【取材】初めてのフレブル、子育てとの両立。だけど笑いが絶えない「ふみ」との6年間
今回取材したのはフレンチブルドッグの「ふみ」と暮らす、森さんファミリー。
夫婦そろって初めての犬、初めてのフレンチブルドッグ。不安やトラブルに加え、子育ても重なり、ふみとの距離に悩んだことも。
てんやわんやな毎日だけど「この子がいてくれて、本当によかった」。
そう笑顔で話すご家族の姿は、幸せに満ちあふれていた。
会話の端々からにじみ出る家族のかたちを、そっとお届けです。
これぞフレブル! 天真爛漫な「ふみ」登場

森さんファミリー
取材当日。森家の玄関を開けると、フレンチブルドッグの「ふみ」が一目散に駆け寄ってきた。
広々としたリビングを猛ダッシュして、気づけばコロンと転がりおなかを見せる。
無防備なその姿に、これぞフレブルだ! と取材班は一瞬でノックアウト。
ふみは6歳の女の子で、森さんご夫婦と4歳の”弟”とともに暮らす、クリームのフレンチブルドッグ。
森家にとっては、家族そのものだ。
運命の出会いから始まった

ふみ(6歳 女の子)
取材班が元気いっぱいなふみに頬をゆるませていると、ご主人がふみを見つめながらニコニコと話し始めた。
「実はね、ペットショップで初めてこの子に会ったとき、僕とまったく同じ誕生日だったんですよ。これはもう運命ですよね!」
ご主人の力強い声色から、今でも当時の驚きがうかがえる。
もともと犬を飼うことには慎重だったというご主人。けれどなぜか、フレンチブルドッグだけには惹かれていたという。
「もともと動物はあまり得意じゃなかったんです。でも、フレブルってなんか…不器用で、それがすごく愛おしくて」
隣で奥様がうなずいた。
「私も、最初は不安だったんです。初めての犬だったし、フレンチブルドッグは病気が多いって聞いていたから。でもね、この子を初めて抱っこしたとき、胸のなかで“ぐうぅ”って寝息を立てたんです。その瞬間、もうこの子だって決めましたね」
小さなカラダ、たくさんの不安
ふみが家族になってすぐの頃。森家には、たびたび緊急事態が起きていた。
「ある日、口から真っ黒な水を吐いたんです。もう、本当に焦って。呪われたんじゃないかって思うくらい」
そう語るのは奥様。何が原因かも分からず、ただただ不安と闘う日々だったという。
ご主人も当時を振り返る。
「何かあるたびに病院に駆け込んでましたね。顔がパンパンに腫れたときもあって、先生にアレルギーかもって言われたけど、原因ははっきりしなくて。フレンチブルドッグはそういうことが多い犬種ですけど、怖くて仕方なかったですよ」

ふみが安全に過ごせるよう、室内はできるだけシンプルに。
それを聞いた奥様が、少し笑いながら口を開いた。
「もう主人が心配性で(笑)。たしかにフレンチブルドッグは繊細ですけど、ほんの少し何かある度に、病院行ってくる! って。なんかここ変ちゃう? 様子おかしいんちゃう? とか(笑)。女の子だから余計に心配だったのかもしれませんね」
それを聞いたご主人は、少し照れくさそうに語り始めた。
「ふみはお転婆なので、小さい頃はイタズラやトラブルも多かったんですよ。そのたびに叱ったり病院へ行ったり、それでも笑顔にしてくれる回数の方が圧倒的に多くて。最初は、“犬を飼っている”っていう感覚でしたけど、そんな日々を重ねるうちに、気づけば“うちの子”になっていたんですよね」
と、ご主人は静かに笑うのだった。
息子の誕生。ふみと家族の距離感
ふみが家族になって2年が経ったころ。森家に新たな命が誕生した。
これは家族にとって嬉しい出来事であったと同時に、ふみにとっては、自分の居場所が少しずつ変わっていく時間でもあったという。
奥様はふみを優しくなでながら、話し始める。
「赤ちゃん(息子)が生まれてから、ふみが震えるようになったんです…。今思えば、赤ちゃん返りだったのかもしれません。それまで私の膝の上はふみの定位置だったのに、そこに赤ちゃんがくるようになって」

