2017年8月25日6,652 View

【海外取材】カナダで車内に取り残されたフレンチブルドッグ〜悲劇の裏側と、その後〜

カナダのオンタリオ州で起きた車中に残された犬の救出劇…以前French Bulldog Lifeでもご紹介しました。

あのフレンチブルドッグを救い、その動画をFacebookで公開したケビンさんに、この一件とオンタリオ州での活動についてインタビューをさせていただきました。

【取材協力:OSPCAケビン・ストローバンド監視員】

フレンチブルドッグ救出

Libraryfairy/shutterstock

閲覧数600万超—フレンチブルドッグ救出動画の裏側とその後

夏日だったある日、車中に残されたフレンチブルドッグを救ったOSPCA(オンタリオ州動物虐待防止協会)のメンバー。その時のようすがこちらです。

暑さに弱いフレンチブルドッグを灼熱の車内に残すなんて…。わたしたちフレブルオーナーには特に衝撃的だったこの動画。

 

当時撮影していたOSPCAのケビン・ストローバンドさんにお話をうかがいました。

 

 

—動画を観ると、あのフレンチブルドッグは隠されているように見えました。ケビンさんたちはどうやって見つけられたのでしょうか?

「わたしたちは、車中に残された犬を探しにパトロールをしているわけではなく、そういった犬を見つけた方々から電話で通報が来たときのために車で近隣をまわりながら待機しています。この日も発見した一般の方から通報をいただき、かけつけました。わたしはもうひとりの仲間のサポート役、それと録画をする係りでした」

 

—このフレンチブルドッグの飼い主にはどんな罰が待っているのでしょうか?

「一般的に、犬を車中に放置した者への罰は、罰金・保護観察・ペットを飼う権利の剥奪、レアなケースでは懲役刑などが考えられます。もちろん動物病院でかかったお金などの実費も飼い主が負担します。今回の場合、わたしたちが割った窓ガラスの修理代も飼い主負担になるので、およそ700カナダドル(約61,000円)を支払うことになるでしょう」

 

—窓ガラスを割っての救出劇が衝撃的でした。カナダではこういった場合、一般の人でも同じことをしても良いのでしょうか?

「オンタリオ州では、一般の方が窓ガラスを割って犬を救出することは法律で禁止されています。わたしたちOSPCAの者は『動物たちが苦痛を味わっている場合、住居を除くその現場へ踏み入っても良い』と認められているため、その現場が車内の場合は窓を割っても良いということになります。前の質問でも答えましたが、この場合の修理費などはすべて飼い主の負担になります」

 

—『No Hot Pets』を合言葉に、車中に残される犬をゼロにしようと活動されていると聞きました。実際の救出活動のほかに、どんなことをされていますか?

「インターネット上はもちろん、テレビや新聞などのメディアを通じてペットを車中に残さないよう、呼びかけています。“No Hot Pets”は、わたしたちが何度も何度もペットオーナーへ伝えているメッセージ。それにも関わらず、まだわたしたちが出動しなくてはいけないケースがあとを断ちません。今回わたしがビデオ撮影をしていたのも、活動の一環です。こうして動画をシェアすることで、もっと多くのオーナーにメッセージが伝わると信じています。実際このフレンチブルドッグの救出動画の閲覧数は現在のところ600万以上。動画をアップしていくことが一番効率の良い方法だと実感しています。また、Facebookではリマインダーとして、カバー画像にわたしたちの標語が書かれた画像を使用しています」

 

No excuses.(どんな言い訳も通用しない)というメッセージとともにFacebookのカバー画像として使われている画像がこちらです。

“I wasn’t going to be gone long(そんなに長い時間車から去るつもりはなかった)かどうかは関係ない、I was gone(わたしは去った)なのだ”

 

 

カナダのオンタリオ州から発信されたショッキングなフレンチブルドッグの動画。 ほんの少しのつもりが大切な命を奪うこともあるということ、国は違いますが、ケビンさんたちのメッセージがFrench Bulldog Lifeをご覧のみなさんにも伝わったと信じています。

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