「使っていない」はNG!フレブルに合うクレートとは
国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回はクレートの選び方について。フレブルに合うクレートってどんなもの? 何を基準に選べばいいの? 一緒に考えてみましょう!
クレートは必要?
みなさんのおうちにクレート(ハウス)はありますか?
クレートとは、愛犬を中に入れて持ち運び出来る箱のこと。
1頭につき1つ以上は必要だと言われています。
前回のコラムではクレートがなぜ必要なのか、どんな場面で役立つのかをご紹介しました。
しかし、クレートが愛犬を守る道具になると分かってはいても「うちの子はクレートが苦手だから…」「入ってくれるものなら入れたいですよ(怒)」なんて声も聞こえてきそうです。
そこで今回は、「クレートトレーニングの方法をお伝えしましょう」… と、行きたいところですが、ちょっと待ったー! クレートトレーニング成功の第一歩は、うちの子に合うクレートを選ぶところからです。
今回は、愛ブヒにピッタリのクレートの選び方を詳しくご紹介します。次回のコラムで、実際のクレートトレーニングの進め方もお伝えしていきますので、お楽しみに。
大きさ編
愛ブヒに合うクレートを選ぶことは、クレートトレーニング成功への近道です。
愛ブヒに合っていないクレートでは、なかなかトレーニングがうまく行かないだけでなく身体に良くない影響をもたらしたり、安全が守られなかったりします。
愛ブヒ用のクレートを選ぶために、以下の項目をチェックしていきましょう。
<大きさ>
この3ポイントを満たすには、みなさんの想像よりも少し大きめのクレートを用意することになるかも知れません。
とはいえ、フレブルはまだいい方です。
ダックスフンドなんて頭の高さは低いのに、胴体が長い分だけ大きめのクレートになりますし、イタリアン・グレイハウンドなんて、背が高い分、やはり大きめのクレートを用意することになります。
また、子犬のころにピッタリサイズのクレートを用意した場合は、すでにサイズアウトしている可能性もあります。
数時間も中で過ごすこともあるクレートですから、身体をねじらないと寝られないとか、十分に首も伸ばせないような小さなサイズは、身体に良くないので避けましょう。
日常で使用する場合は少しゆとりをもったサイズがおすすめですが、車移動で使用するときに限り、揺れで酔いやすい子は、身体にフィットする少し狭めのクレートが良いこともあります。
構造編
クレートにはいろいろな形があります。
また、犬用だけではなく、猫用や小動物用などさまざな用途に分かれています。
<構造>
素材編
素材にもさまざまな種類があります。頑丈さや安全面、衛生面を踏まえて選びましょう。
<素材>
①クレート自体の素材:自分にあうものを探しましょう。プラスチック製のものだと、中を汚してしまったときなど、丸洗いもしやすいです。
布製の折りたたみが出来るものなどは、使わないときの収納が便利ですが、布にからんだブヒの短毛の掃除が大変です。
ワンタッチテントのような弱い素材や構造の物は、フレブルのパワーで破壊される可能性があるので避けましょう。
②扉の素材:扉部分の素材が、ステンレスの格子になっているものもあれば、メッシュとチャックになっているものもあります。
メッシュやチャックを破壊して脱走する猛者フレブルもいるので、愛ブヒに合わせて選びましょう。
③規定に合わせる:交通機関を利用する際は、各交通機関によってサイズや素材などの指定がある場合があります。念のため事前に確認しておきましょう。
④足元の素材:クレートの床部分が、板のように、面であれば問題ありません。
排泄物などが落ちるように網状になっているものだと、デリケートな肉球が傷みますし、快適ではないのでNGです。
クレート選びはトレーニングの近道!
ここまで、「大きさ」、「構造」、「素材」の面でクレートの選び方を紹介してきました。
たかがクレート選びと思われがちですが、愛ブヒとご家族様の暮らし方によって、たくさんの選択肢があります。
ペットグッズショップでは、最近流行の小型犬、超小型犬、猫用のサイズのクレートが置かれがち。
実物を見られないまま、ネットで購入する方も多いと思います。
愛ブヒの大きさだと、少し注意してお買い物しないと「あ、小さすぎた!」となってしまいます。
せっかく買ったクレートが、愛ブヒに合わなかったら、身体に悪い影響が出たり、トレーニングをする労力が何倍にもなってしまいます。ぜひ、愛ブヒにぴったりのクレートを選びましょう。
クレートを選んだら、さあクレートトレーニングの始まりです。
次回のコラムで実際のトレーニング方法を確認します。お楽しみに!
こんなときは、専門家に相談
クレートの選び方や愛犬がクレートに入れないことで困っているオーナーさんは、ひとりで悩まずに、ドッグトレーナーや獣医師、トリマーなどの専門家に相談をしてみましょう。
「自分だけでトレーニングしなきゃいけないのだ!」なんてことは、まったく、まーーーったくありません!
プロと一緒に力を合わせて、愛犬とオーナーさんが笑顔で過ごせる暮らしを作っていきましょう。
ドッグトレーナーに依頼をする場合は、複数人と面談するようにしましょう。
そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をしてくださいね。
自己紹介
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
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