、甘えるところは甘えさせています。仔犬の頃から今まで、夜は私のお腹に丸まって寝てるんですよ。

 

他にも細かなことは色々ありますが、やっぱり子どもと同じように接してきたのかな、という感じがします。

 

身体に悪そうなことは避け、良さそうなことは取り入れる。

 

そういう自然なことが積み重なった結果、今も元気でいてくれているのかもしれません」。

 

フレンチブルドッグ

 

食べ物や身体に詳しいご職業柄もあって、食や薬など、色々なお話をしてくださった根岸さん。

 

でも話題が長生きの秘訣になると、日常的で自然なことを多く挙げられたのが印象的でした。

 

お水をいつもキレイにしたり、日々のブラッシングを大事にしたり、そしてととくんのためなら、「ちょっと高いかな」という食器もついつい買ってしまったり。

 

愛犬との何気ない一日を大切に、幸せに過ごす。レジェンドに近道はないことを、改めて教えていただいた気がします。

 

 

取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)

 

★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!

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