2023年1月31日1,211 View

Q.手作りごはんは栄養バランスが難しいからカリカリがいいって本当?【ブヒの健康Q&A】

「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回のテーマはごはん。「手作りごはんは栄養バランスが難しいので、ドッグフードのほうがいい」とか「市販のフードより手作りごはんのほうが長生きする」など、愛ブヒに与えるごはんについてはさまざまな情報を耳にします。果たして「手作りより市販のほうがいい」という噂は本当なのでしょうか!?

ブヒの健康Q&A

 

皆さんの中には、手作りごはんにご興味のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ただし、手作りごはんをする上で注意すべきことがあるのか、やはり市販のごはんが良いのかなど気になりますよね。

 

今回はそんな『手作りごはん』についてお話していきたいと思います。

 

※この記事では、手作りごはんを『市販のものではなく、自宅で材料からつくるもの』としてお話していきます。例えば、茹でたササミをほぐしたものや野菜をペースト状にしたもの、などのことです。

 

手作りごはんのメリット

フレンチブルドッグ

Patryk Kosmider/Shutterstock

 

手作りごはんのメリットには、以下のようなものがあります。

 

・食物アレルギーの場合、アレルギー食材を避けることができる

・新鮮な旬の食材などを取り入れることができる

・好みの食材を使用できる

・保存料を使わず作製できる

 

何種類もの食物アレルギーにより、市販のご飯が与えられない子の場合は、アレルギー食材を避けて作製できる手作りごはんにせざるを得ないこともあるでしょう。

 

また、市販のものでは食いつきが良くなく、成長に支障をきたすようであれば手作りごはんを与えるべきかもしれません。

 

手作りごはんのデメリット

フレンチブルドッグ

Tienuskin/Shutterstock

 

一方、デメリットには以下のようなものがあります。

 

・栄養バランスが乱れる可能性がある

・摂取カロリーの過多、不足の可能性がある

・保存が利かない

・犬に与えると危険な食材がある

・健康を保証する長期的なデータが乏しい

 

タマネギなどの人間には害がない食材も、動物には毒性がある場合があります。

そのため、使用する食材には十分に注意する必要があります。

 

また、栄養バランスやカロリーを考慮して、適切な食事を作ることはとても難しいと言われています。

 

人間の栄養に詳しい方もいるかと思いますが、人間と動物では必要な栄養バランスが異なります。そのため、人間の栄養学をそのまま動物に適用してしまうのは危険。

 

一般的にはビタミンやミネラルが不足してしまう事が多いといわれ、それによって引き起こされてしまう病気もあります。

 

海外の報告では、手作りごはんで栄養が十分であったレシピはなかったとの結果も出ています。

 

さらに、腎臓病や糖尿病などの食事制限のある病気を患っている場合には、食事の内容が病気の治療に大きく関わるため、獣医師と相談の上、細心の注意を払ってください。

 

また、フード会社は多くの試験を行い、長期的なデータを元に販売を行っていますが、手作りごはんの場合は作り手特有のレシピであり、健康に関するデータは乏しいといえます。

 

栄養バランスの乱れが引き起こすもの

フレンチブルドッグ

kwanchai.c/Shutterstock

 

栄養バランスが乱れると、以下のような病気が発生するおそれがあります。

 

ビタミンA欠乏:夜盲症、皮膚疾患

ビタミンB欠乏:脚気

ビタミンD過剰:高Ca血症、成長期の骨異常

ビタミンD欠乏:くる病、骨折

 

上記は一例です。これらの他にも、栄養バランスが関係している病気は多数存在します。

 

なお、犬の場合、ビタミンCは体内で生成することができるため、摂取は必須ではありません。

 

ライフステージによるごはんの違い

フレンチブルドッグ

Ericaaa/Shutterstock

 

ライフステージによっても必要な栄養は変わってきます。

 

例えば、成長期はビタミンAやビタミンDの過剰により骨形成の異常が引き起こされることが知られています。

 

また、シニア期は代謝機能の低下に伴い、低カロリーにしなければ肥満を招いてしまうことに。さらに、嗅覚の低下に伴って、香りの強いものにする必要が出てくることも。

 

以上のことを踏まえ、自宅で1日2食、ごはんを手作りするというのは簡単なことではないでしょう。

 

自己流ではなく、必ず専門家に相談したり、手作りごはんの本で勉強したり、知識をしっかりと持った上で手作りをする必要があります。

 

まとめ

フレンチブルドッグ

DSAG/Shutterstock

栄養面において多くの試験がなされ、長期的なデータがある市販のごはんは、やはりご家族にとって心強い味方となるでしょう。

 

ただし、市販のごはんであれば絶対に栄養面で問題ない、というわけではありません。

 

中には人間の食品としては不適格な劣悪な原材料や添加物を使っていたり、温度や湿度が管理されていない環境で保存されていたりするものも。品質をしっかりと見極めることが重要です。

 

もし、手作りごはんを与える場合には、先述したように栄養バランスやカロリー、与えて良い食材かどうかなどをしっかりと学び、十分な注意を払ってください。

 

また、罹患している疾患によっては食事内容が制限される場合もありますので、かかりつけの病院で確認しましょう。

 

獣医師:小泉しずか

獣医師:小泉しずか

2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。

 

 

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