俳優・吉沢悠の思うこと〜ぼくは、フレブル小春と家族になった〜
俳優の吉沢悠(ひさし)さんは、ブヒ愛好家のひとり。愛ブヒの小春(こはる)は元保護犬で、個人の里親募集サイトを通じてやってきた。
春の手前にやってきたから、小春。小さな春を見つけた少女のように、朗らかで幸せオーラに満ちた女の子。
吉沢さんと小春の出会い、保護犬を迎えることについてなど、お話をうかがいました。
目次
- 16年間ともに暮らしたレトリーバー「エメ」との別れ
- 自分は、保護犬を迎える選択肢の中にいる
- フレンチブルドッグにこだわりはなかった
- 問い合わせの中には、半分も…
- フレンチブルドッグ「小春」との生活
- 保護犬の中でも、飼える・飼えないがある
- これから犬を迎えようとしている方へ
- 吉沢悠(ひさし)プロフィール
目次
16年間ともに暮らしたレトリーバー「エメ」との別れ
「ぼくはもともと、ラブラドール・レトリーバーの「エメ」と暮らしていました。16年間ともに暮らしたエメが亡くなってから、しばらくは気持ちの切り替えができなかったですね。でも犬は大好きなので、飼う飼わないは別として、妻といっしょにシェルターや保護犬団体さんの元へ行って、いろんな犬たちと触れ合っていました。」
たくさんの保護犬と触れ合うなかで、少しずつ心に変化があらわれたという吉沢さん。
自分は、保護犬を迎える選択肢の中にいる
「保護犬と触れ合うほど、初めて犬を飼う方にはハードルが高いことを実感しました。ぼくは犬と暮らした経験があるので、一般的な知識はある…そのとき、今の自分は“保護犬を迎える選択肢の中にいる"と気づいたんです。エメと別れてから新しい子を迎えるにはまだ早い気がしていたけど、これに気づいたとき、新たな子を迎える意味を実感しましたね。」
じっさいに保護犬と触れ合う中で、迎える決心を固めていった吉沢さん。心に決めたきっかけは、先輩からのひと言も大きかった。
「保護犬を迎えようか悩んでいたとき、先輩俳優の上川隆也さんに相談をさせていただいたんです。上川さんは保護犬のノワールと暮らしてらっしゃるので。すると、『少しでも保護犬を迎えようと思っているなら、絶対にそうした方がいい』と力強いお言葉をいただいて。先輩からのひと言は、とても大きかったですね。」
フレンチブルドッグにこだわりはなかった
16年にわたるエメとの生活が、保護犬を迎えるという選択肢に結びついた吉沢さん。保護犬を迎える決心はついたものの、とくに犬種へのこだわりはなかったそうだ。
「じつは、特にフレンチブルドッグにこだわっていたわけではないんですよ。いろんな犬たちと触れ合ううちに、自ずと犬種はしぼられていきましたけどね。シーズーだったり和犬だったり。フレンチブルドッグもラインナップに入っていましたけど、“ぜったいフレブルがいい!"というわけではありませんでした。」
そう語る吉沢さんに運命の出会いがやってきたのは、あまりにも突然だった。
「ある日、インターネットで保護犬を見ていたら、目がギョロッと大きい1頭のフレンチブルドッグを見つけたんです。この子かわいいなぁと思って、すぐメールで妻に連絡をしたんですよ。そうしたら、送った2秒後に『ゼッタイこの子がいい!』と返信があって。ぼく以上に、運命を感じたようでした。正直いって、カワイイといえるような写真ではなかったですけど、なんかあるんですよねぇやっぱり(笑)」
のちに「小春(こはる)」と名付けられるそのフレンチブルドッグは、保護団体ではなく“個人"で里親を募集していたという。
「すぐに問い合わせをして、当時のオーナーさんの元へ行きました。散歩をしたりオーナーさんと話をしたり、いわゆる面談のようなものがありましたね。」
問い合わせの中には、半分も…
すると、「こんなことを言っていいのかわからないですけど…」と突然声をつまらせる吉沢さん。まだ生後5ヶ月だった小春の元には、およそ10件の里親希望の問い合わせがあったという。
「10件の問い合わせのうち、半分は業者さんだったみたいで…。まだ小さいから販売対象になると…。その話を聞いたときは、さすがに怖かったですね。ぼくたちの元へやってきてくれてよかったと、心から思っています。」
面談から数日後、当時のオーナーさんから「吉沢さんのご家族に決めさせていただきます」と連絡があった。そこから晴れてフレンチブルドッグが家族に加わり、「小春(こはる)」という名がつけられた。春の手前にやってきたから、小春。
フレンチブルドッグ「小春」との生活
ラブラドール・レトリーバー「エメ」との別れから、およそ1年後。フレンチブルドッグ「小春」との新しい生活がはじまった吉沢家。はじめてのフレンチブルドッグに、驚くこともあったという。
