2022年12月22日14,232 View

【取材】16歳でも1時間の散歩!介護不要のスーパーご長寿を作ったのは「大好きだよ」を伝える暮らし。 #64花

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回登場するのは、16歳にしてなんと1時間もの散歩を自分の足で楽しむ花ちゃん。11歳以降、さまざまな病気と闘ってきましたが、そのたびに乗り越えた強い女の子。そのご長寿の秘訣とは…!?

花ちゃんプロフィール

フレンチブルドッグ

年齢&性別

16歳の女の子

体重

10.5kg(MAX 14kg)

大好きなこと

お出かけ、新しい場所を歩くこと

既往歴

・2歳の時、用水路にダイブして外耳炎に。

・5歳でアトピーと診断される。

・11歳で前庭疾患と乳腺腫瘍。

・12歳で2度目の乳腺腫瘍。

・13歳で軽度の膵炎。

・15歳で2度目の前庭疾患と肥満細胞腫。

 

小さい時は暴れん坊

フレンチブルドッグ

 

犬が飼える家に引っ越し、「飼うからには絶対毎日散歩に行こう!」と決意して花ちゃんを迎えたというオーナーさん。

 

おかげで、花ちゃんは散歩やお出かけが大好き。とっても元気な子に育ちました。一方、それ以外のことには興味がなく、マイペースな“ほっといて”タイプだったそう。

 

「食にも犬にも人にも、そして私にも興味がない感じでした(笑)。普段は知らんぷりで、用があるときだけ寄って来るんです。

 

散歩に行きたいとき、お腹が空いたとき、トイレが終わったとき。その3つが貴重な“構ってタイム”でした。

 

あと、小さい頃から一緒に寝ているのですが、最初の方に結構な事件がありまして。当時使っていたガラケーを噛んで壊してしまったんです。それも4台。

 

私が気を付けきれなかったのが悪いのですが、朝に目を覚ますとガジガジと噛まれて破壊された携帯が⋯。ということを4回繰り返してしまいました。

 

木製のケージも噛んで壊しましたし、中々の暴れん坊でした。それ以来、ケージは置いてません」(オーナーさん=以下「」内同)。

 

携帯はデータがすべて消えたものもあり、かなりの絶望感を味わったというオーナーさん。

 

でも、「家族になったからにはこういうことで怒らない」と、むしろ花ちゃんと向き合う姿勢が固まったそうです。

 

手作り食は私のため

フレンチブルドッグ

 

そんなオーナーさんですが、ガチガチに「すべて花ちゃんのために!」と無理するわけではなく、時にはこんなことも。

 

「食事は最初ブリーダーさんがあげていたドライフードだったのですが、トッピングしていた肉や野菜の量を徐々に増やし、そのうち完全な手作り食に変えました。

 

理由は、私のためなんです(笑)。実はドッグフードの匂いがダメで、食べやすいようにふやかしていたから余計匂いがキツくて。

 

手作り食の肉は、茹でた鶏のササミや胸肉、豚、牛、馬、鹿などです。

 

今は食べやすいようにミキサーにかけ、野菜と合わせてとろみ食にしたり、ハンバーグにしたりしています。

 

野菜は、キャベツ、人参、カボチャ、ほうれん草、ジャガイモにサツマイモなど、その時々の美味しいものを。

 

それから青魚も好きなので、サンマやサバ、アジなどを焼いて、ごはんに大根おろしも付けていました」。

 

フレンチブルドッグ

 

食に興味がなく、食べる量も少ない花ちゃんのため、メニューは毎食変え、少量ずつでも多くの栄養を摂れるよう工夫されています。

 

また食欲不振時には、ヨーグルトやリンゴジュースをあげたり、消化が良い食材で流動食を作ったりもしていました。

 

それから低脂肪食をきっかけに、『Gohan da BOO』や『suui』など、お取り寄せフードも使うようになったそう。

 

ごはんのバリエーションを増やしたいこともあり、色々なお取り寄せを試した結果、よく食べたのがこの2つでした。

 

栄養があって食べやすく、旅行など持ち運びにも便利なので、食が細くてお出かけ好きな花ちゃんにぴったりだったそうです。

 

かかりつけ医もよく選んで

フレンチブルドッグ

毎日の散歩と、何とか工夫して食べさせたごはんのおかげで、花ちゃんはすくすく元気に育ちました。病気の心配が増えてきたのは、シニア期以降です。

 

「若い頃は外耳炎とアトピーくらいでした。アトピーは最初『アトピカ』という薬で治療しましたが、副作用に吐き気があり、元から食の細い花にはキツかったと思います。

 

なので少し収まってからお医者さんに相談し、健康的な食事とシャンプーやサプリで体質改善する方向に切り替えました。

 

シャンプーは薬用のものを週に2〜3回、サプリは『マイトマックス』と『サイリウム』で、2年もするとよくなっていたと思います。

 

フレンチブルドッグ

 

シニアになってからは色々ありました。まず11歳の前庭疾患です。

 