天気がいい日は、庭でボール遊び。
ふみを不安に思ったご夫婦は、かかりつけ医に相談したという。
「先生に当時の状況を細かくお伝えしたら、“犬も精神的に揺れることはあります”と言われてハッとしました。それから、ふみと息子の距離を少しずつ調整するようにしたんです」
そう話す奥様に、ご主人が思い出したように口を開く。
「ちょうど息子が動き始めたころですかね。急に動き出したものだから、ふみがビックリしたみたいで。思わず息子の手を噛んでしまったことがありました。幸い大事には至らなかったので今となっては笑い話ですけど、あのときは本当に焦りましたよ」
ふみが教えてくれた、心の余裕
森さんご夫婦いわく、ふみは生粋のいたずらっ子だという。
「毛布を破って綿を全部出したり、帰ってきたらセロハンテープの芯が跡形もなく消えていたり…あれ!? 食べた!? って」
と、奥様が少し呆れたように笑う。
「でも、最初の一年で鍛えられましたから。今はもう、あわてません」
肩をすくめる奥様の表情は、どこか誇らしげだ。
「昔だったらすぐに病院に電話していたと思うんです。でも今は、たぶん大丈夫って、一度立ち止まれるようになりました。ふみが私たちを親にしてくれた、そんな気がします」
すると、ご主人が「僕の担当は、お風呂と朝の散歩」と唐突に口を挟む。
突然な上、やや得意げな口ぶりに、奥様がすかさず笑って言葉を返した。
「でもさ、ふみってあなたのときだけ、すごく素直に湯船に入るんだよね? 私のときは毎回、なぜか逃げ腰(笑)」
「いや、あれは信頼関係の差やで」
「なにそれー!」と言いながら、思わず爆笑する奥様。
そしてご主人は、ニコニコと笑いながら続ける。
「ふみが来る前は夜型だったので、最初は犬の散歩ってこんなに朝早いの!? って思いました。でも、早朝の静かな道をふみと歩いていると、不思議と気持ちが整うというか…。今では毎朝ちゃんと起きて散歩して、ごはんを食べて。人間て変われるもんですよ」
奥様もそれに応えるように言葉を継ぐ。
「私も最初は寝坊してばかりだったけど、ふみが枕元で“くぅん…”って鳴いてくると、もう起きるしかない(笑)。今は、早起きがちょっと楽しみです」
ふみが変えたのは、家族のスケジュールだけではない。
生活のリズムといっしょに、”心のリズム”も整えてくれていた。
そして、次の夢はブヒキャンプ
さいごに、これからふみとやりたい事を聞いてみた。
すると「そういえば、もうすぐ新しい車が届くんですよ」とご主人。
「それで、ふみと息子を連れてキャンプに行くのが夢で。実はもう、フレブル仲間とキャンプ場を貸し切ってるんです」
それを聞いた奥様が、笑いながら口を挟む。
「でもさ、あなた絶対テント立てる途中で“もういいや”って言うでしょ(笑)」
「バレてる(笑)。そのときはもう、こたつ持っていこかな。電源もあるって聞いたし」
「手抜き…(笑)」
「こたつの方が、ふみも温かいやろ」
「そうだけど…! でも寝袋は“ふみサイズ”で用意しなきゃね!」
気づけばすっかり、プライベートトークに花を咲かせていたご夫婦。
そんなふたりのやりとりを聞いていたかのように、ふみがソファで大きく伸びをした。
そして一瞬だけこちらを向き、スンッと鼻を鳴らしてまた、丸くなったのだった。
きっと今ごろ夢の中で、家族そろって、焚き火のそばにいるのだろう。
家族みんなの笑い声に包まれながらーー。
photo:Hiroaki Otake
text:Chika(editor-in-chief)
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