「レトリーバーのエメは、泳ぐのがとても上手だったんですよ。でも小春の場合は、どうも泳ぎが苦手らしくて(笑)こんなにも泳げないものかと驚きましたね。あとは、思った以上に明るい性格ってことかなぁ。ドッグランへ行くと『小春ちゃーん!』ってたくさんのオーナーさんが声をかけてくれますし、ムードメーカー的な存在になっています。ピュアなのかなぁ、ヒトも犬も大好きだし本当に明るい子ですよ。」
健康面でも、驚くことが多かったそうだ。
「話には聞いていたけれど、ここまで麻酔に弱いのかと…。小春は生まれつき軟口蓋が長く、少し走るとゼーゼーしていたので、避妊手術と同時に軟口蓋の手術をしたんです。手術当日の朝にあずけて、夕方に迎えにいったんですけど、ずっと一点を見つめていて…。次の日の夕方までボーッとしていましたね。フレブルに強い先生だと聞いていたので特に問題はなかったんでしょうけど、こんなに弱いんだなぁとビックリしました。」
その他にもお肌が荒れやすい小春のためにシャンプーを使いわけたり、腰回りに負荷がかからないように制御したりと、いわゆる“フレブルオーナーあるある"がたくさん飛び出した。
フレンチブルドッグが初めてとは思えないほどフレブル特有の病気に精通し、新米ブヒオーナーとは思えない知識量。これはなにより、フレンチブルドッグという生きもの、小春という家族と真剣に向き合っている証なのだろう。
さいごに、保護犬という選択肢についてお話をうかがった。
保護犬の中でも、飼える・飼えないがある
「たくさんの犬たちと触れ合う中で、保護犬の中にもいろんな子がいることを知りました。捨てられる前に自分がおかれていた状況によって、全然違うんですよね。保護犬団体さんへ行くと、野犬(ほとんどが和犬)の子が多くて。そういう子は、しつけだったりメンタルケアだったり、自ずと他の犬より労力がかかります。一日中いっしょにいられる環境なら飼えるかもしれないけど、ぼくも妻も仕事をしているので、それはどうしても難しい。留守番がある環境でその子たちを迎えるのは、どうしても無責任な気がして…。保護犬の中にも、ライフスタイルによって飼える子・飼えない子がいることを実感しましたね。」
これから犬を迎えようとしている方へ
「保護犬という存在を知ってほしいというのが一番ですね。ブリーダーさんから迎える子犬もかわいいけれど、保護犬たちの存在を知ることで選択肢が広がると思うんです。それぞれ個性がありますし、自分のライフスタイルに合った子を見つける幅も広がります。もし「保護犬を迎えよう」と思ったら、団体さんのところへ行ったりイベントに参加して、たくさんの保護犬と触れ合ってみるのもいいと思います。これからの生活を想像しやすくなりますし、保護犬を迎える心の準備ができるようになりますから。」
さらに吉沢さんはつづける。
「犬全般にいえることですが、特に保護犬の場合は勢いで飼えるものではないと思うんです。中には勢いで迎えて“想像と違った"という理由で、すぐに手放されてしまう子も大勢いますから。一度辛い思いをした子たちは、絶対に次は幸せにならなければいけないんです。保護犬の存在を知ったら、つぎは実際に触れ合ってみる。ライフスタイルを見直して家族会議を繰り返す…少しずつステップを踏んで、腰を据えて保護犬を迎えられたら、オーナーも犬も幸せですよね。」
吉沢悠(ひさし)プロフィール
生年月日:1978年8月30日
出身地 :東京都
血液型:B型
俳優。1998年に俳優デビューして以来、テレビドラマや映画を中心に活躍中。
近年では、映画『ちょき』や『エキストランド』など主演をつとめる作品も多く、役者の幅を広げ、人間味あふれる演技で幅広い層から支持される。
公開待機作に『マンハント』『生きる街』(18)などがある。
生粋の犬好きで、以前はゴールデン・レトリーバーのエメと16年間生活をともにした。
エメとの別れから1年後、里親募集情報サイトからフレンチブルドッグを引きとり、今もいっしょに暮らしている。愛ブヒの名前は「小春(こはる)」
※Special Thanks
Breakfast&Brunch Jade5(ジェイドファイブ)
TEL:03-6409-6335
住所:東京都渋谷区広尾5-17-6
営業:[火~日] 7:30~18:30(L.O.18:00)
休み:月曜日
ペット可
この記事はBUHI vol.45からの転載記事です。配信元または著者の許可を得て配信しています。
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