夜に仕事から帰ると、フラフラして立てない状態だったので、タクシーで夜間病院に行きました。

 

吐き気や眼振も出ていて、脳腫瘍の疑いもありましたが、脳圧を下げる薬で症状が収まったため、前庭疾患という診断になりました。

 

薬は静脈点滴で入れてもらい、通院で1週間程続けました。入院にしなかったのは、自由が制限される生活は花には難しいだろうと思ったからです」。

 

前庭疾患の時の夜間病院は、かかりつけ医の系列病院だったため、スムーズに治療することができました。

 

夜間対応ができること、設備が整っていること、先生が多いこと。

 

この3つが、かかりつけ医を選ぶ基準だったそう。

 

かかりつけ医は引越しで2回変わっていますが、Web等で入念に調べたり、以前のかかりつけ医に紹介してもらうなど、毎回慎重に決められています。

 

早期発見で腫瘍もクリア

フレンチブルドッグ

前庭疾患はこの後15歳でも再発しましたが、その2回だけでした。次は腫瘍のお話です。

 

「11歳と12歳で乳腺腫瘍ができ、手術した結果どちらも良性でしたが、12歳の時は再発防止のため避妊手術もしました。

 

その次が13歳の膵炎です。軽症だったので、痛み、吐き気、下痢を薬で抑え、食事を低脂肪食に変えることで回復しました。

 

それから15歳の肥満細胞腫は、小さかったのと悪性度がそこまで高くないグレード2だったので、局所麻酔で取り切ることができました」。

 

 

実は若い頃から2〜3週間に1度は病院に通っているという花ちゃん。目的は耳そうじだったそうですが、これが健康管理にとても役立ちました。

 

行くたびに身体も診てもらえて、先生と話す機会にもなるので、病気の早期発見や先生との関係づくりが自然とできたのです。

 

特に腫瘍系が無事に治療できたのは、早期発見が大きかったのではないでしょうか。

 

それからもう一つ、シニアになっても麻酔や手術を乗り越えられたのは、先生も太鼓判を押す身体の強さもあったそうです。

 

“普通に歩ける”暮らし

フレンチブルドッグ

 

頻繁な通院と丈夫な身体で病気も乗り切り、まだまだ元気な花ちゃん。どんなシニアライフを送っているのでしょう。

 

「10歳頃から、夏に筋力が落ち、秋に復活するサイクルを感じるようになりました。散歩も2時間くらいしないと満足しなかったのが、今は1時間くらいになっています。

 

あとは15歳の初め頃から、少しよろけるようになったくらいです。よろけた時に笑うとプライドが傷つくので(笑)、笑わないよう気を付けています」。

 

フレンチブルドッグ

 

16歳で介護不要なのも驚きですが、1時間の散歩はさらに驚き。本当に元気なのですね。生活面の工夫などもあったのでしょうか。

 

「前庭疾患になった時に、フローリングの全面にラグとジョイントマットを敷き詰めました。それからごはんを食べる場所にはヨガマットも敷いています。

 

それと家の中はすべて“普通に歩いて越えられる高さ”にしています。ソファは捨て、ベッドも足のない簀子みたいなものにしました。

 

トイレも縁に段差がないフラットなものに変えたので、シートをそのまま置いてるような感じになっています。

 

あと、お医者さんからのアドバイスもあり、8歳頃から階段の上り下りは家でも外でもさせていません」。

 

このほか、気圧変化の影響を受けやすくなったため、部屋の湿度を50%程度に保ったり、気管支をケアするためのネブライザー(吸入器)を購入したりもされています。

 

好きだから、好きなことを

フレンチブルドッグ

 

どうしたらこんなに元気な16歳になれるのか、ぜひとも知りたいその秘訣を伺いました。

 

「本当に特別なことがなくて、こんなお話で良かったのかと思うくらいなのですが、“あなたのことが大好きです!”という気持ちだけは伝わるように接してきました。

 

たまに寄ってきたら大げさなくらい喜んだり、お出かけや散歩など、花が喜ぶ時間をできるだけ多く作ったり。

 

私がやりたいこと、やらせたいことではなく、花が好きなことを、好きなようにさせてきました」。

 

フレンチブルドッグ

 

街中よりも喜ぶ大きな公園を歩かせたくて、自転車で毎日通い続けた散歩。そして花ちゃんが大好きな新しい場所にも、車で毎月のように連れて行きました。

 

携帯を壊された時も、一度は途方に暮れたものの、“自分の感情で怒ったりしないこと”を決める良い機会だと思い直しました。

 

最初は決意し、やがては自然に、すべてが大好きな花ちゃん目線になっていたこと。

 

ご自身の大変さには触れることなく、花ちゃんのことを一心に話してくださったオーナーさんの言葉から、それこそがレジェンドの秘訣なのだと感じました。

 

フレンチブルドッグ

 

取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)

 

★「#レジェンドブヒ」で投稿お待ちしています!

フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております!

10歳を超えたブヒたちは、「#レジェンドブヒ」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。

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